Device Manager の概要
Device Manager を使用すると、搭載された拡張モジュール、各ポートのステータス、電源モジュール、およびファン アセンブリを含めて、Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ シャーシをグラフィック表示できます。
Fabric Manager の Information ペイン内のテーブルは、基本的に、Device Manager で表示されるダイアログボックスに対応しています。ただし、Fabric Manager のテーブルには 1 つまたは複数のスイッチの値が表示されますが、Device Manager ダイアログボックスに表示されるのは 1 つのスイッチの値です。また、デバイス固有の設定の確認や、トラブルシューティング用の情報は、Fabric Manager よりも Device Manager の方が詳細です。
Device Manager は、Device View と Summary View の 2 つのビューを提供します。Summary View では、スイッチのインターフェイスを監視できます。Device View では、次のようなスイッチ レベルの設定を実行できます。
• 複数の VSAN のゾーンの設定
• ポート、SAN ポート チャネル、およびトランキングの管理
• スイッチへの SNMPv3 セキュリティ アクセスの管理
• スイッチへの CLI(コマンドライン インターフェイス)セキュリティ アクセスの管理
• アラーム、イベント、および通知の管理
• コンフィギュレーション ファイルおよびソフトウェア イメージの保存とコピー
• ハードウェア構成の表示
• シャーシ、モジュール、およびポートのステータスや統計情報の表示
Device Manager の起動
Device Manager は、デスクトップまたは Fabric Manager から起動できます。
デスクトップから Device Manager を起動するには、 Device Manager アイコンをダブルクリックし、「Cisco Fabric Manager とその他の管理ツールとの統合」に記載された手順に従います。
Fabric Manager から Device Manager を起動するには、次のいずれかの作業を実行します。
• Fabric ペインのマップで、管理するスイッチを右クリックし、表示されたメニューで Device Manager を選択します。
• Fabric ペインのマップでスイッチをダブルクリックします。
• Fabric ペインのマップでスイッチを選択し、 Tools > Device Manager を選択します。
Device Manager の使用法
ここでは、Device Manager インターフェイスについて説明します(図6-1 を参照)。
図6-1 Device Manager の Device タブ
メニューバー
Device Manager メイン ウィンドウの上部にあるメニューバーでは、1 台のスイッチの管理およびトラブルシューティングを行うことができます。メニューバーには、次のオプションがあります。
• Device ― Device Manager のインスタンスのオープン、管理プリファレンスの設定、ページ レイアウトの設定、現在のスイッチとの Telnet/Secure Shell(SSH; セキュア シェル)セッションのオープン、デバイス イメージのエクスポート、および Device Manager アプリケーションのクローズを行います。
• Physical ― コンポーネント、モジュール、温度センサ、電源モジュール、ファン、およびシステム全体を表示し、管理できます。
• Interface ― SAN ポート チャネル、およびファイバ チャネル、イーサネット ポートを設定して管理できます。診断、管理、モニタリング機能、および Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)とポートのトラッキング機能も提供します。
• FC ― VSAN(仮想 SAN)、ドメイン、およびネーム サーバの特性を設定して管理できます。高度な設定機能も提供します。
• Security ― FCSP、ポート セキュリティ、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)セキュリティ、共通のロール、SSH、Authentication, Authorization, and Accounting(AAA; 認証、認可、アカウンティング)、および IP Access Control List(ACL;アクセス コントロール リスト)を設定して管理できます。
• Admin ― スイッチ設定の保存、コピー、編集、および消去、イベントのモニタ、フラッシュ ファイルの操作、ライセンスの管理、NTP の設定、CFS の使用、およびスイッチのリセットを実行できます。show tech support、show cores、および show image コマンドを使用することもできます。
• Logs ― メッセージ、ハードウェア、イベント、およびアカウンティングの各ログを表示します。Syslog セットアップも設定できます。
• Help ― Information ペインに、特定のダイアログボックスに関するオンライン ヘルプ トピックが表示されます。
ツールバー アイコン
Device Manager ツールバーを使用すると、多くの Device Manager 機能にすばやくアクセスできます。アイコンを選択すると、機能を設定するためのダイアログボックスが開くことがあります。ツールバーには、主な Device View アイコンおよび Summary View アイコンが配置されています( 表6-1 を参照)。
表6-1 Device Manager のメイン ツールバー
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Open Device |
他のスイッチの Device Manager ビューを開きます。このビューを別のウィンドウで開くオプションがあります。 |
Refresh Display |
スイッチと通信し、Device Manager ビューに情報を表示します。 |
Command-Line Interface |
スイッチに対する CLI コマンド ウィンドウを別個に開きます。 |
Configure Selected |
選択されたコンポーネント(ライン カードまたはポート)の設定ダイアログボックスを開きます。 |
SysLog |
スイッチに発生した最新のシステム メッセージのリストを表示するウィンドウを開きます。 |
