Cisco Unity Connection 8.x のシステム ブロードキャスト メッセージの動作
システム ブロードキャスト メッセージは、標準のボイス メッセージに似ているように思われますが、単純に大規模な同報リストに送信されるだけのボイス メッセージではありません。このメッセージには、次のような特性があります。
• システム ブロードキャスト メッセージは、ユーザが電話機から Cisco Unity Connection にサインインすると、新規および開封済みメッセージのメッセージ数が再生されるよりも前に、すぐに再生されます。サインインすると、システム ブロードキャスト メッセージの件数がユーザに再生され、Connection がメッセージを再生し始めます。
• システム ブロードキャスト メッセージごとに、送信者は、Connection がメッセージをブロードキャストする期間を指定します。システム ブロードキャスト メッセージの「アクティブ」な期間として、1 日、1 週間、1 ヵ月、または無期限のいずれかを指定できます。ユーザにシステム ブロードキャスト メッセージが再生されるのは、メッセージがアクティブになっている期間中にユーザが初めて Connection にサインインしたときです。
• ユーザは、システム ブロードキャスト メッセージ全体を聞いてからでないと、Connection で新規および開封済みメッセージを聞いたり、設定オプションを変更することができません。システム ブロードキャスト メッセージは、早送りまたはスキップできません。
• システム ブロードキャスト メッセージ全体が再生される前に電話を切った場合は、ユーザが次回電話機から Connection にサインインしたときに、メッセージがもう一度再生されます(ただし、メッセージがまだアクティブになっている場合)。
• システム ブロードキャスト メッセージの再生が終了した後、ユーザはメッセージを繰り返し再生するか、完全に削除することができます。システム ブロードキャスト メッセージに対して応答、転送、または保存することはできません。
• ユーザが受信できるシステム ブロードキャスト メッセージの数に制限はありません。
• メールボックスのサイズ制限を超えたために他のメッセージを受信できなくなった場合でも、システム ブロードキャスト メッセージは受信されます。Connection サーバ上でのメッセージの保存方法が異なるため、このメッセージは各ユーザのメールボックスのサイズ合計には含まれません。
• 新しいユーザが Connection ユーザとして登録されるとすぐに、すべてのアクティブなシステム ブロードキャスト メッセージが、新しいユーザに再生されます。
• 設計上、システム ブロードキャスト メッセージが届いても、ユーザ電話機のメッセージ受信インジケータ(MWI)は点灯しません。また、ポケットベルや別の電話など、代替デバイスのメッセージ通知は起動されません。
• ユーザがブロードキャスト メッセージを再生するのは、電話でメッセージが再生された場合だけです。ユーザが、Cisco Unity Connection Web Inbox(Connection 8.5 以降)、Messaging Inbox(Connection 8.0)、RSS リーダ、IMAP クライアント、Cisco Unified Personal Communicator、または Cisco Unified Messaging with IBM Lotus Sametime でメッセージを再生しているときに、システム ブロードキャスト メッセージを受信することはありません。
• Connection 8.5 以降では、inbox が 1 つに設定されている場合、ブロードキャスト メッセージは Connection と Exchange の同期から除外されます。
• Connection は、ブロードキャスト メッセージの再生中はボイス コマンドに応答しません。音声認識入力スタイルを使用する場合、ユーザはブロードキャスト メッセージを再生または削除するためにキー押下が必要となります。
Cisco Unity Connection 8.x の Broadcast Message Administrator への電話アクセスの有効化
システム ブロードキャスト メッセージを送信する場合、Cisco Unity Connection ユーザは、システム ブロードキャスト メッセージの送信と更新を行うための特別なカンバセーションである、Broadcast Message Administrator にサインインする必要があります。
Broadcast Message Administrator へのアクセス権をユーザに与えるには、次のいずれかの方法を使用します。
• カスタム キーパッド マッピング カンバセーションの設定:カスタム キーパッド マッピング ツールを使用して、Broadcast Message Administrator カンバセーションにキーをマッピングし、ユーザがメイン メニューから利用できるようにします。詳細については、 「Cisco Unity Connection 8.x のカスタム キーパッド マッピング ツール」 の章を参照してください。
• コール ハンドラの作成:「Broadcast Message Administrator にユーザを転送するコール ハンドラの作成」を参照してください。
• ワンタッチ ダイヤル オプションの設定:「Broadcast Message Administrator にユーザを転送するワンタッチ ダイヤル オプションの設定」を参照してください。
• 電話番号とルーティング ルールの設定:「Broadcast Message Administrator にユーザを転送する専用電話番号とルーティング ルールの設定」を参照してください。
Broadcast Message Administrator にユーザを転送するコール ハンドラの作成
