CFS の概要
Nexus 5000 シリーズ スイッチの一部の機能は、正しく機能するために、ネットワーク内の他のスイッチと設定を同期させる必要があります。ネットワーク内の各スイッチで手動により同期化を行う方法は、単調でエラーの元となる作業です。
CFS はネットワーク内の自動設定同期化に対して共通のインフラストラクチャを提供します。また、機能に対して転送機能および共通サービスのセットを提供します。CFS はネットワーク内の CFS 対応スイッチを検出したり、すべての CFS 対応スイッチの機能を検出できます。
Nexus 5000 シリーズ スイッチは、ファイバ チャネル、IPv4、または IPv6 ネットワークを介した CFS メッセージの配信をサポートしています。スイッチがファイバ チャネル ポートでプロビジョニングされている場合、デフォルトではファイバ チャネルを介した CFS がイネーブルです。IP を介した CFS を明示的にイネーブルにする必要があります。
CFS には次の機能があります。
• CFS レイヤでクライアント/サーバ関係を持たないピア間のプロトコル
• ファイバ チャネル、IPv4、または IPv6 ネットワークを介した CFS メッセージの配信
• 3 つの配信モード
–協調型配信:常時、ネットワーク内で 1 つの配信のみが許可されます。
–非協調型配信:協調型配信が進行中である場合を除いて、ネットワーク内で複数の同時配信を実行できます。
–無制限の非協調型配信:既存の協調型配信がある場合に、ネットワーク内で複数の同時配信が許可されます。無制限の非協調型配信は、他のすべての配信タイプの配信と同時に実行できます。
次の機能は、IP を介した CFS 配信でサポートされています。
• IP ネットワークを介した配信の 1 つのスコープ:
–物理スコープ:配信は、IP ネットワーク全体に及びます。
次の機能は、ファイバ チャネル SAN を介した CFS 配信でサポートされています。
• SAN ファブリックを介した配信の 3 つのスコープ
–論理スコープ:配信は、VSAN のスコープ内で発生します。
–物理スコープ:配信は、物理トポロジ全体に及びます。
–選択した VSAN セットを超える場合:一部の機能は一部の特定の VSAN を介した設定配信を必要とします。これらの機能は、配信を制限する VSAN セットを CFS に指定できます。
• ファブリック マージ イベント中(2 つの独立した SAN ファブリックのマージ中)に、機能設定のマージを実行するマージ プロトコルをサポートします。
CFS 配信
CFS 配信機能は、下位層の転送には依存しません。Nexus 5000 シリーズ スイッチは、IP を介した CFS 配信およびファイバ チャネルを介した CFS 配信をサポートしています。CFS を使用する機能は、下位層の転送を認識しません。
ここでは、さらに詳しい内容について説明します。
• 「CFS 配信のモード」
• 「スイッチの CFS 配信のイネーブル化およびディセーブル化」
• 「IP を介した CFS 配信」
• 「ファイバ チャネルを介した CFS 配信」
• 「CFS 配信のスコープ」
• 「CFS マージのサポート」
CFS 配信のモード
CFS は、異なる機能の要件に対応するために 3 つの配信のモードをサポートしています。常時 1 つのモードだけを適用できます。ここでは、CFS 配信のモードについて説明します。
• 「非協調型配信」
• 「協調型配信」
• 「無制限の非協調型配信」
非協調型配信
非協調型配信は、ピアからの情報と競合しないと思われる情報を配信する場合に使用されます。1 つの機能に対して非協調型の同時配信を適用できます。
協調型配信
協調型配信は、常時 1 つの機能配信だけに適用できます。CFS はロックを使用してこの機能を実行します。ネットワーク内のどこかの機能でロックが取得されていれば、協調型配信を開始することはできません。協調型配信は、3 つの段階に分かれます。
1. ネットワーク ロックが取得されます。
2. 設定が配信され、コミットされます。
3. ネットワーク ロックが解放されます。
協調型配信には 2 種類あります。
• CFS によるもの ― 機能が介在することなく、機能要求に応じて CFS が各段階を実行します。
• 機能によるもの ― 各段階が機能によって完全に管理されます。
協調型配信は、ポート セキュリティの設定などの、複数のスイッチで操作および配信が可能な情報の配信に使用されます。
無制限の非協調型配信
無制限の非協調型配信では、既存の協調型配信がある場合にネットワーク内で複数の同時配信が許可されます。無制限の非協調型配信は、他のすべての配信タイプの配信と同時に実行できます。
スイッチの CFS 配信のイネーブル化およびディセーブル化
スイッチがファイバ チャネル ポートでプロビジョニングされている場合、デフォルトではファイバ チャネルを介した CFS がイネーブルです。IP を介した CFS を明示的にイネーブルにする必要があります。
物理接続を維持したまま、スイッチで CFS をグローバルにディセーブル化し、CFS を使用する機能からネットワーク全体への配信を隔離することができます。スイッチで CFS がグローバルにディセーブルにされている場合、CFS 動作はスイッチに制限されます。
