ISSU および eFSU の概要
大部分のネットワークでは、ソフトウェア アップグレードにはシステム ダウンタイムを要しますが、 In Service Software Upgrade(ISSU)機能を使用することで、ルータ ソフトウェアのアップグレード時でも、ルータによるトラフィックの転送を続行できます。したがって、ISSU によりネットワークの可用性が向上し、ソフトウェア アップグレードによるダウンタイムが短縮されます。
Cisco 7600 シリーズ ルータは、次のタイプのアップグレード手順をサポートします。どちらのタイプのアップグレードにも、同じ ISSU コマンドとアップグレード手順が使用されます。
• ISSU:システムのダウンタイムを最小限に抑えてシステム アップグレードを行います。この機能は、ラインカード ソフトウェアが同じ Cisco IOS ソフトウェア リリース間のソフトウェア アップグレードに使用できます
(Cisco IOS Release 12.2SRB1 以降のリリースで使用可能)。
• enhanced Fast Software Upgrade(eFSU):ISSU のサブセットである eFSU により、サポートされているラインカードに新しいラインカード ソフトウェアのイメージをプリロードすることにより、ソフトウェア アップグレード中の停止時間を最小限に抑えられます。この機能は、ラインカード ソフトウェアが異なるリリース間のアップグレードに使用できます
(Cisco IOS Release 12.2SRB 以降のリリースで使用可能)。
ISSU では、NonStop Forwarding(NSF)の既存の機能を Stateful SwitchOver(SSO)と併用して、ソフトウェア アップグレードを実行します。2 つのスーパーバイザ エンジンまたは Route Switch Processor(RSP; ルート スイッチ プロセッサ)を備えた冗長システムでは、プロセッサのどちらか一方がアクティブになり、その間もう一方のプロセッサはスタンバイ モードで動作し、アクティブなプロセッサがダウンした場合に処理を引き継ぐ準備をしています。
稼働中ソフトウェア アップグレード(ISSU または eFSU)時は、新しいソフトウェアがスタンバイ プロセッサにロードされ、アクティブなプロセッサは古いソフトウェアを使用して動作を続行します。アップグレードの一部として、アクティブなプロセッサとスタンバイ プロセッサとの間でスイッチオーバーが行われ、スタンバイ プロセッサがアクティブになり、新しいソフトウェアの実行を開始します。アップグレードを続行して新しいソフトウェアを別のプロセッサにロードすることも、アップグレードを中断して古いソフトウェアで動作を再開することもできます。
新しいソフトウェア リリースに新しいラインカード ソフトウェアが含まれており、ルータのラインカードが eFSU をサポートしている場合、アップグレード プロセスにより新しいラインカード ソフトウェアがラインカードにプリロードされます。スイッチオーバー発生時(アクティブなプロセッサとスタンバイ プロセッサ間)に、ラインカードは新しいソフトウェア イメージを使用して再起動されます。eFSU は、新しいソフトウェア イメージをラインカードにプリロードすることで、ソフトウェア アップグレード時の停止時間を最小限に抑えます。
ISSU の詳細については、次の URL の『 Cisco IOS In Service Software Upgrade Process 』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122sr/newft/122srb33/sbisefsu.htm
ISSU の概要
Cisco IOS Releases 12.2SRB1 以降のリリースでは Cisco 7600 シリーズ ルータで ISSU がサポートされます。ISSU のアップグレード中、ルータはトラフィックのルーティングと転送を続行するため、あるソフトウェア リリースから別のソフトウェア リリースへのアップグレードを最小限のシステム ダウンタイム(0 ~ 3 秒)で実行できます。
ISSU は、ルータの NSF/SSO 準拠プロトコルおよびソフトウェア機能に使用できます。ISSU をサポートする Cisco 7600 プロトコルと機能の一覧については、「ISSU のサポート」を参照してください。
(注) ISSU アップグレードを実行するには、新旧の Cisco IOS ソフトウェア リリースが共に同じラインカード ソフトウェアを備えている必要があります。リリースに異なるラインカード ソフトウェアが含まれる場合、ルータは eFSU アップグレードを実行します。
eFSU の概要
eFSU は、この機能をサポートするラインカードに新しいソフトウェア イメージをプリロードすることで、稼働中ソフトウェア アップグレード時の停止時間を最小限に抑えます。ソフトウェア アップグレード プロセス時に、アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ中のスーパーバイザ エンジンまたは RSP 間でスイッチオーバーが発生します。スイッチオーバーが発生すると、ラインカードは再起動されます。eFSU をサポートするラインカードは、プリロードされた新しいソフトウェア イメージを使用して再起動されます。
eFSU をサポートする Cisco 7600 ラインカードを次に示します。
• SIP-400 および SIP-600
• ESM-2x10GE および ESM-20x1GE-3C
• 67 xx ラインカード
その他すべての Cisco 7600 ラインカードはスイッチオーバー時にハード リセットされ、ラインカードの再起動後、ソフトウェア イメージがロードされます。
(注) eFSU をサポートするには、ラインカードには 512 MB のメモリと、新しいソフトウェア イメージを格納するための十分な空きメモリが必要です。使用可能なメモリが十分にない場合、ソフトウェアのプリロードは失敗し、ラインカードはスイッチオーバー時にリセットされます。
停止時間とサポートに関する考慮事項
eFSU アップグレード時に、ラインカードは、プロセッサ間で発生するスイッチオーバー後に再起動またはリセットされます。ラインカードは再起動またはリセットされるため、プロトコルおよびソフトウェア機能がオンラインに復帰するまで、ラインカードへのリンクは切断され、トラフィック処理は中断されます。ラインカードによる処理が中断される時間(停止時間)は、eFSU プロセスが新しいソフトウェア イメージをラインカードにプリロード可能かどうかにより異なります。
• eFSU をサポートするラインカードの場合、停止時間は RPR+ モードの場合の停止時間と同じです。
• eFSU をサポートしないラインカードの場合、停止時間は RPR モードの場合の停止時間と同じです。
新しいソフトウェアのダウンロード後( issu loadversion )は、 show issu outage slot all コマンドを使用して、インストールしたラインカードの最大停止時間を表示できます。コマンドの例については、「インストールされているラインカードの最大停止時間の表示(任意)」を参照してください。
旧バージョンのソフトウェアをルータにロードしようとし、そのバージョンが現在インストールされているラインカードをサポートしていない場合、次のいずれかの状況が発生します。
