ボイスメール システム アクセス
Cisco CallManager は、直接接続型のメール システムとゲートウェイベースのメール システムの両方をサポートしています。直接接続型のボイスメール システムは、パケット プロトコルを使用して Cisco CallManager と直接通信します。ゲートウェイベースのボイスメール システムは、アナログ ゲートウェイに接続されているアナログ トランクまたはデジタル トランクを使用して、Cisco CallManager に接続します。
直接接続型のボイスメール システムでは、Cisco CallManager は Cisco CallManager Administration が電話番号を割り当てるボイスメール ポートのプロビジョニングをサポートしています。管理者は、通常、あるボイスメール ポートを他のボイスメール ポートに直接転送します。したがって、複数のユーザが同時にボイスメール システムにアクセスする場合でも、ボイスメール システムのアクセスに必要なポートが利用可能になります。
コールに実際に使用されるボイスメール ポートにかかわらず、ユーザがボイスメールにアクセスするときは、転送チェインの最初のボイスメール ポートに関連付けられている電話番号をダイヤルします。この電話番号は、ボイスメール パイロット番号です。
ゲートウェイベースのボイスメール システムでは、Cisco CallManager はルート リストのプロビジョニングをサポートします。ユーザがルート リスト番号をコールすると、ルート リスト番号は、検索アルゴリズムを使用して、ボイスメール システムの各ポートへの着信コールを提供します。ゲートウェイ ベースのボイスメール システムでは、ボイスメール パイロット番号は、ルート リスト自体のパイロット番号です。
ボイスメール システムに関連付けられている電話番号にコールされると、コールされたボイスメール システムがそのコールを処理します。直接ボイスメール システムにコールされると、そのボイスメール システムは、通常、プロンプトを表示して、ユーザにメールボックスとそのメッセージの取り出しに必要なパスワード情報を要求します。ユーザは、ボイスメール パイロット番号を知っている場合はその番号を入力して、または Cisco 7900 シリーズ IP Phone 上のメッセージ ボタンを押して、ボイスメール システムにアクセスします。ユーザがメッセージ ボタンを押すと、そのユーザからのコールが、Cisco IP Phone 上で現在使用中の回線、つまり、デバイスの各回線に対して管理者が設定しているボイスメール パイロット番号へ、確立されます。アクティブな回線に対してボイスメール パイロット番号が設定されていない場合、Cisco CallManager はボイスメール コールをデフォルトのプロファイルに向けて送ります。
ボイスメール パイロット番号(Voice-Mail Pilot Numbers)
ボイスメール パイロット番号は、自分のボイスメールにアクセスするときにダイヤルする電話番号です。電話機の messages ボタンを押すと、Cisco CallManager がこのボイスメール番号を自動的にダイヤルします。各ボイスメール パイロット番号は、異なるボイスメール メッセージング システムに属することがあります。
Cisco CallManager Administration の Voice Mail Pilot Configuration ウィンドウは、ボイスメール番号を定義しています。
Cisco CallManager には、デフォルトのボイスメール パイロット番号が用意されています。現在のデフォルト番号を置き換えて、新規のデフォルト番号を設定することができます。
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco ボイスメール パイロットの設定」 を参照してください。
ボイスメール プロファイル
ボイスメール プロファイルでは、電話番号(デバイスではない)に関連付けられている回線に関連するボイスメール情報をすべて定義できます。ボイスメール プロファイルに含まれている情報は、次のとおりです。
• Voice Mail Profile Name
• Description
• Voice Mail Pilot Number
• Voice Message Box Mask
• Default(指定のプロファイルがデフォルト プロファイルの場合だけオンにします)
デバイスに異なる回線がある場合は、異なるボイスメール プロファイルが存在します。たとえば、ある管理アシスタントの電話機に管理者用の第 2 の回線があるとき、その回線は管理者のボイスメール システムにルーティングします。管理アシスタントの回線は、アシスタント本人のボイスメール システムにルーティングします。
事前設定のデフォルトのボイスメール プロファイルは、管理者が回線を追加するときに自動的に回線に割り当てられます。ボイスメール プロファイルを検索すると、リスト内のプロファイル名の横に「default」が表示されます。
ボイスメール プロファイルは、コールがボイスメール システムにルーティングされるとき、その他の設定値に優先します。
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「ボイスメール プロファイルの設定」 を参照してください。
複数ボイスメール システム環境におけるコール転送
ボイスメール システムがサポートする最大ユーザ数は Cisco CallManager がサポートする最大ユーザ数と一致します。
コールが意図した相手に関連付けられているボイスメール システムに確実に転送されるように、コール転送(Call Forward)機能は、コールがボイスメール システムに転送されるときに変更されます。
Cisco CallManager は、複数のボイスメール パイロット番号(プロファイル)をサポートしています。各パイロット番号は、異なるボイスメール システムに属することがあります。ボイスメール パイロット プロファイルは、ラインごとに設定します。Cisco CallManager は、ボイスメール コールを元のリダイレクト エンドポイント(電話番号)のボイスメール システムに転送します。ただし、この転送は、ボイスメール システムにボイスメール パイロット プロファイルが存在する場合に限られます。
