IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能概要
ここでは、IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの機能概要について説明します。
• 「IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの概要」
• 「マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ」
• 「レイヤ 3 スイッチド マルチキャスト パケットの書き換え」
• 「フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチング」
• 「非 RPF トラフィックの処理」
• 「IPv4 双方向 PIM の機能概要」
IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの概要
ポリシー フィーチャ カード(PFC)は、ハードウェア レプリケーション テーブルおよびハードウェアシスコ エクスプレス フォワーディング(CEF)を使用して、IP マルチキャスト フローのレイヤ 3 スイッチング機能を提供します。CEF は、PFC の転送情報ベース(FIB)および隣接関係テーブルを使用します。分散型フォワーディング カード(DFC)を装備したシステムでは、IP マルチキャスト フローは、Multicast Distributed Hardware Switching(MDHS)を使用してローカルにレイヤ 3 スイッチングされます。MDHS は、各 DFC 上のローカルなハードウェア CEF テーブルおよびレプリケーション テーブルを使用して、DFC を装備した各スイッチング モジュール上で、レイヤ 3 スイッチングおよびリバース パス転送(RPF)障害のレート制限をローカルに実行します。
PFC および DFC は、(*,G)ステート フローのハードウェア スイッチングをサポートします。PFC および DFC は、非 RPF トラフィックのレート制限をサポートします。
ハードウェア スイッチングとも呼ばれるマルチキャスト レイヤ 3 スイッチングは、高度な Application Specific Integrated Circuit(ASIC; 特定用途向け IC)スイッチング ハードウェアを使用して、IP サブネット間で IP マルチキャスト データ パケット フローを転送します。その結果、ネットワーク ルータのプロセッサを中心としたマルチキャスト転送および複製の負荷が軽減されます。
ハードウェア スイッチングが不可能なレイヤ 3 フローは、引き続きルータによってソフトウェアで転送されます。Protocol Independent Multicast(PIM)がルート決定に使用され、mcast レート リミッタがルート プロセッサにリレーされるトラフィックを制限します。
PFC および DFC はいずれも、レイヤ 2 マルチキャスト転送テーブルを使用して、レイヤ 2 マルチキャスト トラフィックを転送するポート(ある場合)を判別します。マルチキャスト転送テーブル エントリは、Internet Group Management Protocol(IGMP)スヌーピングとともに読み込まれます(を参照)。
7600 内の最新の IPV4 マルチキャスト実装では、ルート プロセッサ(RP)からスイッチ プロセッサ(SP)へのプラットフォーム固有の分散メカニズムが使用されます。MFIB の導入によって、プラットフォームに依存しない方法で情報をスイッチ プロセッサ(SP)とラインカード(LC)に分散させることができるようになります。12.2(33)SRE では、この機能が SUP720、Sup32、RSP720、および互換性のある DFC でサポートされます。
MFIB 実装の前に使用されていた Multicast Distributed Switching Services(MDSS)実装の詳細については、http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_1/switch/configuration/guide/xcdmdc.html を参照してください。
マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ
ここでは、PFC および DFC により、レイヤ 3 スイッチング情報をハードウェア テーブルに維持する方法について説明します。
PFC および DFC は、適切なマスクを使用して(S,G)または(*,G)フローをハードウェア FIB テーブルに読み込みます。たとえば、(S/32, G/32)および(*/0, G/32)などです。RPF インターフェイスおよび隣接ポインタ情報も、各エントリに保存されます。隣接関係テーブルには、書き換え情報と Multicast Expansion Table(MET)テーブルへのポインタが格納されています。フローが FIB エントリと一致した場合、RPF チェックによって着信インターフェイス/VLAN がエントリと比較されます。一致しない場合は RPF 障害であり、レート制限機能がイネーブルになっている場合はレート制限の対象になります。
MSFC は新しいフローのトラフィックを受信するたびに、自身のマルチキャスト ルーティング テーブルを更新し、新しい情報を PFC に転送します。さらに、MSFC 上のマルチキャスト ルーティング テーブルのエントリが期限切れになると、MSFC はそのエントリを削除し、更新された情報を PFC に転送します。DFC を装備したシステムでは、すべての DFC および PFC に対称的にフローが読み込まれます。
レイヤ 3 スイッチング キャッシュには、すべてのアクティブなレイヤ 3 スイッチド フローに関する情報が含まれます。スイッチング キャッシュが読み込まれたあと、既存のフローに属することが識別されたマルチキャスト パケットは、そのフローに対応するキャッシュ エントリに基づいて、レイヤ 3 スイッチングされます。PFC はキャッシュ エントリごとに、IP マルチキャスト グループへの発信インターフェイスのリストを維持します。PFC はこのリストを使用して、特定のマルチキャスト フローからのトラフィックをどの VLAN に複製しなければならないかを識別します。
レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリに有効なコマンドは、次のとおりです。
• clear ip mroute コマンドを使用してマルチキャスト ルーティング テーブルをクリアすると、すべてのマルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリがクリアされます。
• no ip multicast-routing コマンドを使用して MSFC 上の IP マルチキャスト ルーティングをディセーブルにすると、PFC 上のすべてのマルチキャスト レイヤ 3 スイッチング キャッシュ エントリが消去されます。
レイヤ 3 スイッチド マルチキャスト パケットの書き換え
マルチキャスト送信元から宛先マルチキャスト グループへマルチキャスト パケットがレイヤ 3 スイッチングされる場合、PFC および DFC は、MSFC から得た情報とその隣接テーブルに保存されている情報に基づき、パケットの書き換えを実行します。
たとえば、サーバ A が IP マルチキャスト グループ G1 を宛先とするマルチキャスト パケットを送信する場合を想定します。送信元 VLAN 以外の VLAN 上にグループ G1 のメンバーが存在する場合、PFC は送信元以外の VLAN にトラフィックを複製するとき、パケットの書き換えを実行しなければなりません(ルータはさらに、送信元 VLAN 内でパケットをブリッジします)。
PFC がマルチキャスト パケットを受信した時点で、パケットは、次のようにフォーマットされます(概念上)。
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宛先 |
送信元 |
宛先 |
送信元 |
TTL |
チェックサム |
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Group G1 MAC |
Source A MAC |
Group G1 IP |
Source A IP |
n |
calculation1 |
PFC は、パケットを次のように書き換えます。