VSANs |
スイッチの VSAN 設定を行う VSAN ダイアログボックスを開きます。 |
Save Configuration |
現在の実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに保存します。 |
Copy |
サーバとスイッチ間でコンフィギュレーション ファイルをコピーします。 |
Toggle FICON/Interface Port Labels |
FICON およびインターフェイス ポート ラベルを切り替えます。 |
Select VSAN |
ポートの表示をフィルタリングして、選択された VSAN に属すポートだけを表示します。 |
Help |
Device Manager のオンライン ヘルプにアクセスします。 |
ダイアログボックス
ツールバー アイコンを選択すると、選択された機能を設定するためのダイアログボックスが開くことがあります。このダイアログボックスには、テーブル操作用アイコンが配置されている場合があります。これらのアイコンの詳細については、「Information ペイン」を参照してください。
タブ
タブは、次の機能を提供します。
• Device ― スイッチ シャーシおよびコンポーネントのグラフィック表示を提供します。
• Summary ― 1 台のスイッチ、ファイバ チャネルおよび IP 近接デバイスにおけるアクティブなインターフェイスを表示します。Summary View にはポート速度、リンク利用率、およびその他のトラフィック統計情報も表示されます。Summary View タブの左上に、トラフィック監視用のボタンが 2 つあります。選択されたオブジェクトのトラフィックを監視するには、 Monitor Selected Interface Traffic Util% ボタンをクリックします。選択されたオブジェクトの詳細な統計情報を表示するには、 Monitor Selected Interface Traffic Details ボタンをクリックします。ポーリング インターバル、タイプまたは Rx/Tx 表示、およびしきい値を設定できます。
凡例
Device Manager の右下にある凡例は、次のようにポート ステータスを示します。
• カラー
–グリーン ― ポートが起動しています。
–ブラウン ― ポートは管理上のダウン状態です。
–レッド ― ポートはダウンしているか、または障害があります。
–オレンジ ― ポートにマイナー障害が発生しています。
–グレー ― ポートに到達できません。
–ブルー ― ポートはアウト オブ サービス状態です。
• ラベル
–X ― リンク障害
–E ― ISL(スイッチ間リンク)
–TE ― Multi-VSAN ISL
–F ― ホスト/ストレージ
–FL ― F ループ
–I ― iSCSI
–SD ― スパンの終点
–CH ― チャネル
–CU ― 制御ユニット
–NP ― プロキシ N ポート(NPV モード)
–f ― 仮想ファイバ チャネル インターフェイスが存在
–e ― 仮想イーサネット インターフェイスが存在
スーパーバイザおよびスイッチング モジュール
Device View でオブジェクトを右クリックして、その情報を取得したり、設定することができます。モジュールを右クリックすると、メニューにモジュール番号が表示され、モジュールの設定やリセットを実行できます。ポートを右クリックすると、メニューにポート番号が表示され、そのポートに関する設定、監視、イネーブル化、ディセーブル化、ビーコン モードの設定、または診断を実行できます。
ヒント Device Manager では複数のポートを選択し、選択したすべてのポートにオプションを一度に適用できます。ポートを選択するには、マウスをクリックしたまま、選択するポートを囲むようにドラッグするか、Ctrl キーを押したまま各ポートをクリックします。
ポートをイネーブルまたはディセーブルにするには、ポートを右クリックし、ポップアップ メニューで Enable または Disable をクリックします。複数のポートをイネーブルまたはディセーブルにするには、マウスをドラッグしてポートを選択し、選択されたポートを右クリックします。ポップアップ メニューで Enable または Disable をクリックします。
(注) Device Manager では、ファイバ チャネル ポートでのみ Enable および Disable を使用できます(イーサネット ポートでは使用できません)。
1 つまたは複数のポートのトランキングを管理するには、選択されたポートを右クリックし、 Configure をクリックします。表示されたダイアログボックスの Trunk カラムの現在の値を右クリックし、プルダウン リストで nonTrunk 、 trunk 、または auto をクリックします。
Device Manager を使用して SAN ポート チャネルを作成するには、Interface メニューで PortChannels をクリックします。詳細な手順については、 第 14 章「SAN ポート チャネルの設定」 を参照してください。Fabric Manager を使用して SAN ポート チャネルを簡単に作成することもできます。
(注) SAN ポート チャネルを作成するには、リンク両端のすべてのポートでポート速度、トランキング タイプ、および管理ステートを同じにする必要があります。
コンテキスト メニュー
両方の Device Manager ビューでコンテキスト メニューを使用可能にするには、デバイスまたはテーブルを右クリックします。
Device View メニュー
• Device ― システム、モジュール、または電源モジュールを右クリックするとメニューが表示され、デバイスの設定に関するオプションを選択できます。
• Port ― ポートを右クリックすると、クリックしたポートの番号を示すメニューが起動し、そのポートに関する設定、モニタリング、イネーブル化、またはディセーブル化を実行できます。
(注) イーサネット ポートのコンテキスト メニューでは物理イーサネット ポートだけではなく、物理イーサネットに存在する任意の仮想インターフェイスの設定およびモニタリングも実行します。
Summary View メニュー
• Table ― テーブルのヘッダーを右クリックすると、そのテーブルに表示されるカラムのリストが表示されます(Interface、Description、VSANs、Mode、Connected To、Speed (Gb)、Rx、Tx、Errors、Discards、およびLog)。ポート タイプに該当する設定ダイアログボックスを起動するには、Description フィールドをクリックします。
Quick Configuration Tool の使用
