Cisco Unity Connection 8.x のパーティションの概要
Cisco Unity Connection で、オブジェクトをグループ化する手段としてパーティションを作成します。発信者やユーザは、Connection と対話しながら、これらのオブジェクトをメッセージの宛先として指定したり、これらのオブジェクトに電話をかけたりできます。1 つまたは複数のパーティションをグループ化して、1 つのサーチ スペースのメンバーとすることができます。また、1 つのパーティションを複数のサーチ スペースのメンバーとすることもできます。パーティションには、次のタイプのオブジェクトが属します。
• メールボックスを持つユーザ(プライマリ内線番号)
• ユーザの代行内線番号
• 連絡先(VPIM 連絡先を含む)
• システム同報リスト
• システム コール ハンドラ
• ディレクトリ ハンドラ
• インタビュー ハンドラ
• VPIM ロケーション
また、ユーザ テンプレート、連絡先テンプレート、およびシステム コール ハンドラ テンプレートを使用して、これらのタイプの新しいオブジェクトのパーティション メンバーシップを設定することもできます。
パーティションには、関連付けられた内線番号がないオブジェクト(一部の連絡先やシステム同報リストなど)を含めることができますが、内線番号はパーティション内で一意にする必要があります。オブジェクトの名前は、パーティション内で一意にする必要はありません。管理者が定義する連絡先の電話番号も、パーティション内で一意にする必要はありません。
通常、オブジェクトは 1 つのパーティションのメンバーだけになれます。ただし、あるユーザのプライマリ内線番号を 1 つのパーティションに含め、さらに同じユーザの代行内線番号を別のパーティションに含めることは可能です。
ユーザに対して定義されたユーザの別名がある場合は、ユーザの内線番号が含まれている各パーティション内でそのユーザの別名を使用できます。
Cisco Unity Connection 8.x のサーチ スペースの概要
サーチ スペースは、ユーザまたは外部発信者が Cisco Unity Connection と対話しながら到達可能なオブジェクト(ユーザや同報リストなど)の、検索範囲を定義するために使用されます。たとえば、ユーザに適用される検索範囲は、そのユーザがメッセージの宛先に対して指定できるユーザ、同報リスト、または VPIM 連絡先を特定します。また、ユーザに適用される検索範囲は、音声認識カンバセーションの使用時にそのユーザが名前でダイヤルする方式で電話をかけることのできる、ユーザやシステム連絡先も特定します。
サーチ スペースを使用して検索範囲を設定できるのは、次のタイプのオブジェクトです。
• メールボックスがあるユーザ
• ルーティング ルール(直接ルーティングと転送ルーティングの両方)
• システム コール ハンドラ
• 電話ディレクトリ ハンドラ
• 音声対応ディレクトリ ハンドラ
• VPIM ロケーション
また、ユーザ テンプレート、連絡先テンプレート、およびシステム コール ハンドラ テンプレートを使用して、これらのタイプの新しいオブジェクトの検索範囲を設定することもできます。
サーチ スペースは、1 つまたは複数の順序付きパーティションで構成されます。Connection は、発信者のためにオブジェクトを検索するとき、サーチ スペースでパーティションが配列されている順序でパーティション内を検索します。内線番号はパーティション内で一意にする必要がありますが、サーチ スペース内では一意でなくても構いません。したがって、サーチ スペースを使用して、オーバーラップしている内線番号があるダイヤル プランを処理できます。
たとえば、Regional_Office と Headquarters という 2 つのパーティションがあり、それぞれに内線番号 4000 を持つ Help Desk ユーザが含まれているとします。この順序でこれら 2 つのパーティションが割り当てられたサーチ スペースに支社のユーザが属している場合、Connection は Regional_Office パーティション内の Help Desk ユーザを返します。本社の別のユーザが、逆の順序(Headquarters、Regional_Office の順)でパーティションが割り当てられた別のサーチ スペースに属している場合、このユーザが内線番号 4000 を宛先に指定すると、Headquarters パーティション内の Help Desk ユーザの情報が再生されます。
Cisco Unity Connection 8.x のデフォルトのパーティションとサーチ スペース
Cisco Unity Connection リリース 8.x をインストールするか、このリリースにアップグレードすると、パーティションに属する すべてのオブジェクトは、<サーバ名> Partition という名前のパーティションに置かれます。また、サーチ スペースを使用するように設定されたすべてのオブジェクトは、<サーバ名> Search Space という名前のサーチ スペース(この中には、<サーバ名> Partition が唯一のメンバーとして含まれる)を使用します。また、すべてのテンプレートは、該当する場合、このパーティションとサーチ スペースを使用するように設定されます。したがって、デフォルトでは、Connection が使用するサーバ全体のパーティションとサーチ スペースは 1 つだけです。デフォルトのパーティションおよびサーチ スペースは、名前変更または削除することができます。また、デフォルトのサーチ スペースは、説明やパーティション メンバーシップを変更することで修正できます。(「Cisco Unity Connection 8.x のシステム デフォルト パーティションとサーチ スペースの変更」を参照)。
