システム メモリのメンテナンス
この章では、さまざまなタイプのメモリをルータで保守および使用する方法について説明します。このマニュアルは、Cisco IOS Release 12.2 に適用されます。
この章に記載されているメモリ コマンドの詳細については、『Release 12.2 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』の「Router Memory Commands」の章を参照してください。この章で説明される他のコマンドの資料を検索するには、『 Cisco IOS Command Reference Master Index 』を使用するかオンラインで検索します。
特定の機能がサポートされているハードウェアまたはソフトウェアを識別するには、Cisco.com にある Feature Navigator を使用して機能に関する情報を検索するか、または特定のリリースのソフトウェア リリース ノートを参照してください。詳細については、「 About Cisco IOS Software Documentation 」の章の「 Identifying Platform Support for Cisco IOS Software Features 」の項を参照してください。
メモリ タイプおよび機能の概要
ルータには、イメージ、コンフィギュレーション ファイルおよびマイクロコードを格納できる場所が多数あります。ルーティング デバイスに含まれるメモリのタイプ、ファイルを格納(保存)できる場所、イメージおよびブート イメージのデフォルトの場所の詳細については、ご使用のハードウェアのマニュアルを参照してください。ここでは、次のメモリ タイプについて説明します。
• ダイナミック ランダムアクセス メモリ(DRAM)
• EPROM
• NVRAM
• フラッシュ メモリ
ダイナミック ランダムアクセス メモリ(DRAM)
Dynamic Random-Access Memory(DRAM; ダイナミック ランダムアクセス メモリ)には、次の 2 種類のメモリがあります。
• プライマリ、メイン、またはプロセッサ メモリ。CPU で Cisco IOS ソフトウェアを実行し、実行コンフィギュレーションおよびルーティング テーブルを保持するために予約されています。
• 共有、パケット、または I/O メモリ。ルータのネットワーク インターフェイスにより送受信されるデータをバッファに入れます。
Cisco 3600 シリーズ ルータで、メイン メモリおよび共有メモリに割り当てる DRAM の割合を設定するには、 memory-size iomem コマンドを使用します。
DRAM は通常 Dual in-line Memory Module(DIMM)に搭載されます。
EPROM
Erasable Programmable Read-Only Memory(EPROM)は単純に ROM と呼ばれることもあります。シスコ デバイスでは、EPROM には次のものが含まれます。
• ROM モニタ ソフトウェア。ROM のトラブルシューティング用のユーザ インターフェイスを提供します。
• ブート ローダ/ヘルパー ソフトウェア。有効な Cisco IOS イメージをフラッシュ メモリで検出できない場合にルータ ブートをサポートします。
NVRAM
Non-Volatile Random-Access Memory(NVRAM; 不揮発性 RAM)は、次の情報を格納します。
• クラス A フラッシュ ファイル システム プラットフォームを除く、すべてのプラットフォームのスタートアップ コンフィギュレーション ファイル(クラス A フラッシュ ファイル システム プラットフォームでは、スタートアップ コンフィギュレーションの場所は、CONFIG_FILE 環境変数により異なります)。
• ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ。ルータのブート時に使用するイメージの判別に使用されます。
フラッシュ メモリ
フラッシュ メモリは、Cisco IOS ソフトウェア イメージを格納します。ほとんどのプラットフォームでは、ブート イメージまたはコンフィギュレーション ファイル、あるいはこれらの両方を格納できます。
ハードウェア プラットフォームによっては、フラッシュ メモリを EPROM、Single In-line Memory Module(SIMM; シングル インライン メモリ モジュール)Dual in-line Memory Module(DIMM)、フラッシュ メモリ カードとして使用できます。各プラットフォームで使用できるフラッシュ メモリのタイプについては、該当するハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイドを参照してください。
プラットフォームによっては、フラッシュ メモリを次の形式で使用できます。
• 内部フラッシュ メモリ
– 内部フラッシュ メモリにはシステム イメージが含まれます。
