コンフィギュレーション ロガー永続性
コンフィギュレーション ロガー永続性機能は「クイック保存」機能を実装することで、Cisco IOS コンフィギュレーションとプロビジョニング アクションの運用上の堅牢性を高めます。コンフィギュレーション ロガー永続性機能を設定すると、Cisco IOS ソフトウェアはスタートアップ コンフィギュレーション全体を保存するのではなく、最後の startup-config ファイルが生成された時点から入力されたコマンドだけを保存します。
この章で紹介する機能情報の入手方法
使用する Cisco IOS ソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている特定の機能に関する説明へのリンク、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「コンフィギュレーション ロガー永続性の機能情報」を参照してください。
プラットフォームと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポート情報の入手方法
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォーム、Cisco IOS ソフトウェア イメージ、および Cisco Catalyst OS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
コンフィギュレーション ロガー永続性の前提条件
コンフィギュレーション ロガー永続性機能をイネーブルにするには、disk0: を構成し、ルータ上に外部フラッシュ カードを挿入する必要があります。
コンフィギュレーション ロガー永続性機能の最適な結果を実現するためには、Cisco IOS Release 12.2(33)SRA、Release 12.4(11)T、Release 12.2(33)SXH、あるいは Release 12.2(33)SB をシステムにインストールする必要があります。
コンフィギュレーション ロガー永続性について
コンフィギュレーション ロガー永続性機能を理解して使用するには、次の概念をよく理解しておくことを推奨します。
• コンフィギュレーション ロガー永続性を使用したコンフィギュレーション ファイルの保存
• 保持されたコマンド
コンフィギュレーション ロガー永続性を使用したコンフィギュレーション ファイルの保存
Cisco IOS ソフトウェアは startup-config コンフィギュレーション ファイルを使用して、リロード全体でルータ コンフィギュレーション コマンドを保存します。この 1 つのファイルには、ルータの再起動時に適用する必要があるコマンドがすべて含まれています。 write memory コマンドまたは copy url startup-config コマンドを入力するたびに、startup-config コンフィギュレーション ファイルが更新されます。running-config ファイルのサイズが大きくなると、startup-config ファイルを NVRAM ファイル システムに保存する時間が長くなります。startup-config ファイルは 1 MB 以上になることもあります。このサイズのファイルの場合、startup-config ファイルの 1 行を変更すると、ほとんどのコンフィギュレーションが変更されていない場合でも、全体の startup-config ファイルを再度保存する必要があります。
コンフィギュレーション ロガー永続性機能は「クイック保存」機能を実装します。この目的は、startup-config ファイルの変更を保存する時間が保存する(startup-config ファイルと相対した)差分変更のサイズに比例する「コンフィギュレーション保存」メカニズムを提供することです。
Cisco IOS コンフィギュレーション ロガーはコマンドライン プロンプトから手動で入力したすべての変更をログ出力します。この機能では、ログの変更が発生したときに登録済みのクライアントに通知します。設定ログの内容はランタイム メモリに保存されます。ログの内容は再起動後は保持されません。
コンフィギュレーション ロガー永続性機能は、リロード全体でユーザが入力したコンフィギュレーション コマンドを保持するメカニズムです。Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)で入力したコマンド(コンフィギュレーション モードで入力したコマンド)だけがリロード全体で保持されます。この機能は Cisco IOS のセキュア ファイル システムを使用して、生成されるコンフィギュレーション コマンドを保持します。
(注) Cisco IOS コンフィギュレーション ロガーはシステム メッセージ ロギング(syslog)ファシリティとは異なります。Syslog はシステム メッセージを追跡するための一般的なログ ファシリティです。コンフィギュレーション ロガーは CLI で入力されたコンフィギュレーション コマンドに関する情報を追跡します。
保持されたコマンド
Cisco IOS コンフィギュレーション ロガーで保持されたコマンドはスタートアップ コンフィギュレーションの拡張として使用されます。これらの保存済みコマンドはクイック保存機能を提供します。startup-config ファイル全体を保存するのではなく、Cisco IOS ソフトウェアは最後の startup-config ファイル生成以降入力されたコマンドだけを保存します。
ログ出力されたコマンドだけが保持されます。コンフィギュレーション ロガーの次の追加データは保持 されません 。
• コマンドを出力したユーザ
• ユーザがログインした IP アドレス
• ログ出力されたコマンドのセッションとログ インデックス
• コマンドの入力時刻
• 入力されたコマンドに関連付けられている前後の NVGEN 出力
• 入力されたコマンドの Parser Return Code 出力
保持されたコマンドの主な目的は、startup-config ファイルのクイック保存拡張として使用することです。コンフィギュレーション コマンドに関連付けられている追加情報はクイック保存目的では有用ではありません。(監査目的などで)再起動後に追加情報を保持する場合は、次の手順を実行します。
1. Syslog へのコンフィギュレーション ロガー通知をイネーブルにします。
2. Syslog 保持機能をイネーブルにします。
あるいは、Cisco Networking Services、CiscoView、Cisco IOS デバイスを管理して標準外のストレージ ソリューションの構成変更を追跡するその他のネットワーク管理システムを使用できます。
デフォルトでは、リロード時に保持されたコマンドが startup-config ファイルに追加されます。CLI コンフィギュレーション コマンドを使用して明示的にこの動作を設定した場合にだけこれらのコマンドが適用されます。
