コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能は、実行中のコンフィギュレーション ファイル情報の収集を高速化することでコンフィギュレーション管理を支援します。この機能は特に多数のインターフェイスが構成されている大規模ネットワークを管理する場合に便利です。
機能情報の入手方法
使用するソフトウェア リリースで、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。この章に記載されている機能の詳細、および各機能がサポートされているリリースのリストについては、 「コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張に関する機能情報」 を参照してください。
プラットフォームのサポートと Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張に関する制限事項
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能を使用するデバイスには、大規模インターフェイス コンフィギュレーション ファイルを保存(キャッシュ保存)するための十分なメモリが必要です。たとえば、インターフェイス コンフィギュレーションが 15 KB のメモリを使用する場合は、この機能を使用することで追加の 15 KB の空きメモリ領域が必要になります。
モジュールに parser config cache interface コマンドがある場合は、構成されたインターフェイスのパフォーマンスが改善されます。Network Analysis Module(NAM; ネットワーク解析モジュール)などの物理インターフェイスがない場合は、モジュールではパフォーマンスの改善は見られません。
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張について
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能を有効にする前に、次の概念を理解しておくことを推奨します。
• 「Cisco IOS ソフトウェアのコンフィギュレーション ストレージ」
• 「コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の利点」
Cisco IOS ソフトウェアのコンフィギュレーション ストレージ
Cisco IOS のソフトウェア コンフィギュレーション モデルでは、コンフィギュレーション状態は分散して維持され、各コンポーネントは独自のコンフィギュレーション状態を保持します。設定情報を取得するには、ソフトウェアは各コンポーネントをポーリングして、分散された情報を収集する必要があります。このコンフィギュレーション状態の取得処理は Nonvolatile Generation(NVGEN; 不揮発性生成)として知られるプロセスによって実行され、 show running-config 、 write memory 、 copy system:running-configuration などの Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドで使用され、実行中のシステム構成を表示またはコピーします。呼び出すと、NVGEN 各システム コンポーネントとインターフェイスまたはその他のコンフィギュレーション オブジェクトの各インスタンスを照会します。NVGEN がこれらのクエリーを実行しているシステムを通過するときに、実行中のコンフィギュレーション ファイルが作成されます。
(注) ルータのメモリが少なく、バックアップ バッファを割り当てられないときに、write memory コマンドを設定すると、「Not enough space」というエラー メッセージが表示され、コマンドは失敗します。write memory コマンドが新しいコンフィギュレーションを適用できない場合は、バックアップ コンフィギュレーションを使用して元のコンフィギュレーションを復元します。
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の利点
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能が導入される前は、NVGEN は必ずシステム全体を照会する必要があり、全体コンフィギュレーションだけを生成できました。NVGEN 処理の完了にはかなりの時間がかかるため、実行中のコンフィギュレーションの処理にかかる時間がコンフィギュレーション管理におけるパフォーマンスの問題を引き起こします。
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能は NVGEN 処理の実行時間を短縮し、特に多数のインターフェイス コンフィギュレーションを含む大規模なコンフィギュレーション ファイルの管理で有用です。この機能はシステム メモリのインターフェイス コンフィギュレーション情報をキャッシュに保存し、変更された設定情報だけを取得することで、実行中のシステム構成を処理するコマンドの実行を高速化します。
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張を設定する方法
ここでは、次の手順について説明します。
• 「コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の設定」(必須)
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の設定
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張をイネーブルにする作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. parser config cache interface
4. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
parser config cache interface
Router(config)# parser config cache interface |
特に大規模コンフィギュレーション ファイルの場合に、実行中のシステム構成を管理するコマンドを CLI で実行するのに要する時間を短縮します。 |
ステップ 4 |
end
Router(config)# end |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
• 「コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の設定:例」
• 「コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の検証:例」
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の設定:例
次に、コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能をイネーブルにする方法の例を示します。
Router(config)# parser config cache interface
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張の検証:例
システム コンフィギュレーション ファイルのコマンドをチェックして、 parser config cache interface コマンドがイネーブルになっていることを確認できます。これは show running-configuration EXEC コマンドを入力すると表示されます。
(注) 初めてコンフィギュレーション ファイルを表示する場合は、インターフェイス キャッシュが少ないため、それほどパフォーマンスの改善は見られません。ただし、show running-config EXEC コマンドなどの連続した NVGEN タイプのコマンドを入力するとパフォーマンス改善を確認できます。
インターフェイス コンフィギュレーションが変更されるたびに、指定されたインターフェイスのキャッシュがフラッシュされます。その他のインターフェイス データはそのままキャッシュに残ります。インターフェイス コンフィギュレーションの修正後に NVGEN タイプのコマンドを入力すると、次回の NVGEN タイプのコマンドが入力されるまで改善はほとんど見られません。
Router# show running-config
parser config cache interface
その他の関連資料
次の項に、コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能に関する参考資料を示します。
シスコのテクニカル サポート
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右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。 以下を含むさまざまな作業にこの Web サイトが役立ちます。 • テクニカル サポートを受ける • ソフトウェアをダウンロードする • セキュリティの脆弱性を報告する、またはシスコ製品のセキュリティ問題に対する支援を受ける • ツールおよびリソースへアクセスする – Product Alert の受信登録 – Field Notice の受信登録 – Bug Toolkit を使用した既知の問題の検索 • Networking Professionals(NetPro)コミュニティで、技術関連のディスカッションに参加する • トレーニング リソースへアクセスする • TAC Case Collection ツールを使用して、ハードウェアや設定、パフォーマンスに関する一般的な問題をインタラクティブに特定および解決する この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。 |
http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html |
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張に関する機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェア イメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator を使用すると、Cisco IOS ソフトウェア イメージおよび Catalyst OS ソフトウェア イメージがサポートする特定のソフトウェア リリース、機能セット、またはプラットフォームを確認できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 には、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースのうち、特定の機能が初めて導入された Cisco IOS ソフトウェア リリースだけが記載されています。特に明記していない限り、その機能は、一連の Cisco IOS ソフトウェア リリースの以降のリリースでもサポートされます。
表 1 コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能に関する機能情報
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コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張 |
12.3(7)T 12.2(25)S 12.2(33)SRC 12.2(33)SB 12.2(33)SXI |
コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張機能は、実行中のコンフィギュレーション ファイル情報の収集を高速化することでコンフィギュレーション管理を支援します。この機能は特に多数のインターフェイスが構成されている大規模ネットワークを管理する場合に便利です。 12.2(33)SB では、この機能が Cisco 10000 シリーズに実装されました。 この機能に関する詳細については、次の各項を参照してください。 • コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張について • コンフィギュレーション生成のパフォーマンス拡張を設定する方法 次のコマンドが導入または修正されました。 parser config cache interface |
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