クラスタ間コール転送には、制限が 1 つあります。あるクラスタを通して転送された後にボイスメールに転送されるコールに対して、Cisco CallManager は他のクラスタの最後のリダイレクト エンドポイントにあるボイスメール システムにコールを転送します。これは、Cisco CallManager が他のクラスタの元のエンドポイントにあるボイスメール パイロットプロファイルをもっていないために起こります。
Cisco CallManager Administration の Directory Number Configuration ウィンドウには、Call Forward と Pickup Settings が含まれています。Voice Mail チェックボックスがオンになっている場合、Cisco CallManager は、Forward All、Forward Busy、または Forward No Answer で、デバイスすべてに選択したボイスメール プロファイルを使用します。
例
最後に転送した電話が Forward To Voice Mail オプションを使用した場合のクラスタ内コール転送チェイン
あるボイスメール パイロットがサービスする電話機から別のボイスメール パイロットがサービスする電話機への Forwards All コール。2 番目の電話は、ボイスメールに転送されます。Cisco CallManager は、最初の電話機に関連付けられいるボイスメール パイロット番号にコールを配信します。
最後に転送した電話が Forward To Voice Mail オプションを使用しなかった場合のクラスタ内コール転送チェイン
あるボイスメール パイロットがサービスする電話機から別のボイスメール パイロットがサービスする電話機への Forwards All コール。2 番目の電話はボイスメールに転送されますが、ボイスメール パイロット番号は、ボイスメール転送としてではなく、特定の数字宛先として入力されていました。Cisco CallManager は、最後の電話に関連付けられているボイスメール パイロット番号にコールを配信します。
CTI を使用するクラスタ内コール転送チェイン
Cisco CallManager Attendant Console または他の CTI アプリケーションがコールを制御しているとき、オリジナル コールの情報を削除することを選択する場合がよくあります。したがって、次の宛先がボイスメールを受信します。
Cisco CallManager は、Cisco CallManager が宛先として報告しているボイスメール ボックスを管理するボイスメール システムに向けて、そのコールを送信する必要があります。次に例を示します。
コールが電話に着信します。そのコールは Attendant Console、dials-by-name を使用する発信者に転送されます。Cisco CallManager がそのコールを宛先に送り届けます。宛先は、ボイスメールに転送します。Cisco CallManager は、Attendant Console ではなく、発信者が選択した宛先に関連付けられているボイスメール番号にコールを配信します。
もう 1 つ例を示します。電話機 A は、すべてのコールを電話機 B に転送します。コールが Attendant Console に到着し、Attendant Console がそのコールを電話機 A に送信します。Cisco CallManager は、そのコールを電話機 B に転送します。誰もコールに応答しない場合、Cisco CallManager はそのコールをボイスメールに転送します。コールの元の宛先は電話機 A であったため、メッセージは、電話機 B ではなく、電話機 A のボイス メールボックスに送信されます。
RDNIS を使用するクラスタ間コール転送チェイン
PBX 上の Phone A は、同一 PBX 上の phone B にコールします。Cisco CallManager へ転送されたコールは、電話機 C まで送り届けられます。電話機 C はボイスメールに転送します。Cisco CallManager は、コールを電話機 C に関連付けられているボイスメール システムまで送り届けますが、電話機 B の内線番号を報告します。
電話機 B に関するボイスメール パイロット番号情報は、クラスタ間のバウンダリのために、存在しません。したがって、Cisco CallManager は、コールを最終宛先に関連付けられているボイスメール パイロット番号に送りません。しかし、PBX から Cisco CallManager に渡された電話番号をそのボイス メールボックスとして報告します。
メッセージの受信
Cisco CallManager Administration の 1 つの設定ウィンドウに対して、直接接続ベースのメッセージ受信用の集中メッセージ受信コンフィギュレーションがあります。Cisco CallManager Administration の Message Waiting Configuration ウィンドウは、メッセージ受信のインディケータの設定値に応じて、メッセージ受信を on/off にする電話番号を指定します。直接接続ベースのボイスメール システムは、指定された電話番号を使用して、特定の Cisco IP Phone に対してメッセージ受信のインディケータを設定するかクリアするか指定します。
Message Waiting Configuration ウィンドウでは、次の作業ができます。
• Cisco CallManager クラスタあたり、複数のメッセージ受信 on/off 番号のプロビジョニング
• メッセージ受信検索スペースと各メッセージ受信 on/off 番号との明示的な関連付け
• Cisco CallManager Administration によるメッセージ受信番号とコール検索スペース エントリの検証、および番号計画の中で番号が重複していないかどうかの検索
メッセージ受信のインディケータ
発信者がメールボックスにメッセージを残すと、ボイスメール システムは、そのボイスメールが受信された相手にメッセージ受信のインディケータを送信する必要があります。同様に、あるボイス メールボックスの所有者が保留中のボイスメールをすべて削除したとき、ボイスメール システムは、そのボイス メールボックスの所有者にメッセージ受信のインディケータを送信して、保留中のメッセージがなくなったことを知らせる必要があります。
