Cisco Unity Connection 8.x のコール管理の概念の概要
Cisco Unity Connection には、着信コールおよび発信コールを管理する次の要素があります。
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コールに応答し、メッセージを取得できます。オプションのメニュー(「カスタマー サービスへは 1、営業部へは 2 を押してください」など)を提供します。コールをユーザおよび他のコール ハンドラにルーティングします。オーディオテキスト(録音済みの情報)を再生します。 |
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オーディオ リストを再生することで、企業ディレクトリへのアクセスを提供します。ユーザおよび外部の発信者は、これを使用して、ユーザに電話をかけたり、メッセージを残します。 |
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一連の質問を再生し、それに対する応答を録音することで、発信者からの情報を収集します。 |
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発信者の電話番号やスケジュールなどの基準に基づいて、コールを最初にルーティングする方法を定義できます。ユーザの内線、コール ハンドラ、インタビュー ハンドラ、およびディレクトリ ハンドラが設定されている場合、コール ルーティング テーブルを修正して適切なユーザまたはハンドラにコールをルーティングできます。 |
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コールの転送、ユーザへのメッセージの通知、および FAX 送信の目的で Connection がダイヤルできる番号を指定することで、発信コールを制御できます。 |
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アクティブにするコール ルーティング ルールのセット、グリーティング、または転送オプションを制御する目的で、会社の営業時間、営業時間外、祝日を定義します。 |
これらのすべての要素を構成要素として使用できます。Connection のデフォルト オブジェクトを使用またはカスタマイズすることも、新しいオブジェクトを追加し、組み合わせて、発信者向けの機能を作成することもできます。
Cisco Unity Connection 8.x のコール ハンドラ
コール ハンドラは、コールへの応答、録音済みプロンプトによる発信者へのグリーティング、発信者への情報およびオプションの提供、コールのルーティング、およびメッセージの取得を行います。コール ハンドラは、Cisco Unity Connection の基本的なコンポーネントです。事前定義されたコール ハンドラだけを使用して単純なコール ハンドラの計画を作成することも、最大 2,500 の新規コール ハンドラを作成することもできます。コール ハンドラは次のような用途で使用できます。
• 自動応答機能として。コール ハンドラは、グリーティングを再生したり、押されたキーに応じて反応することによって、応答およびコールの転送を行う人間のオペレータの代わりとして使用できます。自動応答には、オプションのメニューが用意されています(たとえば、「ご購入については 1 を押してください。サービスについては 2 を押してください。営業時間については 3 を押してください。」など)。
• 録音済みのオーディオ テキストを提供する。コール ハンドラを使用して、顧客から頻繁に要求される情報を提供できます(「営業時間は月曜から金曜の午前 8 時から 午後 5 時です」など)。また、システムと対話する前にすべての発信者が聞く録音済みメッセージを再生できます。
• メッセージ受信者として。コール ハンドラを使用して、会社へのメッセージを取得できます(「現在、カスタマー サービスの担当者が、電話に出ることができません。お客様のお名前、お電話番号、アカウント番号をお願いします。折り返しお電話を差し上げます」など)。
• コールを転送する。コール ハンドラを使用して、ユーザまたは別のコール ハンドラにコールをルーティングできます(たとえば、終業後はテクニカル サポートのコール ハンドラに着信したコールを直接オンコール担当者の携帯電話に転送するようにできます)。
コール ハンドラの作成方法およびカスタマイズ方法については、「Cisco Unity Connection 8.x のコール ハンドラの管理」を参照してください。
Cisco Unity Connection 8.x のディレクトリ ハンドラ