Cisco Unity Connection 8.x のサーチ スペースの例
次の項を参照してください。
• 「単一サイトの自動受付サーチ スペースの例」
• 「複数サイトのサーチ スペースの例」
単一サイトの自動受付サーチ スペースの例
A 社には、カスタマー サービス部門へのコールを処理する自動受付として設定されている Cisco Unity Connection サーバが 1 台だけあります。A 社のすべての従業員は、Employee パーティション内にプライマリ内線番号を持っています。また、カスタマーサービス部門の従業員は、Customer Service パーティション内に代行内線番号も持っています。
Connection サーバには、次のサーチ スペースと、関連するパーティション メンバーシップが設定されています。
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Employees-SS |
Employee、Customer Service |
Customer-Service-SS |
カスタマー サービス |
また、外部発信者がアクセスするルーティング ルールは、Customer-Service-SS サーチ スペースを検索範囲として使用するように設定されています。外部発信者が対話するシステム コール ハンドラおよびディレクトリ ハンドラは、検索範囲をコールから継承するように設定されています。すべてのユーザは Employees-SS を検索範囲として使用し、ユーザが Connection に電話をかける際に到達するルーティング ルールは、Employees-SS を検索範囲として使用するように設定されています。
この例では、ユーザが Connection に電話をかけてサインインすると、社内の他のユーザをメッセージの宛先に指定したり、電話をかけたりできます。ただし、外部発信者が Connection に電話をかけ、自動受付にアクセスした場合は、Customer Service パーティション内に代行内線番号を持つ従業員だけにアクセスできます。
この例を発展させて、A 社には同一の内線番号を共有する 2 人のオペレータ(Employee パーティション内に内線番号 411 を持つ内部オペレータと、Customer Service パーティション内に内線番号 411 を持つ外部オペレータ)がいるとします。外部発信者が内線番号 411 にアクセスを試みると、Connection はその発信者を外部オペレータにルーティングします。これは、このオペレータが Customer-Service-SS サーチ スペースのパーティションに含まれている唯一のオペレータであるためです。従業員が Connection に電話をかけてサインインし、内線番号 411 にアクセスを試みると、Connection はその従業員を内部オペレータにルーティングします。これは、Employees-SS サーチ スペースのパーティション メンバーシップにおいて、このオペレータの内線番号が含まれている Employee パーティションが、外部オペレータの内線番号が含まれている Customer Service パーティションより先にリストされているためです。
複数サイトのサーチ スペースの例
B 社には、デジタル ネットワークで接続された 3 つの Cisco Unity Connection ロケーションがあります。これらのロケーションは、Headquarters、Regional-East、Regional-West の 3 つのサイトに対応します。
設定は次のとおりです。
• Connection には、次のサーチ スペースと、関連するパーティションが設定されています。
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Headquarters-SS |
HQ、Primary、RE、RW |
Regional-East-SS |
RE、Primary |
Regional-West-SS |
RW、Primary |
• 次のユーザ アカウントが設定されています。
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Alex Abade |
Headquarters |
Headquarters-SS |
85553001、Primary |
3001、HQ |
Chris Brown |
Headquarters |
Headquarters-SS |
85553002、Primary |
3002、HQ |
Pat Smith |
Regional-East |
Regional-East-SS |
82223001、Primary |
3001、RE |
Shannon Johnson |
Regional-East |
Regional-East-SS |
82223002、Primary |
3002、RE |
Robin Smith |
Regional-West |