• issu loadversion コマンドで force オプションを使用した場合、ルータは RPR モードになります。
• force オプションを省略すると、eFSU プロセスが中断され、ラインカードでの問題発生を通知するエラー メッセージが表示されます。
ラインカード メモリの予約
eFSU をサポートするラインカードでは、ルータは新しいソフトウェア イメージ(解凍フォーマット)を格納するためのメモリをラインカード上で自動的に予約します。必要なメモリの量は、ラインカードのタイプにより異なります。
次のコマンドを実行して、ルータがソフトウェアのプリロード用にメモリを予約しないようにできます(ラインカードをインストールするスロットを slot-num で指定)。ただし、推奨はできません。
no mdr download reserve memory image slot slot-num
(注) 新しいソフトウェア イメージを保持するのに十分な空きメモリがラインカードにない場合、ソフトウェアのプリロードは失敗し、ラインカードはスイッチオーバー時にリセットされます。停止時間は、RPR を使用した場合の停止時間と同じです(ラインカードの再起動後、新しいラインカード イメージをロードする必要があるため)。
ラインカードで予約されるメモリ量を判断するには、次の例に示すとおり show mdr download image コマンドを使用します(Cisco 7600 SIP-600 の場合)。
SIP-600# show mdr download image
Slot CPU In-Progress Complete LC Mem Resv (bytes)
eFSU の動作
ソフトウェア アップグレード時に、eFSU をサポートするラインカード上でルータは次の手順を実行します。これらの手順は、アップグレード プロセス中に自動的に実行されるので、ユーザの操作は必要ありません。
• インストールされている各ラインカードに新しい Cisco IOS ソフトウェア イメージに必要なメモリを予約する(ラインカードがソフトウェアのプリロードをサポートする場合)。
• issu loadversion コマンドの一部として、サポートされているラインカードに新しいソフトウェア イメージをプリロードする。
• スイッチオーバーの発生時に、新しいソフトウェア イメージを使用してラインカードを再起動する( issu runversion )。
• ロールバックまたは中断が発生した場合、ルータはラインカード ソフトウェアを元のバージョンに戻す。中断時間をできるだけ短くするため、ルータはラインカードに元のソフトウェア バージョンをプリロードします。ロールバックまたは中断の完了後、ラインカードは元のソフトウェア バージョンを使用して再起動されます。
ラインカード ソフトウェア プリロードのエラー処理
ラインカード ソフトウェアのプリロード中に問題が発生した場合、ルータは次の対処方法を実行します。
• バージョンをロードする際のラインカードのクラッシュ:スイッチオーバー発生時にラインカードがリセットされます。
• eFSU 起動時にラインカードをアクティブにしない:ソフトウェア アップグレード時にラインカードに電源が供給されないため、ラインカードはプロセス終了時にリセットされます。ソフトウェア アップグレード プロセスの開始後、ルータに挿入されるラインカードに同じ対処方法が適用されます。
• バージョン実行時またはロールバック時のラインカードのクラッシュ:アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP に存在するソフトウェア イメージに対応するソフトウェア イメージのバージョンを使用して、ラインカードが起動します。
Cisco 7600ISSU および eFSU のサポート
ISSU アップグレード時に、NSF/SSO 準拠プロトコルおよびソフトウェア機能は動作を続行し、最小限のシステム ダウンタイムが生じます。NSF/SSO 準拠でないルーティング プロトコルおよびソフトウェア機能は、アップグレード時に再起動されます。これは、再起動後にこれらがオンラインに復帰するまで、しばらくの間動作が停止することを意味します。
ISSU アップグレードを実行するには、新旧の Cisco IOS ソフトウェア リリースが共に同じラインカード ソフトウェアを備えている必要があります。リリースに異なるラインカード ソフトウェアが含まれる場合、ルータは eFSU アップグレードを実行します。
ISSU のサポート
ISSU は次の Cisco 7600 ハードウェアおよびソフトウェアでサポートされます。
提供状況
• Cisco IOS Release 12.2SRB1 以降
ハードウェア
• サポートされるすべての Cisco 7600 シャーシ(拡張(-S)シャーシを含む)
• RSP720-3C、RSP720-3CXL、Sup720-3B、Sup720-3BXL、Sup32
• すべての Cisco 7600 ラインカード、DFC、およびその他のモジュール
ソフトウェア
• 802.1q
• 802.1x
• ARP
• ATM
• BGP
• Etherchannel(PagP および LACP)
• GLBP
• HDLC
• HSRP
• IPv4
• L2 マルチキャスト
• MLP(マルチリンク PPP)
• MPLS(LDP、TE、および VPN を含む):アップグレード時に実行が必要な手順の詳細については、 ISSU MPLS Client のマニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/mpls/configuration/guide/mp_issu_clients_ps6922_TSD_Products_Configuration_Guide_Chapter.html#wp1054109
• NetFlow
• PPP
• QoS
• Routing Information Base(RIB)
• SNMP
• SPAN および Remote SPAN
• STP
• Virtual Routing and Forwarding(VRF)
Cisco IOS ソフトウェア リリースに関する ISSU 互換性マトリクス
次の表に、C7600 用のさまざまな Cisco IOS リリースに関する ISSU 互換性マトリクスを示します。2 つのリリース間で ISSU がサポートされている場合は、その列に Yes と表示され、2 つのリリース間で ISSU がサポートされていない場合は、対応する列に No と表示されています。
表 6-1 ISSU 互換性マトリクス
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Yes |
Yes |
No |
No |
No |
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No |
No |
Yes |
Yes |
No |
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No |
No |
No |
No |
Yes |
eFSU のサポート
eFSU は次の Cisco 7600 ハードウェアおよびソフトウェアでサポートされます。
提供状況
• Cisco IOS Release 12.2SRB 以降
• Release 12.2(33)SRB1 で導入された RSP720 および Sup32 のサポート