ディレクトリ ハンドラは、企業ディレクトリへのアクセスを提供します。発信者はこれを使用して、メールボックスがあり、ディレクトリにリストされている Cisco Unity Connection ユーザに電話をかけることができます。発信側がユーザ名または名前の一部を検索すると、ディレクトリ ハンドラが内線番号を調べ、該当するユーザにコールをルーティングします。発信者は、内線を入力してディレクトリ ハンドラからコールを発信することもできます。内線は、発信者がユーザの場合は適切な発信コール規制テーブルでチェックされ、外部の発信者の場合はデフォルト発信規制テーブルでチェックされます。
2 種類のディレクトリ ハンドラがあります。
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発信者は、電話のキーパッドを使用して、検索情報または内線を入力します。この種類のディレクトリ ハンドラに対しては、名前の検索方法、1 つ以上の一致が見つかったときの動作、発信者の入力が検出されなかったときの動作を指定できます。 |
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(音声認識オプション付きの Cisco Unity Connection システムのみ)。 この種類のディレクトリ ハンドラでは、発信者が通話相手となる Connection ユーザの姓名を発音するか、内線の数字を 1 桁ずつ発音して入力します。姓名による検索のほかに、音声ディレクトリ ハンドラではユーザの別名の検索ができます。ユーザ プロファイルの [ユーザの基本設定の編集(Edit User Basics)] ページで市または部署のフィールドが定義されている場合、発信者は、ユーザの名前と市または部署(またはその両方)を発音することで、検索を絞り込むことができます。 ディレクトリにリストされている Connection ユーザは、連絡可能な名前として、外部の発信者が使用できます。管理者定義の連絡先は、Connection にサインインしている Connection ユーザだけが使用できます。ユーザ定義の連絡先は、その連絡先を定義した Connection ユーザだけが使用できます。 この種類のディレクトリ ハンドラでは、ディレクトリ ハンドラを使用してユーザにアクセスするには、そのユーザに表示名が指定されていて、ユーザの [ユーザの基本設定(User Basics)] ページの [ディレクトリに登録(List in Directory)] チェック ボックスがオンになっている必要があることに注意してください。 |
ディレクトリ ハンドラの作成方法およびカスタマイズ方法については、 「Cisco Unity Connection 8.x のディレクトリ ハンドラの管理」 を参照してください。
Cisco Unity Connection 8.x のインタビュー ハンドラ
インタビュー ハンドラは、録音された一連の質問を再生し、次に、発信者から提供された回答を録音することによって、発信者からの情報を収集します。たとえば、販売注文を受けたり、製品サポート ラインの情報を収集したりする場合に、インタビュー ハンドラを使用します。
通話がインタビュー ハンドラにルーティングされると、インタビュー ハンドラでは録音された質問を再生し、次に、通知音を鳴らし、続いて回答を録音します。応答が指定した最大録音時間に達したとき、または発信者が話を終えたとき、Cisco Unity Connection は録音を停止します。Connection は続いて 2 番目の質問を再生します。以降も同様に続きます。すべての回答が録音されたら、それらは単一のボイス メッセージとして、指定した受信者に転送されます。回答と回答の間で通知音が鳴ります。
インタビュー ハンドラの作成方法およびカスタマイズ方法については、 「Cisco Unity Connection 8.x のインタビュー ハンドラの管理」 を参照してください。
Cisco Unity Connection 8.x のコール ルーティング テーブル
コール ルーティング テーブルは、着信コールをオペレータ、特定のユーザ、コール ハンドラ、ディレクトリ ハンドラ、またはインタビュー ハンドラにルーティングするために使用されます。また、ユーザをユーザ サインイン カンバセーションにルーティングするためにも使用されます。
Cisco Unity Connection には、ユーザおよび外部の発信者からのコールを処理する 2 つのコール ルーティング テーブルがあります。1 つは直接コール用で、もう 1 つは転送コール用です。各テーブルには事前に定義されたルーティング ルールが格納されており、必要に応じて通話を転送するための追加規則を作成できます。最初にディレクトリ ハンドラ、コール ハンドラ、およびインタビュー ハンドラを設定してから、必要に応じて、着信コールが正しく転送されるように各テーブルのコール ルーティング ルールを変更および作成します。
