共通デバイスの設定値
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] メニュー パスを使用して、共通デバイス設定を行います。
共通デバイス設定は、ユーザ固有のサービスと機能の属性で構成されます。各デバイスが、ユーザ向けの共通デバイス設定情報に関連付けられていることを確認してください。
(注) [デバイスプール設定(Device Pool Configuration)] ウィンドウには、ロケーション関連情報だけが表示されるようになりました。すべてのユーザ向け情報は、[共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウで記録されます。
共通デバイス設定の削除のヒント
デバイスが使用している共通デバイス設定は削除できません。共通デバイス設定を使用しているデバイスを検索するには、[共通デバイス設定(Common Device Configuration)] ウィンドウの [依存関係レコード(Dependency Records)] リンクをクリックします。依存関係レコードがシステムで使用可能になっていない場合、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウにメッセージが表示されます。依存関係レコードの詳細については、「依存関係レコードへのアクセス」を参照してください。使用中の共通デバイス設定を削除しようとすると、Cisco Unified Communications Manager からメッセージが表示されます。現在使用中の共通デバイス設定を削除する場合は、事前に、次の作業のどちらか一方または両方を実行しておく必要があります。
• 削除する共通デバイス設定を使用しているデバイスすべてに、別の共通デバイス設定を割り当てます。
• 削除する共通デバイス設定を使用しているデバイスを削除します。
GUI の使用方法
Cisco Unified Communications Manager の管理の Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)を使用してレコードを検索、削除、設定、またはコピーする方法については、「Cisco Unified Communications Manager の管理アプリケーションでの操作」およびそのサブセクションを参照してください。GUI の使用方法とボタンおよびアイコンの機能の詳細が説明されています。
設定値表
表 77-1 では、共通デバイス設定の設定値について説明します。関連する手順の詳細については、「関連項目」を参照してください。
表 77-1 共通デバイスの設定値
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[共通デバイス設定情報(Common Device Configuration Information)]
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[名前(Name)] |
共通デバイス設定を識別するための名前を入力します。 |
[ソフトキーテンプレート(Softkey Template)] |
ドロップダウン リスト ボックスから、共通デバイス設定のソフトキー テンプレートを選択します。 |
[ユーザ保留MOH音源(User Hold MOH Audio Source)] |
ユーザが保留操作を開始したときに Music On Hold(MOH; 保留音)として使用するオーディオ ソースを選択します。 |
[ネットワーク保留MOH音源(Network Hold MOH Audio Source)] |
ネットワークが保留操作を開始するときに、保留音(MOH)に使用するオーディオ ソースを選択します。 |
[ユーザロケール(User Locale)] |
ドロップダウン リスト ボックスから、共通デバイス設定のロケールを選択します。そのユーザ ロケールは、言語とフォントを含んだ、ユーザをサポートする一連の詳細情報を識別します。 (注) ユーザがユーザ ロケールを選択しない場合は、Cisco Unified Communications Manager clusterwide パラメータでデフォルト ユーザ ロケールとして指定されたロケールが適用されます。 |
[IPアドレッシングモード(IP Addressing Mode)] |
デバイス(SIP トランクまたは SCCP を実行する電話機)が Cisco Unified Communications Manager への接続に使用する IP アドレスのバージョンを選択します。ドロップダウン リスト ボックスから、次のオプションのいずれかを選択します。 • [IPv4のみ(IPv4 Only)]:メディア イベント、シグナリング イベントのいずれの場合においても、デバイスは IPv4 アドレスを使用して Cisco Unified Communications Manager に接続します。デバイスの IPv4 アドレスを使用できない場合、コールは失敗します。 このオプションを選択すると、電話機は IPv6 アドレス を解放します。このオプションを選択すると、SIP トランクは IPv4 アドレスを使用してピア デバイスに接続します。 • [IPv6のみ(IPv6 Only)]:メディア イベント、シグナリング イベントのいずれの場合においても、デバイスは IPv6 アドレスを使用して Cisco Unified Communications Manager に接続します。このデバイスの IPv6 アドレスを使用できない場合、コールは失敗します。 このオプションを選択すると、電話機は IPv4 アドレス を解放します。このオプションを選択すると、SIP トランクは IPv6 アドレスを使用してピア デバイスに接続します。 SIP を実行する電話機は IPv6 をサポートしていないので、これらの電話機にはこのオプションを選択できません。SIP を実行する電話機の [IPアドレッシングモード(IP Addressing Mode)] に [IPv6のみ(IPv6 Only)] を設定すると、[IPアドレッシングモード(IP Addressing Mode)] の設定値よりも Cisco TFTP サービスが優先され、設定ファイルでは [IPv4 のみ(IPv4 Only)] が使用されます。 • [IPv4とIPv6(IPv4 and IPv6)](デフォルト):IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの両方を設定できるデュアルスタック デバイスにはこのオプションを選択します。メディア イベント、シグナリング イベントのいずれの場合においても、デュアルスタック デバイスは、IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスのいずれかを使用して Cisco Unified Communications Manager に接続します。 IPv4 と IPv6 の両方ではなく、いずれかの IP アドレスだけを使用できる場合、使用できる IP アドレスを使ってコールをネゴシエートします。シグナリング イベントとメディア イベントの両方に対して、デバイスに両方の IP アドレス タイプが設定されており、Cisco Unified Communications Manager はシグナリング イベントには [シグナリング用のIPアドレッシングモード設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] の設定値、メディア イベントには IP Addressing Mode Preference for Media エンタープライズ パラメータを使用します。 |