• レイヤ 2 フレーム ヘッダーの送信元 MAC アドレスを、ホストの MAC アドレスから MSFC の MAC アドレスに変更します(システムに組み込まれている MAC アドレスです。この MAC アドレスは、すべての発信インターフェイス用のアドレスと同じであり、変更することができません)。
• IP ヘッダーの存続可能時間(TTL)を 1 だけ減らし、IP ヘッダー チェックサムを再計算します。
その結果、書き換えられた IP マルチキャスト パケットは、ルーティングされたような外見になります。PFC は書き換えたパケットを該当する宛先 VLAN に複製し、その VLAN 上でパケットが IP マルチキャスト グループ G1 のメンバーに転送されます。
PFC がパケットの書き換えを行ったあと、パケットは、次のようにフォーマットされます(概念上)。
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宛先 |
送信元 |
宛先 |
送信元 |
TTL |
チェックサム |
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Group G1 MAC |
MSFC MAC |
Group G1 IP |
Source A IP |
n-1 |
calculation2 |
フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチング
あるフローの 1 つ以上の発信レイヤ 3 インターフェイスがハードウェア スイッチングされ、1 つ以上の発信インターフェイスがハードウェア スイッチングされない場合は、そのフローが部分的にスイッチングされていると見なされます。部分的にスイッチングされたフローが形成されると、そのフローに属するすべてのマルチキャスト トラフィックが MSFC に到達し、ソフトウェアによって、ハードウェア スイッチングされない発信インターフェイスに転送されます。
ここでは、フローの部分的なスイッチングおよび完全なスイッチングについて説明します。
• 「フローの部分的スイッチング」
• 「フローの完全スイッチング」
フローの部分的スイッチング
次の状況で、フローは完全にスイッチングされずに部分的にスイッチングされる可能性があります。
• マルチキャスト送信元の RPF インターフェイスで、ルータが IP マルチキャスト グループのメンバーとして設定されている場合( ip igmp join-group コマンドを使用)。
• 登録ステートの間、PIM スパース モードで、ルータが送信元への最初のホップ ルータである場合(この場合、ルータはランデブー ポイント(RP)に PIM 登録メッセージを送信する必要があります)。
• フローの発信インターフェイスで、マルチキャスト TTL しきい値が設定されている場合(ip multicast ttl-threshold コマンドを使用)。
• フローの RPF インターフェイスにマルチキャスト ヘルパーが設定されていて、かつマルチキャストからブロードキャストへの変換が必要な場合。
• 発信インターフェイスがディスタンス ベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル(DVMRP)トンネル インターフェイスの場合。
• インターフェイスにネットワーク アドレス変換(NAT)が設定されていて、発信インターフェイス用に送信元アドレスの変換が必要な場合。
• 発信インターフェイスが特定のフローでレイヤ 3 スイッチングされない場合、フローは部分的にスイッチングされます。
次の状況で、(S,G)フローは完全にスイッチングされずに部分的にスイッチングされます。
• (S,G)エントリに RPT ビット(R ビット)が設定されている場合、(S,G)フローは部分的にスイッチングされます。
• (S,G)エントリに SPT ビット(T フラグ)およびプルーニング ビット(P フラグ)が設定されていない場合、(S,G)フローは部分的にスイッチングされます。
次の状況で、(*,G)フローは完全にスイッチングされずに部分的にスイッチングされます。
• 共有ツリーから Shortest-Path-Tree(SPT)へのしきい値が無限に等しくならない場合、(*,G)フローは最後のホップ リーフ ルータ上で部分的にスイッチングされます。これによって、フローは SPT から移行できます。
• 最低 1 つの(S,G)エントリに(*,g)エントリと同じ RPF が含まれていても、次のうちいずれかが真である場合、(*,G)フローは部分的にスイッチングされます。
– RPT フラグ(R ビット)が設定されていない。
– SPT フラグ(T ビット)が設定されていない。
– プルーニングフラグ(P ビット)が設定されていない。
• DVMRP ネイバーが(*,G)エントリの入力インターフェイスで検出された場合、(*,G)フローは部分的にスイッチングされます。
• インターフェイスおよびマスク エントリが(*,G)エントリの RPF インターフェイス用にインストールされておらず、RPF インターフェイスがポイントツーポイント インターフェイスでない場合、(*,G)フローは部分的にスイッチングされます。
フローの完全スイッチング
特定のフローで、すべての発信インターフェイスがレイヤ 3 スイッチングされ、かつフローに上記の状況がいずれも該当しない場合、そのフローは完全にスイッチングされていると見なされます。完全にスイッチングされるフローが作成されると、PFC は、送信元 VLAN 上でそのフロー用にブリッジされているマルチキャスト トラフィックが VLAN の MSFC インターフェイスに到達できないようにして、そのフローの転送および複製など MSFC の負荷を軽減します。
フローが完全にスイッチングされると、そのフローに関してはパケット単位でのマルチキャスト統計情報を記録できません。そのため、PFC はすべての完全にスイッチングされたフローに関するマルチキャスト パケットおよびバイト カウント統計情報を、定期的に MSFC に送信します。MSFC は対応するマルチキャスト ルーティング テーブル エントリを更新し、そのマルチキャスト ルートに対応する期限タイマーをリセットします。
(注) PIM-RP または PIM-dense モードでは(*,G)ステートが作成されますが、フローの転送には使用されず、これらのフローについてはレイヤ 3 スイッチング エントリは作成されません。
非 RPF トラフィックの概要
複数のルータが同一 LAN セグメントに接続する冗長構成では、1 台のルータだけが、発信インターフェイス上でマルチキャスト トラフィックを送信元からレシーバまで転送します(図 31-1を参照)。このようなトポロジでは、PIM 指定ルータ(PIM DR)だけが共通の VLAN 内でデータを転送し、非 PIM DR は転送されたマルチキャスト トラフィックを受信します。このトラフィックは、誤ったインターフェイスに着信して RPF チェックに失敗するため、冗長ルータ(非 PIM DR)はこのトラフィックをドロップしなければなりません。このように RPF チェックに失敗するトラフィックを、「非 RPF トラフィック」といいます。
Cisco 7600 シリーズ ルータは、PFC のハードウェアで、非 RPF トラフィックをフィルタリング(廃棄)するか、またはレート制限することによって処理します。
図 31-1 スタブ ネットワークにおける冗長マルチキャスト ルータの構成
スタブ ネットワークのための RPF 障害のフィルタリング
PFC および DFC は、スパース モードのスタブ ネットワーク用に、RPF 障害の ACL ベースのフィルタリング機能をサポートしています。冗長ルータ上で mls ip multicast stub コマンドを入力して、ACL ベース方式による RPF 障害のフィルタリングをイネーブルにすると、次の ACL が自動的に PFC にダウンロードされ、指定するインターフェイスに適用されます。
access-list 100 permit ip A.B.C.0 0.0.0.255 any
access-list 100 permit ip A.B.D.0 0.0.0.255 any
access-list 100 permit ip any 224.0.0.0 0.0.0.255
access-list 100 permit ip any 224.0.1.0 0.0.0.255
access-list 100 deny ip any 224.0.0.0 15.255.255.255