ハードウェア
• すべての Cisco 7600 シャーシ(3 スロット シャーシ、CISCO7603 を除く)
• RSP720-3C、RSP720-3CXL、Sup720-3B、Sup720-3BXL、Sup32
• DFC3B、DFC3BXL、DFC3C、DFC3CXL
• SM-2x10GE、ESM-20x1GE-3C
• SIP-400、SIP-600、67 xx ラインカード
サポートされないハードウェア
• 拡張 FlexWAN、OSM-GE-WAN
• 68 xx 、65 xx 、64 xx 、63 xx 、および 61 xx ラインカード
ソフトウェアのサポート
eFSU 実行時に、Cisco 7600 ラインカードが再起動されます。再起動中、ソフトウェア機能とルーティング プロトコルは使用できません。停止時間は、ラインカードが eFSU をサポートしているかどうかにより異なります(「eFSU の概要」を参照)。
Cisco 7600ISSU および eFSU の注意事項および制約事項
Cisco 7600 シリーズ ルータで稼働中ソフトウェア アップグレードを実行する際の注意事項と制約事項を次に示します。特に指定がない限り、注意事項は ISSU および eFSU の両方に適用されます。
• サポートされていない Cisco 7600 ハードウェアおよびソフトウェアは、ISSU または eFSU と共存できます(つまり、とちらもルータに含めることができます)。さらにルータは、サポートされていないプロトコルがあれば通常の手順で再起動し、「ブラック ホール」状態を防止します。
• 稼働中ソフトウェア アップグレードを実行するには、ルータでは 2 つのルート プロセッサ(RP)、つまりアクティブな RP とスタンバイ RP が 1 つずつ必要です。Cisco 7600 ルータ では、2 つのスーパーバイザ エンジンまたは Route Switch Processors(RSP; ルート スイッチ プロセッサ)が必要です。これらにはルータ用のルート プロセッサが含まれているためです。
• アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP およびスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP では、アップグレード プロセス実行前に新旧のソフトウェア イメージの両方を保存するため、少なくとも 256 MB のフラッシュ メモリが必要です。
• ISSU および eFSU のどちらでも、同じ ISSU コマンドとアップグレード手順が使用されます。唯一の相違点は、ラインカードが ISSU によるアップグレード時には起動されず、eFSU では起動されることです。
• ルータは、新旧のソフトウェア イメージを調べて、適切なプロセス(ISSU または eFSU)を自動実行し、ソフトウェア イメージをアップグレードします。
– 新旧のソフトウェア イメージでラインカード ソフトウェアが同じ場合、ルータは ISSU を実行してソフトウェアをアップグレードします。システムのダウンタイムは 0 ~ 3 秒です。
– 新旧両イメージでラインカード ソフトウェアが異なる場合、ラインカードはアップグレード プロセス中に再起動またはリセットされます。システム ダウンタイムは、ラインカードが eFSU をサポートしているかどうかにより異なります(詳細については「停止時間とサポートに関する考慮事項」を参照してください)。
• ISSU アップグレード機能は、NSF/SSO をサポートするすべてのソフトウェア機能でサポートされます。NSF/SSO をサポートしないソフトウェア機能は、ソフトウェア アップグレード時に発生するスイッチオーバー後、これらの機能がオンラインに復帰するまで、しばらくの間動作を中止します。
• ソフトウェアのプリロードを正常に実行するには、eFSU をサポートするすべてのラインカードに最低 512 MB のメモリが必要です。そうでない場合、これらのラインカードでプリロードは失敗します。
• eFSU をサポートするラインカードは、新しいソフトウェア イメージを保持するための十分なメモリを備えている必要があります。使用可能なメモリが十分でない場合、ソフトウェアのプリロードは失敗し、カードはスイッチオーバー時にリセットされます(スイッチオーバーはアクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP 間で発生)。
• ISSU および eFSU は SSO モードだけでサポートされます。RPR および RPR+ モードではサポートされません。
• 稼働中ソフトウェア アップグレード中は、Online Insertion and Removal(OIR; ホットスワップ)はサポートされません。アップグレードがアクティブな間にルータに新しいラインカードを挿入しようとしても、カードにルータから電源供給されません。アップグレードが終了すると、ルータは新しく挿入されたラインカードをリセットします。
• アップグレード中は、スーパーバイザ エンジンまたは RSP 間で手動スイッチオーバーを実行しないでください。手動スイッチオーバーはルータでは許可されますが、当社では使用しないことを強く推奨します。
• ISSU コマンド(eFSU でも使用)をコマンドライン インターフェイス(CLI)で使用できるのは、サポートされているプロセッサがルータにインストールされている場合だけです。それ以外のタイプのスーパーバイザ エンジンまたは RSP がインストールされている場合、コマンドは使用できません。
– Release 12.2SRB1 以降では、コマンドは RSP720、Sup720、または Sup32 で使用できます。
– Release 12.2SRB では、Sup720 がインストールされている場合に限り、コマンドを使用できます。
• コンフィギュレーション レジスタが自動起動できるよう設定されていることを確認します(レジスタの最低バイトは 2 に設定する必要があります)。
• issu abortversion コマンドを実行(してソフトウェア アップグレードを中断)する前に、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP が起動(STANDBY HOT(SSO の場合)または COLD(RPR の場合))していることを確認します。
• 旧ソフトウェア バージョンから Cisco IOS Release 12.2SRB 以降にアップグレードするには、Fast Software Upgrade(FSU)プロセスを使用します。このプロセス中に、eFSU をサポートするラインカード上で、ラインカード ソフトウェア イメージもアップグレードされます。
• eFSU をサポートしないモジュールでは、Route Processor Redundancy(RPR)モードでソフトウェア イメージをアップグレードできます。
• 異なるファイル システムから同じイメージを使用してアクティブ スーパーバイザとスタンバイ スーパーバイザを起動すると、ISSU が失敗します。
稼働中ソフトウェア アップグレードの実行
ここでは、Cisco 7600 ルータで稼働中ソフトウェア アップグレード(ISSU または eFSU)を実行するプロセスについて説明します。説明する手順は次のとおりです。
• 「ソフトウェア アップグレード プロセスの概要」
• 「アップグレードの準備」