[シグナリング用のIPアドレッシングモード設定(IP Addressing Mode Preference for Signaling)] |
IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの両方をサポートするデュアルスタック電話機では、シグナリング イベント中に Cisco Unified Communications Manager への接続を確立するために使用する IP アドレスのバージョンを選択します。デュアルスタック SIP トランクでは、SIP トランクがシグナリング イベントでピア デバイスへの接続に使用する IP アドレスのバージョンを選択します。 ドロップダウン リスト ボックスから、次のオプションのいずれかを選択します。 • [IPv4]:デュアルスタック デバイスは、シグナリング イベントで IPv4 アドレスを使用して接続を確立します。 • [IPv6]:デュアルスタック デバイスは、シグナリング イベントで IPv6 アドレスを使用して接続を確立します。 • [システムデフォルトの使用(Use System Default)]:IP Addressing Mode Preference for Signaling エンタープライズ パラメータの設定値が適用されます。 |
[電話の自動設定を許可(Allow Auto-Configuration for Phones)] |
このドロップダウン リスト ボックスは、SCCP を実行するデュアルスタック Cisco Unified IP Phone の IPv6 をサポートします。ドロップダウン リスト ボックスから、次のオプションのいずれかを選択します。 • [オン(On)]:ルータのステートレス アドレスの自動設定で M ビットが設定された方法に応じて、電話機は、Router Advertisement(RA; ルータ アドバタイズメント)でアドバタイズされた IPv6 ネットワーク ID を使用して、その IPv6 アドレスを自動設定できます。 Cisco Unified Communications Manager に登録するには、TFTP サーバ アドレスも必要です。TFTP サーバ アドレスは、電話機のインターフェイスから手動で設定するか、DHCPv6 サーバから取得することができます。 ヒント 他の情報を入手するために DHCPv6 サーバを使用する必要がある電話機を示すには、ルータのステートレス アドレスの自動設定で O ビットが設定されていることを確認してください。 • [オフ(Off)]:電話機は、DHCPv6 サーバからその IPv6 アドレスおよび TFTP サーバ アドレスを取得します。 • [デフォルト(Default)]:Allow Auto-Configuration for Phones エンタープライズ パラメータの設定を使用するには、このオプションを選択します。 Cisco Unified Communications Manager はこの設定を使用しませんが、電話機が取得する TFTP ファイルにはこの情報が含まれています。 |
[信頼できるリレーポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] |
このチェックボックスをオンにすると、この共通デバイス設定に関連付けられたデバイスでは、信頼できるリレー ポイントが使用可能になります。 Trusted Relay Point(TRP; 信頼できるリレー ポイント)デバイスには、Trusted Relay Point というラベルの付いた MTP またはトランスコーダ デバイスが指定されます。 エンドポイントに対して、またはエンドポイントに関連付けられている共通デバイス設定に対して、[信頼できるリレーポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] チェックボックスがオンになっている場合、Cisco Unified Communications Manager はエンドポイントに TRP を挿入します。エンドポイント デバイスには、SIP、H.323、MGCP、および SCCP デバイスなど、メディアの終端となる任意のデバイスを指定できます。たとえば、SCCP を実行している電話機、CTI デバイス、MoH サーバ、アナンシエータ、および会議ブリッジなどを指定できます。 デバイスの [信頼できるリレーポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] の設定値に [オン(On)] または [オフ(Off)] が指定されている場合、このデバイス設定値は、デバイスに関連付けられた共通デバイス設定の [信頼できるリレーポイントを使用(Use Trusted Relay Point)] の設定値よりも優先されます。 エンドポイントに複数のリソース(たとえば、トランスコーダや RSVPAgent)が必要な場合、Cisco Unified Communications Manager は、関連付けられたエンドポイント デバイスに最も近い TRP を配置します。 エンドポイントに TRP と MTP の両方が必要な場合、TRP は必須の MTP として使用されます。コール動作の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager システム ガイド 』のを参照してください。 エンドポイントに TRP と RSVPAgent の両方が必要な場合、Cisco Unified Communications Manager は、TRP としても使用可能な RSVPAgent を最初に検索します。 エンドポイントに TRP とトランスコーダの両方が必要な場合、Cisco Unified Communications Manager は、TRP にも指定されているトランスコーダを最初に検索します。 ネットワーク仮想化および信頼できるリレーポイントの詳しい説明については、『 Cisco Unified Communications Manager システム ガイド 』の 「メディア リソースの管理」 の章のの項、およびそのサブトピックを参照してください。 |
