ルート プランの概説
Cisco CallManager では、内部および外部 PSTN コールのルーティングに対してルート プランを使用しています。
ネットワーク設計は、ルート パターン、ルート フィルタ、ルート リスト、およびルート グループにより柔軟に行うことができます。ルート パターンは、ルート フィルタと連動して、特定のデバイスにコールを送信したり、特定の番号パターンを組み込んだり、除外したりします。ルート パターンは番号パターンの組み込みと除外に使用し、ルート フィルタは主に番号パターンの組み込みに使用します。ルート リストはルート グループの選択順を制御し、ルート グループはゲートウェイ デバイスの選択順を設定します。
ルート パターンは、ゲートウェイに割り当てるか、ルート グループを含んだルート リストに割り当てることができます。ルート グループは、ゲートウェイとポートの使用優先順位を決定します。ルート グループにより、使用中のデバイスまたは障害デバイスから、代替デバイスへのオーバーフローが可能になります。
ルート リストは、ルート グループの使用優先順位を決定します。ルート リストを設定する場合、少なくとも 1 つのルート グループを設定する必要があります。1 つまたは複数のルート リストが、1 つまたは複数のルート グループを指すことができます。
ルート フィルタは、ルート パターンにより許可されている特定の番号のルーティングを制限します。タグが、ルート フィルタの中心コンポーネントです。タグは、ダイヤルされた番号の一部に名前を適用します。たとえば、NANP 番号 972-555-1234 には、LOCAL-AREA-CODE (972) タグ、OFFICE-CODE (555) タグ、および SUBSCRIBER (1234) タグが含まれています。
(注) NANP は、米国とその統治領、カナダ、バミューダ、およびカリブ海周辺諸国での PSTN 用の番号方式です。この番号方式には、北米で認識されるダイヤル可能な番号が組み込まれています。
ルート パターンは、すべての有効な番号ストリングを表します。Cisco IP Phone に電話番号を割り当てると、その IP Phone にルート パターンを割り当てたことになります(電話番号がルート パターンです)。Cisco Access Analog Trunk Gateway、Cisco Access Digital Trunk Gateway、Cisco MGCP ゲートウェイ、および H.323 準拠のゲートウェイも、ルート パターンを使用します。Cisco CallManager が隣接システムに番号を渡す前に、Cisco ゲートウェイは複雑な制約を使用して一連の番号をルーティングしたり、電話番号を操作したりできます。隣接システムとは、central office(CO; セントラル オフィス)、PBX、または別の Cisco CallManager システム上のゲートウェイです。
ルート パターンは、Cisco Access Gateway に直接割り当てるか、柔軟性を高めるためにルート リストに割り当てることができます。たとえば、図 13-1 では、Cisco Access Digital Gateway 1 が、一致するルート パターンがダイヤルされるときに、PSTN に発信コールをルーティングするための第 1 選択肢として指定されています。
ヒント ゲートウェイにルート パターンの指定がない場合は、PSTN または PBX にコールを発信することはできません。ゲートウェイ上の個々のポートにルート パターンを割り当てるには、ルート リストとルート グループをそのポートに割り当てる必要があります。
(注) ゲートウェイ ポートは 1 つのルート グループにだけ属することができます。ただし、ルート グループは複数のルート リストに割り当てることができます。
図 13-1 では、Cisco Digital Access Gateway に対してルート パターンを使用する場合の効果を示しています。この例では、ルート パターンがルート リストに割り当てられ、そのルート リストは 1 つのルート グループに関連付けられています。ルート グループは、アベイラビリティに応じて選択されるデバイスのリストをサポートします。第 1 選択肢であるゲートウェイ上のすべてのポートが使用中またはサービス休止の状態にある場合、コールは第 2 選択肢のゲートウェイにルーティングされます。
(注) ゲートウェイにルート パターンが関連付けられていない場合に、そのゲートウェイのリソースがすべて使用されていると、コールのルーティングは行われません。
図 13-1 Cisco Digital Access Gateway 用のルート プランの要約図
図 13-2 では、Cisco Analog Access Gateway に対してルート パターンを使用する場合の効果を示しています。この例では、ルート パターンがルート リストに割り当てられ、そのルート リストは 2 つのルート グループに関連付けられています。ルート グループ 1 は、ゲートウェイ 1 上のポート 1 ~ 8 に関連付けられ、これらのポートは、すべてのコールを中継キャリア 1(IXC 1)にルーティングします。ルート グループ 1 は、ゲートウェイ 2 上のポート 1~4 にも関連付けられています。ルート グループ 2 は、ゲートウェイ 2 上のポート 5~8、およびゲートウェイ 3 上のすべてのポートに関連付けられています。