• 「新しいソフトウェア イメージのコピー」
• 「スタンバイ RP への新しいソフトウェアのロード」
• 「スイッチオーバーのアクティブからスタンバイへの強制切り替え」
• 「新しいソフトウェア バージョンの許可とロールバック プロセスの停止(任意)」
• 「スタンバイに対する新しいソフトウェアの認定」
• 「ソフトウェア インストレーションの確認」
• 「アップグレード プロセスの中断」
各セクションでは、アップグレード プロセスでの特定の手順を簡単に説明し、コマンドの例を示します。コマンドの例では、コマンド出力で重要なフィールドを太字で示しています。これらのフィールドをチェックして、コマンドのステータスを確認します。
コマンドの詳細については、次の URL にある 12.2SRB の新しい機能に関するマニュアル サイトで、『 Cisco IOS In Service Software Upgrade Process 』(機能ガイド)を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122sr/newft/122srb33/sbisefsu.htm
ソフトウェア アップグレード プロセスの概要
ここでは、Cisco 7600 ルータでソフトウェア イメージをアップグレード(またはダウングレード)する際に必要な作業の概要を示します。次のセクションでは、ルータでのソフトウェア アップグレード プロセスの例を示します。
ISSU および eFSU のどちらでも、同じ ISSU コマンド セットとアップグレード手順が使用されます。
(注) ISSU アップグレード プロセスは、同じラインカード ソフトウェアを共有する Cisco IOS リリースに対してだけ実行できます。リリースに含まれるラインカード ソフトウェアが異なる場合、ルータは eFSU アップグレードを実行します。
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ステップ 1 |
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
Router# copy tftp disk_name |
TFTP を使用して、アクティブ RP およびスタンバイ RP(disk0: および slavedisk0:)上のフラッシュ メモリに新しいソフトウェア イメージをコピーします。プロンプトで、新しいソフトウェア イメージの名前と場所を指定します。 |
ステップ 3 |
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
Router(config)# no service image-version efsu Router(config)# end |
Cisco 7600 ルータでソフトウェア アップグレードを実行する際に必要な互換性マトリクス チェックをディセーブルにします。 end コマンドを実行すると、特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
Router# show version | in image Router# show bootvar Router# show redundancy Router# show issu state [ detail ] |
show コマンドでは、ルータが ISSU または eFSU の実行準備ができていることを確認します。 show version および show bootvar コマンドでは、ブート イメージの設定を確認します。 show redundancy および show issu state コマンドでは、冗長モードがイネーブルになっていることと、SSO と NSF が設定されていることを確認します。 は、アップグレードのステータスを確認するため(次の例に示すとおり)アップグレード全体で使用します。 |
ステップ 6 |
Router# issu loadversion active-slot active-image standby-slot standby-image [ force ]
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アップグレード プロセスを開始して、新しいソフトウェア イメージをスタンバイ RP にロードします。新しいイメージがロードされ、スタンバイ RP が SSO モードに移行するのに数秒かかる場合があります。 |
ステップ 7 |
Router# remote command switch show issu outage slot all |
(任意)インストールされているラインカードの最大停止時間を表示します。スーパーバイザ エンジンのスイッチ プロセッサ(SP)または RSP に対してコマンドを実行します。
(注) コマンドの show issu outage slot all は SP 上でしかサポートされません。
|
ステップ 8 |
Router# issu runversion slot image |
スイッチオーバーを強制実行して、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP をアクティブにし、新しいソフトウェアの実行を開始させます。それまでアクティブだったプロセッサはスタンバイ状態となり、古いイメージを使用して起動します。 |
ステップ 9 |
Router# issu acceptversion { active slot-number | active slot-name slot-name } |
(任意)ロールバック タイマーを停止して、アップグレード プロセス中に新しいソフトウェア イメージが自動的に中断されないようにします。 |
ステップ 10 |
Router# issu commitversion slot active-image |
新しいソフトウェア イメージを、指定されたスロットのスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP にロードします。 |
ステップ 11 |
Router# show redundancy Router# show issu state [ detail ] |
アップグレード プロセスのステータスを確認します。アップグレードが正常に実行された場合は、アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP が共に新しいソフトウェア バージョンを実行します。 |
互換性マトリクス チェックのディセーブル化
Cisco 7600 ルータでソフトウェア アップグレードを実行するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを実行することで、まず互換性マトリクス チェックをディセーブルにする必要があります。
Router(config)# no service image-version efsu
ブート イメージのバージョンとブート変数の確認
アップグレードを開始する前に、次の例に示すとおり show version および show bootvar コマンドを実行して、ルータのブート イメージ バージョンと BOOT 環境変数を確認することを推奨します。
Router# show version | in image
System image file is "disk0:oct22"
