ウォーム アップグレード
ウォーム アップグレード機能は Cisco IOS イメージが別の Cisco IOS イメージを読み取って解凍し、コントロールをこの新しいイメージに移す機能を提供します。この機能により、計画された Cisco IOS ソフトウェア アップグレードまたはダウングレード中のデバイスのダウンタイムが削減されます。ウォーム アップグレード機能は Cisco IOS Release 12.3(2)T で導入された ウォーム リロード 機能を補完する機能です。
ウォーム アップグレード機能の機能履歴
プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の入手方法
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。 http://www.cisco.com/go/fn にある Cisco Feature Navigator にアクセスしてください。アクセスには、Cisco.com のアカウントが必要です。アカウントを持っていないか、ユーザ名またはパスワードが不明な場合は、ログイン ダイアログボックスの [Cancel] をクリックし、表示される指示に従ってください。
ウォーム アップグレードについて
ウォーム アップグレード機能を使用するには、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「ウォーム アップグレード機能」
ウォーム アップグレード機能
ウォーム アップグレード機能は Cisco IOS イメージが別の Cisco IOS イメージを読み取って解凍し、コントロールをこの新しいイメージに移す機能を提供します。この機能により、計画された Cisco IOS ソフトウェア アップグレードまたはダウングレード中のデバイスのダウンタイムが削減されます。ウォーム アップグレードを実行するには、 reload warm file url コマンドを使用します。ウォーム アップグレード機能は Cisco IOS Release 12.3(2)T で導入された ウォーム リロード 機能を補完する機能です。
ウォーム アップグレード機能が導入される前、Cisco IOS イメージはコントロールを ROM Monitor(ROMMON; ROM モニタ)モードに移し、Cisco IOS ソフトウェア アップグレードまたはダウングレードを実行していました。ROMMON は起動ローダ イメージを使用して、必要なアップグレードまたはダウングレード手順を実行していました。この処理の実行中はネットワーキング デバイスがダウンします。ウォーム アップグレード機能が導入されると、新しい Cisco IOS の読み取りおよび解凍中にパケット転送が引き続き可能となります。現在のイメージが新しいイメージで上書きされ、新しいイメージがオペレーティング システムをロードして再構成しているときにだけデバイスがダウンします。
ウォーム アップグレード処理に失敗すると、一部または全体が上書きされていない場合は、現在の Cisco IOS イメージが引き続き実行されるはずです。この場合、ROMMON は設定した任意のイメージをロードできます。
(注) Cisco IOS イメージを reload コマンドのイメージ検証機能をサポートしていないイメージにダウングレードする場合には、ウォーム アップグレード処理を実行する前に、イメージにデジタル署名がないことを示す警告メッセージが表示されます。
ウォーム アップグレード機能を使用して Cisco IOS イメージをリロードする方法
ここでは、次の各手順について説明します。
• 「ウォーム アップグレード機能を使用した Cisco IOS イメージのリロード」(必須)
• 「ウォーム アップグレード機能のモニタリングとトラブルシューティング」(任意)
ウォーム アップグレード機能を使用した Cisco IOS イメージのリロード
この作業を実行して、ウォーム アップグレード機能を使用して Cisco IOS イメージをリロードします。
前提条件
• Cisco IOS Release 12.3(2)T で導入された ウォーム リロード 機能をイネーブルにする必要があります。
• ウォーム アップグレード機能を使用した Cisco IOS イメージのアップグレードまたはダウングレード機能は、現在の Cisco IOS イメージがウォーム アップグレード機能をサポートしていることを前提としています。ただし、現在のイメージがアップグレードまたはダウングレードされる新しいイメージでウォーム アップグレード機能に対応している必要はありません。
制約事項
ウォーム アップグレード機能を使用したソフトウェアのアップグレードまたはダウングレードは、システム内に解凍した Cisco IOS イメージを格納する十分なメモリ空き領域がある場合にだけ実行できます。
手順の概要
1. enable
2. reload [ /verify | /noverify ] [ warm [ file url ]] [ in [ hh : ] mm | at hh : mm [ month day | day month ]] [ cancel ] [ text ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
reload [ /verify | /noverify ] [ warm [ file url ]] [ in [ hh : ] mm | at hh : mm [ month day | day month ]] [ cancel ] [ text ]
Router> reload warm file flash:c3745-ipvoice-mz.12.3.11.T.bin |
オペレーティング システムをリロードします。 • reload warm file url コマンドを使用して、場所と名前を url 引数で指定した新しいイメージでオペレーティング システムをリロードします。ウォーム アップグレード機能を使用してリロードが実行されます。 • ルータのリロード時にウォーム再起動機能を上書きしない場合は、 warm キーワードを発行する必要があります。 |
ウォーム アップグレード機能のモニタリングとトラブルシューティング
この作業を実行して、ウォーム アップグレード機能をモニタリングおよびトラブルシューティングします。
手順の概要
1. show warm-reboot
2. debug warm-reboot
手順の詳細
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ステップ 1 |
show warm-reboot
Router> show warm-reboot |
試行したウォーム再起動の統計情報を表示します。 |
ステップ 2 |
debug warm-reboot
Router> debug warm-reboot |
ウォーム再起動デバッグ情報を表示します。 |