Fabric Manager を使用して特定のスイッチ上で CFS 配信をグローバルにディセーブル化またはイネーブル化する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CFS 機能を選択します。たとえば、Physical Attributes ペインで Switches > Events を展開してから、 CallHome を選択します。
Information ペインの CFS タブに該当する機能が表示されます。
ステップ 2 CFS タブをクリックして、ネットワーク内のスイッチごとに、該当機能の CFS ステートを表示します。
ステップ 3 Global State カラムの値をクリックします。値がドロップダウン メニューに変わります。
ステップ 4 ドロップダウン メニューから、 disable または enable を選択します。
ステップ 5 CFS をディセーブルまたはイネーブルにするすべてのスイッチで、ステップ 3 および 4 を繰り返します。
ステップ 6 Config Action カラムを commit に設定します。
ステップ 7 Apply Changes アイコンをクリックして、その機能の設定変更をコミットし、CFS を通じて変更内容を配信します。
Device Manager を使用して、特定のスイッチ上で CFS 配信をグローバルにディセーブル化またはイネーブル化する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Admin > CFS ( Cisco Fabric Services )を選択します。
そのスイッチのすべての機能の CFS ステータスを示す CFS ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 現在のスイッチで CFS 配信をディセーブル化またはイネーブル化するには、 Globally Enabled チェックボックスをオフまたはオンにします。
ステップ 3 Apply をクリックして、このスイッチの CFS をディセーブルにします。
IP を介した CFS 配信
IP を介した CFS 配信は次の機能をサポートしています。
• IP ネットワーク全体での物理的配信
• ファイバ チャネルまたは IP を介して到達可能なすべてのスイッチに配信が到達する、ハイブリッド ファイバ チャネルおよび IP ネットワークでの物理的配信
(注) スイッチはまずファイバ チャネルを介して情報を配信し、ファイバ チャネルでの最初の試みが失敗すると IP ネットワークを介して配信します。IP およびファイバ チャネルの両方を介した配信がイネーブルの場合、CFS が重複メッセージを送信することはありません。
• IP バージョン 4(IPv4)または IP バージョン 6(IPv6)を介した配信
(注) CFS は同じスイッチから IPv4 と IPv6 の両方を介して配信することはできません。
• 設定可能なマルチキャスト アドレスを使用してネットワーク トポロジの変更を検出するキープアライブ メカニズム
• リリース 2.x 以上が稼働している Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチとの互換性
図7-1 はファイバ チャンネル接続と IP 接続の両方を持つネットワークを示します。ノード A はファイバ チャネルを介してノード B にイベントを転送します。ノード B はユニキャスト IP を使用してノード C とノード D にイベントを転送します。ノード C はファイバ チャネルを介してノード E にイベントを転送します。
図7-1 ファイバ チャネル接続と IP 接続を持つネットワーク例 1
図7-2 は、ノード C とノード D がファイバ チャネルを使用して接続されていることを除き、図7-1 と同じです。ノード B にはノード C とノード D の IP 用配布リストがあるので、この例のすべてのプロセスは同じです。ノード D はすでにノード B からの配布リストに入っているため、ノード C はノード D に転送しません。
図7-2 ファイバ チャネル接続と IP 接続を持つネットワーク例 2
図7-3 は、ノード D とノード E が IP を使用して接続されていることを除き、図7-2 と同じです。ノード E はノード B からの配布リストに入っていないため、ノード C およびノード D は両方ともイベントをノード E に転送します。
図7-3 ファイバ チャネル接続と IP 接続を持つネットワーク例 3
ファイバ チャネルを介した CFS 配信
ファイバ チャネルを介した FCS 配信の場合、CFS プロトコル層が FC2 層の上位に存在します。CFS は FC2 転送サービスを使用して、他のスイッチに情報を送信します。CFS はすべての CFS パケットに対して独自の SW_ILS(0x77434653)プロトコルを使用します。CFS パケットはスイッチ ドメイン コントローラ アドレスで送受信されます。
CFS 配信のスコープ
Nexus 5000 シリーズ スイッチのそれぞれ異なるアプリケーションは、次の各種のレベルで設定を配信する必要があります。ファイバ チャネルを介した CFS 配信を使用する場合、次のレベルを使用できます。
• VSAN レベル(論理スコープ)
VSAN のスコープ内で動作するアプリケーションは、設定の配信が VSAN に限定されます。アプリケーション例は、VSAN 内でのみコンフィギュレーション データベースを適用可能なポート セキュリティです。
(注) 論理スコープは、IP を介した FCS 配信ではサポートされていません。