BOOT variable = disk0:oct22,1;
Configuration register is 0x2102
Standby BOOT variable = disk0:oct22,1;
Standby CONFIG_FILE variable =
Standby BOOTLDR variable =
Standby Configuration register is 0x2102
冗長モードの確認
冗長モードがイネーブルになっており、NSF および SSO が設定されていることを確認することも推奨します。次のコマンド例に冗長性の確認方法を示します。
Redundant System Information :
------------------------------
Available system uptime = 9 minutes
Switchovers system experienced = 0
Last switchover reason = none
Configured Redundancy Mode = sso
Operating Redundancy Mode = sso
Maintenance Mode = Disabled
Current Processor Information :
-------------------------------
Current Software state = ACTIVE
Uptime in current state = 8 minutes
Image Version = Cisco IOS Software, s72033_rp Software (s72033_rp-ADVENTERPRISEK9_WAN_DBG-M), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Mon 23-Oct-06 02:43 by
Configuration register = 0x2102
Peer Processor Information :
----------------------------
Standby Location = slot 6
Current Software state = STANDBY HOT
Uptime in current state = 8 minutes
Image Version = Cisco IOS Software, s72033_rp Software (s72033_rp-ADVENTERPRISEK9_WAN_DBG-M), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Mon 23-Oct-06 02:43 by
Configuration register = 0x2102
ISSU ステートの確認
次に示すとおり、ISSU ステートも確認する必要があります。
Boot Variable = disk0:oct22,1;
Boot Variable = disk0:oct22,1;
新しいソフトウェア イメージのコピー
ISSU または eFSU プロセスを開始する前に、新しいソフトウェア イメージをアクティブなルート プロセッサおよびスタンバイ ルート プロセッサ上のフラッシュ メモリ(disk0:および slavedisk0:)にコピーする必要があります。これらのルート プロセッサは Cisco 7600 スーパーバイザ エンジンまたはルート スイッチ プロセッサ上にあります。
Address or name of remote host []? sys1
Source filename []? /auto/tftpboot/image/c7600s72033-adventerprisek9_wan-mz
Destination filename [c7600s72033-adventerprisek9_wan-mz]? c7600s72033
Accessing tftp://sys1//auto/tftpboot/image/c7600s72033-adventerprisek9_wan-mz
Loading /auto/tftpboot/image/c7600s72033-adventerprisek9_wan-mz from 192.0.2.245 (via GigabitEthernet5/1): !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(コマンド出力は省略)
124978660 bytes copied in 259.868 secs (480931 bytes/sec)
Router# copy disk0:c7600s72033 slavedisk0:
Destination filename [c7600s72033]?
Copy in progress...CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC
(コマンド出力は省略)
124978660 bytes copied in 308.488 secs (405133 bytes/sec)
スタンバイ RP への新しいソフトウェアのロード
issu loadversion コマンドを実行して、アップグレード プロセスを開始します。この手順により、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP が再起動され、スタンバイ ルート プロセッサに新しいソフトウェア イメージがロードされます。
ダウンロードが完了すると、 runversion コマンドを実行するようプロンプトが表示されます。
Router# issu loadversion 5 disk0:c7600s72033 6 slavedisk0:c7600s72033
*Oct 27 21:26:20.119: %OIR-SP-3-PWRCYCLE: Card in module 6, is being power-cycled (RF request)
(上記の例では、スロット 6 のスタンバイ スーパーバイザ エンジンが再起動していることを示しています。再起動が完了すると、ルータは新しいイメージをスタンバイにロードします)
*Oct 27 21:26:20.775: %PFREDUN-SP-6-ACTIVE: Standby processor removed or reloaded, changing to Simplex mode
*Oct 27 21:29:46.123: SP: pf_redun_check_img_compatibility: MATRIX result is compatible!!! Of course...
*Oct 27 21:29:47.135: %PFREDUN-SP-6-ACTIVE: Standby initializing for SSO mode
*Oct 27 21:29:47.431: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:29:50.647: %PFINIT-SP-5-CONFIG_SYNC: Sync'ing the startup configuration to the standby Router.
*Oct 27 21:30:29.687: %FABRIC-SP-5-CLEAR_BLOCK: Clear block option is off for the fabric in slot 6.
