リージョンの設定
リージョンを使用すると、オーディオ コールおよびビデオ コールにトランスポート非依存の最大ビット レートを指定して、リージョン内および既存のリージョン間のオーディオおよびビデオ コールに使用する帯域幅を制限できます。リージョンを追加、更新、または削除し、設定の変更と影響を受けるデバイスを同期させるには、次のトピックを参照してください。
• 「リージョンの設定値」
• 「リージョンと影響を受けるデバイスとの同期化」
• 「関連項目」
リージョンの設定とオーディオ コーデックの選択の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager システム ガイド 』のを参照してください。
リージョンの設定値
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、[システム(System)] > [リージョン(Region)] メニュー パスを使用して、リージョンを設定します。
リージョンを使用すると、リージョン内および既存のリージョン間でオーディオ コールおよびビデオ コールの最大ビット レートを指定できます。
• 最大オーディオ ビット レートを指定すると、コールに許可されるコーデックが決まります。コーデックのビット レートが指定の制限を超えると、そのコーデックはフィルタリングされるためです。
• 最大ビデオ コール ビット レートはオーディオとビデオのビット レートを合計した値となりますが、トランスポート オーバーヘッドは除外されます。
Cisco Unified Communications Manager では、最大 2,000 のリージョンがサポートされます。次の制限と制約が適用されます。
• オーディオ ビット レートおよびビデオ コール ビット レートのフィールドについては、可能な限り多くのリージョンを [システムデフォルトの使用(Use System Default)] に設定してください。
• この拡張機能を使用するには、Media Convergence Server(MCS)7845H1 以降のサーバが必要です。
• 最新のリリースについては、『 Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND) 』の「IP Video Telephony」のセクション「Administration Considerations」にある「Regions」という項を参照してください。ここでは、リージョンおよびロケーションにビデオ帯域幅を設定する方法の推奨事項が記載されています。これらの推奨事項に従うことで、ビデオ コールのビデオ部分を成功させ、ビデオコールが拒否されたり、オーディオ専用コールとして設定されたりしないようにできます。
リージョンの設定のヒント
どのリージョンについても、他のリージョン内にそのリージョンとの関連付けが存在しています。このため、リージョンの追加はマトリクス(行列)のような形態で発生します。たとえば、リージョン A、B、および C を追加すると、次に示すように、リージョン A、リージョン B、およびリージョン C を列および行とするマトリクスが作成されます。
20 のリージョンを割り当てると、データベースは 400 のエントリ(20 x 20)を追加します。多数のリージョンを割り当てると、パフォーマンスが多少制限されます。
(注) Cisco Unified Communications Manager では、最大 2000 リージョンを追加できます。
(注) リージョン名の変更後にデバイスをリセットするようにしてください。
リージョンの追加設定
リージョンを設定する際は、次の追加手順に従います。
ステップ 1 特定のリージョン内で使用する値を設定するには、[リージョン(Regions)] ウィンドウ ペインにあるリージョン名をクリックして選択し、 表 7-1 の説明に従って目的の値を設定します。
ステップ 2 このリージョンと他のリージョンの間で使用するデフォルト コーデックを設定するには、[リージョン(Regions)] ウィンドウ ペインにある他のリージョン名(このリージョン以外)をクリックして選択します。 表 7-1 の説明に従って設定を行います。
ヒント スケーラビリティを高め、リソースを節約するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [サービスパラメータ設定(Service Parameters Configuration)] ウィンドウの [Clusterwide Parameters (System - Location and Region)] セクションで、オーディオ コーデック、ビデオ コール帯域幅およびリンク損失タイプのデフォルト値を適切に設定し、次に、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [リージョンの設定(Region Configuration)] ウィンドウで、これらのフィールドに対して [システムデフォルトの使用(Use System Default)] エントリを選択することをお勧めします。
ステップ 3 新しいリージョンをデータベースに保存するには、[保存(Save)] をクリックします。
ヒント [リージョンの検索と一覧表示(Find and List Regions)] ウィンドウに、[ページあたりの行数(Rows per Page)] ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。このドロップダウン リスト ボックスを使用して、表示するリージョンの数(25、50、100、150、200、または 250 の設定済みリージョン)を指定できます。100 以上のリージョンを表示するように選択した場合、Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンスが低下する可能性があります。
リージョンを設定した後、そのリージョンを使用してデバイス プールを設定できます。デバイスは、割り当てられたデバイス プールからリージョンの設定値を取得します。デバイス プールの設定については、「デバイス プールの設定値」を参照してください。
リージョンの削除のヒント
(注) デバイス プールが使用しているリージョンは削除できません。