コンフィギュレーション ロガー永続性機能を設定する方法
この項では、次について説明します。
• コンフィギュレーション ロガー永続性機能のイネーブル化(必須)
• コンフィギュレーション ロガー永続性機能の検証とトラブルシューティング(任意)
コンフィギュレーション ロガー永続性機能のイネーブル化
コンフィギュレーション ロガー永続性機能はクイック保存メカニズムを実装するため、スタートアップ コンフィギュレーションの変更を保存するためにかかる時間が、保存する必要がある(スタートアップ コンフィギュレーションと相対した)差分変更のサイズに比例します。Cisco IOS コンフィギュレーション ロガーで保持されたコマンドはスタートアップ コンフィギュレーションの拡張として使用されます。スタートアップ コンフィギュレーションの拡張として使用される保存済みコマンドはクイック保存機能を提供します。startup-config ファイル全体を保存するのではなく、Cisco IOS ソフトウェアは最後の startup-config ファイル生成以降入力されたコマンドだけを保存します。
コンフィギュレーション ロガー永続性機能をイネーブルにするには、次の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. archive
4. log config
5. logging persistent { auto | manual }
6. logging persistent reload
7. logging size entries
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
archive
Router(config)# archive |
アーカイブ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
log config
Router(config-archive)# log config |
アーカイブ configuration-log コンフィギュレーション モードをイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
logging persistent { auto | manual }
Router(config-archive-log-cfg)# logging persistent auto |
コンフィギュレーション ロギング永続機能をイネーブルにします。 • auto キーワードは、各コンフィギュレーション コマンドが自動的に Cisco IOS セキュア ファイル システムに保存されることを指定します。 • manual キーワードは、コンフィギュレーション コマンドを Cisco IOS セキュア ファイル システムにオンデマンドで保存できることを指定します。これを実行するには、 archive log config persistent save コマンドを使用する必要があります。 コマンドをイネーブルにするには、disk0: を構成し、ルータ上に外部フラッシュ カードを挿入する必要があります。 |
ステップ 6 |
logging persistent reload
Router(config-archive-log-cfg)# logging persistent reload |
続いて、リロード後に、コンフィギュレーション ロガー データベースに保存された(最後の write memory コマンド以降)コンフィギュレーション コマンドを running-config ファイルに適用します。 |
ステップ 7 |
logging size entries
Router(config-archive-log-cfg)# logging size 10 |
設定ログに保持する最大エントリ数を指定します。 • 有効な値の範囲は、1 ~ 1000 です。 • デフォルト値は 100 エントリです。 |
コンフィギュレーション ロガー永続性機能の検証とトラブルシューティング
3 つのコマンドを使用して、設定ログの内容を検証、アーカイブ、クリアできます。トラブルシューティングでは、ステップ 4 のコマンドでデバッグをオンにします。
手順の概要
1. show archive log config persistent
2. clear archive log config persistent
3. archive log config persistent save
4. debug archive log config persistent
手順の詳細
ステップ 1 show archive log config persistent
このコマンドは設定ログに保持されたコマンドを表示します。このコマンドは configlet 形式で表示されます。次に、このコマンドのサンプル出力を示します。
Router# show archive log config persistent
!Configuration logger persistentarchive
logging persistent reload
ip address 10.1.1.1 255.255.255.0
ip address 10.2.2.2 255.255.255.0
ステップ 2 clear archive log config persistent
このコマンドはコンフィギュレーション ロギング永続データベース エントリをクリアします。コンフィギュレーション ロギング データベース ファイルのエントリだけが削除されます。新しいエントリをログ出力するために使用されるため、ファイル自体は削除されません。このコマンドを入力すると、アーカイブ ログがクリアされたことを示すメッセージが表示されます。
Router# clear archive log config persistent
Purged the config log persist database entries successfully
ステップ 3 archive log config persistent save
このコマンドは Cisco IOS セキュア ファイル システムに設定ログを保存します。このコマンドが動作するには、 archive log config persistent save コマンドを設定する必要があります。
ステップ 4 debug archive log config persistent
このコマンドはデバッグ機能をオンにします。デバッグがオンになっていることを示すメッセージが返されます。
Router# debug archive log config persistent
debug archive log config persistent debugging is on