各ルート グループは、グループ間のアベイラビリティに応じて選択されるデバイスをサポートしています。ルート グループ 1 の場合、第 1 選択肢のゲートウェイ上のポート 1~8 が使用中または使用停止中である場合、コールは、第 2 選択肢のゲートウェイ上のポート 1~4 にルーティングされます。ルート グループ 1 のすべてのルートが使用できない場合、コールはルート グループ 2 にルーティングされます。ルート グループ 2 の場合、第 1 選択肢のゲートウェイ上のポート 5~8 がビジーまたは使用停止中である場合、コールは、第 2 選択肢のゲートウェイ上のポート 1~8 にルーティングされます。どちらのルート グループのゲートウェイ上のポートも使用できない場合、コールは全トランク ビジー トーンにルーティングされます。
図 13-2 Cisco Analog Access Gateway 用のルート プランの要約図
ルート パターンのワイルドカードと特殊文字
ルート パターンのワイルドカードと特殊文字を使用すると、単一ルート パターンをある範囲の連続番号(アドレス)と一致させることができます。これらのワイルドカードと特殊文字は、Cisco CallManager が隣接システムに番号を送信する前にその番号を操作できるようにする命令の作成にも使用されます。
『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド Release 3.3(2)』の「特殊文字と設定値」にて 、Cisco CallManager がサポートしているワイルドカードと特殊文字について説明しています。
Closest Match ルーティング
Closest Match ルーティングとは、電話番号に最も近いルート パターンを使用してコールをルーティングするプロセスです。 Cisco CallManager で複数のルート パターンと一致する電話番号が検出された場合、Closest Match ルーティングを使用して、その番号に最も近いルート パターンを判別し、そのルート パターンを使用してコールを送信します。
2 つの設定済みルート パターンが、別々のパーティションで同一番号のアドレスと完全に一致する場合は、Cisco CallManager は、そのパーティションがコール検索スペース内でリストされている順番に基づいて、ルート パターンを選択します(Cisco CallManager は、コール検索スペース内の先頭に表示されるパーティションから、ルート パターンを選択します)。
2 つの設定済みルート パターンが、1 つのパーティションで同一番号のアドレスと完全に一致する場合は、Cisco CallManager は任意にどちらかのパーティションを選択します。このような完全一致が生じる状況は例外であるため、その理由を説明します。
複数のルート パターンが 1 つの番号に一致することがあります。たとえば、番号 8912 は、8912、89XX、および 8XXX のどのルート パターンとも一致します。
この例では、ルート パターン 8912 は 1 つのアドレスと完全に一致します。ルート パターン 89XX は、8912、およびその他の 99 個のアドレスと一致します。また、ルート パターン 8XXX は、8912、およびその他の 999 個のアドレスと一致します。
ユーザが 8913 をダイヤルする場合、そのコールのルーティング方法はさまざまです。直前の例を使用すると、このアドレスは、ルーティング パターン 89XX および 8XXX だけと一致します。89XX が一致するアドレスの範囲は、8XXX より狭いので、 Cisco CallManager は、ルーティング パターン 89XX に割り当てられるデバイスにそのコールを送信します。
ルート パターン内で @ ワイルドカード文字を使用する場合は、この他にも次の考慮事項があります。
数字 92578912 は、ルート パターン9.@ と 9.XXXXXXX の両方と一致します。どちらのルート パターンも、同じようにアドレスと一致するように見える場合であっても、実際には、9.@ ルート パターンが Closest Match になります。@ ワイルドカード文字では、さまざまなルート パターンが含まれます。そのルート パターンの中の 1 つが [2-9][02-9]XXXXX です。番号 2578912 は、XXXXXXX よりも [2-9][02-9]XXXXX に近いので、9.@ ルート パターンが、ルーティング用の Closest Match になります。
数字破棄命令
discard digits instruction(DDI; 数字破棄命令)は、電話番号の一部を削除してから、その番号を隣接システムに渡します。数字列の一部を削除する必要があるのは、たとえば、PSTN にコールをルート指定するのに外部アクセス コードが必要であるにもかかわらず、PSTN スイッチがそのアクセス コードを要求しない場合です。