• 物理トポロジ レベル(物理スコープ)
一部のアプリケーション(NTP など)は、物理トポロジ全体に設定を配信する必要があります。
• 選択した 2 つのスイッチ間
一部のアプリケーションは、ネットワーク内の選択したスイッチ間でのみ動作します。
CFS マージのサポート
CFS マージは、ファイバ チャネルを介した CFS 配信でサポートされています。
アプリケーションは CFS を通して、設定を SAN ファブリック内で継続的に同期します。このような 2 つのファブリック間で ISL(スイッチ間リンク)を起動すると、これらのファブリックがマージされることがあります。これらの 2 つのファブリック内の構成情報セットが異なっているために、マージ イベント中に調整が必要になることがあります。CFS はアプリケーション ピアがオンラインになるたびに通知します。M のアプリケーション ピアを持つファブリックが N のアプリケーション ピアを持つ別のファブリックとマージし、アプリケーションが通知のたびにマージ アクションを行う場合は、リンク アップ イベントがファブリック内の M*N マージをトリガーします。
CFS がサポートするプロトコルは、CFS レイヤで複雑なマージを処理することにより、必要なマージ数を 1 に削減します。このプロトコルはスコープ単位でアプリケーションごとに動作します。このプロトコルでは、ファブリック内の 1 つのスイッチがそのファブリックのマージ マネージャとして選択されます。その他のスイッチでは、マージ プロセスにロールがありません。
2 つのファブリック内のマージ マネージャは、マージ中にコンフィギュレーション データベースを相互に交換します。一方のデータベースのアプリケーションが情報をマージし、マージに成功したかどうかを判別して、結合されたファブリック内のすべてのスイッチにマージ ステータスを通知します。
マージに成功した場合は、マージされたデータベースが結合されたファブリック内のすべてのスイッチに配信され、新規ファブリック全体が一貫したステートになります。マージ障害から回復するには、新規ファブリック内の任意のスイッチから配信を開始します。この配信により、ファブリック内のすべてのピアが同じコンフィギュレーション データベースに復元されます。
アプリケーションの CFS サポート
ここでは、アプリケーションをサポートする CFS 機能について説明します。
• 「CFS アプリケーション要件」
• 「アプリケーションの CFS のイネーブル化」
• 「ネットワークのロック」
• 「変更のコミット」
• 「変更の廃棄」
• 「コンフィギュレーションの保存」
• 「ロック済みセッションのクリア」
CFS アプリケーション要件
ネットワーク内のすべてのスイッチは CFS に対応している必要があります。CFS に対応していないスイッチは配信を受信できず、ネットワークの一部が目的の配信を受信できなくなります。
CFS には次の要件があります。
• 暗黙的な CFS の使用 ― CFS 対応アプリケーションに CFS タスクを初めて発行した場合は、設定変更プロセスが開始し、アプリケーションによってネットワークがロックされます。
• 保留データベース ― 保留データベースはコミットされていない情報を保持する一時的なバッファです。データベースがネットワーク内のほかのスイッチのデータベースと同期するように、コミットされていない変更はすぐに適用されません。変更をコミットする場合、保留データベースはコンフィギュレーション データベース(別名、アクティブ データベースまたは有効なデータベース)を上書きします。
• アプリケーション単位でイネーブル化またはディセーブル化した CFS 配信 ― CFS 配信ステートのデフォルト(イネーブルまたはディセーブル)は、アプリケーション間で異なります。CFS 配信がディセーブル化されたアプリケーションは、設定を配信せず、ネットワーク内の他のスイッチからの配信も受信しません。
• 明示的な CFS コミット ― 大半のアプリケーションでは、新しいデータベースをネットワークに配信したりネットワーク ロックを解放するために一時的なバッファ内の変更をアプリケーション データベースにコピーする明示的なコミット動作が必要です。一時バッファ内の変更はコミット操作を実行しなければ適用されません。
アプリケーションの CFS のイネーブル化
すべての CFS ベース アプリケーションは、配信機能をイネーブルまたはディセーブルにすることができます。
デフォルトでは、アプリケーションの配信はイネーブルです。
アプリケーションの配信を明示的にイネーブルにしないかぎり、CFS はアプリケーション設定を配信しません。
Fabric Manager を使用して機能に対する CFS をイネーブルにする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CFS をイネーブルにする機能を選択します。
たとえば、Physical Attributes ペインで Switches > Events を展開してから、 CallHome を選択します。Information ペインに、該当する機能および CFS タブが表示されます。 CFS タブをクリックして、ネットワーク内のスイッチごとに、該当機能の CFS ステートを表示します。
ステップ 2 CFS をイネーブルにするスイッチを決定します。CFS をイネーブルにする場合は Feature Admin カラムを enable に、CFS をディセーブルにする場合は disable に設定します。