– プラットフォームによっては、1 つのインライン メモリ モジュール(つまり 1 つの SIMM)に複数バンクのフラッシュ メモリが使用されます。SIMM で 2 バンクのフラッシュ メモリが使用される場合、これは、 デュアル バンク フラッシュ メモリ と呼ばれます。バンクは、個別の論理デバイスにパーティショニングできます。フラッシュ メモリをパーティショニングする方法については、 フラッシュ メモリのパーティショニングの項を参照してください。
• ブートフラッシュ
– ブートフラッシュには、通常、ブート イメージが含まれます。
– ブートフラッシュには、ROM モニタが含まれることもあります。
• フラッシュ メモリ PC カードまたは PCMCIA カード
Personal Computer Memory Card International Association(PCMCIA; パーソナル コンピュータ メモリ カード国際協会)スロットに挿入されるフラッシュ メモリ カード。このカードは、システム イメージ、ブート イメージおよびコンフィギュレーション ファイルの格納に使用されます。
(注) Cisco 3600 シリーズおよび Cisco 7000 ファミリなど、一部のプラットフォームによっては、いくつかの場所からイメージをブートし、コンフィギュレーション ファイルを読み込むことができます。このようなシステムでは、特殊な ROM モニタ環境変数を使用して、ルータがさまざまな機能で使用するイメージおよびコンフィギュレーション ファイルの場所とファイル名を指定します。
通常、Cisco ルータは、システム イメージをフラッシュ ストレージから RAM にロードし、Cisco IOS を実行します。ただし、Cisco 1600 シリーズおよび Cisco 2500 シリーズなど、一部のプラットフォームは、Cisco IOS オペレーション システムをフラッシュ メモリから直接実行します。このようなプラットフォームは、run-from-Flash メモリ システムです。
フラッシュ メモリをパーティショニングする場合、再配置可能なイメージを使用する必要があります。再配置可能なイメージは、フラッシュの任意の場所から実行でき、イメージを任意の場所にダウンロードできます。再配置不可能なイメージを再配置可能なイメージにアップグレードする場合、イメージがフラッシュ メモリの最初のファイルとしてダウンロードされるように、ダウンロード中にフラッシュ メモリを消去する必要があります。Cisco IOS リリース 11.0 以降の run-from-Flash プラットフォームでは、すべてのイメージが再配置可能です。イメージがフラッシュから実行される(run-from-Flash)イメージか、再配置可能かを判別するには、「 システム イメージのロードおよびメンテナンス 」の章の「 イメージの命名規則 」の項を参照してください。
フラッシュ メモリは、偶発的な消去やプログラミング変更に対する書き込み保護を提供します。プラットフォームによっては、書き込み保護ジャンパがあります。このジャンパを取り外すと、フラッシュ メモリのプログラミング変更を防ぐことができます。プログラミングが必要な場合、このジャンパを取り付けます。また、プラットフォームによっては、フラッシュ メモリ カードで書き込み保護が提供されています。この機能は、データの保護に使用できます。フラッシュ メモリ カードにデータを書き込むには、このスイッチを 非保護 に設定する必要があります。セキュリティ ジャンパおよび書き込み保護スイッチについては、ご使用のハードウェアのマニュアルを参照してください。
(注) システムの内部フラッシュおよびフラッシュ メモリ カードは、フラッシュ メモリの連続するバンクとして使用することはできません。
システム メモリ情報の表示
システム メモリに関する情報を表示するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
|
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Router# show flash-filesystem : [ all | chips | filesys ] |
クラス A ファイル システムのフラッシュ メモリに関する情報を表示します。 |
Router# show flash-filesystem : [ partition number ] [ all | chips | detailed | err | summary ] |
クラス B ファイル システムのフラッシュ メモリに関する情報を表示します。 |
Router# show flash-filesystem : |
クラス C ファイル システムのフラッシュ メモリに関する情報を表示します。 |
Router# show file systems |
ルータで現在サポートされているファイル システムの名前を表示します。 |
フラッシュ メモリのパーティショニング
ほとんどのクラス B フラッシュ ファイル システムでは、フラッシュ メモリのバンクを個別の論理デバイスにパーティショニングできます。これにより、ルータは、さまざまな種類のソフトウェア イメージを複数保持および保守できるようになります。このパーティショニングにより、ソフトウェアをフラッシュ メモリに書き込みながら、フラッシュ メモリの別のバンクでソフトウェアを実行できます。
パーティショニングをサポートするシステム