ACL によって、ハードウェアで RPF 障害がフィルタリングおよびドロップされるため、ルータに転送されなくなります。
ACL ベースの RPF 障害フィルタリング機能は、ダウンストリーム ルータの存在しない、スパース モードのスタブ ネットワークにかぎって使用してください。デンス モード グループの場合は、PIM アサート メカニズムを正常に動作させるために、ルータ上で RPF 障害パケットを認識する必要があります。デンス モードのネットワーク、およびスパース モードの中継ネットワークでは、CEF ベースまたは NetFlow ベースのレート制限を使用して、RPF 障害のレートを制限してください。
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングについての詳細は、「RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定」を参照してください。
RPF 障害トラフィックのレート制限
RPF チェックに失敗するパケット(非 RPF パケット)のレート制限を行うと、ほとんどの非 RPF パケットがハードウェアでドロップされます。マルチキャスト プロトコルの仕様に従って PIM アサート メカニズムが正しく機能するには、ルータは非 RPF パケットを受信する必要があるので、すべての非 RPF パケットをハードウェアでドロップすることはできません。
非 RPF パケットを受信すると、NetFlow エントリが非 RPF フローごとに作成されます。
最初の非 RPF パケットが到着すると、PFC はパケットを MSFC およびブリッジド ポートへブリッジし、送信元、グループ、入力インターフェイス情報を含む NetFlow エントリを作成します。その後 NetFlow エントリは、パケットを MSFC ではなくブリッジド ポートだけに送信して、送信元およびグループのパケットをすべて処理します。
PIM アサート メカニズムをサポートするために、PFC は非 RPF フロー パケットの一部を MSFC に定期的に転送します。
PIM スパース モードで直接接続された送信元の最初のパケットはレートが制限され、CPU により処理されます。
RPF 障害のレート制限は、デフォルトでイネーブルに設定されています。
IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング設定時の注意事項および制約事項
ここでは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定に関する制約事項について説明します。
• 「制約事項」
• 「サポートされていない機能」
制約事項
次のような場合に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングは IP マルチキャスト フローに実行されません。
• 224.0.0.*(* は 0 ~ 255)の範囲の IP マルチキャスト グループ。これらのグループは、ルーティング プロトコルが使用します。レイヤ 3 スイッチングは、225.0.0.* ~ 239.0.0.*、および 224.128.0.* ~ 239.128.0.* のグループでサポートされます。
(注) 224.0.0.* の範囲のグループはルーティング制御パケット専用で、VLAN のすべての転送ポートにフラッディングする必要があります。これらのアドレスは、マルチキャスト MAC アドレス範囲 01-00-5E-00-00-xx(xx は 0 ~ 0xFF)にマッピングされます。
• PIM 自動 RP マルチキャスト グループ(IP マルチキャスト グループ アドレス 224.0.1.39 および 224.0.1.40)。
• IP オプションを指定されたパケット。ただし、フロー内で IP オプションを指定されていないパケットは、ハードウェア スイッチングされます。
• トンネル インターフェイスで受信した送信元トラフィック(MBONE トラフィックなど)
• スパース モードの(S,G)エントリに、SPT ビット、RPT ビット、またはプルーニング フラグが設定されていない場合。
• 1 つ以上の(S,G)エントリに(*,G)エントリの RPF とは異なる RPF があり、(S,G)がハードウェアでスイッチングされない場合、(*,G)エントリはハードウェアでスイッチングされません。
• (*,G)エントリが IPv4 双方向 PIM エントリでルータがグループの RP である場合を除き、(S,G)または(*,G)エントリの入力インターフェイスがヌルの場合。
• DF インターフェイスまたは RPF インターフェイスがトンネルの場合の IPv4 双方向 PIM エントリ。
• Supervisor Engine 32 では出力マルチキャスト複製がサポートされず、マルチキャスト レプリケーション モードを検出できません。
• MFIB 実装では、片方向のデータ パケット数を制限する ip multicast rate-limit コマンドがハードウェア設定内でサポートされません。
• MFIB 実装では、 ip multicast ttl-threshold コマンドがハードウェア設定内でサポートされません。
• MFIB 実装では、ネットワーク アドレス変換(NAT)がハードウェア設定内でサポートされません。
• MFIB IPv4 実装以降で次の MDSS コマンドが無効になっています。
– debug mdss [vrf <vrf-name>] [all | error | events | mdt | p2p | packet]
– mls ip multicast [vrf <name>] connected {config command - global and interface-level}
– mls ip multicast consistency-check {config command - global and interface-level}
– show mls ip multicast consistency-check
– show mls ip multicast rp-mapping
• MFIB 実装以降で次のコマンドが廃止予定になっています。
– mls ip multicast non-rpf aging fast
– mls ip multicast non-rpf aging global
– ip multicast replication-mode egress
– mls ip multicast replication-mode ingress
– mls ip multicast flow-stat timer
サポートされていない機能
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにした場合、レイヤ 3 インターフェイスに関する IP アカウンティングでは、正確な値が報告されません。show ip accounting コマンドはサポートされません。
マルチキャスト ストリーミングは、Cat6500 および 7600 上の DMVPN 全体でサポートされません。ルーティング プロトコルなどのローカル コントロール プレーンからのマルチキャスト パケットだけがサポートされます。
IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定
ここでは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定方法について説明します。
• 「IGMPv3、IGMP v3lite、および URD を使用した Source Specific Multicast」
• 「IPv4 マルチキャスト ルーティングのグローバルなイネーブル化」
• 「レイヤ 3 インターフェイス上での IPv4 PIM のイネーブル化」
• 「レイヤ 3 インターフェイス上での IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル化」
• 「レプリケーション モードの設定」
• 「ローカル出力レプリケーションのイネーブル化」
• 「レイヤ 3 スイッチングのグローバルしきい値の設定」
• 「直接接続されたサブネットのインストールのイネーブル化」
• 「フロー統計情報メッセージ インターバルの指定」
• 「IPv4 双方向 PIM の設定」
• 「IPv4 双方向 PIM スキャン インターバルの設定」
• 「RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定」
