ウォーム リロード
ウォーム リロード機能では、ストレージからイメージを読み取らずにルータをリロードできます。つまり、以前メモリに保存したコピーから読み取り/書き込みデータを復元し、フラッシュからメモリにイメージまたはイメージの自己解凍をコピーせずに実行を開始することで、ROM Monitor(ROMMON; ROM モニタ)モード介入なしで Cisco IOS イメージが再起動します。したがって、ルータの起動時間が大幅に短縮され、システム全体の可用性が高まります。
この章で紹介する機能情報の入手方法
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 この章に記載されている特定の機能に関する説明へのリンク、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、「ウォーム リロードの機能情報」を参照してください。
プラットフォームおよび Cisco IOS ソフトウェア イメージのサポート情報の入手方法
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォーム、Cisco IOS ソフトウェア イメージ、および Cisco Catalyst OS ソフトウェア イメージの各サポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
ウォーム リロードの制限事項
追加のメモリ消費
初期化された変数のコピーが保存されることでウォーム再起動が機能するため、メモリ消費量が増加します。ただし、メモリ消費量を最小化するには、初期化された変数のコピーを圧縮形式で保存します。この圧縮ファイルは「読み取り専用」とすることで破損を防止します。
ソフトウェア サポート限定
ウォーム再起動は強制ソフトウェア クラッシュ時にだけ使用するようにしてください。何らかのハードウェア障害の場合はコールド再起動が必要です。
ウォーム リロードについて
ウォーム再起動機能を使用するには、次の概念を理解しておくことを推奨します。
• 「ウォーム リロードの利点」
• 「ウォーム リロード機能」
ウォーム リロードの利点
ルータ リロードの高速化
フラッシュからメモリにイメージをコピーして解凍する必要がないため、ルータのリロード時間が 2 ~ 4 分短縮されます。BOOTLDR イメージをロードして BOOTLDR イメージでコンフィギュレーション ファイルを解析する追加手順がなくなるため、BOOTLDR イメージを使用するプラットフォームでは、さらに時間を短縮できます。
フラッシュ カードの除去
フラッシュ カードを除去した場合でも、強制コールド再起動(電源障害など)が必要でない限りは再起動可能であるため、ルータの実用性は変わりません。
ウォーム リロード機能
クラッシュが発生すると、Cisco IOS イメージはコントロールを ROMMON に移し、ストレージ デバイス(通常はフラッシュ)からメイン メモリにシステム イメージをコピーし、システム イメージを解凍してから、コントロールを Cisco IOS に戻します。ウォーム再起動ではイメージをメモリのテキスト セグメントの開始位置に戻し、その位置から再起動を実行できるため、ROMMON 介入が不要になります。初期化された変数はメモリに保持され、初期化された変数が保存されている既存のメモリの場所を上書きするために使用されます。したがって、CPU がテキスト セグメントの開始位置に戻り、処理を開始すると、バイナリがフラッシュから読み取られ解凍された後に実行された場合と同じ情報が得られます。
ウォーム リロードの使用方法
ここでは、次の各手順について説明します。
• 「ウォーム リロードの設定」
• 「ウォーム リロード機能を無効にせずにシステムをリロード」
ウォーム リロードの設定
この作業では、グローバル コンフィギュレーション モードでウォーム リロード用にルータを設定します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. warm-reboot [ count number ] [ uptime minutes ]
4. exit
5. show warm-reboot
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
warm-reboot [ count number ] [ uptime minutes ]
Router(config)# warm-reboot count 10 uptime 10 |
ルータのウォーム再起動をイネーブルにします。 • count number :介入するコールド再起動間で許可されたウォーム再起動の最大数。有効な値の範囲は、1 ~ 50 です。デフォルト値は 5 回です。 • uptime minutes :ウォーム再起動を試行する前に初期システム構成から例外発生までに経過しなければならない最小時間(分)。指定した時間が経過する前にシステムがクラッシュした場合、ウォーム再起動は試行されません。有効な値の範囲は、0 ~ 120 分です。デフォルト値は 5 分です。 (注) ウォーム再起動がイネーブルになると、ウォーム再起動は初期化されたメモリのコピーが必要であるため、次回のコールド再起動までイネーブルになりません。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show warm-reboot
Router# show warm-reboot |
(任意)試行したウォーム再起動の統計情報を表示します。 |
ウォーム リロード機能を無効にせずにシステムをリロード
warm-reboot グローバル コマンドを設定した後に reload コマンドを発行すると、コールド起動が実行されます。したがって、システムをリロードし、ウォーム再起動機能を上書きしない場合は、 warm キーワードを指定して reload コマンドを実行する必要があります。この作業を使用して、システムをリロードしながらウォーム再起動するようにルータを設定します。
手順の概要
1. enable
2. reload [[ warm ] text | [ warm ] in [ hh : ] mm [ text ] | [ warm ] at hh : mm [ month day | day month ] [ text ] | [ warm ] cancel ]
3. show reload
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
reload [[ warm ] text | [ warm ] in [ hh : ] mm [ text ] | [ warm ] at hh : mm [ month day | day month ] [ text ] | [ warm ] cancel ]
Router# reload warm at 10:30 |
オペレーティング システムをリロードします。 ルータのリロード時にウォーム再起動機能を上書きしない場合は、 warm キーワードを発行する必要があります。 |
ステップ 3 |
show reload
Router# show reload |
ルータのリロード ステータスを表示します。 |
Cisco IOS ウォーム リロードの設定例
ここでは、次の設定例を示します。
• 「ウォーム リロードの設定:例」
ウォーム リロードの設定:例
次に、ウォーム再起動をイネーブルにして検証する例を示します。
Router#(config) warm-reboot count 10 uptime 10
10 warm reboots have taken place since the last cold reboot
XXX KB taken up by warm reboot storage
その他の関連資料
ここでは、ウォーム リロード機能に関する関連資料について説明します。
用語集
コールド再起動 :Cisco IOS イメージをリロードするプロセス。ROMMON がフラッシュなどのストレージ デバイスからメイン メモリに設定されたイメージをコピーします。この後に、イメージが解凍され、実行が開始します。
ウォーム再起動 :ROMMON 介入なしで Cisco IOS イメージをリロードするプロセス。イメージが以前メモリに保存したコピーから読み取り/書き込みデータを復元し、実行を開始します。コールド再起動とは異なり、このプロセスではフラッシュからメモリへのコピーやイメージの自己解凍は必要ありません。
(注) この用語集に記載されていない用語については、『Internetworking Terms and Acronyms』を参照してください。
ウォーム リロードの機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
(注) 表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していない限り、その機能は、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。
表 1 ウォーム リロードの機能情報
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ウォーム リロード |
12.3(2)T 12.2(18)S 12.2(27)SBC |
ウォーム リロード機能では、ストレージからイメージを読み取らずにルータをリロードできます。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • 「ウォーム リロードについて」 • 「ウォーム リロードの使用方法」 |
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