コンフィギュレーション ロガー永続性機能の設定例
この項では、Cisco 7200 シリーズ ルータでのコンフィギュレーション ロガー永続性機能の設定例を示します。
• Cisco 7200 シリーズ ルータでのコンフィギュレーション ロガー永続性機能の設定:例
Cisco 7200 シリーズ ルータでのコンフィギュレーション ロガー永続性機能の設定:例
この例では、各コンフィギュレーション コマンドが自動的に Cisco IOS セキュア ファイル システムに保存され、(最後の write memory コマンドの実行以降)コンフィギュレーション ロガー データベースに保存されたコンフィギュレーション コマンドが running-config ファイルに適用され、設定ログに保持される最大エントリ数が 10 に設定されます。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config-archive)# log config
Router(config-archive-log-config)# logging persistent auto
configuration log persistency feature enabled. Building configuration... [OK]
Router(config-archive-log-config)# logging persistent reload
Router(config-archive-log-config)# logging size 10
Router(config-archive-log-config)# archive log config persistent save
Router(config-archive-log-config)# end
その他の関連資料
次の項に、コンフィギュレーション ロガー永続性機能に関する参考資料を示します。
規格
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この機能によってサポートされる新しい規格や変更された規格はありません。 |
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MIB
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この機能によってサポートされる新しい MIB または変更された MIB はありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、および機能セットの MIB を検索してダウンロードする場合は、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 http://www.cisco.com/go/mibs |
RFC
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この機能によってサポートされる新しい RFC や変更された RFC はありません。 |
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シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 • テクニカル サポートを受ける • ソフトウェアをダウンロードする • セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける • ツールおよびリソースへアクセスする – Product Alert の受信登録 – Field Notice の受信登録 – Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 • Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する • トレーニング リソースへアクセスする • TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/techsupport |
コンフィギュレーション ロガー永続性の機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、Cisco IOS ソフトウェア イメージおよび Catalyst OS ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していない限り、その機能は、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。
表 1 コンフィギュレーション ロガー永続性の機能情報
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コンフィギュレーション ロガー永続性 |
12.2(33)SRA 12.4(11)T 12.2(33)SXH 12.2(33)SB |
コンフィギュレーション ロガー永続性機能は「クイック保存」機能を実装することで、Cisco IOS コンフィギュレーションとプロビジョニング アクションの運用上の堅牢性を高めます。Cisco IOS Release 12.2(33)SRA、Release 12.4(11)T、Release 12.2(33)SXH、Release 12.2(33)SB で有効な Cisco IOS ソフトウェアはスタートアップ コンフィギュレーション全体を保存するのではなく、最後の startup-config ファイルが生成された時点から入力されたコマンドだけを保存します。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「コンフィギュレーション ロガー永続性について」 • 「コンフィギュレーション ロガー永続性機能を設定する方法」 |
用語集
API :アプリケーション プログラミング インターフェイス。
CAF :コマンド アクション機能。
CDP :Cisco Discovery Protocol。
CSB :コマンド ステータス ブロック。
HA :高可用性アーキテクチャ。
MIB :Management Information Base(管理情報ベース)。
NAF :NVGEN アクション機能。
NVGEN :不揮発性生成。
NVRAM :不揮発性ランダム アクセス メモリ。
parse chain :Cisco IOS コマンドの構文を定義する一連の C 言語マクロ。
RP :Route Processor(ルート プロセッサ)。
SNMP :Simple Network Management Protocol(簡易ネットワーク管理プロトコル)。
XML :eXtensible マークアップ言語。
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