Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ Fabric Manager ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド

データ補間

Performance Manager 固有の機能の 1 つとして、統計的なポーリング結果が失われたり、遅延した場合にデータを補間する機能があります。その他のパフォーマンス ツールでは失われたデータ ポイントがゼロとして格納されることがありますが、この方法では過去の傾向が正しく反映されないことがあります。Performance Manager は失われたデータの前のデータ ポイントと、失われたデータのあとのポーリング インターバル中に格納されたデータ ポイントを比較して、失われたデータ ポイントを補間します。これによって、パフォーマンス情報の継続性が保たれます。

データ収集

2 つの変数（受信バイト数と送信バイト数）に関するデータを 1 年分収集するには、76 KB のサイズの Round-Robin Database（RRD）ファイルが必要です。エラーおよび廃棄数も収集する場合、RRD ファイル サイズは 110 KB になります。デフォルト内部値は次のとおりです。

• 5 分間のサンプル× 600 回（2 日と 2 時間）

• 30 分間のサンプル× 700 回（12.5 日）

• 2 時間のサンプル× 775 回（50 日）

• 1 日のサンプル× 300 回

1000 ポート SAN の履歴データを、エラー数および廃棄数を含めて 1 年分収集するには、110 MB が必要です。この SAN にファブリック ポートが同じように配置された 20 台のスイッチが存在する場合、データを監視するために、スイッチごとに約 2 ～ 3 個の SNMP（簡易ネットワーク管理プロトコル）パケット、合計で約 100 個の要求/応答 SNMP パケットが 5 分おきに送信されます。

変数カウンタ要求が関係するため、フローのストレージ スペース要件の予測は困難です。フローが追加されるたびに 76 KB 増加します。

（注） Performance Manager は、管理不能なスイッチおよび他社製スイッチに関する統計情報は収集しません。ループ デバイス（FL/NL）は収集されません。

パフォーマンスしきい値の使用方法

Performance Manager Configuration Wizard では、監視対象のトラフィックが、設定した利用率を超えた場合にイベントをトリガーする 2 つのしきい値を設定できます。イベント トリガーは、Fabric Manager Web クライアントの Events ブラウザ ページに通知される Critical または Warning のどちらかのイベントとして設定します。

絶対値しきい値は、収集された統計情報に直接適用されます。統計情報が、合計リンク容量のパーセンテージとして、しきい値に設定された利用率と比較されます。統計が、設定されたしきい値を超えていると、Fabric Manager Web クライアントの Events タブにイベントが表示されます。

同じタイム ウィンドウ（毎日、毎週、または 2 週間おき）のリンクごとに、典型的なトラフィック パターンに適合するしきい値が、基準しきい値に基づいて作成されます。基準しきい値は平均の割合（110% ～ 500%）として設定されます。100% は計算された重み付き平均です。図29-1 に、毎週または毎日のオプションに対応する基準しきい値の設定例を示します。

図29-1 基準しきい値の例

しきい値を、月曜日午後 2 時に関して設定し、基準しきい値はこの統計情報の平均の 130% に設定します。平均は、これまでの月曜午後 2 時に発生した統計値（毎週を選択した場合）、またはこれまでの毎日午後 2 時に発生した統計値（毎日を選択した場合）から計算されます。

フロー セットアップ ウィザード

Performance Manager Flow および Performance Manager Setup Wizard を使用すると、設定が大幅に簡単になります。必要な処理は、取り込む統計情報のカテゴリを選択することのみです。この選択を行うと、監視するフローおよびリンクのリストが表示されます。必要に応じてエントリを削除したり、表示されたリストを単に受け入れてデータ収集を開始できます。ホストおよびストレージ リンクの統計情報はスイッチ上の特定のポートと関連していないため、接続を別のポートに移動した場合、長期間の統計情報が失われることはありません。

フロー統計の概要

フロー カウンタをイネーブルにすると、集約フロー統計とフロー統計に最大 1024 エントリが使用可能になります。各新フローのモジュールに必ず未使用のフロー インデックスを割り当ててください。フロー インデックスはモジュール全体で繰り返し使用できます。フロー インデックスの数値スペースは集約フロー統計とフロー統計で共用されます。

表29-1 に、監視対象のトラフィックのタイプを定義する Flow Type オプション ボタンの説明を示します。

フロー統計のカウント

Fabric Manager を使用してアクティブ ゾーン セットをカウントする手順は、次のとおりです。

ステップ 1 End Devices を展開してから、Physical Attributes ペインの Flow Statistics を選択します。

フロー統計が表示されます（図29-2 を参照）。

図29-2 Fabric Manager のフロー統計

ステップ 2 Create アイコンをクリックして、フローを作成します。

（注） Performance Manager を使用してファブリックを管理する場合は、ファブリック上でフローおよび収集の初期セットを設定する必要があります。

（注） フローの作成時には、デバイス タイプが正しく設定されていることを確認してください。

Define Traffic Flows ダイアログボックスが表示されます（図29-3 を参照）。

図29-3 Define Traffic Flows ダイアログボックス

ステップ 3 フローを作成するVSANを選択します。フローはアクティブ ゾーン セット単位で定義されます。

ステップ 4 定義したいフロー タイプの Type オプション ボタンをクリックします。

ステップ 5 （任意）既存のフロー データを削除する場合には、Clear old flows on modified switches チェックボックスをオンにします。

ステップ 6 （任意）柔軟性を高めるためにすべてのカード上のフローを作成する場合は、Create flows on all cards チェックボックスをオンにします。

ステップ 7 Next をクリックし、選択した VSAN で使用できるフローを確認します。

Review Traffic Flows ダイアログボックスが表示されます（図29-4 を参照）。

図29-4 Review Traffic Flows ダイアログボックス

ステップ 8 不要なフローを削除します。

ステップ 9 Finish をクリックして、フローを作成します。