• 「レート リミッタ ステータスの確認」
• 「IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 ハードウェア スイッチング要約情報の表示」
• 「IPv4 マルチキャスト ルーティング テーブルの表示」
• 「IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示」
• 「IPv4 双方向 PIM 情報の表示」
• 「IPv4 デバッグ コマンドの使用」
(注) コンフィギュレーション モードで EXEC モード レベルのコマンドを入力するには、EXEC モード コマンドの前に do キーワードを入力します。
レイヤ 3 インターフェイス上での IPv4 PIM のイネーブル化
レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングを動作させるには、事前にレイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにする必要があります。
レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type slot/port }} |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# ip pim { dense-mode | sparse-mode | sparse-dense-mode } |
レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をイネーブルにします。 |
Router(config-if)# no ip pim [ dense-mode | sparse-mode | sparse-dense-mode ] |
レイヤ 3 インターフェイス上で IP PIM をディセーブルにします。 |
次に、インターフェイス上でデフォルト モード( sparse-dense-mode )を使用して PIM をイネーブルにする例を示します。
Router(config-if)# ip pim
次に、インターフェイス上で PIM スパース モードをイネーブルにする例を示します。
Router(config-if)# ip pim sparse-mode
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのグローバルなイネーブル化
システム上でマルチキャスト ルートのハードウェア スイッチングをグローバルにイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# mls ip multicast |
マルチキャスト ルートのハードウェア スイッチングをグローバルにイネーブルにします。 |
ステップ 2 |
Router# show platform software multicast ip |
システム内のパケット フローに関する概要を表示します。 |
次に、マルチキャスト ルートのハードウェア スイッチングをグローバルにイネーブルにする例を示します。
Router(config)# mls ip multicast
Router(config)# show platform software multicast ip
(40.0.0.2, 232.0.1.4) Incoming interface: Lspvif0, Packets Switched: 119954142
Hardware switched outgoing interfaces:
Total hardware switched flows: 1
レイヤ 3 インターフェイス上での IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル化
レイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにすると、インターフェイス上では IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングがデフォルトでイネーブルになります。次の作業は、インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをディセーブルにしたあと、再びイネーブルにする場合に限り行います。
PIM は、VLAN インターフェイスも含めて、任意のレイヤ 3 インターフェイス上でイネーブルに設定できます。
(注) IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングを動作させるには、事前に関与するすべてのレイヤ 3 インターフェイス上で PIM をイネーブルにする必要があります。レイヤ 3 インターフェイス上での PIM の設定手順については、「レイヤ 3 インターフェイス上での IPv4 PIM のイネーブル化」を参照してください。
レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type slot/port }} |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# mls ip multicast |
レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# no mls ip multicast |
レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをディセーブルにします。 |
次に、レイヤ 3 インターフェイス上で IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにする例を示します。
Router(config-if)# mls ip multicast
レプリケーション モードの設定
(注) Supervisor Engine 32 では、入力レプリケーション モードだけがサポートされます。
Supervisor Engine 720 では egress キーワードがサポートされます。 egress キーワードのサポートは、リリース ノートおよび Feature Navigator で「マルチキャストの強化:レプリケーション モード検出」と呼ばれています。
デフォルトの場合、Supervisor Engine 720 はシステムにインストールされたモジュール タイプに基づいてレプリケーション モードを自動的に検出します。すべてのモジュールが出力レプリケーションに対応できる場合、システムは出力レプリケーション モードを使用します。スーパーバイザ エンジンが、出力レプリケーションに対応できないモジュールを検出した場合、レプリケーション モードは入力レプリケーションに自動的に変更されます。 ip multicast hardware-switching replication-mode egress コマンドを入力してこの処理を無効にすることができるため、OSM などの出力レプリケーションをサポートしないファブリック対応モジュールがインストールされている場合でも、システムは出力レプリケーション モードで動作し続けます。入力レプリケーション モードだけで動作するようにシステムを設定することもできます。
システムが自動検出モードで動作している場合に、出力レプリケーションを実行できないモジュールを搭載すると、次のようになります。
• システムは入力モードに戻ります。
• システム ログが生成される
• 元の設定に戻すために、システム リロードが発生します。
システムが強制出力モードで機能している場合はシステム ログが作成され、出力レプリケーション モードに対応していないモジュールの存在が表示されます。
(注) 出力レプリケーションに対応していないファブリック対応モジュールを含むシステムに強制出力モードを設定する場合は、このようなモジュールがマルチキャスト トラフィックを発信したり受信したりしないことを確認する必要があります。
出力レプリケーション モードから入力レプリケーション モードへの変更中、ショートカットが削除され再インストールされるためトラフィックの中断が発生する場合があります。トラフィック転送の中断を回避するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ip multicast hardware-switching replication-mode ingress コマンドを入力します。このコマンドにより、システムは入力レプリケーション モードで動作します。
