端末セッション パラメータの変更
ここでは、特定の回線およびローカルの両方で端末およびライン設定を変更する方法について説明します。ローカル設定には、 terminal EXEC モード コマンドを使用します。この設定は、システム管理者が行った設定を一時的に上書きし、システムを終了するまで有効になります。ライン コンフィギュレーション モードで、次に回線パラメータを変更するまで、そのラインで有効になる端末動作特性を設定できます。
次の項では、端末および回線設定での一般的な変更を行うときに使用される作業について説明します。
• エスケープ文字およびその他のキー シーケンスの定義
• Telnet 動作特性の指定
• ファイル転送のデータ透過性の設定
• 国際文字表示の指定
次の項では、端末および回線設定での特別な変更を行うときに使用される作業について説明します。
• 文字の埋め込みの設定
• 端末およびキーボード タイプの指定
• 端末の画面長および画面幅の変更
• 出力保留通知のイネーブル化
• 文字およびパケット ディスパッチ シーケンスの作成
• 現在のセッションでのフロー制御の変更
• セッション ロックのイネーブル化
• 自動ボー レート検出の設定
• 非セキュア回線の設定
• 端末ポートの通信パラメータの設定
エスケープ文字およびその他のキー シーケンスの定義
システム エスケープ、端末のアクティベーション、切断、端末の一時停止の機能を実行するときに使用されるデフォルト キーを定義または変更できます。通常、使用されるキーは、コントロール(Ctrl)キーおよび別のキー(または複数のキー)を同時に押すなど、キーの組み合わせ(Ctrl+^ など)です。Ctrl キーと別のキーを押し、また別のキーを押すなどのキー シーケンス(たとえば、Ctrl+^、x)も使用されることがあります。 ただし、各キーまたはキーの組み合わせは 1 つの ASCII 文字で表されるため、いずれの場合でも、これらのキーは文字と示されます。使用できる ASCII 文字と数字、および同様のキーボードのリストについては、『Release 12.2 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』の付録「ASCII Character Set」を参照してください。
エスケープ文字およびその他のキー シーケンスのグローバルな定義
端末セッションのアクティベーション、切断、エスケープまたは一時停止に関連するデフォルトのキー シーケンスを定義または変更するには、必要に応じて、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# escape-character { ascii-number | ascii-character | break | default | none } |
システム エスケープ文字を変更します。1 ~ 30 の 10 進数で表される ASCII 文字を使用することを推奨します。エスケープ文字は、単一の文字( ’ など)、キーの組み合わせ(Ctrl+X)、またはキー シーケンス(Ctrl+^、X)です。デフォルトのエスケープ文字(キーの組み合わせ)は、Ctrl+Shift+6(Ctrl+^)または Ctrl+Shift+6, X(Ctrl+^、X)です。 |
Router(config-line)# activation-character ascii-number |
セッション アクティベーション文字を定義します。この文字を空の端末に入力すると、端末セッションが開始します。デフォルトのアクティベーション文字は、Return キーです。 |
Router(config-line)# disconnect-character ascii-number |
セッション切断文字を定義します。この文字を端末で入力すると、ルータのセッションが終了します。デフォルトの切断文字はありません。 |
Router(config-line)# hold-character ascii-number |
画面への出力を一時停止するホールド文字を定義します。この文字が設定されると、ユーザは、この文字を入力して、いつでも端末セッションへの出力を一時停止できます。出力を再開するには、任意のキーを押します。通常の通信でホールド文字を使用するには、エスケープを前に付けて使用します。デフォルトのホールド文字はありません。 |
説明されているコマンドのほとんどについては、 no 形式を使用することで、デフォルト値に戻すことができます。ただし、エスケープ文字をデフォルトに戻すには、 escape-character default ライン コンフィギュレーション コマンドを使用します。
(注) autoselect 機能(autoselect ライン コンフィギュレーション コマンドを使用してイネーブルにされます)を使用している場合は、アクティベーション文字をデフォルト値 Return から変更しないでください。このデフォルト値を変更すると、autoselect 機能が動作しないことがあります。
現在のセッションのエスケープおよび一時停止文字の定義
現在の端末セッションで、キー シーケンスを変更して、システム エスケープおよび端末一時停止の機能を実行できます。これらのシーケンスを変更するには、必要に応じて、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal escape-character ascii-number |
現在のセッションのシステム エスケープ シーケンスを変更します。エスケープ シーケンスは、その後のコードが特殊な意味を持つことを示します。デフォルトのキーの組み合わせは、Ctrl+Shift+6(Ctrl+^)です。 |
Router> terminal hold-character ascii-number |