Regional-West-SS |
87773001、Primary |
3001、RW |
Terry Jones |
Regional-West |
Regional-West-SS |
87773333、Primary |
3333、RW |
• Headquarters サーバ上には、VPIM ロケーションとして設定された VPIM サーバ(VPIM-South)があります。この VPIM ロケーションは、8468 という Dial ID を持ち、ブラインド アドレス宛先検索を許可するように設定されています。また、Primary パーティションに属し、Headquarters-SS サーチ スペースを使用するように設定されています。
• 各サーバの Attempt Sign In 直接ルーティング ルールと Attempt Forward 転送ルーティング ルールは、そのサーバ上のユーザと同じサーチ スペースを使用するように設定されています(たとえば、Headquarters サーバ上のルールでは、Headquarters-SS サーチ スペースが使用されます)。
この例では、Connection ユーザは 4 桁の内線番号を使用して、そのユーザ自身のサイトに存在する他の Connection ユーザを宛先に指定できます。さらに、8 に続く 7 桁の内線番号を使用して、社内に存在する任意のユーザを宛先に指定できます。ユーザは、8468 に続けてリモートシステムのメールボックス番号を入力することで、VPIM メールボックスに対してメッセージのブラインド アドレス宛先検索を行うことができます。VPIM-South VPIM ロケーションに存在するユーザが送信するメッセージは、HQ、Primary、RE、RW の各パーティション内の B 社のどのユーザにも配信できます。
たとえば、Alex Abade が電話機のキーパッドで内線番号 3002 を入力してメッセージの宛先を指定した場合、Connection は、一致するユーザとして Chris Brown を返します。Alex が電話のキーパッドで SMITHR(764847)を入力してメッセージの宛先を指定した場合、Connection は、764847 という入力に一致する Pat Smith と Robin Smith の両方を返します。Alex が「Robin Smith」と言ってメッセージの宛先を指定した場合、Connection は Robin Smith を返します。
電話システムでは、4 桁の内線番号、または 8 に続く 7 桁の内線番号のいずれかで内部発信者を識別するように設定できます。各発信者は、それぞれのホーム サーバに電話をかけて Connection にサインインする必要があります(クロスサーバ サインインおよびクロスサーバ転送の設定については、『 Networking Guide for Cisco Unity Connection 』( Release 8.x )の「 Cross-Server Sign-In, Transfers, and Live Reply in Cisco Unity Connection 8.x 」の章を参照してください。このドキュメントは、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/8x/networking/guide/8xcucnetx.html から入手可能です)。
Cisco Unity Connection 8.x でのサーチ スペースの動作
サーチ スペース間の相互関係と、さまざまな Connection の概念の詳細については、次の各項を参照してください。
• 「サーチ スペースとユーザ」
• 「サーチ スペースとコール ルーティング ルール」
• 「サーチ スペースとシステム同報リスト」
• 「サーチ スペースとシステム コール ハンドラ」
• 「サーチ スペースとディレクトリ ハンドラ」
• 「サーチ スペースとインタビュー ハンドラ」
• 「サーチ スペースとデジタル ネットワーキング」
• 「サーチ スペースと VPIM ロケーション」
• 「サーチ スペースと管理者定義の連絡先」
サーチ スペースとユーザ
ユーザが Cisco Unity Connection にサインインした状態では、ユーザの検索範囲により、次の場合にユーザがアクセスできるオブジェクトが定義されます。
• 内線番号でメッセージの宛先を指定する。
• 名前でメッセージの宛先を指定する。
• メンバーをプライベート同報リストに追加する。
• 名前を宛先指定優先リストに追加する。
• 名前を言って別のユーザに電話をかける。
• VPIM 連絡先をメッセージの宛先に指定する。
• VPIM ロケーションに対してメッセージのブラインド アドレス宛先検索を行う。
ユーザは、各自の検索範囲として定義されているサーチ スペースに属するパーティション内のオブジェクトだけにアクセスできます。このサーチ スペースには、ユーザのプライマリ内線番号または代行内線番号を持つパーティションが含まれている必要はありません。Connection は、ユーザが Connection との対話に電話(電話機のキーパッド キー)を使用しているか、ボイス コマンドを使用しているか、Cisco Personal Communications Assistant(PCA)などの表示クライアントを使用しているかにかかわらず、ユーザの検索範囲を適用します。