フラッシュ メモリをパーティショニングするには、少なくとも 2 バンクのフラッシュ メモリが必要です。バンクは、4 チップのセットです。また、システムが、2 バンクのフラッシュ メモリを使用するシングル SIMM をサポートしている必要があります。パーティショニングの最小サイズは、バンクのサイズです。
(注) CiscoFlash MIB 変数は、パーティショニングされたフラッシュをサポートしています。
フラッシュ メモリをパーティショニングするメリット
フラッシュ メモリをパーティショニングすると、次のようなメリットがあります。
• システムでは、1 つの論理フラッシュ メモリ デバイスを使用するのではなく、パーティショニングすることで、フラッシュ メモリのさまざまなファイルをより簡潔に管理できます。これは、特に、フラッシュ メモリのサイズが大きい場合に有効です。
• フラッシュ メモリからコードを実行するシステムでは、パーティショニングすることで、フラッシュ メモリ バックのファイル システムに新しいイメージをダウンロードしつつ、他のバンクのファイル システムから、イメージを実行することができます。ダウンロードは簡単で、ネットワーク停止やダウンタイムも発生しません。ダウンロードが完了したら、必要なときに、新しいイメージに切り替えることができます。
• 1 つのシステムで 2 種類の異なるイメージを保持し、その 1 つをもう一方のバックアップとして使用できます。そのため、ダウンロードされたイメージが何らかの理由でブートできない場合、それよりも前に実行していた正常なイメージを利用できます。各バンクは、個別のデバイスとして扱われます。
フラッシュ ロード ヘルパーとデュアル フラッシュ バンク
フラッシュ ロード ヘルパーは、フラッシュ メモリのシングル バンクが 1 つある run-from-Flash システムでシステム ソフトウェアをアップグレードできるソフトウェア オプションです。これは、1 つの SIMM で 2 バンクのフラッシュ メモリを必要とする、デュアル バンク フラッシュよりも低コストなソフトウェア アップグレード ソリューションです。フラッシュ ロード ヘルパーは、Cisco 2500 シリーズ、Cisco 3000、Cisco 5200 など、run-from-Flash プラットフォームだけで使用できます。
次のいずれかの場合、フラッシュを 2 つのバンクにパーティショニングせずに、フラッシュ ロード ヘルパーを使用します。
• 現在のシステム イメージが実行されているバンクと同じバンクに新しいファイルをダウンロードする。
• バンクよりサイズの大きいファイルをダウンロードするため、シングル バンク モードに切り替える。
• シングル バンク Flash SIMM が 1 つだけインストールされている。この場合、フラッシュ ロード ヘルパーは、ソフトウェアのアップグレードに最適です。
フラッシュ ロード ヘルパーの使用については、 フラッシュ ロード ヘルパーを使用した Run-from-Flash システムでのソフトウェアのアップグレードの項を参照してください。
フラッシュ メモリのパーティショニング
フラッシュ メモリをパーティショニングするには、グローバル コンフィギュレーション モードで、次のコマンドをいずれかの形式で使用します。
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Router(config)# partition flash partitions [ size1 size2 ] |
フラッシュ メモリをパーティショニングします。 |
Router(config)# partition flash-filesystem : [ number-of-partitions ] [ partition-size ] |
Cisco 1600 および 3600 シリーズでフラッシュ メモリをパーティショニングします。 |
この作業が正常に行われるのは、システムに少なくとも 2 バンクのフラッシュ メモリがある場合だけです。パーティショニングにより、フラッシュ メモリの既存のファイルがパーティション間で分割されることはありません。
Cisco 1600 シリーズおよび Cisco 3600 シリーズ以外のすべてのプラットフォームでは、フラッシュ メモリは 2 つのパーティションだけにパーティショニングできます。
Cisco 1600 シリーズおよび Cisco 3600 シリーズでは、フラッシュ メモリ デバイスで作成できるパーティションの数は、デバイスのバンクの数と同じになります。フラッシュ メモリ デバイスのバンクの数を表示するには、 show flash-filesystem : all コマンドを入力します。設定するパーティション サイズ エントリの数は、指定するパーティションの数と同じでなければなりません。たとえば、 partition slot0: 2 8 8 コマンドは、各サイズ 8 MB の 2 つのパーティションを設定します。最初の 8 は、最初のパーティションに対応し、2 番目の 8 は、2 番目のパーティションに対応します。
(注) このパーティションを削除するには、no partition コマンドを使用します。