このセッションで端末画面への出力を一時停止するホールド シーケンスまたは文字を定義します。デフォルトのシーケンスはありません。出力を続行するには、ホールド文字の後に任意の文字を入力します。通常の通信でホールド文字を使用するには、エスケープを前に付けて使用します。コンソール端末の出力を中断することはできません。 |
terminal escape-character EXEC コマンドは、たとえば、デフォルトのエスケープ文字がキーボード ファイルで異なる目的に定義されている場合に役立ちます。ルータが別のデバイスと接続しているときに、エスケープ文字の後に X キーを入力すると、ルータが EXEC モードに戻ります。
リバース Telnet 接続のハードウェア ブレーク信号の生成
現在の回線およびセッションのリバース Telnet 接続に関連付けられている EIA/TIA-232 回線に対するハードウェア ブレーク信号がアクセス サーバに生成されるためには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal telnet break-on-ip |
現在の回線およびセッションのリバース Telnet 接続に関連付けられている EIA/TIA-232 回線に対するハードウェア ブレーク信号を生成します。 |
ハードウェア ブレーク信号は、Telnet Interrupt-Process コマンドがその接続で受け取られたときに発生します。このコマンドは、Telnet IP コマンドの X.25 ブレーク インジケータへの変換を制御するときに使用できます。
このコマンドは、次の状況に役立つ回避策でもあります。
• 複数のユーザ Telnet プログラムが、Interrupt-Process コマンドを送信するが、Telnet ブレーク信号を送信できない場合。
• 一部の Telnet プログラムが、Interrupt-Process コマンドを送信するブレーク信号を実装する場合。
一部の EIA/TIA-232 ハードウェア デバイスは、ハードウェア ブレーク信号をさまざまな目的で使用します。ハードウェア ブレーク信号は、Telnet Break コマンドが受信されると生成されます。
全二重リモート エコー接続を拒否するように回線を設定する
Cisco IOS ソフトウェアで他方からの全二重リモート エコー接続要求を拒否できるように回線を設定できます。この拒否により、Telnet リモート エコーおよび Suppress Go Ahead オプションのネゴシエーションが抑制されます。 現在のセッションの全二重または着信接続のリモート エコー オプションのネゴシエーションを拒否するように現在の回線を設定するには、 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal telnet refuse-negotiations |
現在のセッションの全二重のネゴシエーションを拒否するように現在の回線を設定します。 |
転送速度ネゴシエーションの許可
現在の回線およびセッションの転送速度ネゴシエーションを Cisco IOS ソフトウェアに許可するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal telnet speed default-speed maximum-speed |
現在の回線およびセッションの転送速度ネゴシエーションを Cisco IOS ソフトウェアに許可します。 |
基準として、リバース Telnet のリモート システム、アクセス サーバを介してネットワークに接続されているホスト マシン、またはアクセス サーバに接続されているコンソール回線のグループ(接続のローカルとリモートで使用される回線速度が異なる場合)の回線速度を使用できます。回線速度ネゴシエーションは、RFC 1080 で定義されている Remote Flow Control オプションに従います。
ブレーク信号の同期化
Telnet ブレーク信号を受信したときにリバース Telnet 回線に Telnet 同期信号を送信させるようにアクセス サーバの回線を設定できます。TCP 同期信号は、データ パスをクリアしますが、着信コマンドを解釈します。現在の回線およびセッションで Telnet ブレーク信号を受信したときに Cisco IOS ソフトウェアに Telnet 同期信号を送信させるには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal telnet sync-on-break |
現在の回線およびセッションで Telnet ブレーク信号を受信したときに Cisco IOS ソフトウェアに Telnet 同期信号を送信させます。 |
行末文字の変更
端末に入力される各行は、CR+LF(復帰および改行)信号で終了します。CR+LF 信号は、Enter または Return キーが押されたときに送信されます。現在の端末回線で、Line Feed(LF; 改行)が続く CR ではなく、null が続く CR として CR 信号を送信させるには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal telnet transparent |
現在の端末回線で、LF が続く CR ではなく、null が続く CR として CR 信号を送信させます。 |
このコマンドは、Telnet プロトコル仕様での行末処理の解釈が異なる場合に対応します。
ファイル転送のデータ透過性の設定
データ透過性により、Cisco IOS ソフトウェアは、データが制御文字と解釈されることなく、端末接続でデータを渡すことができます。
端末動作中、いくつかの文字は特殊文字として予約されます。たとえば、キーの組み合わせ Ctrl+Shift+6、X(^^x)は、セッションを中断します。端末接続を介してファイルを転送する場合(たとえば、Xmodem または Kermit プロトコルを使用)、ファイルを転送できるように、これらの特殊文字の認識を中断する必要があります。このプロセスは、 データ透過性 と呼ばれます。
