Cisco Unity Connection 8.x の SMTP メッセージ通知の設定
Cisco Unity Connection は SMTP を使用して、テキスト形式の到着通知をユーザに送信し、新しいメッセージまたは予定表イベントを受け取ったことを知らせることができます。テキスト形式の到着通知は、SMTP をサポートしているすべてのデバイス(電子メール アドレス、携帯電話、テキスト対応のポケットベルなど)に送信できます。
Connection が SMTP を使用してテキスト形式の到着通知を送信できるようにするには、スマート ホストを介してメッセージをリレーするよう、Connection サーバを設定する必要があります。Connection が、テキスト形式の到着通知を配信するよう設定されているが、メッセージをスマート ホストにリレーするよう設定されていない場合は、通知が失敗し、Connection SMTP サーバの不正なメール フォルダに格納されます。
Connection は、Connection ユーザが新しいメッセージを受け取ったときに、テキスト形式の到着通知を電子メール アドレスに送信できます(このタイプの通知を設定する場合には、電子メールのメッセージ本文に Cisco PCA へのリンクを含めるよう、Connection を設定できます。ユーザの [通知デバイスの編集(Edit Notification Device)] ページで、[メッセージ テキストに Cisco PCA へのリンクを含める(Include a Link to Cisco PCA in Message Text)] チェックボックスをオンにします)。
SMTP の通知を有効にするには、次のタスクを実行します。
1. Connection サーバからのメッセージを受信するように SMTP スマート ホストを設定します。使用中の SMTP サーバ アプリケーションのマニュアルを参照してください。
2. Connection サーバを設定します。「メッセージをスマート ホストにリレーするように Cisco Unity Connection サーバを設定するには」を参照してください。
3. Connection ユーザまたはテンプレートを設定します。『 User Moves, Adds, and Changes Guide for Cisco Unity Connection 』( Release 8.x )の「 Setting Up Features and Functionality That Are Controlled by User Account Settings in Cisco Unity Connection 8.x 」の章にある「SMTP-Compatible Notification Devices」の項を参照してください。このドキュメントは、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/8x/user_mac/guide/8xcucmacx.html から入手可能です。
また、Connection Messaging Assistant を使用して、自身の SMTP 対応のデバイスを設定することもできます。
メッセージをスマート ホストにリレーするように Cisco Unity Connection サーバを設定するには
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で [システム設定(System Settings)] を展開し、[SMTP の設定(SMTP Configuration)] を展開して [スマート ホスト(Smart Host)] を選択します。
ステップ 2 [スマート ホスト(Smart Host)] ページの [スマート ホスト(Smart Host)] フィールドに、SMTP スマート ホスト サーバの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します(サーバの完全修飾ドメイン名は、DNS が設定されている場合のみ入力します)。
ステップ 3 [保存(Save)] を選択します。
Cisco Unity Connection 8.x の SMS(SMPP)メッセージ通知の設定
Cisco Unity Connection は、無線通信事業者やモバイル メッセージングのサービス プロバイダーなどの企業が提供するサービスと情報を使用して、ユーザが新しいメッセージを受け取ったときに、Short Message Peer-to-Peer(SMPP)プロトコルによって、携帯電話やその他の SMS 対応デバイスに、Short Message Service(SMS; ショート メッセージ サービス)形式のメッセージ通知を送信できます。SMS は「ストア アンド フォワード サービス」であり、メッセージは受信者が使用しているデバイスには直接送信されません。その代わり、Connection のような(External Short Message Entity(ESME)と呼ばれる)アプリケーションがメッセージを SMS Center(SMSC; SMS センター)に送信します。その後、SMSC がメッセージをデバイスに転送します。
SMTP メッセージ通知の優位性
SMS を使用する利点は、SMTP を使用した場合に比べて、多くの場合にユーザのデバイスでメッセージの到着通知をはるかに高速に受信できることです。Connection が SMSC へメッセージを送信するときも、SMSC がそのメッセージを転送するときも、ユーザのデバイスは無線ネットワーク接続されていなくてもかまいません。無線ネットワークは、デバイスが使用可能になるまで SMS メッセージを保持しています。デバイスが使用可能になると、キューに入っているメッセージは、数秒でデバイスに配信されます。また、通知メッセージが送信されるたびに以前のメッセージと置き換えられるように、Connection を設定することもできます。この機能は、一部のモバイル サービス プロバイダーではサポートされていない場合があります。
SMS メッセージの長さの制限
SMS メッセージはショート テキスト メッセージです。SMS メッセージで許容されるメッセージ長は、サービス プロバイダー、メッセージ テキストの作成に使用される文字セット、およびメッセージ テキストに使用される特定の文字に応じて異なります。メッセージ カウント(ユーザがメッセージ カウントを含めるように選択している場合)は、メッセージの合計長には含まれません。
使用できる文字セットは次のとおりです。
• アルファベットのデフォルト(GSM 3.38)、7 ビット文字
• IA5/ASCII、7 ビット文字
• ラテン 1(ISO-8859-1)、8 ビット文字
• 日本語(JIS)、マルチバイト文字
• キリル文字(ISO-8859-5)、8 ビット文字
• ラテン/ヘブライ語(ISO-8859-8)、8 ビット文字
• キリル文字(USC-2)、16 ビット文字
• 韓国語(KS C 5601)、マルチバイト文字
7 ビット文字セットの場合、SMS メッセージに収まるのは最大 160 文字です。8 ビット文字セットの場合は、最大 140 文字です。16 ビット文字の場合は最大 70 文字です。マルチバイト文字セットの場合は、メッセージのテキストを構成している文字の種類に応じて、70 ~ 140 文字程度の範囲になります(マルチバイト文字セットの場合、ほとんどの文字は 16 ビットですが、より一般的な文字の中には 8 ビットのものもあります)。