*Oct 27 21:30:29.783: %FABRIC-SP-5-FABRIC_MODULE_BACKUP: The Switch Fabric Module in slot 6 became standby
*Oct 27 21:30:30.523: %DIAG-SP-6-RUN_MINIMUM: Module 6: Running Minimal Diagnostics...
*Oct 27 21:30:32.459: %DIAG-SP-6-DIAG_OK: Module 6: Passed Online Diagnostics
*Oct 27 21:30:32.675: %OIR-SP-6-INSCARD: Card inserted in slot 6, interfaces are now online
*Oct 27 21:29:46.071: %SYS-SP-STDBY-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:30:14.123: %SPANTREE-SP-STDBY-5-EXTENDED_SYSID: Extended SysId enabled for type vlan
*Oct 27 21:30:14.539: SP-STDBY: SP: Currently running ROMMON from S (Gold) region
*Oct 27 21:30:17.067: %DIAG-SP-STDBY-6-RUN_MINIMUM: Module 6: Running Minimal Diagnostics...
*Oct 27 21:30:29.331: %DIAG-SP-STDBY-6-DIAG_OK: Module 6: Passed Online Diagnostics
*Oct 27 21:31:30.431: %SYS-SP-STDBY-5-RESTART: System restarted --
Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:49 by
*Oct 27 21:33:14.231: %ISSU_PROCESS-SP-7-DEBUG: Peer state is [ STANDBY HOT ]; Please issue the runversion command
*Oct 27 21:33:13.471: %PFREDUN-SP-STDBY-6-STANDBY: Ready for SSO mode
*Oct 27 21:33:14.239: %RF-SP-5-RF_TERMINAL_STATE: Terminal state reached for (SSO)
*Oct 27 21:33:13.655: %SYS-SP-STDBY-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
(注) この時点で、show redundancy および show issu state detail コマンドを使用してアップグレード ステータスをチェックすることを推奨します(次の例を参照)。issu loadversion が完了したら、スタンバイ RP が新しいソフトウェア イメージを使用してロードされ、RP が SSO モードになっているはずです。issu loadversion が完了するのに数秒かかる場合があるため、show コマンドを入力するタイミングが早すぎた場合、必要な情報が表示されないことがあります。
Redundant System Information :
------------------------------
Available system uptime = 38 minutes
Switchovers system experienced = 0
Last switchover reason = none
Configured Redundancy Mode = sso
Operating Redundancy Mode = sso
Maintenance Mode = Disabled
Current Processor Information :
-------------------------------
Current Software state = ACTIVE
Uptime in current state = 37 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Mon 23-Oct-06 02:43 by
Configuration register = 0x2102
Peer Processor Information :
----------------------------
Standby Location = slot 6
Current Software state = STANDBY HOT
Uptime in current state = 13 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:21 by
BOOT = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Configuration register = 0x2102
Router# show issu state detail
ISSU State = Load Version
Boot Variable = disk0:oct22,12
Primary Version = disk0:oct22
Secondary Version = disk0:c7600s72033
Current Version = disk0:oct22
ROMMON CV = [disk0:oct22]
ISSU State = Load Version
Boot Variable = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Primary Version = disk0:oct22
Secondary Version = disk0:c7600s72033
Current Version = disk0:c7600s72033
インストールされているラインカードの最大停止時間の表示(任意)
新しいソフトウェアのダウンロード後は、Switch Processor(SP; スイッチ プロセッサ)上で show issu outage slot all コマンドを実行して、インストールされているラインカード
の最大停止時間を表示できます。
Router# remote command switch show issu outage slot all
Slot # Card Type MDR Mode Max Outage Time
------ ------------------------------------- ----------- ---------------
1 CEF720 24 port 1000mb SFP WARM_RELOAD 300 secs
2 1-subslot SPA Interface Processor-600 WARM_RELOAD 300 secs
3 4-subslot SPA Interface Processor-400 WARM_RELOAD 300 secs
4 2+4 port GE-WAN RELOAD 360 secs
(注) ISSU アップグレードの場合、MDR Mode ではコマンド出力に NSF_RELOAD と表示されます。これは、ラインカードが再起動またはリロードされず、最大停止時間が 0 ~ 3 秒であることを示しています。
スイッチオーバーのアクティブからスタンバイへの強制切り替え
アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP およびスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP 間で強制的にスイッチオーバーを実行するには、 issu runversion コマンドを実行します。新しいソフトウェア イメージがロードされているスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP がアクティブになります。それまでアクティブだったスーパーバイザ エンジンまたは RSP はスタンバイとなり、古いソフトウェア イメージを使用して起動します(ソフトウェア アップグレードを中断して古いイメージを復元することが必要になった場合)。
Router# issu runversion 6
This command will reload the Active unit. Proceed ? [confirm]
*Oct 27 21:43:18.901: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHING: System pausing to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:43:18.901: %OIR-SP-6-CONSOLE: Changing console ownership to switch processor
(この時点でスーパーバイザ間のスイッチオーバーが発生します。それまでスタンバイだったスーパーバイザ エンジンまたは RSP はアクティブになり、新しいソフトウェア バージョン(c7600s72033)を実行します。それまでアクティブだったスーパーバイザ エンジンまたは RSP はスタンバイとなり、古いソフトウェア(oct22)を使用して起動します)
*Oct 27 21:43:19.105: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:43:21.702: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHING: System pausing to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:43:21.702: %SYS-SP-5-RELOAD: Reload requested by Delayed Reload. Reload Reason: Reason unspecified.