(注) CFS を使用する機能に対応したネットワーク内のすべてのスイッチ、または VSAN 内のすべてのスイッチに対して、CFS をイネーブルにします。
ステップ 3 変更した行を右クリックして、ポップアップ メニューを表示します。 Apply Changes を選択して、CFS の設定変更を適用します。CFS の変更が有効になると、CFS タブが更新されます。
Fabric Manager が CFS の変更ステータスを受信すると、Last Result カラムを更新します。
Device Manager を使用して機能に対する CFS をイネーブルにする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Admin > CFS( Cisco Fabric Services) を選択します。
そのスイッチのすべての機能の CFS ステータスを示す CFS ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 CFS が必要な機能を決定します。CFS をイネーブルにする場合は Command カラムを enable に、CFS をディセーブルにする場合は disable に設定します。
(注) ネットワーク内のすべてのスイッチ、または CFS を使用する機能に対応した VSAN 内のすべてのスイッチに対して、CFS をイネーブルまたはディセーブルにします。
ステップ 3 Pending Differences をクリックして、現在のスイッチの機能の設定を、ネットワーク内の他のスイッチ、またはこの機能に対して CFS がイネーブル化されている VSAN 内の他のスイッチと比較します。Show Pending Diff ダイアログボックスを閉じます。
ステップ 4 Apply をクリックして、CFS 設定変更を適用します。
Device Manager は CFS の変更ステータスを取り込んで、Last Command カラムおよび Result カラムを更新します。
ネットワークのロック
CFS インフラストラクチャを使用する機能(またはアプリケーション)を初めて設定する場合、この機能は CFS セッションを開始して、ネットワークをロックします。ネットワークがロックされると、スイッチ ソフトウェアはロックを保持しているスイッチからのこの機能に対する設定変更だけを許可します。他のスイッチからこの機能に設定変更を加えると、そのスイッチはユーザにロックされたステータスににあることを通知するメッセージを発行します。設定変更は、該当アプリケーションによって保留データベースに保持されます。
ネットワークのロックが必要な CFS セッションを開始したあとに、セッションが終了されなかった場合、管理者はセッションをクリアできます。ネットワークをロックしたユーザの名前は、再起動およびスイッチオーバーを行っても保持されます。(同じマシン上で)別のユーザが設定作業を実行しようとしても、拒否されます。
変更のコミット
コミット動作はすべてのアプリケーション ピアの保留データベースを保存し、すべてのスイッチのロックを解放します。
一般に、コミット機能はセッションを開始しません。セッションを開始するのは、ロック機能のみです。ただし、設定が変更されていない場合は、空のコミットを使用できます。この場合は、コミット動作によりロックを取得し、現在のデータベースを配信するセッションが開始されます。
CFS インフラストラクチャを使用して機能に対する設定変更をコミットした場合は、次のいずれかの応答に関する通知を受信します。
• 1 つまたは複数の外部スイッチが成功ステータスを報告 ― アプリケーションは変更をローカルに適用し、ネットワーク ロックを解放します。
• どの外部スイッチも成功ステートを報告しない ― アプリケーションはこのステートを失敗として認識し、ネットワーク内のすべてのスイッチに変更を適用しません。ネットワーク ロックは解放されません。
指定した機能について、その機能に対する変更をコミットできます。
Fabric Manager を使用して CFS 対応機能に変更をコミットする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CFS をイネーブルにする機能を選択します。
たとえば、Physical Attributes ペインで Switches を開き、 Events を開いてから、 CallHome を選択します。
Information ペインに、該当する機能および CFS タブが表示されます。
ステップ 2 CFS タブをクリックして、ネットワーク内のスイッチごとに、該当機能の CFS ステートを表示します。
ステップ 3 任意のスイッチの Config Action カラムの値を右クリックして、ドロップダウン メニューからオプション(Copy、Paste、Export to File、Print Table、Detach Table)を選択します。
ステップ 4 Apply Changes アイコンをクリックして、その機能の設定変更をコミットし、CFS を通じて変更内容を配信します。
Fabric Manager は CFS の変更ステータスを取り込んで、機能または VSAN の Last Command カラムおよび Result カラムを更新します。
Device Manager を使用して CFS 対応機能に変更をコミットする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Admin > CFS(Cisco Fabric Services) を選択します。