新しいコール ハンドラを作成し、一意の内線番号を割り当て、Cisco Unity Connection によるグリーティング再生後のユーザ転送先として、Broadcast Message Administrator を指定することができます。ユーザを迅速かつシームレスに転送するには、コール ハンドラに対して空白のグリーティングを選択します。
Broadcast Message Administrator にユーザを転送するにコール ハンドラを作成する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で [コール管理(Call Management)] を展開して [システム コール ハンドラ(System Call Handlers)] を選択します。
ステップ 2 [コール ハンドラの検索(Search Call Handlers)] ページで [新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 3 [コール ハンドラの新規作成(New Call Handler)] ページで、表示名、およびユーザがこのコール ハンドラに到達するためにダイヤルする内線番号を入力します。
ステップ 4 新しいコール ハンドラの基礎となるコール ハンドラ テンプレートを選択します。
ステップ 5 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 6 [コール ハンドラの基本設定の編集(Edit Call Handler Basics)] ページで、[グリーティング(Greetings)] を選択します。
ステップ 7 [グリーティング(Greetings)] ページで、[標準(Standard)] グリーティングを選択します。
ステップ 8 [グリーティングの編集(Edit Greeting)] ページの [再生されるメッセージ(Callers Hear)] セクションで [なし(Nothing)] を選択します。(あるいは [パーソナル レコーディング(My Personal Recording)] を選択して、Broadcast Message Administrator カンバセーションに発信者を誘導するグリーティングを録音できます)。
ステップ 9 [グリーティング後(After Greeting)] セクションで、[カンバセーション(Conversation)] を選択し、次に [Broadcast Message Administrator] を選択します。
ステップ 10 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 11 このコール ハンドラにワンタッチ ダイヤル オプションを設定して、グリーティング再生中に発信者がキーを押すと Broadcast Message Administrator に到達できるようにする場合は、「コール ハンドラから Broadcast Message Administrator にアクセスするワンタッチ ダイヤル オプションを設定する方法」に進みます。
Broadcast Message Administrator にユーザを転送するワンタッチ ダイヤル オプションの設定
発信者がグリーティングの途中で特定のキーを押したときに、Cisco Unity Connection が発信者を Broadcast Message Administrator に転送するように指定できます(任意のコール ハンドラまたはユーザ グリーティングの [発信者入力(Caller Input)] ページ)。
Broadcast Message Administrator にアクセスするためのワンタッチ ダイヤル オプションを設定するには、次のいずれかの手順に従います。
• 「コール ハンドラから Broadcast Message Administrator にアクセスするワンタッチ ダイヤル オプションを設定する方法」
• 「ユーザ グリーティングから Broadcast Message Administrator にアクセスする短縮ダイヤル オプションを設定する方法」
コール ハンドラから Broadcast Message Administrator にアクセスするワンタッチ ダイヤル オプションを設定する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で [コール管理(Call Management)] を展開して [システム コール ハンドラ(System Call Handlers)] を選択します。
ステップ 2 [コール ハンドラの検索(Search Call Handler)] ページの [検索結果(Search Results)] テーブルで、該当するコール ハンドラの表示名を選択します。
ガイダンスから Broadcast Message Administrator へのアクセスを設定する場合は、[ガイダンス(Opening Greeting)] コール ハンドラを選択します。または、この目的で作成した他のコール ハンドラの表示名を選択します。
(注) 変更するコール ハンドラが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドで適切なパラメータを設定し、[検索(Find)] を選択します。
ステップ 3 [コール ハンドラの基本設定の編集(Edit Call Handler Basics)] ページの [編集(Edit)] メニューで、[発信者入力(Caller Input)] を選択します。
ステップ 4 [発信者入力キー(Caller Input Keys)] テーブルの [発信者入力(Caller Input)] ページで、該当する電話機のキーパッド キーを選択します。
ステップ 5 選択したキーの [発信者入力の編集(Edit Caller Input)] ページで、[追加入力を無視(ロック)(Ignore Additional Input (Locked))] チェックボックスをオンにします。
