FCS の概要
FCS を使用すると、トポロジ アトリビュートを検出したり、ファブリック要素のコンフィギュレーション情報リポジトリを維持することができます。通常、管理アプリケーションは N ポートを通してスイッチの FCS に接続されます。FCS は次のオブジェクトに基づいて、ファブリック全体を表示します。
• Interconnect Element(IE)オブジェクト ― ファブリック内の各スイッチは IE オブジェクトに対応しています。ファブリックは 1 つまたは複数の IE オブジェクトで構成されます。
• ポート オブジェクト ― IE の各物理ポートはポート オブジェクトに対応しています。ポート オブジェクトにはスイッチ ポート(xE および F ポート)および接続された N ポートが含まれます。
• プラットフォーム オブジェクト ― 一連のノードをプラットフォーム オブジェクトとして定義して、管理可能な単一のエンティティにすることができます。これらのノードはファブリックに接続されたエンドデバイス(ホスト システム、ストレージ サブシステム)です。プラットフォーム オブジェクトは、ファブリックのエッジ スイッチ上にあります。
各オブジェクトには、それぞれ独自の一連のアトリビュートと値があります。一部のアトリビュートにはヌル値も定義できます。
Nexus 5000 シリーズ スイッチ環境では、ファブリックを複数の VSAN で構成できます。VSAN ごとに FCS のインスタンスが 1 つ存在します。
FCS は仮想デバイスの検出をサポートしています。FCS コンフィギュレーション サブモードで fcs virtual-device-add コマンドを入力すると、特定の VSAN またはすべての VSAN で仮想デバイスを検出できます。
スイッチに管理アプリケーションが接続されている場合、スイッチの FCS に転送されるすべてのフレームは、スイッチ ポート(F ポート)のポート VSAN に属します。管理アプリケーションの表示対象はこの VSAN に限定されます。ただし、このスイッチが属する他の VSAN に関する情報は、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)または CLI(コマンドライン インターフェイス)を使用して取得できます。
図26-1 では、Management Application 1(M1)はポート VSAN ID が 1 の F ポートを介して接続され、Management Application 2(M2)はポート VSAN ID が 2 の F ポートを介して接続されています。M1 はスイッチ S1 および S3 の FCS 情報を、M2 はスイッチ S3 および S4 の FCS 情報を問い合わせることができます。スイッチ S2 情報はどちらにも提供されません。FCS は、VSAN で表示可能なこれらのスイッチ上でのみ動作します。S3 は VSAN 1 にも属していますが、M2 は VSAN 2 にのみ FCS 要求を送信できます。
図26-1 VSAN 環境における FCS
FCS の特性
FCS には次の特性があります。
• 次のようなネットワーク管理をサポートします。
–N ポート管理アプリケーションは、ファブリック要素に関する情報を問い合わせて取得することができます。
–SNMP Manager は FCS MIB(管理情報ベース)を使用して、ファブリック トポロジ情報の検出を開始して、取得することができます。
• 標準の F ポートおよび E ポートだけでなく、TE ポートもサポートします。
• プラットフォームに登録された論理名および管理アドレスを使用して、一連のノードを維持することができます。FCS はすべての登録情報のバックアップをセカンダリ ストレージに維持し、変更があるたびに更新します。再起動またはスイッチオーバーが発生すると、FCS はセカンダリ ストレージ情報を取得し、データベースを再構築します。
• SNMP マネージャは FCS に、ファブリック内のすべての IE、ポート、およびプラットフォームについて問い合わせることができます。
FCS 検出情報の表示
Device Manager を使用して FCS 検出情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 FC > Advanced > Fabric Config Server を選択します。
Fabric Config Server ダイアログボックスが表示されます(図26-2 を参照)。
図26-2 Fabric Config Server ダイアログボックス
ステップ 2 Discovery タブをクリックします。
ステップ 3 Discover をクリックしてファブリックを再検出し、 Refresh をクリックして表示内容を更新します。
FCS 要素の表示
Device Manager を使用して FCS IE 情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 FC > Advanced > Fabric Config Server を選択します。
Fabric Config Server ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 Interconnect Elements タブをクリックします。
図26-3 のようなダイアログボックスが表示されます。
図26-3 FCS Interconnect Elements タブ
ステップ 3 Close をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。
FCS プラットフォームの作成
Device Manager を使用して FCS プラットフォームを作成する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 FC > Advanced > Fabric Config Server を選択します。
Fabric Config Server ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 Platforms(Enclosures) タブをクリックします。
ステップ 3 Create をクリックします。
Create Fabric Config Server ダイアログボックスが表示されます(図26-4 を参照)。
図26-4 Create Fabric Config Server ダイアログボックス
ステップ 4 VSAN ID を入力します。または利用可能な VSAN ID のドロップダウン リストから ID を選択します。
ステップ 5 Name フィールドに、Fabric Configuration Server の名前を入力します。
ステップ 6 サーバの種類を選択します( Gateway 、 Host 、 Storage )。
ステップ 7 サーバの WWN を入力します。
ステップ 8 サーバの管理アドレスを入力します。
ステップ 9 Create をクリックしてサーバを作成します。
FCS Fabric Port の表示
Device Manager を使用して FCS 検出情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 FC > Advanced > Fabric Config Server を選択します。
Fabric Config Server ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 Fabric Ports タブをクリックします。
ファブリック ポートのリストが表示されます(図26-5 を参照)。
図26-5 FCS Fabric Ports タブ
ステップ 3 Refresh をクリックして表示内容を更新します。
デフォルト設定
表26-1 に、FCS のデフォルト設定値を示します。
表26-1 FCS のデフォルト設定値
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プラットフォーム名のグローバル チェック |
ディセーブル |
プラットフォームのノードの種類 |
不明 |