そのスイッチのすべての機能の CFS ステータスを示す CFS ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 該当機能の設定変更をコミットし、CFS を通して変更を配信する場合は、適用可能な機能ごとに、Command カラムを commit に設定します。該当機能に対する変更を廃棄して、この機能の CFS のネットワーク ロックを解放する場合は、Command カラムを abort に設定します。
ステップ 3 (任意)この情報を必要とする CFS 機能の CFS 配信基準として、 Type または VsanID を提供できます。
ステップ 4 Pending Differences をクリックして、現在のスイッチの機能の設定を、ネットワーク内の他のスイッチ、またはこの機能に対して CFS がイネーブル化されている VSAN 内の他のスイッチと比較します。
ステップ 5 Apply をクリックして、CFS 設定変更を適用します。
Device Manager は CFS の変更ステータスを取り込んで、Last Command カラムおよび Result カラムを更新します。
注意 変更をコミットしない場合、変更は実行コンフィギュレーションに保存されません。
変更の廃棄
設定変更を廃棄する場合、アプリケーションは保留データベースを一度に消去し、ネットワーク内のロックを解放します。中断とコミット機能の両方を使用できるのは、ネットワーク ロックが取得されたスイッチだけです。
その機能の Command カラム値を disable に設定してから、 Apply をクリックすると、指定した機能の変更を廃棄できます。
コンフィギュレーションの保存
(保留データベースにまだ存在していて)適用されていない変更内容は、実行コンフィギュレーションには表示されません。変更をコミットすると、保留データベース内の設定変更が有効なデータベースのコンフィギュレーションを上書きします。
注意 変更をコミットしない場合、変更は実行コンフィギュレーションに保存されません。
CISCO-CFS-MIB には CFS 関連機能の SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)設定情報が含まれます。この MIB(管理情報ベース)の詳細については、『 Cisco Nexus 5000 Series MIB Quick Reference 』を参照してください。
ロック済みセッションのクリア
アプリケーションによって保持されているロックは、ロックが取得されたにもかかわらず解放されていない状態からネットワークを復旧するために、ネットワークの任意のスイッチから解放できます。この機能には Admin 権限が必要です。
Fabric Manager を使用してロックをクリアする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CFS タブをクリックします。
ステップ 2 ロックをクリアする各スイッチの Config Action ドロップダウン リストから clearLock を選択します(図7-4 を参照)。
ステップ 3 Apply Changes アイコンをクリックして、変更を保存します。
図7-4 ロックのクリア
注意 この機能を使用してネットワーク内のロックを解放する場合は、注意が必要です。ネットワーク内の全スイッチのすべての保留データベースの内容は、一度に消去されて失われます。
CFS リージョン
ここでは、次の内容について説明します。
• 「CFS リージョンの概要」
• 「シナリオの例」
• 「Fabric Manager を使用した CFS リージョンの管理」
• 「CFS リージョンの作成」
• 「CFS リージョンへの機能の割り当て」
• 「別のリージョンへの機能の移動」
• 「リージョンからの機能の削除」
• 「CFS リージョンの削除」
CFS リージョンの概要
CFS リージョンは、物理配信スコープにおける所定の機能またはアプリケーションに対するスイッチのユーザ定義のサブセットです。ネットワークが広い範囲に及ぶ場合、物理プロキシミティに基づいてスイッチ セット間で特定のプロファイルの配信をローカライズまたは制限する必要がある場合があります。CFS リージョンを使用すると、所定の CFS 機能またはアプリケーションに対するネットワーク内の複数の配信アイランドを作成できます。CFS リージョンは、機能の設定の配信をネットワークにおけるスイッチの特定のセットまたはグループに制限するように設計されています。
(注) CFS リージョンは、物理スイッチにのみに基づいて設定できます。VSAN 内に CFS リージョンを設定することはできません。
シナリオの例
Call Home アプリケーションは、特別な状況や異常が発生したときにネットワーク管理者にアラートをトリガーするアプリケーションです。ネットワークが広い範囲に及び、ネットワーク内のスイッチのサブセットを担当するネットワーク管理者が複数存在する場合、Call Home アプリケーションは、管理者のいる場所にかかわらずすべてのネットワーク管理者にアラートを送信します。Call Home アプリケーションは、メッセージ アラートを選択してネットワーク管理者に送信するために、CFS リージョンを実装してアプリケーションの物理スコープを調整するか絞り込む必要があります。