フラッシュ ロード ヘルパーを使用した Run-from-Flash システムでのソフトウェアのアップグレード
フラッシュ ロード ヘルパーは、フラッシュ メモリのシングル バンクが 1 つある run-from-Flash システムでシステム ソフトウェアをアップグレードできるソフトウェア オプションです。これは、1 つの SIMM で 2 バンクのフラッシュ メモリを必要とする、デュアル バンク フラッシュよりも低コストなソフトウェア アップグレード ソリューションです。
フラッシュ ロード ヘルパーのソフトウェア アップグレード プロセスは簡単で、追加のハードウェアも必要ありませんが、ネットワーク ダウンタイムが若干発生します。フラッシュから実行しているシステム イメージは、ブート ROM がフラッシュ ロード ヘルパーをサポートしている場合だけ、フラッシュ ロード ヘルパーを使用できます。それ以外の場合、フラッシュ アップグレードを手動で実行する必要があります。「Manually Boot from Flash Memory」の項を参照してください。
フラッシュ ロード ヘルパーは、ROM ベース イメージのリロード、ソフトウェアのフラッシュ メモリへのダウンロード、フラッシュ メモリ内のシステム イメージのリブートを行う自動化された手順です。フラッシュ ロード ヘルパーは、チェックおよび検証を行い、フラッシュ アップグレードを最大限成功させ、フラッシュ メモリが消去された状態、またはブートできないファイルが書き込まれている状態にすることを最小限に押さえます。
run-from-Flash システムでは、ソフトウェア イメージは、RAM ではなくフラッシュ EPROM に格納され、ここから実行されます。これにより、メモリ コストが軽減します。run-from-Flash システムには、イメージを保持できるだけの十分なフラッシュ EPROM、およびルーティング テーブルとデータ構造を保持できるだけの十分なメイン システム RAM が必要です。ただし、フル イメージは RAM に常駐しないため、run-from-RAM システムと同じ容量のメイン システム RAM は必要ありません。run-from-Flash システムには、Cisco 2500 シリーズおよび一部の Cisco 3000 シリーズが含まれます。
フラッシュ ロード ヘルパーの機能
フラッシュ ロード ヘルパーは、次の機能を実行します。
• 指定サーバの指定ソース ファイルへのアクセスを確認してから、フラッシュ メモリを消去し、実際のアップグレードの ROM イメージにリロードします。
• ダウンロードされるイメージがシステムに適切でない場合、警告します。
• システムで自動ブートが設定されていないで、ユーザがコンソール端末上にない場合、フラッシュ アップグレードの ROM イメージへのリロードを防ぎます。アップグレード中に重大な障害が発生した場合、フラッシュ ロード ヘルパーは、ROM モニタがコンソール端末からの入力を求めるまでシステムに強制的に待機させるのではなく、最後の手段としてブート ROM イメージを起動できます。
• フラッシュ ダウンロードは自動的に 6 回まで再試行されます。この再試行は次のように行われます。
– 初回の試行
– すぐに再試行
– 30 秒後に再試行
– ROM イメージをリロードして再試行
– すぐに再試行
– 30 秒後に再試行
• システム イメージを終了する前に行った設定の変更を保存できます。
• 予期せぬ接続の切断が行われないように、間もなくブート ROM イメージへの切り替えが行われることを、システムにログインしているユーザに通知します。
• フラッシュ ロード ヘルパー動作中のコンソール出力を、システム リロード前後でも保持されるバッファに記録します。バッファの内容は、実行中のイメージから取得できます。この出力は、コンソール アクセスが使用できない場合、またはダウンロード動作中に障害が発生した場合に役立ちます。
フラッシュ ロード ヘルパーは、フラッシュ メモリ パーティショニングをサポートする複数バンクのフラッシュ メモリのシステムでも使用できます。フラッシュ ロード ヘルパーを使用すると、システムがイメージを実行しているパーティションと同じパーティションに新しいファイルをダウンロードできます。
システムが 2 種類のイメージを保持できるように複数バンクのフラッシュ メモリをパーティショニングする方法については、 フラッシュ メモリのパーティショニングの項を参照してください。
フラッシュ ロード ヘルパーを使用したファイルのダウンロード
フラッシュ ロード ヘルパーを使用して新しいファイルをフラッシュ メモリにダウンロードするには、ブート ROM がフラッシュ ロード ヘルパーをサポートしていることを確認して、特権 EXEC モードで次のいずれかのコマンドを使用します。
|
|
Router# copy tftp: flash: Router# copy rcp: flash: Router# copy ftp: flash: |
指定のファイルをフラッシュ メモリにロードします。 |
Telnet セッションを使用していて、システムが手動ブートに設定されている場合(コンフィギュレーション レジストリのブート ビットがゼロの場合)、次のエラー メッセージが表示されます。