(注) ガイダンスからの短縮ダイヤル オプションを設定する場合は、ロック対象として選択する電話機のキーパッドのキーが、システムのどの内線番号の 1 桁目とも一致していないことを確認してください。キーがいずれかの内線番号の 1 桁目と一致している場合、キーをロックすると、ガイダンス再生中に発信者が内線番号をダイヤルできなくなります。代わりに、どの内線番号の 1 桁目とも一致していないキーを選択してください。
ステップ 6 [カンバセーション(Conversation)] を選択し、[Broadcast Message Administrator] を選択します。
ステップ 7 オプションで、発信者がコール ハンドラのグリーティングで押すことができるキーについて説明するグリーティングを録音できます。(たとえば、「Cisco Unity Connection Broadcast Message Administrator を使用する場合は、3 を押してください」)。
ステップ 8 [保存(Save)] を選択します。
ユーザ グリーティングから Broadcast Message Administrator にアクセスする短縮ダイヤル オプションを設定する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[ユーザ(Users)] を選択します。
ステップ 2 [ユーザの検索(Search Users)] ページの [検索結果(Search Results)] テーブルで、該当するユーザのエイリアスを選択します。
(注) ユーザ エイリアスが検索結果テーブルに表示されない場合は、ページ上部の検索フィールドに適切なパラメータを設定し、[検索(Search)] を選択します。
ステップ 3 [ユーザの基本設定の編集(Edit User Basics)] ページで、[発信者入力(Caller Input)] を選択します。
ステップ 4 [発信者入力キー(Caller Input Keys)] テーブルの [発信者入力(Caller Input)] ページで、該当する電話機のキーパッド キーを選択します。
ステップ 5 選択したキーの [発信者入力の編集(Edit Caller Input)] ページで、[追加入力を無視(ロック)(Ignore Additional Input (Locked))] チェックボックスをオンにします。
ステップ 6 [カンバセーション(Conversation)] を選択し、[Broadcast Message Administrator] を選択します。
ステップ 7 オプションで、発信者がユーザ グリーティングの再生中に押すことができるキーを説明するグリーティングを録音できます。(たとえば、「...Cisco Unity Connection Broadcast Message Administrator については、3 を押してください」)。
ステップ 8 [保存(Save)] を選択します。
Broadcast Message Administrator にユーザを転送する専用電話番号とルーティング ルールの設定
電話システムのマニュアルを参照して、新しい電話番号を設定します。次に、下の手順に従って、新しい電話番号に着信するすべてのコールを Broadcast Message Administrator カンバセーションに転送するルーティング ルールを作成します。
Broadcast Message Administrator に発信者を転送するルーティング ルールを追加する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[コール管理(Call Management)] > [コール ルーティング(Call Routing)] を展開し、[直接ルーティング ルール(Direct Routing Rules)] を選択します。
ステップ 2 [直接ルーティング ルール(Direct Routing Rules)] ページで [新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 3 [直接ルーティング ルールの新規作成(New Direct Routing Rule)] ページで、新しいルーティング ルールの表示名を入力し、[保存(Save)] を選択します。
ステップ 4 [直接ルーティング ルールの編集(Edit Direct Routing Rule)] ページで、[ステータス(Status)] が [アクティブ(Active)] に設定されていることを確認します。
ステップ 5 [コールの移行先(Send Call To)] フィールドで、[カンバセーション(Conversation)] を選択し、次に [Broadcast Message Administrator] を選択します。
ステップ 6 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 7 [ルーティング ルールの条件(Routing Rule Conditions)] テーブルで、[新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 8 [直接ルーティング ルールの条件の新規作成(New Direct Routing Rule Condition)] ページで [宛先番号(Dialed Number)] を選択し、[が次と等しい(Equals)] を選択して、Broadcast Message Administrator にアクセスするように設定されている電話番号を入力します。
ステップ 9 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 10 [直接ルーティング ルール(Direct Routing Rules)] メニューで、[直接ルーティング ルール(Direct Routing Rules)] を選択します。