Kermit、Xmodem および CrossTalk などのプログラムが端末回線を介してファイルをダウンロードできるように、透過的なパイプとして機能するように回線を設定できます。ファイル転送の透過的なパイプとして機能するように回線を一時的に設定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal download |
ファイル転送の透過的なパイプとして機能するように回線を設定します。 |
terminal download コマンドは、次のすべてのコマンドを使用した場合と同じ効果があります。
• terminal telnet transparent
• terminal no escape-character
• terminal no hold-character
• terminal no padding 0
• terminal no padding 128
• terminal parity none
• terminal databits 8
国際文字表示の指定
従来の米国 ASCII 文字設定は、7 ビット(128 文字)に制限されます。これにより、ほとんどの米国での表示が適切に表現されます。モデル ルータのほとんどのデフォルトは、7 ビット パスで正常に機能します。ただし、国際文字セットおよび特殊記号の表示では、8 ビット ワイド パスおよびその他の処理が必要です。
7 ビットの文字セット(ASCII など)を使用したり、8 ビットの国際文字セット(ISO 8859 など)をイネーブルにしたりできます。バナーやプロンプトに特殊な図形文字および国際文字を使用したり、ソフトウェア フロー制御などの特殊文字を追加したりすることもできます。文字セットは、グローバル、回線ごと、またはユーザ レベルでローカルに設定できます。どのコンフィギュレーション モードでこの国際文字表示を設定するかについては、次の基準に従って判断してください。
• 多数の接続端末がデフォルトの ASCII ビット設定以外をサポートする場合は、グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• デフォルトの ASCII ビット設定以外をサポートする接続端末がごく少数の場合は、ライン コンフィギュレーション コマンドまたは EXEC ローカル端末設定コマンドを使用します。
(注) EXEC の文字幅を 8 ビット文字セットに設定すると、エラーが起きることがあります。パリティを送信している端末のユーザが help コマンドを入力すると、「unrecognized command」メッセージが表示されます。これは、システムが読み取っているのは 8 ビットすべてであり、help コマンドに 8 番目のビットは不要なためです。
autoselect 機能を使用する場合、アクティベーション文字はデフォルトの Return、EXEC 文字ビットは 7 に設定してください。これらのデフォルトを変更すると、アプリケーションはアクティベーション要求を認識しなくなります。
すべての回線の文字表示の指定
文字セットをすべての回線で(グローバルに)指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドの一方または両方を使用します。
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Router(config)# default-value exec-character-bits { 7 | 8 } |
コマンド文字で使用する文字セットを指定します。 |
Router(config)# default-value special-character-bits { 7 | 8 } |
ソフトウェア フロー制御、ホールド、エスケープ、切断などの特殊文字で使用する文字セットを指定します。 |
回線の文字表示の指定
ハードウェアまたはソフトウェアに基づいて、あるいは 1 行ずつ文字セットを指定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# databits { 5 | 6 | 7 | 8 } |
ハードウェアに生成および解釈させる 1 文字あたりのデータ ビット数を設定します。 |
Router(config-line)# data-character-bits { 7 | 8 } |
ソフトウェアに生成および解釈させる 1 文字あたりのデータ ビット数を設定します。 |
Router(config-line)# exec-character-bits { 7 | 8 } |
EXEC およびコンフィギュレーション コマンドの文字で使用する文字セットを 1 行ずつ指定します。 |
Router(config-line)# special-character-bits { 7 | 8 } |
ソフトウェア フロー制御、ホールド、エスケープ、切断などの特殊文字で使用する文字セットを 1 行ずつ指定します。 |
現在のセッションの文字表示の指定
現在の端末セッションで、ハードウェアまたはソフトウェアに基づいて、あるいは 1 行ずつ文字セットを指定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal databits { 5 | 6 | 7 | 8 } |
現在のセッションでハードウェアに生成および解釈させる 1 文字あたりのデータ ビット数を設定します。 |
Router> terminal data-character-bits { 7 | 8 } |
現在のセッションでソフトウェアに生成および解釈させる 1 文字あたりのデータ ビット数を設定します。 |
Router> terminal exec-character-bits { 7 | 8 } |
現在のセッションで EXEC およびコンフィギュレーション コマンドの文字で使用する文字セットを 1 行ずつ指定します。 |