ERR: Config register boot bits set for manual booting
フラッシュ メモリ アップグレード中に重大な障害が発生した場合、このエラー メッセージにより、システムが ROM モニタ モードになり、リモート Telnet ユーザが制御できなくなる可能性が最小限に押さえられます。
システムは、イメージをフラッシュ メモリからブートできない場合、少なくともブート ROM イメージを起動しようとします。 copy: コマンドを再実行する前に、 config-register グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、コンフィギュレーション レジスタ ブート フィールドをゼロ以外の値に設定する必要があります。
copy コマンドは、応答する必要がある一連のプロンプトを開始します。次のようなダイアログが表示されます。
Router#
copy tftp: flash:
*************************** NOTICE *******************************
This process will accept the TFTP copy options and then terminate
the current system image to use the ROM based image for the copy.
Router functionality will not be available during that time. If
you are logged in via telnet, this connection will terminate. Users
with console access can see the results of the copy operation.
******************************************************************
There are active users logged into the system.
[2251384 bytes used, 1942920 available, 4194304 total]
Address or name of remote host [255.255.255.255]?
172.16.1.111
Source file name?
abc/igs-kf.914
Destination file name [default = source name]?
<Return>
Accessing file ‘abc/igs-kf.914’ on 172.16.1.111....
Loading from 172.16.13.111:
Erase flash device before writing? [confirm] n
File ‘abc/igs-kf.914’ already exists; it will be invalidated!
Invalidate existing copy of ‘abc/igs-kf.914’ in flash memory? [confirm] y
Copy ‘abc/igs-kf.914’ from TFTP server
as ‘abc/igs-kf.914’ into Flash WITHOUT erase? y
%SYS-5-RELOAD: Reload requested
%FLH: rxboot/igs-kf.914r from 172.16.1.111 to flash...
フラッシュ ロード ヘルパーの動作は、リモート サーバからシングル ブロックをコピーしようとすることで、実行中のイメージから要求を確認します。次に、フラッシュ ロード ヘルパーが実行され、システムが ROM ベースのシステム イメージをリロードします。ファイルがシステムの有効なイメージではないと思われる場合、警告が表示され、この確認が求められます。
設定が変更されたが、まだ保存されていない場合、設定を保存するよう要求されます。
System configuration has been modified. Save? [confirm]
オープン Telnet 接続を使用している場合、次のように、システム リロードが通知されます。
**System going down for Flash upgrade**
コピー プロセスが失敗すると、コピー操作が最高 3 回まで再試行されます。コピー操作の途中で失敗し、ファイルの一部だけがフラッシュ メモリに書き込まれた場合、消去操作を指定するまで、再試行によりフラッシュ メモリが消去されることはありません。一部だけ書き込まれたファイルには、削除マークが付けられ、同じ名前の新しいファイルが開きます。このプロセス中、フラッシュ メモリの空き容量がなくなると、コピー操作は終了します。
フラッシュ ロード ヘルパーがコピーを終了すると(コピー操作が成功したかどうかに関係なく)、次のように、コンフィギュレーション レジスタ ブート フィールドのビット ゼロの値に従って、自動ブートまたは手動ブートを自動的に試行します。