ユーザがメッセージの宛先を内線番号で指定しており、かつサーチ スペース内の異なるパーティション内にオーバーラップしている内線番号がある場合、Connection は、サーチ スペース内のそれらのパーティションを Cisco Unity Connection Administration の [割り当てられたパーティション(Assigned Partitions)] リストに示されている順序で検索し、最初に見つかった結果を返します。
ユーザが、自分のサーチ スペースにないパーティションに含まれている送信者からメッセージを受信した場合は、その送信者に返信できません。メッセージが複数の受信者に送信された場合や、ユーザが全員に返信した場合、そのユーザは、自分のサーチ スペース内のパーティションに含まれていないすべての受信者について不達確認を受信します(Connection が確認メッセージを送信するように設定されている場合)。
サーチ スペースとコール ルーティング ルール
Cisco Unity Connection に着信があると、まずそのコールは適切なルーティング テーブルでチェックされます。使用されるテーブルは、発信者が Connection に直接ダイヤルしたか、内線番号から転送されたかによって異なります。Connection が、コールのパラメータに基づいた適切なテーブルでコールをルーティング ルールに対応付けると、ルーティング ルールの設定によってコールの初期検索範囲が決まります。システム コール ハンドラなどの他のオブジェクトにコールがルーティングされると、コールの初期検索範囲はコール ルーティング ルールによって設定されますが、そのオブジェクトによって検索範囲が後で変更される場合もあります。
適切な検索範囲をコール ルーティング ルールに簡単に設定するには、ルーティング ルールの条件を設定し、着信コールのポート、電話システム、宛先番号などの基準でルールを選択します。複数のパーティションと複数のサーチ ペースを設定する場合は、各コール ルーティング ルールに設定されている検索範囲の影響について慎重に考慮する必要があります。コール ルーティング ルールでの検索範囲の設定に関する、次の検討事項に注意してください。
• Connection は、コールの初期検索範囲として定義されているサーチ スペースを使用して、ユーザからのコールかどうかを識別し、ユーザからのコールの場合は、どのユーザかを識別します。ユーザが、あるパーティション内の内線番号から電話をかけ、そのパーティションがコールの初期検索範囲として設定されているサーチ スペースのメンバーでない場合、そのコールはそのユーザからのものであると識別されません。ユーザの内線番号が、このサーチ スペースに表示される別のパーティション内の内線番号と重なる場合、その通話は Connection がパーティションをサーチ スペースでの表示順で検索した際に最初に見つかったオブジェクトからのものと識別されます。
• Connection に電話をかけてサインインするユーザがサインイン プロセスを正常に完了するまでは、ユーザ プロファイルに定義されているサーチ スペースがそのユーザの検索範囲として設定されません。
ユーザがさまざまなパーティションにセグメント化され、パーティション間で内線番号がオーバーラップしている場合は、ユーザが Connection に電話をかけてサインインを試みる際に、Connection が内線番号でユーザを認識する方法について検討する必要があります。たとえば、カンザスシティにいる Kelly Bader とシカゴにいる Chris Jones がどちらも内線番号 3001 を使用しているときは、Kelly が内線番号 3001 から Connection に電話をかけた場合、Connection がその内線番号を Kelly に属するものと認識し、適切なユーザ プロファイルでパスワードをチェックするように、コール管理計画を設定する必要があります。Chris が内線番号 3001 から電話をかけた場合についても、同様に設定します。この処理を行うようにルーティング ルーティングを設定するには、複数の方法があります。たとえば、特定の電話システムからの着信に基づいて直接ルーティングルールを設定して、カンザスシティの電話システムからのコールを 1 つのルーティング ルールに対応させることができます。それには、Kelly が含まれているパーティションが、Chris が含まれているパーティションよりも前に配置されている(または、Chris が含まれているパーティションが配置されていない)サーチ スペースに対して、コールの検索範囲を設定します。その後、同様の直接ルーティングルールをシカゴからのコールに対して設定します。また、カンザスシティとシカゴに対してそれぞれ異なるパイロット番号を設定し、[宛先番号(Dialed Number)] ルーティング ルール条件を使用することにより、2 つの異なるサーチ スペースを使用するように設定されている 2 つの異なるルーティング ルール条件を区別することもできます。
サーチ スペースとシステム同報リスト