Router> terminal special-character-bits { 7 | 8 } |
現在のセッションでソフトウェア フロー制御、ホールド、エスケープ、切断などの特殊文字で使用する文字セットを 1 行ずつ指定します。 |
文字の埋め込みの設定
文字を埋め込むと、行末に null が数バイト追加され、行を所定の長さにすることができます。特定の出力文字について、文字の埋め込みを変更できます。
回線での文字の埋め込みの設定
回線での文字の埋め込みを設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# padding ascii-number count |
指定された行の特定の出力文字の埋め込みを設定します。 |
現在のセッションの文字の埋め込みの変更
現在のセッションの特定の出力文字の埋め込みを変更するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal padding ascii-number count |
現在のセッションの指定された行の特定の出力文字の埋め込みを設定します。 |
端末およびキーボード タイプの指定
回線に接続される端末のタイプを指定できます。この機能には 2 つのメリットがあります。まず、回線に接続されている端末のタイプを記録できるということと、ディスプレイ管理のために端末タイプをリモート ホストに通知する Telnet 端末ネゴシエーションで使用できるということです。
回線の端末タイプの指定
回線の端末タイプを指定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# terminal-type { terminal-type } |
端末タイプを指定します。 terminal-type 引数には任意のストリングを使用できます。 |
この機能は、Telnet プロトコルによりエンド ホストに渡されるキーマップおよび ttycap を識別するときに TN3270 端末で使用されます。
現在のセッションでの端末およびキーボード タイプの指定
現在のセッションの現在の回線に接続される端末のタイプを指定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal terminal-type terminal-type |
現在のセッションの端末タイプを指定します。 |
デフォルトの VT100 と異なる場合、端末タイプを示します。このデフォルトは、ディスプレイ管理のために TN3270 端末で使用され、また、リモート ホストに端末タイプを通知するために Telnet および rlogin で使用されます。
セッションの現在のキーボード タイプを指定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal keymap-type keymap-name |
現在のセッションのキーボード タイプを指定します。 |
デフォルトの VT100 以外のキーボードを使用している場合、キーボード タイプを指定する必要があります。システム管理者は、他のキーボード タイプを定義して( terminal-type ライン コンフィギュレーション コマンドを使用します)、これらの名前を端末ユーザに提供できます。
端末の画面長および画面幅の変更
デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアの表示画面は 24 行、80 文字です。これらの値は端末の条件に合わせて変更できます。設定する画面値は、rsh および rlogin セッション中に渡されます。
設定した値は、端末ネゴシエーションでこの種の情報を使用するホスト システムに学習させることができます。画面の表示の一時停止をディセーブルにするには、画面長の値を 0 に設定します。
指定した画面長は、リモート ホストに学習させることができます。たとえば、rlogin プロトコルは、画面長を使用して、リモート UNIX ホストの端末パラメータを設定します。指定した画面幅も、リモート ホストに学習させることができます。
回線の端末の画面長および画面幅の設定
回線のすべてのセッションで端末の画面長および画面幅を設定するには、必要に応じて、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドのいずれかを使用します。
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Router(config-line)# length screen-length |
画面長を設定します。 |
Router(config-line)# width characters |
画面幅を設定します。 |
現在のセッションの端末の画面長および画面幅の設定
現在のセッションの現在の端末画面で行数または文字カラム数を設定するには、必要に応じて、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal length screen-length |
現在のセッションの画面長を設定します。 |
Router> terminal width characters |
現在のセッションの画面幅を設定します。 |
出力保留通知のイネーブル化
アクティブ接続以外の接続で出力が保留になっているときにユーザに通知するよう、システムをイネーブルにできます。この機能は、ユーザがシステムで複数の同時 Telnet 接続を使用する可能性がある場合に役立ちます。たとえば、別の接続でメールまたはメッセージが受信される場合、これをユーザに知らせる必要があります。
回線の出力保留通知のイネーブル化
回線の出力保留通知をイネーブルにするには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# notify |
別の接続で出力が保留されていることをユーザに通知するように回線をイネーブルにします。 |