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直接ルールは、Connection に直接ダイヤルしたユーザおよび外部の発信者からのコールを処理します。事前定義済みの直接ルーティング ルールには、次のものがあります。 • サインイン試行:ユーザからのコールが、ユーザ サインイン カンバセーションにルーティングされます。 • ガイダンス:外部の発信者からのコールが、ガイダンスにルーティングされます。 |
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転送ルールでは、ユーザの内線、またはユーザ アカウントに関連付けられていない内線(会議室など)から Connection に転送されたコールが処理されます。事前定義済みの転送ルーティング ルールには、次のものがあります。 • 転送試行:ユーザの内線に転送されたすべてのコールが、ユーザのグリーティングにルーティングされます。 • ガイダンス:ユーザ アカウントに関連付けられていない内線から転送されたコールが、ガイダンスにルーティングされます。 |
それぞれのルーティング テーブルで、新しいルールの追加およびルールの順序の変更ができます。それぞれのルーティング テーブルに追加したルールに対する、サインイン試行ルールと転送試行ルールの順序を変更できますが、どちらのテーブルでもガイダンス ルールは必ず最後のエントリになります。事前定義されたルールは削除できません。
ルーティング ルールの詳細については、次の「コール ルーティング ルールの動作」と「「次のコール ルーティング ルールからのルーティング」アクションが設定されたルーティング ルールの使用」を参照してください。作成とカスタマイズについては、 「Cisco Unity Connection 8.x のコール ルーティング テーブルの管理」 の章を参照してください。
コール ルーティング ルールの動作
コール ルーティング テーブルは、Cisco Unity Connection に格納されている通話情報に基づいて着信コールを転送できるようにする一連のルールで構成されています。この情報には、発信側の電話番号(ANI または発信者 ID)、通話が着信するトランクまたはポート、ダイヤルされた電話番号(DNIS)、転送元内線番号、スケジュールなどが含まれます。
Connection はコールを受信すると、まず、電話システムによって送信されたコール情報に基づいて、このコールが直接コールか転送コールかを判別します。次に、適切なコール ルーティング テーブルを適用します。コール情報が、最初のルールのすべての条件に一致する場合、そのコールはルールで指定されたとおりにルーティングされます。最初のルールで指定された条件のいずれかが一致しなかった場合、コール情報は 2 番目の条件と比較されます。コールのすべての特性が一致するルールが見つかるまで、これを繰り返します。
電話システムと Connection 間の連動により、提供される通話情報(コール種別、ポート、トランク、発信者番号、宛先番号など)が決定されます。スケジュールは、コールを受信した日付と時間によって決まります。
ルーティング ルールを正しく設定するには、この連動によって提供される情報の内容を認識している必要があります。使用中の電話システムの Cisco Unity Connection インテグレーション ガイドで、コール情報の項を参照して、この情報を確認してください(Connection のインテグレーション ガイドは、 http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_installation_and_configuration_guides_list.html から入手可能です)。
次の例は、Connection のコール ルーティング テーブルを使用して通話を転送する方法を示しています。
例 1
表 4-1 では、オペレータ ルール設定に指定されている条件に一致する通話(平日スケジュールがアクティブになっているときに受信された直通の外線)は、オペレータに転送されます。この条件に一致しない通話は、テーブル内の他のコール ルーティング ルールのいずれかの指定に従って転送されます。この例では、週末に受信したすべての直接外線コールは、ガイダンス コール ルーティング ルールに従ってガイダンスにルーティングされます。
表 4-1 直接コールのコール ルーティング テーブル
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オペレータ |
アクティブ |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
平日 |
オペレータへの転送を試行 |
サインイン試行 |
アクティブ |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
常に |
サインイン試行 |
ガイダンス |
アクティブ |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