ステップ 11 [直接ルーティング ルール(Direct Routing Rule)] ページで、テーブルに含まれている新しいルーティング ルールと、その他のルーティング ルールとの位置関係が適切であることを確認します。ルールの順序を変更する場合は、ステップ 12 に進みます。
ステップ 12 [順序の変更(Change Order)] を選択します。
ステップ 13 [直接ルーティング ルールの順序の編集(Edit Direct Routing Rule Order)] ページで、並べ替えるルールの名前を選択し、上向きまたは下向きの矢印を選択して、各ルールが適切な順序で表示されるようにします。[保存(Save)] を選択します。
ステップ 14 システム ブロードキャスト メッセージの送信や更新を可能にする発信者に新規番号を配布します。
Cisco Unity Connection 8.x での Broadcast Message Administrator の使用方法
システム ブロードキャスト メッセージを送信および更新できるアカウント設定を持つユーザは、Broadcast Message Administrator を使用して、次のタスクを実行できます。
• 1 つ以上のシステム ブロードキャスト メッセージを録音および送信します。
• システム ブロードキャスト メッセージがアクティブになるタイミングとその期間を定義します。送信者が特に指定しない限り、各メッセージは、デフォルトではただちにブロードキャストされるように設定され、さらに 30 日間アクティブになるように設定されます。送信者はメッセージをブロードキャストする日時を設定できます。また、システム ブロードキャスト メッセージの「アクティブ」な期間として、1 日、1 週間、1 か月、または無期限のいずれかを指定できます。
(注) 日時は、メッセージを受信するユーザのタイム ゾーンではなく、送信するユーザのタイム ゾーンを反映します。
Broadcast Message Administrator のデフォルト動作を変更する方法については、「Cisco Unity Connection 8.x の Broadcast Message Administrator のデフォルトの変更」を参照してください。
ブロードキャスト メッセージを作成している送信者が、送信する前に電話を終了した場合や切断した場合、Cisco Unity Connection サーバ上で次のタスクを実行できます。
システム ブロードキャスト メッセージを更新できるように設定されたユーザは、Broadcast Message Administrator を使用して、ローカル Connection サーバ上で次のタスクを実行できます。
• アクティブなメッセージを確認します(アクティブなメッセージが複数存在する場合、Broadcast Message Administrator では、開始日時に基づいて最新のメッセージから順に再生されます)。
• アクティブなメッセージの終了日時を変更します。
• 今後配信するメッセージの録音を変更したり、録音にメッセージを追加したりします(Connection では、メッセージに資料を追加する場合でも、総メッセージ長が制限されます)。
• 将来のメッセージの開始日時または終了日時を変更する(送信者が開始日時を変更し、終了日時を変更しなかった場合、終了日時が自動的に調整されることはありません)。
• アクティブなメッセージおよび今後配信するメッセージを削除します(Connection では、どのユーザがアクティブなメッセージをすでに再生したかは報告されません)。
Cisco Unity Connection 8.x の Broadcast Message Administrator のデフォルトの変更
Broadcast Message Administrator のデフォルト動作は、Cisco Unity Connection Administration の [システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] ページの設定で制御されます。また、次のシステム デフォルト設定を変更することもできます。
• [保存期間(Retention Period)]:Connection が期限切れのシステム ブロードキャスト メッセージをサーバ上に残す期間を指定します。デフォルトでは、Connection はメッセージに関連付けられた WAV ファイルとすべてのデータを、有効期限から 30 日後に削除します。期限切れブロードキャスト メッセージの保存期間を変更するには、1 ~ 60 までの日数を入力します。
• [デフォルトのアクティブ日数(Default Active Days)]:送信者が有効期限を指定しない場合にシステム ブロードキャスト メッセージがアクティブになる日数を指定します。デフォルトは 30 日です。有効期限の指定がないメッセージをアクティブにしておく期間を変更するには、0 ~ 365 までの日数を入力します。値を 0 にすると、有効期限を指定しないまま送信されたメッセージは無期限に有効になります。
• [最長録音時間(Maximum Recording Length)]:システム ブロードキャスト メッセージの許容最大長を指定します。デフォルトでは、メッセージの最大録音時間は 300,000 ミリ秒(5 分)です。最大録音時間を変更するには、60,000 ミリ秒(1 分)~ 36,000,000 ミリ秒(60 分)までの数値を入力します。
• [日付の古いメッセージを優先して再生する(Play Oldest Message First)]:Connection がシステム ブロードキャスト メッセージをユーザに再生する順序を指定します。デフォルトでは、このチェックボックスはオンになっていて、最も古いメッセージから順に再生するよう Connection が設定されます。最新のメッセージを最初に再生するには、このチェックボックスをオフにします。