現在のセッションの出力保留通知の設定
現在のセッションで出力保留通知を設定するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal notify |
現在のセッションで出力が保留されていることをユーザに通知するように回線を設定します。 |
文字およびパケット ディスパッチ シーケンスの作成
Cisco IOS ソフトウェアは、定義された文字または文字のシーケンスを受け取ったときだけデータ パケットを送信するディスパッチ シーケンスおよび TCP ステート マシンをサポートしています。パケットをバッファに入れ、文字を受信したときに送信できるディスパッチ文字を設定できます。また、パケットをバッファに入れ、文字を受信したときに送信できるステート マシンを設定できます。この機能は、ユーザがファンクション キー(通常、Esc I C などの文字のシーケンスとして定義されています)を押したときにパケット転送をイネーブルにします。
TCP ステート マシンは、事前に定義されている文字シーケンスのセットで TCP プロセスを制御できます。デバイスの現在のステートにより、予測された文字シーケンスを受け取ったときに、次に何が発生するかが決まります。ステート マシン コマンドは、特定の文字シーケンスを検索および認識して、ステートのセットを繰り返すようにサーバを設定します。ユーザはこれらのステートを 8 つまで定義できます(各ステートは、割り当てられたコンフィギュレーション コマンドおよび受信した文字シーケンスのタイプに基づいてサーバが実行する作業と考えてください)。
Cisco IOS ソフトウェアは、非同期ポートからのデータをネットワークに送信するかどうかを決定するユーザ指定ステート マシンをサポートしています。この機能は、ディスパッチ文字の概念を拡張するもので、マルチキャラクタ ディスパッチ ストリングと同様の機能を可能にします。
ステート マシンに設定できるステートは最大で 8 つまでです。データ パケットは、適切な文字またはシーケンスにより転送がトリガーされるまでバッファに入れられます。遅延およびタイマー メトリックにより、システム リソースをより効率的に使用できます。TCP ステート マシンで定義される文字は、ディスパッチ文字で定義されている文字よりも優先されます。
回線での文字およびパケット ディスパッチ シーケンスの設定
現在のシステムを設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# state-machine name state firstchar lastchar [ nextstate | transmit ] |
TCP ステート マシンのステートの移行基準を指定します。 |
Router(config-line)# dispatch-machine name |
TCP パケット ディスパッチのステート マシンを指定します。 |
Router(config-line)# dispatch-character ascii-number [ ascii-number2 . . . ascii-number ] |
パケット転送をトリガーする文字を定義します。 |
Router(config-line)# dispatch-timeout milliseconds |
ディスパッチ タイマーを設定します。 |
Router(config-line)# buffer-length length |
転送するデータ ストリームの最大長を指定します。 |
現在のセッションでのパケット ディスパッチ文字の変更
現在のセッションでパケット ディスパッチ文字を変更するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal dispatch-character ascii-number1 [ ascii-number2 . . . ascii-number ] |
現在のセッションでパケット転送をトリガーする文字を定義します。 |
現在のセッションでのフロー制御の変更
このセッションのルータと接続デバイス間のフロー制御を変更するには、必要に応じて、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal flowcontrol { none | software [ in | out ] | hardware } |
このセッションの端末フロー制御を設定します。 |
Router> terminal start-character ascii-number |
現在のセッションのフロー制御開始文字を設定します。 |
Router> terminal stop-character ascii-number 1 |
現在のセッションのフロー制御停止文字を設定します。 |
(注) EE スイッチ コンソールでは、ソフトウェアのフロー制御はデフォルトでイネーブルになっています。
(注) フロー制御の設定、および現在のセッション以外での回線のフロー制御の設定の詳細については、『Dial Solutions Configuration Guide』の「Configuring Modem Support and Asynchronous Devices」の章を参照してください。X.25 フロー制御については、『Cisco IOS Wide-Area Networking Configuration Guide』の「Configuring X.25 and LAPB」の章を参照してください。
セッション ロックのイネーブル化
lock EXEC コマンドは、セッションへのアクセスを一時的にロックし、他のユーザへのアクセスを拒否します。セッション ロックは、 lock コマンドを使用する回線でイネーブルにする必要があります。特定の回線または回線のグループでユーザによるセッション ロックを許可するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# lockable |