常に |
オペレーティング グリーティングへの転送を試行 |
例 2
表 4-2 では、特定の内線番号(1234 および 5678)から転送されたコールは、それぞれに製品情報ルールおよびカスタマー サービス ルールに従って転送されます。最初の 2 つのルールのいずれの内線番号(つまり、転送元内線番号)とも一致しない通話は、残りの 2 つのルールに従って転送されます。
表 4-2 転送コールのコール ルーティング テーブル
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カスタマー サービス |
アクティブ |
任意 |
任意 |
5678 |
任意 |
任意 |
常に |
カスタマー サービスへの転送を試行 |
製品情報 |
アクティブ |
任意 |
任意 |
1234 |
任意 |
任意 |
常に |
製品情報のグリーティングを再生 |
転送試行 |
アクティブ |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
常に |
転送試行 |
ガイダンス |
アクティブ |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
任意 |
常に |
オペレーティング グリーティングへの転送を試行 |
「次のコール ルーティング ルールからのルーティング」アクションが設定されたルーティング ルールの使用
ユーザ プロファイルまたはコール ハンドラで、[次のコール ルーティング ルールからルーティング(Route from Next Call Routing Rule)] アクションをコールに適用するように、グリーティング後のアクション、メッセージ再生後のアクション、または発信者の入力キーのアクションを設定できます。このアクションでは、Cisco Unity Connection は適切なコール ルーティング テーブル(コールを電話システムから受信した方法に応じて、直接または転送)に従い、Connection が以前にコールに適用したルールの直後のルールから、コールの処理を続行します。すでにテーブルの最後のルールに従ってコールが処理されていた場合は、最後のルールが再び適用されます。
たとえば、Connection で、Connection に直接着信したか内線から転送されたかにかかわらず、すべての発信者に対して常に、標準グリーティングまたは法規上の免責事項を再生したいことがあります。この場合、発信者が他のアクション(メッセージを残す、サインインするなど)を実行する前に、グリーティングを再生します。そのためには、次のタスクを実行します。
1. 新しいコール ハンドラを作成して、オプション グリーティングとしてメッセージを録音します。
2. オプション グリーティングを有効にして、グリーティング中の発信者の入力を無視するように設定します。次に、[次のコール ルーティング ルールからルーティング(Route from Next Call Routing Rule)] コール アクションを使用してグリーティング後のアクションを設定します。
3. すべての直接コールを新しいコール ハンドラに転送する、新しい直接コール ルーティング ルールを追加します([グリーティングへ直接移行する(Go Directly to Greetings)] を選択)。このルールが、直接コール ルーティング テーブルの最上部に現れるようにします。
4. すべての転送コールを同じ新しいコール ハンドラに転送する、新しい転送コール ルーティング ルールを追加します(ここでも、[グリーティングへ直接移行する(Go Directly to Greetings)] を選択)。このルールが、転送コール ルーティング テーブルの最上部に現れるようにします。
このようにシステムを設定すると、発信元やシステムへの着信方法にかかわらず、すべてのコールでこのグリーティングが完全に再生されます。その後、元の宛先に直接進みます。
Cisco Unity Connection 8.x の規制テーブル
規制テーブルを使用して、ユーザおよび管理者が次の目的で使用できる電話番号を制御できます。
• コールの転送。ユーザがコールを転送するために入力できる番号と、外部の発信者が発信者のシステム転送を使用するときに入力できる番号の両方が含まれます(発信者システム転送の詳細については、「Cisco Unity Connection 8.x のシステム転送の概要」を参照してください)。
• Media Master で録音/再生デバイスとして電話が指定されている場合は、Cisco Unity Connection アプリケーションからの電話での録音および再生
• ファクス機へのファクスの配信。
• メッセージ通知の送信。
• ユーザ定義の代行内線番号の作成(Connection がユーザに代わって自動的に追加するために提供する内線番号を含む)。
