IP および MPLS 向け BGP PIC エッジおよびコアの設定
この章では、Cisco 7600 シリーズ ルータ上で、インターネット プロトコル(IP)とマルチ プロトコル ラベル スイッチング(MPLS)向けのボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)Prefix-Independent Convergence(PIC)エッジおよびコアを設定する方法について説明します。
IP および MPLS 向け BGP PIC エッジおよびコア
IP および MPLS 向け BGP PIC エッジおよびコア機能は、ネットワーク障害発生後のコンバージェンスを改善します。このコンバージェンスは、IP および MPLS ネットワークのコアの障害とエッジの障害の両方に適用されます。この機能を使用して、Routing Information Base(RIB; ルーティング情報ベース)、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)および Cisco Express Forwarding(CEF; シスコ エクスプレス フォワーディング)に代替パスを作成、保存します。障害の検出時には、代替パスがすぐに引き継ぐことで、高速なフェールオーバーが実現されます。
機能の利点は次のとおりです。
• フェールオーバー用の代替パスにより、接続の復元を迅速化。
• トラフィック損失の削減。
• コンバージェンス時間が一定なので、すべてのプレフィックスで切り替え時間が同じ。
BGP PIC の前提条件
BGP PIC 機能には、次の前提条件が適用されます。
• BGP および IP または MPLS ネットワークがアクティブであること、およびカスタマー サイトが複数のパスによってプロバイダー サイトと接続されていること(マルチホーム)を確認します。
• バックアップ パスまたは代替パスには、最良パスのネクスト ホップと異なる固有のネクスト ホップがあることを確認します。これは BGP PIC エッジにのみ適用され、コアには適用されません。
• Bidirectional Forwarding Detection(BFD; 双方向フォワーディング検出)プロトコルをイネーブルにして、直接接続されたネイバーのリンク障害を検出できるようにします。
• BGP PIC エッジおよびコアは、複数の VRF のネイティブ IPv4 およびネイティブ IPv6 をサポートします。
• BGP IPv6 PIC の拡張性は既存の BGP IPv4 PIC の拡張性と一致する必要があります。
制約事項
BGP PIC 機能の使用時には、次の制約事項に従ってください。
• BGP PIC 機能は、BGP マルチパスおよび非マルチパスでサポートされます。
• MPLS VPN では、MPLS VPN 相互自律システム オプション B を使った BGP PIC 機能はサポートされていません。
• BGP PIC 機能は、IPv4、IPv6、VPNv4、および VPNv6 アドレス ファミリのプレフィックスのみをサポートします。
• BGP PIC 機能は、マルチキャストまたは L2VPN 仮想ルーティングおよびフォワーディング(VRF)のアドレス ファミリで設定できません。
• 2 台の PE ルータが CE ルータへの相互パスまたは代替パスになると、トラフィックは CE ルータが失敗した場合にループする可能性があります。その場合は、どちらのルータも CE ルータに到達せず、トラフィックは存続可能時間(TTL)タイマーが切れるまで 2 つのルータ間で転送され続けます。
• BGP PIC は次のアドレス ファミリでサポートされます。
– サービス プロバイダー コアのネイティブ IPv6 による IPv6
– IPv4 MPLS コアによる IPv6 および VPNv6 とサービス プロバイダー エッジ ルータの 6PE および 6VPE による IPv6 および VPNv6
• PIC エッジをイネーブルにすると、ほぼ 2 倍の数の隣接エントリが使用されます。
• ロード バランス パスに MPLS TE トンネルがある場合、7600 は BGP PIC コアをサポートしません。