CFS リージョンは、0 ~ 200 の範囲の番号で識別されます。リージョン 0 はデフォルトのリージョンとして予約されており、ファブリック内のすべてのスイッチを含みます。1 ~ 200 のリージョンを設定できます。デフォルトのリージョンは、下位互換性を維持します。
機能が移動され、新しいリージョンに割り当てられて、そのスコープがそのリージョンに制限される場合、配信またはマージの目的で他のすべてのリージョンを無視します。機能へのリージョンの割り当てには、初期物理スコープの配信に優先順位があります。
CFS リージョンを設定すると、複数の機能に設定を配信できます。ただし、所定のスイッチで所定の機能の設定を配信することができるのは、一度に 1 つの CFS リージョンのみです。一旦機能を割り当てた CFS リージョンは、その設定を別の CFS リージョン内に配信できなくなります。
CFS リージョンの作成
Fabric Manager を使用して CFS リージョンを作成する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Physical Attributes ペインで、 Switches を展開して、CFS を選択します。
Information ペインに、Global、IP Multicast、Feature by Region、および All Regions タブが表示されます。
ステップ 2 All Regions タブをクリックします。
タブに Switches and RegionIds のリストが表示されます。
ステップ 3 ツールバーの Create Row ボタンをクリックします。
図7-5 に、Create a Region ダイアログボックスを示します。
図7-5 Create a Region ダイアログボックス
ステップ 4 ドロップダウン リストからスイッチを選択して、範囲から RegionId を選択します。
ステップ 5 Create をクリックします。
リージョンが正常に作成されると、ダイアログボックスの下部に Success と表示されます。
CFS リージョンへの機能の割り当て
Fabric Manager を使用してリージョンに機能を割り当てる手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Physical Attributes ペインで、 Switches を展開して、CFS を選択します。
Information ペインに、Global、IP Multicast、Feature by Region、および All Regions タブが表示されます。
ステップ 2 Feature by Region タブをクリックします。
このタブは、すべてのスイッチを、対応する Feature および RegionId とともに表示します。
ステップ 3 ツールバーの Create Row ボタンをクリックします。
図7-6 に、Assign a Feature ダイアログボックスを示します。
図7-6 Assign a Feature ダイアログボックス
ステップ 4 ドロップダウン ボックスでスイッチを選択します。
選択したスイッチで実行されている機能が、Feature ドロップダウン ボックスに表示されます。
ステップ 5 そのスイッチの機能を選択して、リージョンに関連付けます。
ステップ 6 リストからリージョン番号を選択して、選択した機能に RegionId を関連付けます。
ステップ 7 Create をクリックすると、リージョンへのスイッチ機能の割り当てが完了します。
機能が正常に割り当てられると、ダイアログボックスの下部に Success と表示されます。
Feature by Region タブを使用して新しいリージョンに機能が割り当てられると、All Regions タブの下のテーブルに、新しいリージョンが示された新しい行が自動的に作成されます。また、All Regions タブを使用してリージョンを作成することもできます。
(注) Feature by Region タブでは、Create Row をクリックしてスイッチの機能を別のリージョンに再割り当てを実行しようとすると、操作が失敗したことを示すメッセージが表示されます。このエラー メッセージは、エントリがすでに存在することを示します。別のリージョンへの機能の移動は、次のセクションで説明する別のタスクで実行できます。
別のリージョンへの機能の移動
機能を新しいリージョンに移動するには、まず All Regions タブに新しいリージョンを作成します。つまり、All Regions タブに、新しい Region ID の新しい行が追加される必要があります。
Fabric Manager を使用して別のリージョンに機能を移動する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Physical Attributes ペインで、 Switches を展開して、CFS を選択します。
Information ペインに、Global、IP Multicast、Feature by Region、および All Regions タブが表示されます。
ステップ 2 Feature by Region タブをクリックします。
図7-7 は、Feature by Region タブを表示します。このタブは、機能とリージョンの詳細とともにすべてのスイッチを表示します。
図7-7 Feature by Region タブ