たとえば、ユーザがコールを転送できる宛先を内線だけに指定したり、ファクスの送信先を市内電話番号だけに指定できます。(ユーザが Connection と対話していないときに電話機から直接ダイヤルできる電話番号は、規制テーブルの影響を受けません)。
各サービス クラスでは、そのメンバーに対して、通話転送用、メッセージ通知用、およびファクス送信用に 1 つずつ規制テーブルが指定されています。この 3 つすべてに対して同じ規制テーブルを使用することも、それぞれ異なる規制テーブルを使用することもできます。
規制テーブルの詳細については、次の「規制テーブルが機能する仕組み」を参照してください。作成とカスタマイズについては、 「Cisco Unity Connection 8.x での規制テーブルの管理」 の章を参照してください。
規制テーブルが機能する仕組み
ユーザが Cisco Unity Connection Messaging Assistant または Connection カンバセーションを使用して、着信転送、メッセージ通知、またはファクス送信に使用する電話番号を変更しようとしたとき、あるいはサインインしたユーザが Connection カンバセーションを使用して、指定した番号へのユーザ システム転送を実行したときに、Connection はユーザのサービス クラスに関連付けられている規制テーブルを適用して、入力された電話番号が許可されることを確認します。
たとえば、メッセージ通知デバイスを設定するためにユーザが Connection Messaging Assistant を使用して電話番号を入力した場合、Connection は、そのユーザのサービス クラスに関連付けられている規制テーブルを適用し、電話番号が許可されない場合はエラー メッセージを表示します。ただし、管理者が Cisco Unity Connection Administration を使用してユーザのメッセージ通知番号を変更した場合、Connection はその番号に規制テーブルを適用しません。そのため、必要な場合、管理者が特定のユーザのサービス クラスの制限を無効にできます。
User-Defined and Automatically-Added Alternate Extensions 規制テーブル(Connection 8.5 以降)は、ユーザが Cisco Personal Communications Assistant などのインターフェイスや API コールを通じて代行内線番号を作成するために使用できる番号を規制するという点で、他の規制テーブルと同じように機能します。また、ユーザがある番号から Connection に頻繁にコールしてサインインする場合に、その番号が代行内線番号として提供されないように規制することもできます。(Connection 8.0 では、このテーブルが Excluded Extensions for Automatically-Added Alternate Extensions という名前になっており、ユーザが Cisco PCA で作成する代行内線番号には適用されません)。他の規制テーブルとは異なり、この規制テーブルはすべてのユーザに適用されるので、サービス クラスには関連付けられません。また、このテーブルは、管理者が Connection の管理 を使用してユーザ定義の代行内線番号を変更する場合にも適用されますが、管理者が管理者定義の代行内線番号を入力または変更する場合には適用されません。
規制テーブルの各行は、ダイヤル ストリングで構成されます。各ダイヤル文字列は、コール パターン、およびそのコール パターンと一致する番号に発信できるかどうかを指定する設定で構成されます。規制テーブルが適用されるのは、Connection が転送または送信を完了するときではなく、ユーザが規制テーブルで制御されている番号を変更しようとしたときであることがほとんどです。未認証の発信者が指定した番号に転送することを許可する発信者システム転送の場合は、Connection が指定された番号をデフォルト システム転送テーブルと照合します。デフォルトでは、不正通話と不正使用を防止するために、このテーブルによってすべての番号がブロックされます。
規制テーブルが番号(メッセージ通知用のポケットベル番号など)に適用されると、Connection によって、番号が規制テーブル内の最初のダイヤル ストリングのダイヤル パターンと比較されます。番号がダイヤル パターンと一致しない場合、Connection ではその番号が 2 番目のダイヤル ストリング内のダイヤル パターンと比較されます。一致が見つかるまで、この処理が続きます。一致するものが見つかると、Connection はダイヤル文字列での指定に従って、その番号へのコールを許可または禁止します。
規制テーブルは、一般的に、次の番号へのコールを許可または禁止するために使用されます。
• 特定の番号(内線番号など)
• 特定の長さよりも長いまたは短い番号