各システム同報リストはパーティションに属しているため、サーチ スペースを使用して、リストにメッセージを送信しようとするユーザ アクセスを制限できます。特定のユーザグループの検索範囲に含まれていないパーティションに同報リストを配置すると、それらのユーザは、その同報リストを見つけることができず、メッセージの宛先として指定できなくなります。たとえば、「Distribution Lists Partition」という新しいパーティションを作成し、そのパーティションを使用するように allvoicemailusers、allvoicemailenabledcontacts、および undeliverablemessages を設定できます。これらのリストに送信するためのアクセスを特定のユーザに許可するには、デフォルトのパーティションと「Distribution Lists Partition」の両方を含む新しいサーチ スペースを作成し、そのサーチ スペースをそれらのユーザの検索範囲として割り当てます。
サーチ スペースとシステム コール ハンドラ
Cisco Unity Connection はコール ハンドラ検索範囲を使用して、コール ハンドラからユーザ、システム連絡先、および VPIM ロケーションのリモート連絡先にダイヤルされた内線番号を照合します。ハンドラの検索範囲は、(前のハンドラまたはコール ルーティング ルールからの)コールに対してすでに設定されている検索範囲を継承するように設定するか、または指定した特定の検索範囲を使用するように設定することができます。
コール ハンドラを使用すると、発信者の入力に基づいてコールの検索範囲を変更できます。たとえば、サイトを選択するメニュー(「シカゴは 1、ニューヨークは 2 を押してください」)を発信者に示す前置的な役割のコール ハンドラを使用して、複数サイトの自動受付を設定できます。このコール ハンドラに対して設定された短縮ダイヤル ルールにより、発信者は 2 つのコール ハンドラのいずれかに送信されます。これを受けて、そのサイト(シカゴまたはニューヨーク)に対応するサーチ スペースがそのコールの検索範囲として設定され、コールは共有ガイダンス コール ハンドラに直接送信されます。選択を終えた発信者が、コールの検索範囲を継承するように設定されているコール ハンドラまたはディレクトリ ハンドラに到達した場合、これらのハンドラは、適切なサイトのユーザおよびその他のオブジェクトだけに到達するように、範囲が正しく設定されます。
サーチ スペースとディレクトリ ハンドラ
ディレクトリ ハンドラの範囲を設定して、そのディレクトリ ハンドラに到達した発信者が検索または再生できるオブジェクトを定義できます。電話ディレクトリ ハンドラの場合、サーバ全体、特定のサービス クラス、システム同報リスト、またはサーチ スペース(コールから継承したもの、またはディレクトリ ハンドラに対して指定したもののいずれか)を範囲として設定できます。音声対応ディレクトリ ハンドラの場合、サーバ全体またはサーチス ペース(コールから継承したもの、またはディレクトリ ハンドラに対して指定したもののいずれか)を範囲として設定できます。
発信者がディレクトリ ハンドラで特定の名前を検索するとき、サーチ スペースがディレクトリ ハンドラの範囲として設定されていると、Cisco Unity Connection は、そのサーチ スペースの各パーティション内を検索し、その名前と一致するオブジェクトがすべて含まれたリストを返します。
サーチ スペースとインタビュー ハンドラ
各インタビュー ハンドラはパーティションに関連付けられているため、サーチ スペースに含めることができ、発信者はカンバセーションの他の部分からインタビュー ハンドラにアクセスできます。インタビュー ハンドラは、ユーザまたはその他のオブジェクトへのダイヤルや宛先指定に関与しないため、検索範囲が定義されていません。
サーチ スペースとデジタル ネットワーキング
Cisco Unity Connection サーバとその他の Connection ロケーションがネットワーク接続されている場合、サーバ上に設定されているパーティションとサーチ スペースが、ネットワーク上のその他すべての Connection ロケーションにレプリケートされます。1 つの Connection ネットワークは、最大で 50 のパーティションと 50 のサーチ スペースをサポートし、これらはネットワーク内のすべてのロケーションで共有されます。
デジタル ネットワークを使用して複数の Connection サーバを接続する場合、サーバ間のデジタル ネットワークを初めて設定するときは、あるサーバ上のユーザが他のサーバ上のユーザをメッセージの宛先に指定できないということに注意してください。ユーザが他のサーバ上のユーザをアドレス指定できるようにするには、少なくとも、ローカル ユーザが使用するサーチ スペースに、リモート Connection サーバのパーティションを追加する必要があります。
サーチ スペースと VPIM ロケーション
各 VPIM ロケーションは、1 つのパーティションに属しています。VPIM ロケーションがブラインド アドレス宛先検索を許可しており、そのロケーションが属するパーティションがユーザのサーチ スペースに含まれている場合、ユーザはリモート VPIM システム上のユーザに対してブラインド アドレス宛先検索を行うことができます。ブラインド アドレス宛先検索を行う場合、ユーザが指定するメッセージの宛先は、VPIM ロケーションの Dial ID にリモート ユーザのメールボックス番号を続けたものになります(たとえば、VPIM ロケーション 555 にあるメールボックス 1000 に到達するには、5551000 をメッセージの宛先に指定します)。