• ビット ゼロが 0 の場合、システムは、フラッシュ メモリからデフォルト ブートを試行して、フラッシュ メモリの最初のブート可能ファイルを読み込みます。このデフォルト ブートは、ROM モニタ プロンプトで boot flash コマンドを手動で入力した場合と同じです。
• ビット ゼロが 1 の場合、システムは、ブート コンフィギュレーション コマンドに基づいてブートを試行します。ブート コンフィギュレーション コマンドが存在しない場合、システムは、フラッシュ メモリからデフォルト ブートを試行、つまり、フラッシュ メモリの最初のブート可能ファイルを読み込もうとします。
フラッシュ ロード ヘルパーの動作中に生成されるシステム コンソール出力を表示するには、フラッシュ メモリのアップグレード後にブートしたイメージを使用します。特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# more flh:logfile |
フラッシュ ロード ヘルパーの動作中に生成されるコンソール出力を表示します。 |
コンソール接続なしでフラッシュ アップグレードを実行するリモート Telnet ユーザの場合、この作業を実行することで、Telnet 接続が ROM イメージへの切り替えのために終了した場合にコンソール出力を表示できます。この出力は、ダウンロード中に何が発生したかを示します。これは、特にダウンロードが失敗した場合に役立ちます。
フラッシュ メモリのフォーマット
クラス A およびクラス C フラッシュ ファイル システムでは、フラッシュ メモリをフォーマットできます。フォーマットすると、フラッシュ メモリのすべての情報が消去されます。
Cisco 7000 ファミリでは、新しいフラッシュ メモリ カードを PCMCIA スロットで使用するには、その前にフォーマットする必要があります。
フラッシュ メモリ カードには、障害となるセクタがあります。特定のフラッシュ メモリ セクタを他のセクタで障害が発生した場合の「スペア」として予約できます。 format コマンドを使用して、0 ~ 16 セクタをスペアとして指定します。いくつかのスペア セクタを緊急用に予約する場合、フラッシュ メモリ カードのほとんどを利用できるため、容量を無駄に使用しないようにしてください。スペア セクタを指定せずに、一部のセクタが失敗した場合、フラッシュ メモリ カードを再フォーマットする必要があります。この場合、既存のデータはすべて消去されます。
フォーマット動作には、少なくとも Cisco IOS Release 11.0 システム ソフトウェアが必要です。
フラッシュ メモリ フォーマット プロセス
注意 次のフォーマット手順では、フラッシュ メモリのすべての情報が消去されます。重要なデータが失われないように、十分に注意して処理を続けてください。
次の手順に従い、フラッシュ メモリをフォーマットします。ブートフラッシュなど、内部フラッシュ メモリをフォーマットする場合、最初の手順を飛ばしてもかまいません。フラッシュ メモリ カードをフォーマットする場合、両方の手順を完了します。
ステップ 1 新しいフラッシュ メモリ カードを PCMCIA スロットに差し込みます。この手順の説明については、ご使用のルータのハードウェア マニュアルで、ルータのメンテナンスおよび PCMCIA カードの交換に関する説明を参照してください。
ステップ 2 フラッシュ メモリをフォーマットします。
フラッシュ メモリをフォーマットするには、次の EXEC モード コマンドを使用します。
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Router# format [ spare spare-number ] device1 : [[ device2 : ][ monlib-filename ]] |
フラッシュ メモリをフォーマットします。 |
次に、スロット 0 に挿入されているフラッシュ メモリ カードをフォーマットする format コマンドの例を示します。
Running config file on this device, proceed? [confirm]y
All sectors will be erased, proceed? [confirm]y
Enter volume id (up to 31 characters): <Return>
Formatting sector 1 (erasing)
Format device slot0 completed
ルータが EXEC プロンプトに戻ると、新しいフラッシュ メモリ カードが正常にフォーマットされ、使用できるようになります。
ロックされたブロックの回復
ロックされたブロックを回復するには、フラッシュ メモリ カードを再フォーマットします。フラッシュ メモリは、電源を損失した場合、または書き込みや消去操作中にフラッシュ メモリ カードの電源が抜かれた場合、ブロックがロックされます。フラッシュ メモリのブロックがロックされると、書き込みまたは消去ができなくなり、その後も特定のブロックでのこれらの操作が失敗します。ロックされたブロックを回復する唯一の方法は、 format コマンドを使用してフラッシュ メモリ カードを再フォーマットすることです。