• 特定の桁数または桁数パターンを含む番号(外部アクセス コードとそれに続く長距離アクセス コードなど)
たとえば、表 4-3 の規制テーブルは、ほとんどの長距離電話番号を規制し、「91」で始まる内線を許可します。この例で、ユーザが転送番号として「9123」を入力すると、Connection は最初に、この番号をダイヤル文字列 0 のコール パターンと比較します。このダイヤル文字列は、「91」で始まり、その後ろに 7 桁以上の数字が続くすべての番号を規制します。入力された番号はダイヤル パターンと一致しないため、Connection では次に、この番号がダイヤル ストリング 1(先頭が「9011」で、そのあとに 7 桁以上が続くすべての番号が制限される)と比較されます。最後に、Connection では、この番号が最後のダイヤル ストリング(任意の長さのすべての番号と一致するワイルドカード文字を含む)と比較されます。このダイヤル ストリングの [この番号でダイヤルを許可(Allow this string)] フィールドが [する(Yes)] に設定されているため、Connection ではこの番号の使用が許可されます。
表 4-3 例 1
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この番号でダイヤルを許可(Allow this string)
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0 |
91???????* |
No |
1 |
9011???????* |
No |
2 |
* |
Yes |
表 4-4 の規制テーブルは、長距離電話番号と、4 桁よりも短い番号を規制します。この例では、「9」が電話システムの外部アクセス コードであり、「1」が長距離アクセス コードです。ダイヤル文字列 0 は、「91」で始まる任意の番号を規制します。一方、4 桁よりも短い番号は、ダイヤル文字列 2 で規制されます。このため、この規制テーブルによって許可される番号は、長距離電話番号でない 4 桁以上の番号だけとなります。
表 4-4 例 2
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この番号でダイヤルを許可(Allow this string)
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0 |
91* |
No |
1 |
????* |
Yes |
2 |
* |
No |
Cisco Unity Connection 8.x のスケジュールと祝日
スケジュール(および、関連付けられている祝日のセット)は、Cisco Unity Connection がコールの管理に使用する変数の 1 つです。スケジュールに基づいて、コール ハンドラの転送ルールを変更できます。また、スケジュールをルーティング ルールに適用して、時間帯ごとにコール ルーティング パターンを変更できます。スケジュールは、ユーザ グリーティングおよびコール ハンドラ グリーティングの再生にも影響を与えます。
Connection には、常時と平日の 2 つの事前定義済みスケジュールがあり、どちらも修正できます(デフォルトでは、平日スケジュールは、月曜から金曜の午前 8 時 から午後 5 時の 標準時間と、事前定義済みの祝日スケジュールに従うように設定されていますが、祝日スケジュールには、日付と時間が設定されていません)。
作成または修正する各スケジュールで、複数の時間および曜日の範囲を指定して、標準時間と時間外を構成し、特定の祝日の日付と時間を定義する祝日スケジュールに関連付けることができます。
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組織が営業している通常営業時間を構成する日付と時間。標準時間には、複数の時間範囲や、それぞれの曜日で異なる時間範囲を指定できます(たとえば、ある組織の標準時間は、月曜から金曜の午前 8 時から 午後 12 時までと 午後 1 時から 午後 5 時までで(昼休みに対応)、土曜日は午前 9 時から 午後 1 時まで、というようになります)。 標準転送ルールは、標準スケジュールに追加した曜日および時間の範囲の間、有効になります。標準ユーザ グリーティングおよび標準コール ハンドラ グリーティングは、標準時間内に再生されます。 |
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標準時間として指定されていない日付および時間は、会社が営業していない営業時間外と見なされます。 時間外ユーザ転送ルールおよび時間外コール ハンドラ転送ルールは、標準スケジュールで指定されていないすべての時間(祝日を含む)に動作します。時間外ユーザ グリーティングおよび時間外コール ハンドラ グリーティングは、時間外スケジュールに従って再生されます。 |