VPIM ロケーションが連絡先を自動作成できるように設定されている場合、VPIM ロケーションのパーティションは、自動的に作成された VPIM 連絡先のパーティションとして使用されます。ただし、VPIM 連絡先のパーティションは、関連付けられている VPIM ロケーションに関係なく、Cisco Unity Connection Administration で変更できます。Connection ユーザは、連絡先の名前を言うかキー入力するか、あるいは「<名前> at <ロケーション>」と言って、VPIM 連絡先をメッセージの宛先に指定できます。ただし、連絡先は、その Connection ユーザのサーチ スペースにあるパーティションに属している必要があります。
各 VPIM ロケーションには検索範囲も設定されています。Connection は、VPIM ロケーションの送信者からメッセージを受信すると、Connection はそのロケーションの検索範囲として定義されているサーチ スペース内を検索し、[宛先(To:)] アドレス フィールドの内線番号と Connection ユーザを照合して、メッセージの受信者を判別します。
ユーザが VPIM ロケーションの DTMF アクセス ID およびリモート ユーザ メールボックス番号を入力して VPIM メールボックスをメッセージの宛先に指定した場合、または音声認識ユーザが名前とロケーション(たとえば「John Smith in Seattle」)を言った場合、そのアクションは、VPIM ロケーションのパーティションに基づいて許可または拒否されます。ただし、名前のスペルを使用するか、連絡先のローカル内線番号を入力するか、音声認識ユーザがロケーションなしで連絡先の名前を発音する(「John Smith」など)ことで、ユーザが VPIM 連絡先をアドレス指定した場合は、VPIM ロケーションのパーティションがユーザの範囲から外れているかどうかにかかわらず、VPIM 連絡先のパーティションに基づいてアクションが許可または拒否されます。
サーチ スペースと管理者定義の連絡先
管理者定義の連絡先は、それぞれパーティションに属しています。発信者がボイス コマンドで電話をかけるときに使用できる電話番号が連絡先に設定されている場合、連絡先のパーティションが自分のサーチ スペースに含まれている音声認識ユーザは、連絡先に電話をかけることができます。このパーティションが自分のサーチ スペースに含まれていないユーザは、連絡先に電話をかけることはできません。また、このパーティションが含まれているサーチ スペースを検索範囲として使用または継承する音声対応ディレクトリ ハンドラに到達した場合、その発信者は連絡先に到達することができます(または、サーバ全体がディレクトリ ハンドラの検索範囲として設定されている場合に到達することができます)。
Cisco Unity Connection 8.x のパーティションの管理
Cisco Unity Connection Administration でパーティションを作成するには、パーティションの名前を入力し、そのパーティションを保存します。パーティションを作成した後は、個々のオブジェクトまたはテンプレートをパーティションのメンバーとして設定することで、パーティションを実装します。
パーティションの作成方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [パーティション(Partitions)] を選択します。
ステップ 2 [パーティションの検索(Search Partitions)] ページで、[新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 3 [パーティションの新規作成(New Partition)] ページで、パーティションの名前を入力します。
ステップ 4 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 5 [パーティションの編集(Edit Partition)] ページでは、パーティションの説明を追加して、用途の説明や、他のパーティションとの区別を行うことができます。そのためには、[説明(Description)] フィールドにテキストを入力し、[保存(Save)] を選択します。
パーティションの名前や説明は変更することができます。パーティション メンバーシップを変更するには、個々のメンバー オブジェクトを編集する必要があります。
パーティションの変更方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [パーティション(Partitions)] を選択します。
ステップ 2 [パーティションの検索(Search Partitions)] ページで、変更するパーティションの表示名を選択します。
(注) 変更するパーティションが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドで適切なパラメータを設定し、[検索(Find)] を選択します。
ステップ 3 [パーティションの編集(Edit Partition)] ページで、必要に応じて名前または説明を変更します。
ステップ 4 [パーティションの編集(Edit Partition)] ページの設定の変更が終了したら、[保存(Save)] を選択します。