注意 フラッシュ メモリ カードを再フォーマットしてロックされたブロックを回復すると、既存のデータが失われます。
Cisco 3600 シリーズでの DRAM メモリの再割り当て
Cisco 3600 シリーズ ルータの DRAM メモリは、プロセッサ メモリおよび I/O メモリ間で分割される、隣接したアドレス レンジとして編成されます。ルータで設定したネットワーク インターフェイスのタイプと数によっては、パーティショニングされた DRAM メモリをプロセッサ メモリおよび I/O メモリに再割り当てする必要があります。
通常、Cisco 3600 シリーズ ルータでは、アドレス レンジの 25% が I/O メモリに、75% がプロセッサ メモリに割り当てられています。ただし、複数の ISDN PRI インターフェイスを注文された場合、DRAM メモリは、アドレス レンジの 40% を I/O メモリに、60% をプロセッサ メモリに割り当てられるように設定されます(図 11 を参照)。シスコシステムズは、各ルータの出荷前にこれらの DRAM メモリ調整を行っています。
図 11 Cisco 3600 シリーズ ルータの DRAM メモリのコンポーネントおよび使用
(注) 2 つ以上の ISDN PRI インターフェイス、または 12 以上の ISDN BRI インターフェイスを実行するルータでは、DRAM メモリの 40% を I/O メモリに、60% をプロセッサ メモリに割り当てる必要があります。
ただし、場合によっては、シスコ システムズからルータを受け取った後に、プロセッサ メモリと I/O メモリに割り当てられた DRAM メモリを再割り当てする必要があります。
たとえば、次の実行コンフィギュレーションで Cisco 3640 ルータを受け取ったとします。
• 2 イーサネットおよび 2 WAN インターフェイス カード
• NT1 ネットワーク モジュールでの 8 ポート ISDN BRI
• IP 機能セット
• 16 MB の DRAM メモリ(デフォルトでは、プロセッサ メモリ = 75%、I/O メモリ = 25%)
• 4 MB のフラッシュ メモリ
その後、4 ポート ISDN BRI ネットワーク モジュールをルータに追加しました。これで、現在ルータで実行している ISDN BRI インターフェイスは 12 になりました。ここで、 memory-size iomem コマンドを使用して、アドレス レンジの 40% を I/O メモリに、60% をプロセッサ メモリに割り当てる必要があります。
現在のプロセッサおよび I/O メモリを表示し、これに従いメモリ分散を再割り当てするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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ステップ 1 |
Router# show version |
ルータにあるメモリの総容量を表示します。 |
ステップ 2 |
Router# show memory |
メモリの空き容量を表示します。 |
ステップ 3 |
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
Router(config)# memory-size iomem I/O-memory-percentage |
プロセッサ メモリおよび I/O メモリを割り当てます。 |
ステップ 5 |
Router(config)# exit |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 6 |
Router# copy system:running-config nvram:startup-config |
設定を NVRAM に保存します。 |
ステップ 7 |
Router# reload |
ルータをリロードして新しいイメージを実行します。 |
有効な I/O メモリの割合値は、10、15、20、25、30、40(デフォルト)、50 です。I/O メモリ サイズは、合計メモリ サイズの指定割合で、1 MB 単位で切り捨てられます。I/O メモリには、少なくとも 4 MB のメモリが必要です。残りのメモリはプロセッサ メモリに割り当てられます。
memory-size iomem コマンドが有効になるのは、 copy system:running-config nvram:startup-config EXEC コマンドを使用して NVRAM に保存して、ルータをリロードした後です。ただし、このコマンドを入力すると、ソフトウェアにより、新しいメモリ分散で、現在実行されている Cisco IOS イメージに十分なプロセッサ メモリを割り当てることができるかどうかチェックされます。プロセッサ メモリに十分なメモリがない場合、次のメッセージが表示されます。
Warning: Attempting a memory partition that does not provide enough Processor memory for the current image.If you write memory now, this version of so
ftware may not be able to run.