リージョンを使用しているデバイス プールを検索するには、[リージョンの設定(Region Configuration)] ウィンドウの [関連リンク(Related Links)] ドロップダウン リスト ボックスにある [依存関係レコード(Dependency Records)] を選択し、[移動(Go)] をクリックします。
依存関係レコードがシステムで使用可能でない場合、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウにメッセージが表示され、依存関係レコードを使用可能にするための操作が示されます。このメッセージには、依存関係レコード機能によって CPU に高い負荷がかかることも表示されます。依存関係レコードの詳細については、「依存関係レコードへのアクセス」を参照してください。
使用中のリージョン グループを削除しようとすると、Cisco Unified Communications Manager からメッセージが表示されます。現在使用中のリージョンを削除する場合は、事前に、次の作業のどちらか一方または両方を実行しておく必要があります。
• 別のリージョンを使用するように、デバイス プールを更新します。「デバイス プールの設定値」を参照してください。
• 削除するリージョンを使用しているデバイス プールを削除します。「デバイス プールの削除のヒント」を参照してください。
ヒント [リージョンの検索と一覧表示(Find and List Regions)] ウィンドウに、[ページあたりの項目数(Items Per Page)] ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。このドロップダウン リスト ボックスを使用して、表示するリージョンの数(25、50、100、150、200、または 250 の設定済みリージョン)を指定できます。100 以上のリージョンを表示するように選択した場合、Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンスが低下する可能性があります。
GUI の使用方法
Cisco Unified Communications Manager の管理の Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)を使用してレコードを検索、削除、設定、またはコピーする方法については、「Cisco Unified Communications Manager の管理アプリケーションでの操作」およびそのサブセクションを参照してください。GUI の使用方法とボタンおよびアイコンの機能の詳細が説明されています。
設定値表
表 7-1 では、リージョンに指定できるオーディオ ビット レートおよびビデオ コール ビット レートの設定値をまとめています。関連する手順については、「関連項目」を参照してください。
表 7-1 リージョンの設定値
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[リージョン情報(Region Information)]
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[名前(Name)] |
このリージョンの一意の名前を入力します。この名前には、最長 30 文字まで指定できます。文字、数字、ダッシュ、ドット(ピリオド)、ブランク、およびアンダースコアを指定できます。 (注) リージョン名の変更後にデバイスをリセットするようにしてください。 |
[リージョンの関係(Region Relationships)]
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[リージョン(Region)] |
この列のエントリには、デフォルト以外の関係が設定されたすべてのリージョンが表示されます。 (注) 設定しているリージョンと、このリージョンとの間の関係がデフォルト値だけを指定している場合、このリージョンはこの列に表示されません。 |
[最大オーディオビットレート(Max Audio Bit Rate)] |
この列のエントリは、設定しているリージョンと、対応する行に表示されているリージョンとの間の最大オーディオ ビット レートを指定します。 |
[ビデオコールの最大ビットレート(オーディオを含む)(Max Video Call Bit Rate (Includes Audio))] |
この列のエントリは、設定しているリージョンと、対応する行に表示されているリージョンとの間の最大ビデオ ビット レート(オーディオを含む)を指定します。 |
[リンク損失タイプ(Link Loss Type)] |
この列のエントリは、設定しているリージョンと、対応する行に表示されているリージョンとの間のリンク損失タイプの関係を指定します。 |
[他のリージョンへの関係を変更(Modify Relationship to other Regions)]
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[リージョン(Region)] |
このウィンドウ ペインのエントリは、デフォルト リージョン、設定しているリージョン、およびその他すべてのリージョンを含む、すべての既存リージョンを指定します。 このペインでリージョンを選択してから、設定しているリージョンと選択されたリージョンとの間の関係を設定してください。 |
[最大オーディオビットレート(Max Audio Bit Rate)] |
[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンごとに、対応する値をこの列のドロップダウン リスト ボックスから選択して、このリージョンと指定したリージョンとの間でオーディオに使用する最大ビット レートを設定します。この設定は、オーディオ コールとビデオ コールの両方に適用され、オーディオ ビット レートの上限となります。つまり、指定値よりもビット レートが高い音声コーデックはこれらのコールに使用されません。 たとえば、64 kbps(G.722、G.711)を選択した場合、コールに対して G.722 または G.711 がネゴシエートされます。どちらのコーデックも 64 kb/s を使用するためです。G.722 の方が、G.711 よりもオーディオ品質に優れているため、コールに適しています。 • リージョン内およびリージョン間の最大オーディオ ビット レート サービス パラメータを更新することを推奨します。