ウォーム アップグレード機能の設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
• 「ウォーム アップグレード機能を使用した Cisco IOS の設定:例」
ウォーム アップグレード機能を使用した Cisco IOS の設定:例
次に、場所と名前が tftp://9.1.0.1/c7200-p-mz.port である新しいイメージを使用してオペレーティング システムをリロードする方法の例を示します。ウォーム アップグレード機能を使用してリロードが実行されます。
Router> reload warm file tftp://9.1.0.1/c7200-p-mz.port
Proceed with reload? [confirm]
Loading c7200-p-mz.port from 9.1.0.1 (via Ethernet5/0):!!!
Decompressing the image :### [OK]
02:37:42:%SYS-5-RELOAD:Reload requested by console. Reload Reason:Reload Command.
Press RETURN to get started!
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface Ethernet5/0, changed state to up
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface Ethernet5/1, changed state to up
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface Ethernet5/2, changed state to up
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface Ethernet5/3, changed state to up
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface FastEthernet6/0, changed state to up
00:00:12:%LINK-3-UPDOWN:Interface FastEthernet6/1, changed state to up
00:00:12:%SYS-5-CONFIG_I:Configured from memory by console
00:00:13:%SYS-5-RESTART:System restarted --
00:00:13:%SYS-6-BOOTTIME:Time taken to reboot after reload = 25 seconds
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface Ethernet5/0, changed state to up
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface Ethernet5/1, changed state to down
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface Ethernet5/2, changed state to down
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface Ethernet5/3, changed state to down
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface FastEthernet6/0, changed state to down
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface FastEthernet6/1, changed state to down
00:00:14:%LINEPROTO-5-UPDOWN:Line protocol on Interface Fddi4/0, changed state to down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface Fddi4/0, changed state to administratively down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface Ethernet5/1, changed state to administratively down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface Ethernet5/2, changed state to administratively down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface Ethernet5/3, changed state to administratively down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface FastEthernet6/0, changed state to administratively down
00:00:14:%LINK-5-CHANGED:Interface FastEthernet6/1, changed state to administratively down
その他の関連資料
ここでは、ウォーム アップグレード機能に関する関連資料について説明します。
コマンド リファレンス
次に示すコマンドは、このモジュールに記載されている機能または機能群において、新たに導入または変更されたものです。これらのコマンドの詳細については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』( http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/fundamentals/command/reference/cf_book.html )を参照してください。すべての Cisco IOS コマンドの詳細については、 http://tools.cisco.com/Support/CLILookup にある Command Lookup Tool を使用するか、または『 Cisco IOS Master Commands List 』を参照してください。
• debug warm-reboot
• reload
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