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休日設定が有効な場合、Connection は休日のガイダンスを再生し(有効化されている場合)、営業時間外転送ルールに従います。一度に複数年の休日をセットアップできます。年ごとに多数の休日がそれぞれ異なる日付で発生するため、休日スケジュールが各年で正しいことを確認します。 時間外ユーザ転送ルールおよび時間外コール ハンドラ転送ルールは、標準スケジュールで指定されていないすべての時間(祝日を含む)に動作します。ユーザおよびコール ハンドラの祝日グリーティングも、この時間帯に再生されます。 |
事前定義済みスケジュールの修正、および独自のスケジュールの作成については、 「Cisco Unity Connection 8.x のスケジュールと祝日の管理」 を参照してください。
デフォルトの Cisco Unity Connection 8.x 自動応答機能の動作
次の例に、デフォルトの Cisco Unity Connection 自動応答機能設定を使用して、さまざまなコール管理要素を経由するコール フローを示します。ここでは、Connection をインストールした後でコール管理設定を変更しなかった場合に予測されるデフォルトの動作をいくつか示します。
外部の発信者が営業時間に Cisco Unity Connection に発信した場合
Connection メールボックスを持たない発信者が、月曜の午前 9 時に、Connection のメイン電話番号をダイヤルします。
1. 電話システムからの情報によって、このコールが外部の発信者からの直接コールであることが示されます。Connection は、コール ルーティング ルールをチェックして、このコールと一致するルールを探します。直接ルーティング ルール テーブルには、サインイン試行とガイダンスという 2 つのエントリがあります。サインイン試行ルールで、Connection発信者の電話番号が Connection ユーザの内線または代行内線番号と照合されます。照合に失敗すると、Connection は、次のルーティング ルールであるガイダンス ルールを試行します。
2. ガイダンス コール ルーティング ルールは、任意の時間の任意の着信と一致します。このルールは、コールをガイダンス コール ハンドラにルーティングするように設定されています。
3. Connection は、ガイダンス コール ハンドラの転送オプション設定をチェックします。平日スケジュールがアクティブなときにコールが着信したので、標準転送オプションが適用されます。このオプションで、コール ハンドラのグリーティングにコールを送信することが指定されています(転送の試行ではなく、ガイダンス コール ハンドラのグリーティングにコールを送信するようにガイダンス コール ルーティング ルールが設定されていた場合、この手順はスキップされます)。
4. 平日スケジュールがアクティブなときに、内部の Connection ユーザと一致しない電話番号からコールが着信したので、Connection は、コール ハンドラの標準グリーティングを再生します。「こちらは Cisco Unity Connection メッセージング システムです プッシュホンで、ご希望の内線番号をダイヤルしてください 内線番号検索をご利用になるには、4 を押してください それ以外の場合は、オペレータにつながるまで待ちください。」
5. グリーティングが再生されている間、グリーティングで示されているように、発信者は数字を入力してユーザの内線に発信できます。ガイダンス コール ハンドラの発信者入力設定では、実行可能ないくつかのワンタッチ ダイヤル アクションも定義されています。たとえば、発信者が 4 のキーを押すと、追加の数字を待機するように設定された時間内に他のキーが押されなかった場合、システム ディレクトリ ハンドラにコールを送信するように Connection は設定されています。
6. 数字が入力されなかった場合、Connection は、このコール ハンドラの標準グリーティングのグリーティング後のアクションに進みます。このアクションは、オペレータ コール ハンドラにコールを転送するように設定されています。
7. オペレータ コール ハンドラも、平日スケジュールがアクティブなときに動作するように設定されています。再び、Connection はコール ハンドラの標準転送オプションをチェックします。ここで、コール ハンドラ グリーティングへの転送が指定されています。グリーティングが再生されます。「申し訳ありませんが、ただいまオペレータは対応できません」
8. このグリーティングのグリーティング後のアクションによって、Connection がメッセージを取得するように指示されます。このコール ハンドラのメッセージ設定によって、オペレータ ユーザがメッセージを受信するように指定されています。発信者がメッセージを残すと、Connection は電話を切ります。