*Oct 27 21:43:21.702: %OIR-SP-6-CONSOLE: Changing console ownership to switch processor
*Oct 27 21:43:22.067: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
System Bootstrap, Version 8.1(3)
Copyright (c) 1994-2004 by cisco Systems, Inc.
Cat6k-Sup720/SP processor with 1048576 Kbytes of main memory
Autoboot executing command: "boot disk0:oct22"
Loading image, please wait ...
Initializing ATA monitor library...
(コマンド出力は省略、新しいアクティブ ログ)
Press RETURN to get started!
*Oct 27 21:30:06.611: STDBY: RP: Currently running ROMMON from S (Gold) region
*Oct 27 21:31:07.923: %SPANTREE-STDBY-5-EXTENDED_SYSID: Extended SysId enabled for type vlan
*Oct 27 21:31:30.183: %SYS-STDBY-5-RESTART: System restarted --
Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:21 by
*Oct 27 21:31:30.307: %SYS-STDBY-6-LOGGINGHOST_STARTSTOP: Logging to host 172.19.126.3 Port 514 started - CLI initiated
*Oct 27 21:43:22.067: %PFREDUN-SP-STDBY-6-ACTIVE: Initializing as ACTIVE processor
*Oct 27 21:43:22.071: %FABRIC-SP-STDBY-5-FABRIC_MODULE_ACTIVE: The Switch Fabric Module in slot 6 became active.
*Oct 27 21:43:22.715: %SYS-SP-STDBY-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
*Oct 27 21:43:24.363: %ISSU_PROCESS-SP-7-DEBUG: Initializing timers
*Oct 27 21:43:24.363: %ISSU_PROCESS-SP-7-DEBUG: rollback timer process has been started
*Oct 27 21:43:24.554: %C6KPWR-SP-4-PSOK: power supply 2 turned on.
*Oct 27 21:43:24.650: %OIR-SP-3-SOFT_RESET: Module 1 is being soft reset as a part of swichover error recovery
*Oct 27 21:43:24.674: %LINK-SP-3-UPDOWN: Interface TenGigabitEthernet2/1, changed state to down
*Oct 27 21:43:24.754: %OIR-SP-3-SOFT_RESET: Module 2 is being soft reset as a part of swichover error recovery
*Oct 27 21:43:24.854: %OIR-SP-3-SOFT_RESET: Module 3 is being soft reset as a part of swichover error recovery
*Oct 27 21:43:24.906: %OIR-SP-3-SOFT_RESET: Module 4 is being soft reset as a part of swichover error recovery
*Oct 27 21:43:24.962: %OIR-SP-3-SOFT_RESET: Module 7 is being soft reset as a part of swichover error recovery
(コマンド出力は省略)
*Oct 27 21:48:34.787: %SYS-SP-STDBY-6-BOOTTIME: Time taken to reboot after reload = 314 seconds
*Oct 27 21:50:31.059: %ISSU_PROCESS-SP-7-DEBUG: Peer state is [ STANDBY HOT ]; Please issue the acceptversion command
*Oct 27 21:50:31.067: %PFREDUN-SP-STDBY-6-STANDBY: Ready for SSO mode
*Oct 27 21:50:31.067: %RF-SP-5-RF_TERMINAL_STATE: Terminal state reached for (SSO)
*Oct 27 21:50:31.251: %SYS-SP-STDBY-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
(注) この時点で、新しくアクティブになったスーパーバイザ エンジンまたは RSP は新しいソフトウェア イメージを実行しており、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP は古いソフトウェア イメージを実行しています。次の例に示すとおり、アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP のステートを確認する必要があります(show redundancy および show issu state detail)。
Redundant System Information :
------------------------------
Available system uptime = 57 minutes
Switchovers system experienced = 1
Last switchover reason = user initiated
Configured Redundancy Mode = sso
Operating Redundancy Mode = sso
Maintenance Mode = Disabled
Current Processor Information :
-------------------------------
Current Software state = ACTIVE
Uptime in current state = 17 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:21 by
BOOT = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Configuration register = 0x2102
Peer Processor Information :
----------------------------
Standby Location = slot 5
Current Software state = STANDBY HOT
Uptime in current state = 15 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Mon 23-Oct-06 02:43 by
Configuration register = 0x2102
router# show issu state detail
Boot Variable = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Primary Version = disk0:c7600s72033
Secondary Version = disk0:oct22
Current Version = disk0:c7600s72033
ROMMON CV = [disk0:c7600s72033]
Boot Variable = disk0:oct22,12
Primary Version = disk0:c7600s72033
Secondary Version = disk0:oct22
Current Version = disk0:oct22
(注) アップグレード プロセスを完了するには、issu acceptversion(任意)および issu commitversion コマンドを実行します(次の項を参照)。
新しいソフトウェア バージョンの許可とロールバック プロセスの停止(任意)
新しいソフトウェア イメージは、許可または認定する必要があります。そうでなければ、ロールバック タイマーが期限切れになり、アップグレード プロセスが停止されます。この状況が発生した場合、ソフトウェア イメージは前回のソフトウェア バージョンに戻ります。ロールバック タイマーは、アップグレード プロセスによってルータの動作が停止しないようにするためのセーフガードとして機能します。
次のコマンド シーケンスでは、 issu acceptversion がロールバック タイマーを停止して、新しいソフトウェア イメージの機能を調べられるようにします。新しいイメージが許可できることを確認した場合、 issu commitversion コマンドを実行してアップグレード プロセスを終了します。
Router# show issu rollback-timer
Rollback Process State = In progress
Configured Rollback Time = 45:00
Automatic Rollback Time = 27:08
Router# issu acceptversion 6
% Rollback timer stopped. Please issue the commitversion command.