ステップ 3 必要な行の RegionId セルをダブルクリックします。
値の変更をプロンプトで表示するセルでカーソルが点滅します。
ステップ 4 RegionId 値を必要なリージョンに変更します。
ステップ 5 ツールバーで Apply Changes ボタンをクリックして、変更をコミットします。
リージョンからの機能の削除
Fabric Manager を使用してリージョンから機能を削除する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Feature by Region タブをクリックして、必要な行をクリックします。
ステップ 2 ツールバーで Delete Row ボタンをクリックします。
図7-8 に、確認ダイアログボックスを示します。
図7-8 リージョンからの機能の削除
ステップ 3 Yes をクリックして、ビューのテーブルから行を削除することを確認します。
CFS リージョンの削除
リージョン全体を削除する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 All Regions タブをクリックして、必要な行をクリックします。
ステップ 2 Delete Row をクリックします。
このアクションは、そのスイッチおよびリージョンに関連するすべてのエントリを Feature by Region タブのテーブルから削除します。
図7-9 に、確認ダイアログボックスを示します。
図7-9 CFS リージョンの削除
ステップ 3 Yes をクリックして、リージョンの削除を確認します。
(注) CFS は同じスイッチから IPv4 と IPv6 の両方を介して配信することはできません。
CFS 配信情報の表示
Device Manager を使用してスイッチの CFS 配信のステータスを表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Admin > CFS(Cisco Fabric Services) を選択します。
CFS ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスは、CFS を使用する各機能の配信ステータス(現在登録されているアプリケーションが CFS を使用しているかどうか、最後に成功したマージの結果)を表示します。
ステップ 2 行を選択し、 Details をクリックして、機能の詳細を表示します。
Fabric Manager を使用した CFS の例
この手順は、Fabric Manager を使用して CFS を使用する機能を設定した場合に表示される内容を示した例です。
ステップ 1 設定する CFS 対応機能を選択します。
たとえば、Logical Domains ペインで VSAN を展開してから、 Port Security を選択します。
Information ペインに、その VSAN のポート セキュリティ設定が表示されます。
ステップ 2 CFS タブをクリックします。
各スイッチの CFS の設定およびステータスが表示されます(図7-10 を参照)。
図7-10 CFS 設定
ステップ 3 Feature Admin ドロップダウン リストから各スイッチに対して enable を選択します。
ステップ 4 ネットワーク内のすべてのスイッチに対して、ステップ 3 を繰り返します。
(注) ネットワーク内のすべてのスイッチで、現在の機能に対して CFS をイネーブルにしない場合は、警告が表示されます。
ステップ 5 この機能のマージ マスターとして機能させるスイッチの Master チェックボックスをオンにします。
ステップ 6 CFS をイネーブルにするスイッチごとに、Config Action ドロップダウン リストで commit Changes を選択します。
ステップ 7 Information ペインで、 Servers タブをクリックします。
マスター スイッチに基づいて、この機能の設定が表示されます(図7-11 を参照)。
ステップ 8 機能の設定を変更します。たとえば、Master カラムの名前を右クリックし、 Create Row を選択して、NTP 用のサーバを作成します。
a. NTP サーバの ID および Name or IP Address を入力します。
b. Mode オプション ボタンを設定し、オプションで Preferred チェックボックスをオンにします。
c. Create をクリックして、サーバを追加します。
図7-11 Servers タブ
ステップ 9 Delete Row アイコンをクリックして、行を削除します。
変更内容を加えると、ステータスが自動的に Pending に変わります(図7-12 を参照)。
図7-12 Pending へのステータス変更
ステップ 10 Commit CFS Pending Changes アイコンをクリックして、変更内容を保存します(図7-13 を参照)。
図7-13 Commit CFS Pending Changes
ステップ 11 ステータスが Running に変わります(図7-14 を参照)。
図7-14 Running へのステータス変更
ステップ 12 CFS をイネーブルにするスイッチごとに、Config Action ドロップダウン リストで abortChanges を選択します(図7-15 を参照)。
図7-15 設定変更のコミット