『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド Release 3.3(2)』の「特殊文字と設定値」 には、DDI の一覧、および電話番号に各 DDI を適用した結果の説明があります。
ルート パターン
Cisco CallManager では、内部コールと外線の両方のルーティングまたはブロックにルート パターンを使用しています。電話番号は、固有のルート パターンの一種で、Cisco IP Phone に適用されます。また、ゲートウェイと Cisco IP Phone は、ワイルドカードを指定する、より複雑なルート パターンも使用できます。
ルート パターンに対する更新によって、関連付けられているゲートウェイおよびルート リストが自動的にリセットされます。
注意 ゲートウェイに関連付けられているルート パターンがない場合、またはゲートウェイがどのルート グループにも属していない場合、ゲートウェイはコールをルーティングできません。
最も単純なルート パターンでは、1 桁以上の数字がセットとして指定されています。たとえば、電話番号の 8912 は、ルート パターンとして指定されます。そのルート パターンが Cisco Access ゲートウェイまたはルート リストに割り当てられると、8912 へのすべてのコールは Cisco CallManager により、割り当てられているデバイスに送信されます。
Route Pattern ConfigurationウィンドウのISDN Network-Specific Facilities Information Element セクションでフィールドを設定することにより、ルート パターンを使用して、コールごとにネットワーク固有のサービスまたはファシリティを起動できます。Cisco CallManager は、ユーザがルート パターンをダイヤルするときに、ネットワーク固有のサービスまたはファシリティを使用します。
(注) Cisco CallManager は、PRI プロトコル ゲートウェイだけにネットワーク固有の情報を使用します。H.323 ゲートウェイは、ネットワーク固有のファシリティをサポートしていません。
Cisco CallManager は、ベアラ機能を Speech for the ACCUNET サービスとしてコーディングします。
ルート パターン使用上の考慮事項
ルート パターンを使用する際には、次のことを考慮してください。
• ルート パターンにアットマーク(@)が含まれている場合、Discard Digits フィールドには DDI を指定します。
• ルーティング パターンで @ が使用されている場合、# は、国際電話のダイヤル終了文字として自動的に認識されます。@ を使用しないルーティング パターンの場合、ダイヤル終了を知らせる # 文字を使用できるようにするには、ルーティング パターンに # を組み込む必要があります。
(注) @ を使用しないパターンに対して使用できる DDI は、<None>、NoDigits、および PreDot だけです。
外部ルート プラン ウィザード
外部ルート プラン ウィザードは、一連のプロンプトから管理者が指定した情報を使用して、NANP エリア用の単一テナントで、複数ロケーションからなる区分化ルート プランを生成します。
外部ルート プラン ウィザードで生成されたルート パターンには、次の要素が含まれています。
• ルート フィルタ
• ルート グループ
• ルート リスト
• ルート パターン
• パーティション
• コール検索スペース
• 発信側、および発信側の変換
• アクセス コード操作
次のトピックでは、外部ルート プラン ウィザードでルート プランを生成する際に使用される、基本的な概念について説明します。
• 「生成されたルート フィルタ」
• 「生成されたルート グループ」
• 「生成されたルート リスト」
• 「生成されたルート パターン」
生成されたルート フィルタ
生成されたルート フィルタは、ルート パターンを使用して、ルート リストを利用するアクセスを許可または制限します。外部ルート プラン ウィザードは、各ルート リストを特定のルート フィルタに関連付けます。このウィザードは、TenantLocationCalltype 規則を使用してルート フィルタに名前を付け、識別が容易になるように各ルート フィルタに接尾部に RF を追加します。
表 13-1 では、ルート フィルタを使用する、7 つのタイプのルート リストを示しています。この表では、特定のルート フィルタ名および実際のアクセス コードとエリア コードを使用して読みやすくしている例を示しています。
表 13-1 ルート リストと関連ルート フィルタ
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911 コール |
名前:CiscoDallas911RF 内容:9.@ where (SERVICE == 911) |