この時点で、ロールバック タイマーを表示して、ロールバック プロセスが停止されていることを確認します。
Router# show issu rollback-timer
Rollback Process State = Not in progress
Configured Rollback Time = 45:00
スタンバイに対する新しいソフトウェアの認定
新しいソフトウェア イメージをスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP にロードして、ソフトウェア アップグレード プロセスを完了するには、 issu commitversion コマンドを実行します。次の例では、新しいイメージ(c7600s72033)を、スロット 5 のスタンバイ スーパーバイザ エンジンにロードします。
Router# issu commitversion 5
Building configuration...
*Oct 27 22:09:57.239: %PFINIT-SP-5-CONFIG_SYNC: Sync'ing the startup configuration to the standby Router. [OK]
*Oct 27 22:10:15.613: %OIR-SP-3-PWRCYCLE: Card in module 5, is being power-cycled (RF request)
(スロット 5 のスタンバイ スーパーバイザ エンジンが再起動を開始し、 続いて、新しいイメージをロードします。)
*Oct 27 22:10:15.639: %PFREDUN-SP-6-ACTIVE: Standby processor removed or reloaded, changing to Simplex mode
*Oct 27 22:13:40.723: SP: pf_redun_check_img_compatibility: MATRIX result is compatible!!! Of course...
*Oct 27 22:13:41.731: %PFREDUN-SP-6-ACTIVE: Standby initializing for SSO mode
*Oct 27 22:13:42.027: %SYS-SP-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
*Oct 27 22:13:44.999: %PFINIT-SP-5-CONFIG_SYNC: Sync'ing the startup configuration to the standby Router.
*Oct 27 22:14:24.019: %FABRIC-SP-5-CLEAR_BLOCK: Clear block option is off for the fabric in slot 5.
*Oct 27 22:14:24.115: %FABRIC-SP-5-FABRIC_MODULE_BACKUP: The Switch Fabric Module in slot 5 became standby
(コマンド出力は省略)
*Oct 27 22:15:23.310: %SYS-SP-STDBY-5-RESTART: System restarted --
Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:49 by
*Oct 27 22:15:44.751: %PFREDUN-SP-STDBY-6-STANDBY: Ready for SSO mode
*Oct 27 22:15:45.135: %RF-SP-5-RF_TERMINAL_STATE: Terminal state reached for (SSO)
*Oct 27 22:15:44.935: %SYS-SP-STDBY-3-LOGGER_FLUSHED: System was paused for 00:00:00 to ensure console debugging output.
(注) 以上で、ソフトウェア アップグレード プロセスが完了しました。アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP は共に新しいソフトウェア バージョンを実行しています。
ソフトウェア インストレーションの確認
ソフトウェア アップグレードのステータスを確認する必要があります。アップグレードが正常に実行された場合は、アクティブなスーパーバイザ エンジンまたは RSP とスタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP が共に新しいソフトウェア バージョンを実行します。
Redundant System Information :
------------------------------
Available system uptime = 1 hour, 13 minutes
Switchovers system experienced = 1
Last switchover reason = user initiated
Configured Redundancy Mode = sso
Operating Redundancy Mode = sso
Maintenance Mode = Disabled
Current Processor Information :
-------------------------------
Current Software state = ACTIVE
Uptime in current state = 33 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:21 by
BOOT = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,1;
Configuration register = 0x2102
Peer Processor Information :
----------------------------
Standby Location = slot 5
Current Software state = STANDBY HOT
Uptime in current state = 4 minutes
Image Version = Cisco IOS Software (c7600s72033-ADVENTERPRISEK9_WAN_MZ), Version 12.2
Copyright (c) 1986-2006 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 26-Oct-06 03:21 by
BOOT = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,1;
Configuration register = 0x2102
router# show issu state detail
Boot Variable = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Current Version = disk0:c7600s72033
ROMMON CV = [disk0:c7600s72033]
Boot Variable = disk0:c7600s72033,12;disk0:oct22,12
Current Version = disk0:c7600s72033
アップグレード プロセスの中断
ソフトウェア アップグレードは、issu abortversion コマンドを実行することでどの段階ででも手動で中断できます。またソフトウェアが障害を検出した場合、アップグレード プロセス自体が中断します。
issu loadversion コマンドの実行後プロセスを中断した場合、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP がリセットされ、元のソフトウェアを使用してリロードされます。
次に、 issu abortversion slot image コマンドを使用して、ソフトウェア アップグレード プロセスを中断する例を示します。
Router# issu abortversion 6 c7600s72033
(注) issu abortversion コマンドを実行する前に、スタンバイ スーパーバイザ エンジンまたは RSP が起動(STANDBY HOT(SSO の場合)または COLD(RPR の場合))していることを確認します。
非 eFSU イメージの eFSU イメージへのアップグレード
新しい Cisco IOS ソフトウェア イメージが eFSU をサポートしていない場合、ソフトウェア イメージを手動でアップグレードする必要があります。それには、スタンバイ スーパーバイザ エンジン または RSP 上でソフトウェア イメージをアップグレードした後、手動スイッチオーバーを実行して、スタンバイが新しいイメージによる処理を引き継ぐようにする必要があります。これにより、それまでアクティブで現在はスタンバイとなっているスーパーバイザ エンジンまたは RSP 上でソフトウェア イメージをアップグレードできます。手順については、を参照してください。