Device Manager は、スイッチにイーサネット インターフェイスを設定するツールを提供します。Quick Configuration Tool では、各イーサネット インターフェイスの次のいずれかの設定を選択できます。
• Eth Only ― 仮想インターフェイスなしで物理イーサネットを設定します。
• vEth Only ― 物理イーサネットを、仮想イーサネット インターフェイスに関連する VIG を持つように設定します。
• vFC Only ― 物理イーサネットを、仮想ファイバ チャネル インターフェイスに関連する VIG を持つように設定します。
• vEth + vFC ― 物理イーサネットを、仮想イーサネット インターフェイスおよび仮想ファイバ チャネル インターフェイスに関連する VIG を持つように設定します。
Quick Configuration Tool を使用してイーサネット インターフェイスを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ツール メニューで、Quick Config Wizard を選択します。
Quick Configuration Tool ウィンドウが表示されます(図6-2 を参照)。
図6-2 Quick Configuration Tool
ステップ 2 スイッチをイーサネット スイッチとして設定する場合は、Switch Operational Type ペインで、 Ethernet Switch オプション ボタンをクリックします。スイッチをファイバ チャネルおよび FCoE インターフェイスとの I/O Consolidation(IOC)として設定する場合は、 FCoE Switch オプション ボタンをクリックします。
ステップ 3 (任意)すべてのインターフェイスを選択したカラムの値に設定するには、カラムのヘッダーのオプション ボタンをクリックします。
ステップ 4 各行で、インターフェイスに適用する設定のオプション ボタンをクリックします。
ステップ 5 Apply ボタンをクリックして、設定変更を適用します。
Configure Action Status フィールドに、要求された設定変更の現在のステータスが表示されます。
ステップ 6 (任意)Configure Action Status フィールドをクリアするには、 Refresh ボタンをクリックします。Device Manager は、スイッチからの最新のステータスでフィールドを更新します。
Device Manager のプリファレンスの設定
Device Manager アプリケーションのプリファレンスを設定するには、Device メニューで Device > Preferences を選択します。設定できるプリファレンスは次のとおりです。
• Retry Requests x Time(s) After x sec Timeout ― 再試行要求値を設定できます。デフォルト設定は、5 秒間のタイムアウト後に 1 回です。
• Enable Status Polling Every x secs ― ステータス ポーリング値を設定できます。デフォルト設定はイネーブル(オン)で、期間は 40 秒です。
• Trace SNMP Packets in Message Log ― Device Manager が SNMP パケットをトレースし、トレースを記録するかどうかを設定できます。デフォルト設定は、ディセーブル(オフ)です。
• Register for Events After Open, Listen on Port 1163 ― Device Manager を開いたあとにイベントが記録されるように、現在のスイッチを登録できます。デフォルト設定はイネーブル(オン)です。
• Confirm Deletion ― Device Manager を使用して設定の一部を削除する場合に、確認用ポップアップを表示します。デフォルト設定はイネーブル(オン)です。
• Show WorldWideName (WWN) Vendor ― Device Manager によって表示された任意のテーブルまたはリスト内で、WWN ベンダー名を表示します。Prepend がオンの場合は、スイッチの IP アドレスの前に名前が表示されます。Replace がオンの場合は、IP アドレスの代わりに名前が表示されます。デフォルト設定では、Prepend オプションがイネーブル(オン)です。
• Show Timestamps as Date/Time ― タイムスタンプを日付/時刻フォーマットで表示します。この設定がオフの場合、タイムスタンプは経過時間で表示されます。デフォルト設定はイネーブル(オン)です。
• Telnet Path ― システムの telnet.exe ファイルのパスを設定します。デフォルトは telnet.exe ですが、正しい場所を参照する必要があります。
(注) パスを参照するか、パスを入力した場合に、パス名にスペースが入っていると(c:\program files\telnet.exe など)、パスは無効になります。パスを有効にするには、手動でパスを引用符で囲みます("c:\program files\telnet.exe"など)。
• Use Secure Shell Instead of Telnet ― CLI を使用してスイッチと通信する場合に、SSH と Telnet のどちらを使用するかを指定します。イネーブルの場合は、SSH アプリケーションのパスを指定する必要があります。デフォルト設定は、ディセーブルです。
• CLI Session Timeout x secs (0= disable) ― CLI セッションのタイムアウト インターバルを指定します。ディセーブル(タイムアウト値なし)にするには、0 を入力します。デフォルト設定は 30 秒です。
• Show Tooltips in Physical View ― Physical(Device)View にツールチップを表示するかどうかを決定します。デフォルト設定はイネーブル(オン)です。
• Label Physical View Ports With: ― Physical(Device)View を使用している場合に、ポートに割り当てるラベル タイプを指定します。FICON および Interface を選択できます。デフォルト設定は Interface です。
• Export Table ― Device Manager を使用してテーブルをエクスポートした場合に作成されるファイルのタイプを指定します。Tab-Delimited(タブ区切り)、または XML から選択できます。デフォルト設定は Tab-Delimited です。