パーティションが空の場合(パーティションのメンバーであるオブジェクトがない場合)、およびパーティションがシステムのデフォルト パーティションとして設定されていない場合は、パーティションを削除できます。空ではないパーティションを削除しようとすると、そのパーティションは使用中であるため削除できないという警告が、Cisco Unity Connection から表示されます
パーティションの削除方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [パーティション(Partitions)] を選択します。
ステップ 2 [パーティションの検索(Search Partitions)] ページで、削除するパーティションの表示名の横にあるチェックボックスをオンにします。
(注) 削除するパーティションが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドで適切なパラメータを設定し、[検索(Find)] を選択します。
ステップ 3 [選択項目の削除(Delete Selected)] を選択し、[OK] を選択して削除を確定します。
Cisco Unity Connection 8.x のサーチ スペースの管理
サーチ スペースの作成方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [サーチ スペース(Search Spaces)] を選択します。
ステップ 2 [サーチ スペースの検索(Search Search Spaces)] ページで、[新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 3 [サーチ スペースの新規作成(New Search Space)] ページで、サーチ スペースの名前を入力します。
ステップ 4 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 5 [サーチ スペースの編集(Edit Search Space)] ページで、サーチ スペースの説明を入力します。
ステップ 6 このサーチ スペースに割り当てられたパーティションのリストにパーティションを追加するには、[割り当てられていないパーティション(Unassigned Partitions)] リストでパーティションの名前を選択し、リストの上にある上向き矢印を選択します。
ステップ 7 [割り当てられたパーティション(Assigned Partitions)] リストのパーティションの順序を変更するには、移動するパーティションの名前を選択し、リストの右にある上向き矢印または下向き矢印を選択します。
ステップ 8 パーティション メンバシップの変更が終了したら、[保存(Save)] を選択します。
サーチ スペースの変更方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [サーチ スペース(Search Spaces)] を選択します。
ステップ 2 [サーチ スペース(Search Spaces)] ページで、変更するサーチ スペースの表示名を選択します。
ステップ 3 [サーチ スペースの編集(Edit Search Space)] ページで、必要に応じて設定を変更します。
ステップ 4 このサーチ スペースに割り当てられたパーティションのリストにパーティションを追加するには、[割り当てられていないパーティション(Unassigned Partitions)] リストでパーティションの名前を選択し、リストの上にある上向き矢印を選択します。
ステップ 5 [割り当てられたパーティション(Assigned Partitions)] リストのパーティションの順序を変更するには、移動するパーティションの名前を選択し、リストの右にある上向き矢印または下向き矢印を選択します。
ステップ 6 [サーチ スペースの編集(Edit Search Space)] ページの設定の変更が終了したら、[保存(Save)] を選択します。
サーチ スペースを使用しているオブジェクトがあっても、サーチ スペースを削除することはできます。ただし、この場合は、置換サーチ スペースを選択する必要があります。削除されたサーチ スペースに検索範囲が設定されているオブジェクトは、代わりに置換サーチ スペースを使用するように変更されます。
サーチ スペースの削除方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ダイヤル プラン(Dial Plan)] を展開して [サーチ スペース(Search Spaces)] を選択します。
ステップ 2 [サーチ スペース(Search Spaces)] ページで、削除するサーチ スペースの表示名の横にあるチェックボックスをオンにします。
(注) 削除するサーチ スペースが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドで適切なパラメータを設定し、[検索(Find)] を選択します。
ステップ 3 [選択項目の削除(Delete Selected)] を選択し、[OK] を選択して削除を確定します。
Cisco Unity Connection 8.x のシステム デフォルト パーティションとサーチ スペースの変更