ip multicast hardware-switching replication-mode ingress コマンドの no 形式は、システムを自動検出モードに戻します。
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# ip multicast hardware-switching replication-mode [ egress | ingress ] |
レプリケーション モードを指定します。 |
ステップ 2 |
Router# show platform software multicast ip capability |
設定されているレプリケーション モードを表示します。 |
ステップ 3 |
Router# show platform software multicast ip summary |
レプリケーション モードおよび自動検出がイネーブルまたはディセーブルかを表示します。 |
次に、レプリケーション モードをイネーブルにする例を示します。
Router (config)#
ip multicast hardware-switching replication-mode egress
Router#
show platform software multicast ip capability
Current System HW Replication Mode : Egress
Auto-detection of Replication Mode : ON
Slot Replication-Capability Replication-Mode
Router#
show platform software multicast ip summary
IPv6 Multicast Netflow SC summary on Slot[7]:
Shortcut Type Shortcut count
---------------------------+--------------
IPv6 Multicast FIB SC summary on Slot[7]:
Shortcut Type Shortcut count
---------------------------+--------------
ローカル出力レプリケーションのイネーブル化
(注) Supervisor Engine 32 では、入力レプリケーション モードだけがサポートされます。
Supervisor Engine 720 では、ローカル出力レプリケーションを無条件でイネーブルにすることができます。この機能は、リリース ノートおよび Feature Navigator で「マルチキャストの強化:出力レプリケーション パフォーマンスの改善」と呼ばれています。
デュアル スイッチファブリック接続を含む DFC を装備したモジュールには、ファブリック接続ごとに 1 つずつ、合計 2 つのパケット レプリケーション エンジンがあります。それぞれのレプリケーション エンジンは、スイッチファブリック接続と関連したインターフェイスにパケットを転送したり、そのインターフェイスからパケットを転送したりします。スイッチファブリック接続と関連するインターフェイスは、パケット レプリケーション エンジン側から見て「ローカル」と見なされます。
レプリケーション エンジンがサポートするスイッチファブリック接続と関連するローカル インターフェイスだけにパケットを転送するように、モジュールの 2 つのレプリケーション エンジンに指示するコマンドを入力することで、スイッチファブリック接続間でマルチキャスト パケットの複製の重複を防止できます。
この機能をイネーブルにすると、レプリケーション エンジンごとの Multicast Expansion Table(MET)にローカル レイヤ 3 インターフェイスだけが入力されます。この処理により、レプリケーション エンジンによってサポートされないインターフェイス(ローカル以外のインターフェイス)の複製が防止され、複製のパフォーマンスが向上します。
ローカル出力レプリケーションは、次のソフトウェア設定およびハードウェアでサポートされます。
• IPv4 出力レプリケーション モード
• デュアル ファブリック接続 DFC 装備モジュール
• ポート チャネルの一部でないレイヤ 3 ルーテッド インターフェイスおよびサブインターフェイス
ローカル出力レプリケーション機能は、次の内部 VLAN でサポートされません。
• 出力内部 VLAN
• 部分ショートカット内部 VLAN
• マルチキャスト VPN マルチキャスト配信ツリー(MDT)トンネルの内部 VLAN
• ポイントツーポイント トンネル内部 VLAN
• QoS 内部 VLAN
(注) ローカル出力レプリケーション機能は、IPv6 マルチキャスト、または IPv4 と IPv6 マルチキャストの混在がイネーブルになっているシステムでサポートされません。
ローカル出力レプリケーションをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# mls ip multicast egress local |
ローカル出力レプリケーションをイネーブルにします。 (注) このコマンドでは、システムをリセットしないと、設定が有効になりません。 |
ステップ 2 |
Router # reload |
システムをリロードします。 |
ステップ 3 |
Router# show platform software multicast ip capability |
設定されているレプリケーション モードを表示します。 |
次に、ローカル出力レプリケーションをイネーブルにする例を示します。
Router (config)# mls ip multicast egress local
Router # show platform software multicast ip capability
Current System HW Replication Mode : Egress
Auto-detection of Replication Mode : ON
Slot Replication-Capability Replication-Mode
レイヤ 3 スイッチングのグローバルしきい値の設定
グローバル マルチキャスト レートしきい値(パケット数/秒で指定)を設定し、これを下回るとすべてのマルチキャスト トラフィックが MSFC によってルーティングされるようにすることができます。この設定により、低レート レイヤ 3 フローのスイッチング キャッシュ エントリの作成が防止されます。
(注) このコマンドは、すでにルーティングされているフローには影響しません。既存のルートにしきい値を適用するには、ルートをいったん消去して、再び確立させます。
レイヤ 3 スイッチングしきい値を設定するには、次の作業を行います。
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Router(config)# mls ip multicast threshold ppsec |
IP MMLS しきい値を設定します。 |
Router(config)# no mls ip multicast threshold |
デフォルトの IP MMLS しきい値に戻します。 |
次に、レイヤ 3 スイッチングしきい値を 10 パケット/秒に設定する例を示します。
Router(config)# mls ip multicast threshold 10
直接接続されたサブネットのインストールのイネーブル化
PIM スパース モードでは、インターフェイスの指定ルータである最初のホップ ルータが、送信元トラフィックを PIM 登録メッセージにカプセル化し、それをランデブー ポイントにユニキャストしなければならない場合があります。グループの新しい送信元がルーティング テーブルで学習されないようにするには、(*,G)フローを完全なハードウェア スイッチド フローのままにする必要があります。ハードウェアに(subnet/mask, 224/4)エントリをインストールすると、FIB によって完全にハードウェアでスイッチング フローのままになる、(*,G)フローおよび新たに直接接続された送信元の両方が正常に学習されます。直接接続されたサブネットのインストールは、デフォルトでグローバルにイネーブル化されます。PIM 対応のインターフェイスごとに(subnet/mask, 224/4)が 1 つインストールされます。
