Cisco IP Phone サービス
システム管理者は、Cisco CallManager Administration のメニュー オプション Cisco IP Phone Services Configuration を使用して、Cisco IP Phone サービスのリストの定義とその管理を行います。その IP Phone サービスに対して、ユーザはサイトから登録します。Cisco IP Phone サービスには、Extensible Markup Language(XML)アプリケーションがあり、XML を使用して、テキストとグラフィックスを含むインタラクティブ コンテンツを Cisco IP Phone に表示できます。
(注) Cisco IP Phone サービスは、Cisco IP Phone モデル 7960 および 7940 をサポートしています。
サービスのリストを設定した後、ユーザは Cisco CallManager のユーザ オプション ウィンドウにログインして、各自の Cisco IP Phone 用に、これらのサービスに登録することができます。また、管理者はサービスを Cisco IP Phone とデバイス プロファイルに追加できます。
Cisco CallManager は、Cisco IP Phone サービスのサンプル アプリケーションを用意しています。また、ご使用のサイトに合せてカスタマイズされた Cisco IP Phone アプリケーションを作成することもできます。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「Cisco IP Phone サービスの概要」
• 「ガイドラインとヒント」
• 「Cisco IP Phone サービス設定チェックリスト」
• 「参考情報」
Cisco IP Phone サービスの概要
Cisco IP Phone サービスは、テキストとグラフィックスを使用したインタラクティブ コンテンツを Cisco IP Phone に表示できる XML アプリケーションです。
Cisco IP Phone モデル 7960 と 7940 には、「services」というラベルが付いたボタンがあります。ユーザがこのボタンを押すと、電話機はその HTTP クライアントを使用して、特定の URL をロードします。この URL には、ユーザが電話機用にサブスクライブしているサービスのメニューが表示されます。ユーザは、リストの中からサービスを選択します。サービスがメニューから選択されると、HTTP を介して URL が要求され、サーバがコンテンツを提供し、電話機のディスプレイがこのコンテンツに更新されます。
電話機に提供される一般的なサービスには、気象情報、株価情報、ニュースなどがあります。Cisco IP Phone サービスは、標準 Web サーバ(たとえば、Microsoft の Internet Information Service(IIS))から HTTP プロトコルを使用して展開されます。
ユーザは、Cisco CallManager Administration を使用して設定されたサービスだけにサブスクライブできます。サービスごとに、次の情報が設定されます。
• コンテンツを提供するサーバの URL
• エンド ユーザがシステムをブラウズする際に便利な、サービスの名前と説明
• サーバに送信されるときに URL の末尾に付加されるパラメータのリスト
これらのパラメータによって、個々のユーザ用にサービスが個別設定されます。パラメータの例には、株価表示用の記号、市町村名、郵便番号、ユーザ ID などがあります。
Cisco CallManager Administration から、ロビーにある電話機などの共有デバイスをサービスに登録することができます。
システム管理者がサービスを設定した後、ユーザは Cisco IP Phone Configuration ウィンドウにログインして、サービスにサブスクライブできます。Cisco IP Phone Configuration ウィンドウから、ユーザは次の作業を行うことができます。
• サービス リストに表示されるサービスの名前をカスタマイズする。
• 選択した電話機サービスに対して使用できる任意のサービス パラメータを入力する。
• 各電話機サービス パラメータの説明を表示する。
• 各自の電話機上でそのサービスに登録する(登録はデバイスごとに行われます)。
また、サービスへの登録は Cisco CallManager Administration からも、Bulk Administration Tool アプリケーションからも行うことができます。
ユーザが登録ボタンをクリックすると、このサブスクリプション用のカスタム URL が Cisco CallManager によって作成され、データベースに保存されます。その後、このサービスはデバイスのサービス リストに表示されます。
ガイドラインとヒント
Cisco IP Phone は、サービスの設定状況に応じてグラフィックスまたはテキストのメニューを表示します。
Cisco IP Phone 7960 モデルは、Refresh 設定値を組み込んでいるウィンドウとともに送信される HTTP ヘッダーをサポートしています。この設定により、一定の時間をおいて、表示されている XML オブジェクトを新しいウィンドウに置き換えることができます。ユーザは、Update ソフト キーを押すだけで強制リロードを行うことができます。ヘッダー内で送信されたタイマー パラメータがゼロの場合は、次のウィンドウへの移動は Update ソフト キーを押したときにだけ行われ、ウィンドウの自動リロードは行われません。
Cisco IP Phone 7960 モデルは、データ入力プロセスの補助を目的とした次のソフト キーをサポートしています。
• Submit:フォームの入力が完了したことを示し、HTTP によって入力結果の URL を送信するように指示します。
• <<:フィールド内のバックスペース。
• Cancel:現在の入力をキャンセルします。
フィールド間を移動するには、縦スクロール ボタンを使用します。
注意 Cisco IP Phone サービスは、サイトの Cisco CallManager サーバ、または Cisco CallManager に関連付けられているサーバ(たとえば、TFTP サーバやディレクトリ データベース パブリッシャ サーバ)内に共存させないでください。サーバを分離することにより、Cisco IP Phone Service アプリケーションのエラーが原因で、Cisco CallManager のパフォーマンスが影響を受けたり、コール処理サービスが中断されることがなくなります。
Cisco IP Phone サービス設定チェックリスト
表 29-1 に、Cisco IP Phone サービスを設定する際のチェックリストを示します。
表 29-1 Cisco IP Phone サービス設定チェックリスト
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ステップ 1 |
システムに対して Cisco IP Phone サービスを設定する。システムをブラウズするユーザに分かりやすいように、各サービスには名前と説明を付けます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco IP Phone サービスの追加」 |
ステップ 2 |
個々のユーザに合せたサービスの個別設定に使用するパラメータのリストを設定する。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco IP Phone サービス パラメータの追加」 |
ステップ 3 |
Cisco IP Phone サービス機能が使用可能であることをユーザに通知する。 |
ユーザが Cisco IP Phone サービスにアクセスするための手順については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
参考情報
関連トピック
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「電話ボタン テンプレートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco IP Phone の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco IP Phone サービスの設定」
参考資料
• 『Cisco IP Phone Administration Guide for Cisco CallManager』
• Cisco IP Phone のユーザ資料とリリース ノート(全モデル)