大都市(7 桁と 10 桁)ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocalRF 内容:9.@ where (INTERNATIONAL-ACCESS DOES-NOT-EXIST) AND (LOCAL-AREA-CODE DOES-NOT-EXIST) AND (AREA-CODE DOES-NOT-EXIST) AND (SERVICE DOES-NOT-EXIST) OR (LOCAL-AREA-CODE == 972) OR (LOCAL-AREA-CODE == 214) |
10 桁ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocal10DCallRF 内容:9.@ where (LOCAL-AREA-CODE == 972) OR (LOCAL-AREA-CODE == 214) |
7 桁ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocal7DCallRF 内容:9.@ where (INTERNATIONAL-ACCESS DOES-NOT-EXIST) AND (AREA-CODE DOES-NOT-EXIST) AND (SERVICE DOES-NOT-EXIST) |
トール バイパス コール |
名前:CiscoTollByPassToDallasRF 内容:9.@ where (AREA-CODE == 972) OR (AREA-CODE == 214) |
長距離コール |
名前:CiscoDallasLongDistanceRF 内容:9.@ where (AREA-CODE EXISTS) |
国際コール |
名前:CiscoDallasIntlRF 内容:9.@ where (INTERNATIONAL-ACCESS EXISTS) |
生成されたルート グループ
生成されたルート グループは、ゲートウェイとポートの使用優先順を設定します。外部ルート プラン ウィザードは、生成された各ルート グループに 1 つのゲートウェイを割り当てます。このウィザードは、そのゲートウェイ上のすべてのポートを使用します。ウィザードでは、生成された外部ルート プランに対して、リソースを部分的に使用することをサポートしていません。
外部ルート プラン ウィザードは、TenantLocationGatewayTypeNumber 規則を使用してルート フィルタに名前を付けて、識別しやすいようにしています。次のリストは、ゲートウェイ タイプの省略語を示しています。
• AA:アナログ アクセス
• DA:デジタル アクセス
• HT:H.323 トランク
• MS:MGCP ステーション
• MT:MGCP トランク
外部ルート プラン ウィザードは、すべてのルート グループに数字の接尾部を付けて、同じタイプの複数のゲートウェイに関連付けられるルート グループを識別します。たとえば、シスコの Dallas 事業所に 3 つの MGCP トランク ゲートウェイがある場合、外部ルート プラン ウィザードは、関連したルート グループに CiscoDallasMT1、CiscoDallasMT2、および CiscoDallasMT3 という名前を指定します。
ルート リストに複数のルート グループと複数のゲートウェイ(ルート グループごとに 1 つのゲートウェイ)が含まれる場合、外部ルート プラン ウィザードはそれらのルート グループを任意の順序でリストします。順序付けの必須条件は、ローカル ゲートウェイに関連付けられているルート グループが、リモート ゲートウェイに関連付けられているルート グループの前にリストされることだけです。必要に応じて、ルート プランの生成後にこの順序を手動で変更してください。
(注) Cisco CallManager は、あるロケーションに属するすべてのゲートウェイをそのロケーションの共有リソースとして扱います。
生成されたルート リスト
生成されたルート リストは、ルート グループの使用優先順を設定し、それらのルート グループに適用されるルート フィルタを指定します。外部ルート プラン ウィザードは、使用可能なローカル ダイヤル選択項目のタイプに応じて、ロケーションごとに 5~7 個のルート リストを作成します。したがって、ルート リストの合計数は、ローカル ダイヤル方式、およびそのルート プランが提供するロケーションの数により決まります。
外部ルート プラン ウィザードは、TenantLocationCalltype 規則を使用してルート リストには名前を付けることと、接尾部に RL を追加して、識別を容易にしています。
表 13-2 では、ルート リストの 8 つのタイプを示しています。この表に示されている例では、特定のルート リスト名を使用して簡単に読み取りれるようにしています。
表 13-2 ルート リストのタイプ
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911 コール |
名前:CiscoDallas911RL 使用法:このルート リスト タイプは、911 緊急コールに使用されます。 |
企業コール |
名前:CiscoDallasEnterpriseRL 使用法:このルート リスト タイプは、Cisco CallManager から隣接 PBX へのコールを含むルート プランに使用されます。ルート プランに隣接 PBX へのルーティングが含まれていない場合、ウィザードは、このルート リスト タイプを生成しません。 |