FIB エントリを表示するには、show platform software multicast ip connected コマンドを入力します。
直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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Router(config)# mls ip multicast connected |
直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにします。 |
Router(config)# no mls ip multicast connected |
直接接続されたサブネットのインストールをディセーブルにします。 |
次に、直接接続されたサブネットのインストールをイネーブルにする例を示します。
Router(config)# mls ip multicast connected
フロー統計情報メッセージ インターバルの指定
デフォルトでは、スーパーバイザ エンジンはフロー統計情報メッセージを 25 秒ごとに MSFC へ転送します。メッセージはバッチ単位で転送され、各メッセージ バッチにはフロー全体の 25% の統計情報が含まれます。デフォルトの 25 秒にインターバルが設定されたままの場合、すべてのフローの統計情報を MSFC へ転送するには 100 秒かかります。
スーパーバイザ エンジンからフロー統計情報メッセージを MSFC へ転送する頻度を指定するには、次の作業を行います。
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Router(config)# mls ip multicast flow-stat-timer num |
スーパーバイザ エンジンがフロー統計情報メッセージを MSFC へ転送する手順を指定します。 |
Router(config)# no mls ip multicast flow-stat-timer num |
デフォルトに戻します。 |
次に、10 秒ごとにフロー統計情報メッセージを MSFC へ転送するようにスーパーバイザ エンジンを設定する例を示します。
Router(config)# mls ip multicast flow-stat-timer 10
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングの設定
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを設定すると、ハードウェアで RPF 障害をフィルタリングするための ACL がハードウェア ベースの ACL エンジンにダウンロードされ、指定するインターフェイスに適用されます。
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングをインターフェイス上でイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface {{ vlan vlan_ID } | { type slot/port } | { port-channel number }} |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# mls ip multicast stub |
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを、特定のインターフェイス上でイネーブルにします。 |
Router(config-if)# no mls ip multicast stub |
RPF 障害に対する ACL ベースのフィルタリングを、特定のインターフェイス上でディセーブルにします。 |
レート リミッタ ステータスの確認
レート リミッタ ステータスを確認するには、次の作業を行います。
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Router# show mls rate-limit | i RPF |
RPF 障害レート制限情報とレート リミッタの現在の状態を表示します。 |
次に、RPF 障害のレート制限情報を表示する例を示します。
Router# show mls rate-limit | i RPF
Router-1# sh mls rate-limit usage
Rate Limiter Type Packets/s Burst
--------------------- --------- -----
ICMP UNREAC. NO-ROUTE 100 10
ICMP UNREAC. ACL-DROP 100 10
RL# 8: Rsvd for capture - - -
Router-1# sh mls rate-limit
Sharing Codes: S - static, D - dynamic
Codes dynamic sharing: H - owner (head) of the group, g - guest of the group
Rate Limiter Type Status Packets/s Burst Sharing
--------------------- ---------- --------- ----- -------
MCAST DFLT ADJ On 10 10 Not sharing
MCAST DIRECT CON Off - - -
ACL BRIDGED OUT Off - - -
ACL VACL LOG On 2000 1 Not sharing
MCAST PARTIAL SC On 100000 100 Not sharing
IP RPF FAILURE On 100 10 Group:0 S
ICMP UNREAC. NO-ROUTE On 100 10 Group:0 S
ICMP UNREAC. ACL-DROP On 100 10 Group:0 S
MCAST IP OPTION Off - - -
UCAST IP OPTION Off - - -
DHCP Snooping IN Off - - -
DHCP Snooping OUT Off - - -
LAYER_2 PORTSEC Off - - -
LAYER_2 MiniProto Off - - -
IP ERRORS On 100 10 Group:0 S
MCAST IPv6 DIRECT CON Off - - -
MCAST IPv6 ROUTE CNTL Off - - -
MCAST IPv6 *G M BRIDG Off - - -
MCAST IPv6 SG BRIDGE Off - - -
MCAST IPv6 DFLT DROP Off - - -
MCAST IPv6 SECOND. DR Off - - -
MCAST IPv6 *G BRIDGE Off - - -
IP ADMIS. ON L2 PORT Off - - -
IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 ハードウェア スイッチング要約情報の表示
(注) show interface statistics コマンドでは、ハードウェア スイッチングされたパケットについては表示されず、ソフトウェア スイッチングされたパケットに関する情報だけが表示されます。
show ip pim interface count コマンドを実行すると、IP PIM インターフェイス上の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステート、およびそのインターフェイス上で送受信されたパケット数が表示されます。
IP PIM レイヤ 3 インターフェイスに関する IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。
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Router# show ip pim interface [{{ vlan vlan_ID } | { type slot/port } | { port-channel number }}] count |
すべての MSFC IP PIM レイヤ 3 インターフェイスに関する、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステート情報を表示します。 |