reload コマンドを入力して新しいイメージを実行すると、ソフトウェアにより、新しいプロセッサおよび I/O メモリ割り当てが計算されます。十分なプロセッサ メモリがない場合、I/O メモリが別の設定に自動的に減らされ、イメージがロードされます。これでも実行するイメージに十分なプロセッサ メモリがない場合、DRAM が十分にないことになります。
プロセッサ メモリおよび I/O メモリの再割り当ての例
次に、DRAM の 40% を I/O メモリに、残りの 60% をプロセッサ メモリに割り当てる例を示します。この例では、メモリの現在の割り当てを表示し、この割り当てを変更して保存し、変更が有効になるようにルータをリロードします。 show memory コマンド出力の Free(b) カラムは、使用できる I/O メモリの容量を示しています。
Head Total(b) Used(b) Free(b) Lowest(b) Largest(b)
Processor 60913730 3066064 970420 2095644 2090736 2090892
I/O C00000 4194304 1382712 2811592 2811592 2805492
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# memory-size iomem 40
Router# copy system:running-config nvram:startup-config
Building configuration...
program load complete, entry point: 0x80008000, size: 0x32ea24
Self decompressing the image : ###################################################################################################################################################################################################################################################### [OK]
Cisco 7500 シリーズでのメモリ スキャンの使用
Cisco 7500 シリーズ ルータ(RSP7000 カード アップグレードでの 7000 シリーズなど)では、メモリ スキャン機能を使用できます。この機能は、インストールされているすべてのダイナミック ランダムアクセス メモリ(DRAM)でパリティ エラーがないかチェックする、ロープライオリティのバックグラウンド プロセスを追加します。未使用のメモリ領域でエラーが検出された場合、エラーのスクラビング(削除)が試行されます。メモリ スキャンとスクラビングの 1 サイクルを完了するまで、10 分から数時間かかります。これは、インストールされているメモリの容量により異なります。Central Processing Unit(CPU; 中央処理装置)に与えるメモリ スキャン機能の影響はわずかです。この機能は、新しい memory scan および show memory scan Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドで制御および監視できます。
メモリ スキャン機能は、DRAM の情報の種類を区別しません。つまり、テキスト、データおよびヒープ情報を同様に認識します。この機能は、異なる領域で検出されたエラーに対して異なった反応をすることもありますが、メモリ セルがビジー状態の場合でも機能を続けます。エラーへの対応は、次の 1 つ以上の方法で行われます。
• 検出されたすべてのエラーに対してメッセージが記録されます。各メッセージには、エラーの説明が示され、必要に応じて推奨対策が示されます。
• ヒープ ストレージ制御ブロックのエラーの場合、空きブロックのエラーをスクラビングしようとします。エラーがスクラビングされる場合、これ以上のアクションは行われませんが、エラー ログに記録されます。スクラビングされない場合、エラーが検出されたブロックは、ユーザに割り当てられない異常メモリ リストにリンクされます。このメモリ ブロックのサイズが大きい場合、ブロックは分割され、エラーが検出された部分だけが、異常メモリ リストにリンクされます。
• ビジー ブロックのエラーの場合、またはテキストやデータなどの他の領域でのエラーの場合、エラー メッセージが生成されますが、データを損傷しないように、これ以上のアクションは行われません。
メモリ スキャンの設定および確認
この機能をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで memory scan コマンドを使用します。
メモリ スキャンが実行コンフィギュレーションにあるか確認するには、特権 EXEC モードで more system:running-configuration コマンドを使用します。
システムでのパリティ エラーの数およびタイプを監視するには、 show memory scan コマンドを使用します。 show memory scan コマンドは、特権 EXEC モードで使用します。次の例では、この機能がイネーブルにされ、パリティ エラーは検出されません。
No parity error has been detected.
メモリ スキャン機能が設定されていない場合、またはディセーブルにされている場合、 show memory scan コマンドはレポートを生成します。次の例では、メモリ スキャンはディセーブルです。
No parity error has been detected.
システムでエラーが検出されると、 show memory scan コマンドは、エラー レポートを生成します。次の例では、メモリ スキャンは、パリティ エラーを検出しました。
Address BlockPtr BlckSize Disposit Region Timestamp
6115ABCD 60D5D090 9517A4 Scrubed Local 16:57:09 UTC Thu Mar 18
エラー レポート フィールドの説明については、『Release 12.2 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』の「Router Memory Commands」の章で show memory scan コマンドに関する詳細を参照してください。
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このマニュアルで使用している IP アドレスは、実際のアドレスを示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、および図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
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