大都市ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocalRL 使用法:このルート リスト タイプは、7 桁と 10 桁の両方のダイヤル区域を含むルート プランに使用されます。このルート リスト タイプは、2 つのルート リストを生成します。つまり、7 桁ダイヤル用のルート リストと、10 桁ダイヤル用のルート リストです。大都市ルート リストを使用するルート プランの生成を選択した場合は、7 桁または 10 桁のダイヤル ルート リストを選択できません。 |
10 桁ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocal10DCallRL 使用法:このルート リスト タイプは、10 桁ダイヤルを使用するルート プランに使用されます。このルート リスト タイプは、10 桁ダイヤル用のルート リストを生成します。10 桁ダイヤル ルート リストを使用するルート プランの生成を選択した場合は、7 桁または大都市ダイヤル ルート リストを選択できません。 |
7 桁ダイヤルの市内コール |
名前:CiscoDallasLocal7DCallRL 使用法:このルート リスト タイプは、7 桁ダイヤルを使用するルート プランに使用されます。このルート リスト タイプは、7 桁ダイヤル用のルート リストを生成します。7 桁ダイヤル ルート リストを使用するルート プランの生成を選択した場合は、10 桁または大都市ダイヤル ルート リストを選択できません。 |
トール バイパス コール |
名前:CiscoTollByPassToDallasRL 使用法:このルート リスト タイプは、リモート ロケーションから発信されるクラスタ内コールを、ローカル コールとしてローカル ゲートウェイから発信するために使用されます。 |
長距離コール |
名前:CiscoDallasLongDistanceRL 使用法:このルート リスト タイプは、長距離料金コールに使用されます。 |
国際コール |
名前:CiscoDallasIntlRL 使用法:このルート リスト タイプは、国際料金コールに使用されます。 |
生成されたルート パターン
生成されたルート パターンは、コールを特定のデバイスに送信し、特定のダイヤル数字列の組み込みまたは除外を行います。外部ルート プラン ウィザードは、アクセス コードの接頭部を必要とするルート パターンだけを生成します。コールを PSTN にルーティングする一般的なルート パターンには、接頭部構造の 9.@ があります。コールを PBX にルーティングする一般的なルート パターンには、接頭部構造の 9.9.@ があります。
外部ルート プラン ウィザードは、ルート リスト、ルート フィルタ、およびパーティションを各ルート パターンに関連付けます。このルート パターンは、関連したルート リストに対して、該当する発信側変換マスク、着信側変換マスク、数字破棄命令、および接頭数字を提供します。
このウィザードは、隣接 PBX へのコールのルート パターンを、アクセス コード、およびその PBX が提供する電話番号の範囲に基づいて作成します。たとえば、隣接 PBX にコールを送信するのに使用されるアクセス コードが 9 であり、その PBX が提供する電話番号の範囲が 1000 ~ 1999 である場合、外部ルート プラン ウィザードは、企業コール用のルート パターン 9.1XXX を生成します。
ルート プラン レポート
ルート プラン レポートには、システム内のすべてのコール パーク(転送先保留)番号、コール ピックアップ番号、会議番号(Meet-Me 番号)、ルート パターン、および変換パターンのリストが含まれています。ルート パターン レポートを使用すると、ルート パターン、パーティション、ルート グループ、ルート リスト、コール パーク(転送先保留)番号、コール ピックアップ番号、会議番号(Meet-Me 番号)、またはゲートウェイを選択することにより、リストの一部または全部を表示したり、関連する設定ウィンドウに直接進んだりすることができます。
さらに、ルート パターン レポートを使用して .csv ファイルにレポート データを保管し、他の Bulk Administration Tools(BAT)などのアプリケーションにインポートすることもできます。この .csv ファイルには、電話機の電話番号(DN)、ルート パターン、変換パターンを含めて、Web ページよりも詳しい情報が入っています。詳細については、『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「ルート プラン レポート」 を参照してください。
参考情報
関連トピック
• 「パーティションおよびコール検索スペース」
参考資料
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「パーティションの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「コール検索スペースの設定」
• 『Cisco IP Telephony Network Design Guide』