一時的な端末ロック メカニズムをイネーブルにします。 |
自動ボー レート検出の設定
使用されるボー レートを自動的に検出するように回線を設定できます。自動ボー レート検出を設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# autobaud |
ボー レートを自動検出するように回線を設定します。 |
(注) autobaud コマンドと autoselect コマンドは併用しないでください。
自動ボー レート検出が有効な通信を開始するには、端末から Return キーを複数回押します。600、1800 または 19200 ボー レート回線でボー レートを検出する場合、Return キーを 3 回押す必要があります。その他のボー レートに回線を設定する場合、Return キーを 2 回だけ押します。ボー レートの検出後に Return キーを押すと、EXEC ファシリティにより、別のシステム プロンプトが表示されます。
非セキュア回線の設定
非セキュア ダイヤルアップ回線として表示されるように端末回線を設定できます。この情報は、このようなダイヤルアップ接続をリモート システムに報告する、Local-Area Transport(LAT; ローカルエリア トランスポート)ソフトウェアにより使用されます。
回線を非セキュア回線として設定するには、ライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# insecure |
回線をダイヤルアップ回線として設定します。 |
前のリリースの Cisco IOS ソフトウェアでは、モデル制御を使用する回線は、LAT プロトコルを介するダイヤルアップ接続として報告されていました。このコマンドを使用することで、回線をより直接的に制御できます。
端末ポートの通信パラメータの設定
接続されている端末またはホストの要件を満たすため、必要に応じて、次のパラメータを変更できます。これらのパラメータを変更するには、必要に応じて、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> terminal { speed | txspeed | rxspeed } bps |
現在のセッションの回線速度を設定します。回線速度、転送速度または受信速度から選択します。 |
Router> terminal databits { 5 | 6 | 7 | 8 } |
現在のセッションのデータ ビットを設定します。 |
Router> terminal stopbits { 1 | 1.5 | 2 } |
現在のセッションの停止ビットを設定します。 |
Router> terminal parity { none | even | odd | space | mark } |
現在のセッションのパリティ ビットを設定します。 |
プリンタの LPD プロトコル サポートの設定
Cisco IOS ソフトウェアは、UNIX システム間でプリント ジョブを送信するときに使用される Berkeley UNIX Line Printer Daemon(LPD; ライン プリンタ デーモン)プロトコルのサブセットをサポートしています。この LPD プロトコルのサブセットにより、次のことが許可されます。
• ステータス情報の改善
• プリント ジョブのキャンセル
• 一般的なプリント障害でのプリントおよび自動再試行の確認
• 標準 UNIX ソフトウェアの使用
Cisco では LPD を実装できるため、いくつかのタイプのデータ(たとえば、PostScript またはロー テキスト)をプリント ジョブとして送信できるようにプリンタを設定できます。
LPD プロトコルのプリンタを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# printer printername { line number | rotary number } [ newline-convert ] |
プリンタを設定して、デバイスの 1 つ以上の TTY 回線を指定します。 |
printer コマンドを使用する場合、UNIX システムの /etc/printcap ファイルを変更して、ルータのリモート プリンタの定義を示す必要があります。新しい行を復帰、改行文字シーケンスに変換して単一文字の行終了子を処理しない UNIX システムでは、オプションの newline-convert キーワードを使用します。
次に、ホスト memphis での saturn という名前のプリンタの設定例を示します。
commlpt|Printer on cisco AccessServer:\
:sd+/usr/spool/lpd/comm1pt:\
:lf=?var/log/lpd/commlpt:
実際のファイルの内容は、現在の UNIX システムの設定により異なる場合があります。
印刷する場合、標準の UNIX lpr コマンドを使用します。
LPD プロトコルのサポートにより、各プリンタで現在定義されているプリンタおよび現在の使用状況の統計情報のリストを表示できます。このようにするには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> show printer |
現在定義されているプリンタおよび現在の使用状況に関する統計情報をリストします。 |
LPD 機能へのアクセスを提供するには、システム管理者は、プリンタを設定して、そのプリンタに 1 つ以上の TTY 回線を割り当てる必要があります。また、管理者は、UNIX システム /etc/printcap ファイルを変更して、Cisco IOS ソフトウェアのリモート プリンタの定義を示す必要があります。
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