(注) すべての携帯電話が、すべての文字セットをサポートしているわけではありません。ほとんどの携帯電話は、アルファベットのデフォルトである GSM 3.38 をサポートしています。
コストの考慮事項
SMS(SMPP)メッセージ通知を設定する場合、通常は、サービス プロバイダーが、送信する個々の SMS メッセージまたは SMS メッセージのグループに課金するという点を考慮してください。つまり、Connection がユーザのデバイスに送信する SMS(SMPP)メッセージの到着通知が多いほど、組織のコストが上昇します。このため、この機能の使用を、(作成した SMPP プロバイダーに所有者を割り当てることによって)特定のユーザのグループに制限するか、メッセージのタイプまたは緊急度ごとに、受信するメッセージ通知の数を制限するようユーザに依頼することを推奨します。たとえば、ユーザは、Connection Messaging Assistant で、緊急のボイス メッセージが新しく到着した場合だけ、Connection がメッセージ通知を送信するように指定できます。
SMS(SMPP)メッセージ通知を設定するためのタスク リスト
SMS(SMPP)対応のデバイスを持つユーザに対して、SMS(SMPP)メッセージ通知を有効にするには、次のタスクを実行します。
1. SMS メッセージングを提供するモバイル メッセージング サービス プロバイダーで、アカウントを設定します。Connection は、SMPP バージョン 3.3 または SMPP バージョン 3.4 プロトコルをサポートするサービス プロバイダーに対応しています。
2. 契約済みのサービス プロバイダーと提携している SMSC で、Connection が SMPP サーバと通信するために必要な情報を収集し、[SMPP プロバイダー(SMPP Provider)] ページにその情報を入力します。「SMPP プロバイダーの設定方法」を参照してください。
3. Connection サーバがファイアウォールの背後に設定されている場合は、SMPP サーバが Connection に接続するときに使用する TCP ポートを、Connection と SMPP サーバ間で通信を受信および発信できるように設定します。
4. SMS(SMPP)メッセージ通知を有効にし、SMS 対応のデバイスが対象ユーザ アカウント宛ての通知を受信するよう設定してから、デバイスが SMS(SMPP)到着通知を予想どおりに受信するかどうかをテストします。通知が機能していない場合は、[SMPP プロバイダー(SMPP Provider)] ページが、サービス プロバイダーから提供されたドキュメントどおりに設定されていることを確認してください。不明な点については、必要に応じてサービス プロバイダーにお問い合せください。
デバイスの設定および SMS(SMPP)到着通知を有効化する手順については、『 User Moves, Adds, and Changes Guide for Cisco Unity Connection 』( Release 8.x )の「 Setting Up Features and Functionality That Are Controlled by User Account Settings in Cisco Unity Connection 8.x 」の章にある「SMS-Compatible Notification Devices」の項を参照してください。このドキュメントは、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/8x/user_mac/guide/8xcucmacx.html から入手可能です。
5. その他のユーザに対して、このタスクを繰り返します。
SMPP プロバイダーの設定方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Administration で、[システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] を展開し、[SMPP プロバイダー(SMPP Providers)] を選択します。
ステップ 2 [SMPP プロバイダーの検索(Search SMPP Providers)] ページで、[新規追加(Add New)] を選択します。
ステップ 3 [SMPP プロバイダーの新規作成(New SMPP Provider)] ページで、[有効(Enable)] チェックボックスがオンになっていることを確認します。
ステップ 4 [名前(Name)] に、プロバイダーの名前を入力します。
ステップ 5 [システム ID(System ID)] に、サービス プロバイダーから提供された値を入力します。
ステップ 6 [ホスト名/アドレス(Host Name/Address)] に、サービス プロバイダーから提供された SMSC ホストの名前、または IP アドレスを入力します。
ステップ 7 必要に応じて、[ソース アドレス(Source Address)] に、サービス プロバイダーから提供された値を入力します。プロバイダーが値を指定していない場合は、このフィールドを空白にします。
ステップ 8 [所有者(Owner)] を次のように設定します。
• プロバイダーの使用を制限するには、選択した SMPP プロバイダーの所有者としてユーザを選択します。[ユーザ(User)] を選択し、リストから適切なユーザを選択します。
• あるロケーションで、関連付けられている SMS(SMPP)到着通知デバイスを持つすべてのユーザに対して SMPP プロバイダーの利用を許可するには、選択した SMPP プロバイダーの所有者として [システム(System)] を選択します。
ステップ 9 [保存(Save)] を選択します。
ステップ 10 [SMP プロバイダーの編集(Edit SMPP Provider)] ページで [ポート(Port)] を入力します。これは、SMSC が着信接続の待ち受けに使用するポート番号です。
ステップ 11 [パスワード(Password)] に、サービス プロバイダーから提供されたパスワードを入力します。
ステップ 12 必要に応じて、[システム タイプ(System Type)]、[アドレス TON(Address TON)]、および [アドレス NPI(Address NPI)] に、サービス プロバイダーから提供された値を入力します。プロバイダーが値を指定していない場合は、このフィールドを空白にします。
ステップ 13 必要に応じて、[データ コーディング(Data Coding)] リストで、メッセージが SMS デバイスへ送信される場合に、各 SMS メッセージをどの文字セットに変換するかを選択します(プロバイダーが値を指定していない場合は、[アルファベットのデフォルト(Default Alphabet)] を選択します)。多言語システムの場合は、ユーザに提供する文字セットごとに、別々の SMPP プロバイダーを作成することを検討してください。
ステップ 14 必要な場合は、追加の設定を入力します。
ステップ 15 [保存(Save)] を選択します。