また、このフィールドには [システムデフォルトの使用(Use System Default)] オプションを選択することを推奨します。 サービス パラメータ値を設定および使用すると、数多くのリージョン ペアについて [最大オーディオビットレート(Max Audio Bit Rate)] を一度にまとめて変更するのが容易になります。 • リモート サイトの配置の大部分で帯域幅が制限されるため、新規リージョンと既存リージョン間では推奨値の 8 kb/s(G.729)を使用してください。 • [現在の設定の保持(Keep Current Setting)] を選択した場合、作成しているリージョン ペアについては [リージョンの関係(Region Relationships)] ペインに指定されている値が保持されます。 • [システムデフォルトの使用(Use System Default)] を選択した場合は、選択されているリージョンに応じて、Intraregion Max Audio Bit Rate または Interregion Max Audio Bit Rate サービス パラメータの値が使用されます。このサービス パラメータは、Cisco CallManager サービスをサポートします。 |
[ビデオコールの最大ビットレート(オーディオを含む)(Max Video Call Bit Rate (Includes Audio))] |
[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンごとに、この列の次のオプション ボタンのいずれかをクリックします。 • [現在の設定の保持(Keep Current Setting)]:ビデオ コールの帯域幅に現在の設定を使用するには、このボタンをクリックします。 • [システムデフォルトの使用(Use System Default)]:デフォルト値を使用するには、このボタンをクリックします。デフォルト値には、[サービスパラメータ設定(Service Parameter Configuration)] ウィンドウでデフォルト値を別の値に設定しない限り、通常は 384 kb/s が指定されています。 [なし(None)]:このリージョンと指定したリージョン間にビデオ コール ビット レートが割り当てられていない場合は、このオプション ボタンをクリックします。このオプションを指定した場合、ビデオ コールは許可されません。 • [kbps]:設定しているリージョンと指定したリージョンとの間に最大ビデオ コール ビット レートを設定するには、このボタンをクリックします。この 2 つのリージョン間の各ビデオ コールに使用可能なビット レートを入力します。オーディオ ビット レートが含まれることに留意してください。有効値の範囲は 1 ~ 32256 です。 |
[リンク損失タイプ(Link Loss Type)] |
[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンごとに、対応する値をこの列のドロップダウン リスト ボックスから選択して、このリージョンと指定したリージョンとの間でネットワーク状態の説明に使用するリンク損失タイプを設定します。リンク損失タイプによって音声コーデックの相対的優先順位が決まり、ネットワークが損失の多い状態であるかどうかに基づいてオーディオ品質が最適化されます。音声コーデックの中には、パケット損失、ジッタ、および遅延が生じている状況で堅牢性が増すものもあります。 次のいずれかの値を選択します。 • [現在の設定の保持(Keep Current Setting)]:設定しているリージョンと、[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンとの間のリンク損失タイプを保持するには、この値を選択します。 • [システムデフォルトの使用(Use System Default)]:設定しているリージョンと、[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンとの間のリンク損失タイプとしてシステム デフォルト値を使用するには、この値を選択します (システム デフォルトは、[サービスパラメータ設定(Service Parameters Configuration)] ウィンドウで設定します)。 • [低損失(Low Loss)]:設定しているリージョンと、[リージョン(Region)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンとの間に低損失リンク損失タイプを指定するには、この値を選択します。 • [高損失(Lossy)]:設定しているリージョンと、[リージョン(Regions)] ウィンドウ ペインで指定したリージョンとの間に高損失リンク損失タイプを指定するには、この値を選択します。 |
追加情報
「関連項目」を参照してください。
リージョンと影響を受けるデバイスとの同期化
デバイスを、設定の変更を実行したリージョンと同期させる手順は、次のとおりです。この手順によって、中断を最小限に抑えた方法で未処理の設定が適用されます (たとえば、影響を受けるデバイスの一部は、リセットまたはリスタートが不要な場合があります)。
手順
ステップ 1 [システム(System)] > [リージョン(Region)] の順に選択します。
[リージョンの検索と一覧表示(Find and List Regions)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 使用する検索条件を選択します。
ステップ 3 [検索(Find)] をクリックします。
検索条件に一致するリージョンがウィンドウに表示されます。
ステップ 4 該当するデバイスと同期させるリージョンをクリックします。[リージョンの検索と一覧表示(Find and List Regions)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 他の設定変更を行います。
ステップ 6 [保存(Save)] をクリックします。
ステップ 7 [設定の適用(Apply Config)] をクリックします。
[設定情報の適用(Apply Configuration Information)] ダイアログが表示されます。
ステップ 8 [OK] をクリックします。
追加情報
「関連項目」を参照してください。