システムのデフォルトパーティションとデフォルト サーチ スペースは、テンプレートに基づかない新規オブジェクト(たとえば、新しいコール ハンドラ テンプレート、ディレクトリ ハンドラ、またはインタビュー ハンドラ、あるいは新しいルーティング ルール)を作成するときに使用されます。Cisco Unity Connection Administration では、システムのデフォルト パーティションは、このような新しいオブジェクトの [パーティション(Partition)] リストにデフォルトで表示されます。また、システムのデフォルト サーチ スペースは、[検索範囲(Search Scope)] リストにデフォルトで表示されます。管理者がページを保存する前に、異なる値をリストから選択しない限りは、これらの値がオブジェクトの作成時に使用されます。これらの値は、後でオブジェクトを編集して変更することもできます。
システムのデフォルト パーティションとデフォルト サーチ スペースを変更しても、すでに作成されているオブジェクトまたはテンプレートは影響を受けません。
システムのデフォルト パーティションとデフォルト サーチ スペースを変更する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administrationで、[システム設定(System Settings)] を展開し、[全般設定(General Configuration)] を選択します。
ステップ 2 [全般設定の編集(Edit General Configuration)] ページの [デフォルト パーティション(Default Partition)] フィールドで、新しいデフォルト パーティションの名前を選択します。
ステップ 3 [デフォルトの検索範囲(Default Search Scope)] フィールドで、新しいデフォルト サーチ スペースの名前を選択します。
ステップ 4 [保存(Save)] を選択します。
Cisco Unity Connection 8.x のパーティションまたはサーチ スペースに属するオブジェクトの検索
オブジェクトが属するパーティションまたはサーチ スペースに基づいてオブジェクトを検索するには、複数の方法があります。次の項を参照してください。
• 「Cisco Unity Connection Administration のパーティションに基づいたオブジェクトの検索」
• 「Cisco Unity Connection Serviceability のパーティションに基づいたユーザの検索」
Cisco Unity Connection Administration のパーティションに基づいたオブジェクトの検索
Cisco Unity Connection Administration で、パーティション メンバーシップを持つオブジェクトの検索ページの [検索制限(Search Limits)] フィールドを使用すると、特定のパーティションに属するタイプのオブジェクトを検索できます。
パーティションで検索を制限するには、次の手順に従います。
パーティションで検索を制限する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、該当する [検索(Search)] ページに移動します。
ステップ 2 [検索の対象を制限(Limit Search To)] リストで、[パーティション(Partition)] を選択します。
ステップ 3 [名前(Where Name Is)] リストで、オブジェクトの検索範囲とするパーティションの名前を選択します。
(注) ユーザを検索している場合、そのパーティション内のプライマリ内線番号だけを表示するか、そのパーティション内のプライマリ内線番号と代行内線番号の両方を表示するかについても選択できます。プライマリ内線番号と代行内線番号の両方を表示する場合は、1 人のユーザについて複数のレコードが検索結果に表示されることがあります。
ステップ 4 検索をさらに制限する場合は、検索フィールドで検索パラメータを指定し、検索対象の文字を入力します。[検索(Find)] を選択します。
Cisco Unity Connection Serviceability のパーティションに基づいたユーザの検索
Cisco Unity Connection Serviceability の Dial Search Scope レポートを使用すると、特定のパーティションに含まれるすべてのオブジェクトとその内線番号のリスト、または Cisco Unity Connection ディレクトリにあるすべてのパーティションのすべてのオブジェクトとその内線番号のリストを取得できます。このレポートには、サーチ スペース単位では、このスペースに含まれる個々のパーティションがリストされます。パーティション単位では、個々のユーザと、パーティション内に含まれる対応ユーザの内線番号(プライマリまたは代行)がリストされます。
レポートを生成および表示する方法の詳細については、『 Administration Guide for Cisco Unity Connection Serviceability 』( Release 8.x )を参照してください。このドキュメントは、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/8x/serv_administration/guide/8xcucservagx.html から入手可能です。