Router# show ip interface |
レイヤ 3 インターフェイス上の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングのイネーブル ステートを表示します。 |
次に、インターフェイスの IP PIM 設定を表示する例を示します。
Router# show ip pim interface count
State:* - Fast Switched, D - Distributed Fast Switched
H - Hardware Switching Enabled
Address Interface FS Mpackets In/Out
10.15.1.20 GigabitEthernet4/8 * H 952/4237130770
10.20.1.7 GigabitEthernet4/9 * H 1385673757/34
10.25.1.7 GigabitEthernet4/10* H 0/34
10.11.1.30 FastEthernet6/26 * H 0/0
10.37.1.1 FastEthernet6/37 * H 0/0
1.22.33.44 FastEthernet6/47 * H 514/68
「*」フラグはこのインターフェイスを高速スイッチングできることを示し、「H」フラグはこのインターフェイスをハードウェアでスイッチングすることを示します。「In」フラグは、インターフェイスで受信されたマルチキャスト パケット バイト数を示します。「Out」フラグは、インターフェイスから転送されたマルチキャスト パケット バイト数を示します。
Router# show ip mroute count
56 routes using 28552 bytes of memory
13 groups, 3.30 average sources per group
Forwarding Counts:Pkt Count/Pkts per second/Avg Pkt Size/Kilobits per second
Other counts:Total/RPF failed/Other drops(OIF-null, rate-limit etc)
Group:224.2.136.89, Source count:1, Group pkt count:29051
Source:132.206.72.28/32, Forwarding:29051/-278/1186/0, Other:85724/8/56665
(注) 「-tive」カウンタは、対応するエントリの発信インターフェイス リストがヌルであることを意味し、このフローが引き続きアクティブであることを表します。
次に、インターフェイス VLAN 10 について、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定を表示する例を示します。
Router# show ip interface vlan 10
Vlan10 is up, line protocol is up
Internet address is 10.0.0.6/8
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by non-volatile memory
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Multicast reserved groups joined: 224.0.0.1 224.0.0.2 224.0.0.13 224.0.0.10
Outgoing access list is not set
Inbound access list is not set
Security level is default
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are never sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is disabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is enabled
IP Fast switching turbo vector
IP Normal CEF switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast, CEF
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Probe proxy name replies are disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect exclude is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
IP multicast multilayer switching is enabled
IP mls switching is enabled
次に、ギガビット イーサネット インターフェイス 1/2 について、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの設定を表示する例を示します。
Router# show interfaces gigabitEthernet 1/2
GigabitEthernet1/2 is up, line protocol is up (connected)
Hardware is C6k 1000Mb 802.3, address is 0001.c9db.2441 (bia 0001.c9db.2441)
MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
Last clearing of "show interface" counters 00:05:13
Input queue: 0/2000/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops: 0
Output queue :0/40 (size/max)
5 minute input rate 10000 bits/sec, 1 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
284 packets input, 113104 bytes, 0 no buffer
Received 284 broadcasts (284 multicast)
0 runts, 41 giants, 0 throttles
41 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
0 input packets with dribble condition detected
198 packets output, 14732 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 collisions, 0 interface resets
0 babbles, 0 late collision, 0 deferred
0 lost carrier, 0 no carrier
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out
IPv4 マルチキャスト ルーティング テーブルの表示
show ip mroute コマンドを実行すると、IP マルチキャスト ルーティング テーブルが表示されます。
IP マルチキャスト ルーティング テーブルを表示するには、次の作業を行います。
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Router# show ip mroute partical-sc [ hostname | group_number ] |
IP マルチキャスト ルーティング テーブルおよびハードウェア スイッチド インターフェイスを表示します。 |
次に、IP マルチキャスト ルーティング テーブルを表示する例を示します。
Router# show ip mroute 230.13.13.1
IP Multicast Routing Table
Flags:D - Dense, S - Sparse, s - SSM Group, C - Connected, L - Local,