[アウトバウンドコールにIntercompany Media Engine(IME)を使用(Use Intercompany Media Engine (IME) for Outbound Calls)] |
このドロップダウン リスト ボックスでは、この共通デバイス設定に関連付けられているデバイスに対して Cisco IME を無効または有効にします。 デバイスで Cisco Intercompany Media Engine 機能を使用してコールを発信できるようにするかどうかを示します。ドロップダウン リスト ボックスから、次のオプションのいずれかを選択します。 • [オン(On)]:デバイスで Cisco Intercompany Media Engine コールの発信を許可します。 • [オフ(Off)]:デバイスで Cisco Intercompany Media Engine コールの発信を許可しません。 • [デフォルト(Default)]:[アウトバウンドコールにIntercompany Media Engine(IME)を使用(Use Intercompany Media Engine (IME) for Outbound Calls)] 機能設定のパラメータ([拡張機能(Advanced Features)] > [Intercompany Media Services] > [機能設定(Feature Configuration)])の値を使用するには、このオプションを選択します。 デバイスを共通デバイス設定に関連付けるには、Cisco Unified IP Phone など、そのデバイスに [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] の値を設定します。 Cisco Intercompany Media Engine の詳細については、『 Cisco Intercompany Media Engine Installation and Configuration Guide 』を参照してください。 |
[MLPP情報(Multilevel Precedence and Preemption Information)]
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[MLPP表示(MLPP Indication)] |
この設定値は、デバイスが MLPP 優先コールを発信する場合、優先トーンを再生できるデバイスで MLPP の機能を使用するかどうかを指定します。 ドロップダウン リスト ボックスにある次のオプションの中から、デバイスに割り当てる設定を選択します。 • [デフォルト(Default)]:このデバイスは、MLPP Indication Status エンタープライズ パラメータから [MLPP表示(MLPP Indication)] 設定値を取得します。 • [オフ(Off)]:このデバイスは、MLPP 優先コールの表示の制御も処理もしません。 • [オン(On)]:このデバイスは、MLPP 優先コールの表示を制御し処理します。 [強制(Forceful)] に設定するという組み合わせで設定することはできません。 (注) エンタープライズ パラメータまたはデバイス レベルで [MLPP表示(MLPP Indication)] をオンにすると、[MLPP表示(MLPP Indication)] をデバイスに対してオフ(上書き)にしない限り、デバイスで回線に対する通常の呼出音設定が動作しません。 |
[MLPPプリエンプション(MLPP Preemption)] |
この設定値は、デバイスが MLPP 優先コールを発信する場合、進行中のコールに割り込みできるデバイスで MLPP の機能を使用するかどうかを指定します。 ドロップダウン リスト ボックスにある次のオプションの中から、デバイスに割り当てる設定を選択します。 • [デフォルト(Default)]:このデバイスは、MLPP Preemption Setting エンタープライズ パラメータから [MLPPプリエンプション(MLPP Preemption)] 設定値を取得します。 • [無効(Disabled)]:このデバイスは、優先順位の高いコールの完了に必要な場合、優先順位の低いコールを優先するようにしません。 • [強制(Forceful)]:このデバイスは、優先順位の高いコールの完了に必要な場合、優先順位の低いコールを優先するようにします。 を [強制(Forceful)] に設定するという組み合わせで設定することはできません。 |
[MLPPドメイン(MLPP Domain)] |
ドロップダウン リスト ボックスから、この共通デバイス設定に関連付けられている MLPP ドメインを選択します。このフィールドを [<なし(None)>] のままにした場合、このデバイスは MLPP Domain Identifier エンタープライズ パラメータの値セットから、MLPP ドメインを取得します。 |
追加情報
「関連項目」を参照してください。
共通デバイス設定と影響を受けるデバイスとの同期化
デバイスと設定を変更した共通デバイス設定を同期させる手順は、次のとおりです。この手順によって、中断を最小限に抑えた方法で未処理の設定が適用されます (たとえば、影響を受けるデバイスの一部は、リセットまたはリスタートが不要な場合があります)。
手順
ステップ 1 [デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通デバイス設定(Common Device Configuration)] の順に選択します。
[共通デバイス設定の検索と一覧表示(Find and List Common Device Configurations)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 使用する検索条件を選択します。
ステップ 3 [検索(Find)] をクリックします。
検索条件に一致する共通デバイス設定がウィンドウに表示されます。
ステップ 4 該当するデバイスを同期させる共通デバイス設定をクリックします。[共通デバイス設定情報(Common Device Configuration Information)] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 他の設定変更を行います。
ステップ 6 [保存(Save)] をクリックします。
ステップ 7 [設定の適用(Apply Config)] をクリックします。
[設定情報の適用(Apply Configuration Information)] ダイアログが表示されます。
ステップ 8 [OK] をクリックします。
追加情報
「関連項目」を参照してください。