(注) enable を選択した場合は、Fabric Manager はステータスを pending に変更しません。最初の変更が実際に行われるまで、pending ステータスは適用されないためです。
ステップ 13 Apply Changes アイコンをクリックして、その機能の設定変更をコミットし、CFS を通じて変更内容を配信します。
(注) デバイス エイリアスなどの機能と CFS を併用する場合は、各設定の終了時に commit を選択する必要があります。セッションがロックされている場合は、abort を選択して、機能を終了する必要があります。
Fabric Manager を使用して機能ごとに配信用にマスターまたはシード スイッチを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CFS に対してマージ マスターが必要な機能を選択します。
たとえば、Physical Attributes ペインで Switches > Events を展開してから、 CallHome を選択します。
Information ペインに、CFS タブを含む該当する機能が表示されます。
ステップ 2 CFS タブをクリックして、ネットワーク内のスイッチごとに、該当機能の CFS ステートを表示します。
ステップ 3 この機能のマージ マスターとして機能させるスイッチの Master column チェックボックスをオンにします。
ステップ 4 Apply Changes アイコンをクリックして、今後の CFS 配信用にこのスイッチをマスターとして選択します。
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Device Manager を使用した CFS の例
この手順は、Device Manager を使用して CFS を使用する機能を設定した場合に表示される内容を示した例です。CFS を使用する機能の具体的な手順については、該当する機能のマニュアルを参照してください。
Device Manager を使用して CFS を使用する機能を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 任意の CFS 対応機能のダイアログボックスを開きます。
Device Manager が CFS 対応であるかどうかを調べます。また、Owner テーブル内のエントリを最低 1 つ調べて、機能がロックされているかどうかも調べます。CFS がイネーブル化されていて、機能がロックされている場合、Device Manager はその機能のステータスを pending に設定します。ロック情報を示すダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 プロンプトが表示されたら、 Continue または Cancel をクリックします。継続した場合は、CFS ステータスが復元されます。
ステップ 3 Admin > CFS (Cisco Fabric Services) を選択して、CFS ロック ホルダーのユーザ名を表示します。
ステップ 4 ロックされた機能をクリックして、 Details をクリックします。
ステップ 5 Owners タブをクリックし、UserName カラムを参照します。
(注) Refresh をクリックしないかぎり、Device Manager はネットワーク全体で機能のステータスをモニタしません。別の CFS 対応スイッチ上のユーザが同じ機能を設定しようとしても、pending ステータスは表示されません。ただし、そのユーザのスイッチで設定変更が拒否されます。
ステップ 6 CFS がイネーブル化されていて、機能がロックされていない場合、Device Manager はその機能のステータスを running に設定します。
その後、この機能に関するダイアログボックスが表示されます。作成、削除、または変更を実行するとすぐに、Device Manager はステータスを pending に変更して、保留データベース内の更新済み情報を表示します。
ステップ 7 機能の CFS テーブルを表示します。Device Manager がステータスを running に変更するのは、 commit 、 clear 、または abort を選択して、適用した場合のみです。 enable を選択した場合は、Device Manager はステータスを pending に変更しません。最初の変更が実際に行われるまで、pending ステータスは適用されないためです。
直前のコマンドが noOp の場合、Last Command および Result フィールドはブランクです。
(注) デバイス エイリアスなどの機能と CFS を併用する場合は、各設定の終了時に commit を選択する必要があります。セッションがロックされている場合は、abort を選択して、機能を終了する必要があります。
デフォルト設定
表7-1 に、CFS 設定のデフォルト設定値を示します。
表7-1 デフォルトの CFS パラメータ
|
|
スイッチでの CFS 配信 |
イネーブル |
データベース変更 |
最初の設定変更によって暗黙的にイネーブルにされる |
アプリケーションの配信 |
アプリケーションごとに異なる |
コミット |
明示的な設定が必要 |
IP を介した CFS |
ディセーブル |
IPv4 マルチキャスト アドレス |
239.255.70.83 |
IPv6 マルチキャスト アドレス |
ff15::efff:4653 |