P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag, T - SPT-bit set,
J - Join SPT, M - MSDP created entry, X - Proxy Join Timer Running
A - Advertised via MSDP, U - URD, I - Received Source Specific Host
Outgoing interface flags:H - Hardware switched
Interface state:Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode
(*, 230.13.13.1), 00:16:41/00:00:00, RP 10.15.1.20, flags:SJC
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:16:41/00:00:00, H
(*, 230.13.13.2), 00:16:41/00:00:00, RP 10.15.1.20, flags:SJC
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:16:41/00:00:00, H
(10.20.1.15, 230.13.13.1), 00:14:31/00:01:40, flags:CJT
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
GigabitEthernet4/9, Forward/Sparse-Dense, 00:14:31/00:00:00, H
(132.206.72.28, 224.2.136.89), 00:14:31/00:01:40, flags:CJT
Incoming interface:GigabitEthernet4/8, RPF nbr 10.15.1.20, RPF-MFD
Outgoing interface list:Null
(注) RPF-MFD フラグは、フローが完全にハードウェアでスイッチングされていることを表します。H フラグは、フローが発信インターフェイス上でハードウェアによってスイッチングされていることを示します。
IPv4 マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング統計情報の表示
show platform software multicast ip コマンドは、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングに関する詳細情報を表示します。
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングに関する詳細情報を表示するには、次のうちいずれかの作業を行います。
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Router# show platform software multicast ip group group-id |
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング グループの情報を表示します。 |
Router# show platform software multicast ip interface [gigabitethernet 1-6 | port-channel 1-256 | tengigabitethernet 1-6 | vlan 1-4094] | source A.B.C.D. ] |
すべてのインターフェイスについて、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの詳細情報を表示します。 |
Router# show platform software multicast ip source source-ip |
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの送信元の情報を表示します。 |
Router# show platform software multicast ip summary |
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの要約情報を表示します。 |
Router# show platform software multicast ip statistics [group group-id] |
IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの統計情報を表示します。 |
次に、特定の IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング エントリに関する情報を表示する例を示します。
Router# show platform software multicast ip group 232.0.1.4
Multicast hardware switched flows:
(40.0.0.2, 232.0.1.4) Incoming interface: GigabitEthernet3/2/1, Packets Switched: 8069027
Hardware switched outgoing interfaces:
Total hardware switched flows: 1
次に、IP マルチキャスト グループの情報を表示する例を示します。
Router# show platform software multicast ip source 40.0.0.2
Multicast hardware switched flows:
(40.0.0.2, 232.0.1.4) Incoming interface: GigabitEthernet3/2/1, Packets Switched: 8778143
Hardware switched outgoing interfaces:
Total hardware switched flows: 1
次に、gigabitethernet interface 3/2/1 に関する IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチング情報を表示する例を示します。
Router# show platform software multicast ip interface gigabitethernet 3/2/1
Multicast hardware switched flows:
(40.0.0.2, 232.0.1.4) Incoming interface: GigabitEthernet3/2/1, Packets Switched: 8206582
Hardware switched outgoing interfaces:
Total hardware switched flows: 1
次に、IP マルチキャスト レイヤ 3 スイッチングの統計情報を表示する例を示します。
Router# show platform software multicast ip statistics group 232.0.1.4
MLS Multicast Operation Status:
MLS Multicast configuration and state:
Router Mac: 00e0.b0ff.7b00, Router IP: 33.0.33.24
MLS multicast operating state: ACTIVE
Shortcut Request Queue size 4
Maximum number of allowed outstanding messages: 1
Maximum size reached from feQ: 3096
Feature Notification sent: 1
Feature Notification Ack received: 1
Unsolicited Feature Notification received: 0
Delete notifications received: 0
Flow Statistics messages received: 35211
MLS Multicast statistics:
Complete flow install Ack: 958469