Cisco CallManager を使用して、管理者は、どのような場合に保留中のボイスメールに対して Cisco IP Phone 7940 および 7960 のハンドセットのインディケータを点灯させるかを設定できます。Cisco CallManager を次のように設定できます。
• メッセージ受信のインディケータを常に点灯させる。
• メッセージ受信のインディケータを点灯させない。
• ボイスメールがプライマリ回線上に保留されている場合にだけ、メッセージ受信のインディケータを点灯させる。
メッセージ受信のインディケータ ポリシーを設定する方法は、2 つあります。Directory Number Configuration ウィンドウの Message Waiting Lamp Policy フィールドでは、特定の回線に対してどのような場合にハンドセットのランプを点灯させるか(常に点灯、点灯しない、メッセージ受信のランプ ポリシーのサービス パラメータに基づく)を設定できます。Service Parameter Configuration ウィンドウ(Cisco CallManager サービス用)では、メッセージ受信のランプ ポリシーのクラスタ全体のサービス パラメータを使用して、Cisco 7900 シリーズの IP Phone に対して、メッセージ受信のインディケータ ポリシー(常に点灯、点灯しない、プライマリ回線上にある場合だけ点灯)を設定できます。
ユーザのニーズに応じて、メッセージ受信ポリシーを選択します。たとえば、管理アシスタントは、マネージャの電話番号をセカンダリ電話番号として共有している場合、このポリシーを always light に設定すると、マネージャの回線に保留のボイスメールがあるかどうかを確認できます。また、一般の従業員は、同僚と回線表示を共有している場合、プライマリ回線表示でメッセージが保留になっている場合だけ、インディケータを点灯させるようにポリシーを設定できます。
高度なメッセージ受信のインディケータの要件を満たせないお客様に対しては、Cisco CallManager サービス パラメータを使用して、Cisco CallManager がメッセージ受信のランプを点灯させる条件を指示できます。
ボイスメール インターフェイス
Cisco CallManager は、次のインターフェイスを使用して、統合メッセージング システムと相互に会話をします。
• Skinny Protocol:Skinny Protocol ベースのボイスメール システムは、厳密には直接接続型のボイスメール システムと呼ばれ、これらのシステムとの通信に理論上は他のプロトコルを使用できる場合にでも使用されます。直接接続型のボイスメール システムは、Cisco CallManager Administration に特別に設定されているメッセージ受信 on/off 番号をコールしてメッセージ受信のインディケータを送信します。Cisco CallManager Administration では、ボイスメール ポートを作成して直接接続型のボイスメール システムへのインターフェイスを設定できます。ボイスメール システムへの複数の同時コールは、複数のボイスメール ポートを作成し、複数同時コールを順次転送することによって可能になります。『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco ボイスメール ポートの設定」 を参照してください。
• PSTN Gateway インターフェイス:H.323 ベースのボイスメール システムおよび従来のボイスメール システムがこのインターフェイスを使用します。これらのボイスメール システムは、通常(必須ではない)、SMDI を使用し、EIA/TIA-232 インターフェイスを通してメッセージ受信のインディケータを送信します。Cisco Messaging Interface サービスは、このインディケータを Cisco CallManager まで中継します。Cisco CallManager Administration では、ゲートウェイをプロビジョニングするだけで、ゲートウェイベースのボイスメール システムへのインターフェイスをプロビジョニングすることができます。個々のゲートウェイ ポートを含むルート グループを作成することによって、ボイスメール システムへの同時コールを使用可能にすることができます。その上に、ボイスメール システムで SMDI を使用する場合は、Cisco Messaging Interface サービスの設定と実行が必要です。詳細は、『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco Messaging Interface の設定」 を参照してください。
• クラスタ間インターフェイス:管理者がクラスタ間トランク上にボイスメール パイロット番号をプロビジョニングする場合、あるクラスタ内の Cisco CallManager は、別のクラスタ内のボイスメール システムへのアクセスを提供できます。しかし、Cisco CallManager クラスタはクラスタ間トランクを通した機能透過性がないため、ボイスメール システムが他のクラスタ内のデバイス用にメッセージ受信のインディケータを設定することはできません。
参考情報
参考資料
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco ボイスメール ポートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco ボイスメール ポート ウィザード」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「メッセージ受信の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「Cisco ボイスメール パイロットの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「ボイスメール プロファイルの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の 「サービス パラメータの設定」