Resilient Ethernet Protocol の概要
Resilient Ethernet Protocol(REP)は、シスコ独自のプロトコルで、スパニングツリー プロトコル(STP)に代わるプロトコルとして、イーサネット ネットワークでの L2 の復元力と高速フェールオーバーをサポートします。REP は次の機能を提供します。
• ネットワーク ループの制御
• リンク障害の処理
• コンバージェンス時間の短縮
REP セグメントは、接続されたポートのチェーンで、セグメント ID が設定されます。各セグメントは、標準(非エッジ)セグメント ポートと、2 つのユーザ設定エッジ ポートで構成されています。REP はレイヤ 2 トランク インターフェイスおよび EVC ポートでサポートされます。REP は、セグメントに接続されているポートのグループを制御することで、セグメントがブリッジング ループを作成するのを防ぎ、セグメント内のリンク障害に応答します。REP は、より複雑なネットワークを構築するための基盤を提供し、VLAN ロード バランシングをサポートします。REP は、Cisco IP Next-Generation Network(NGN)キャリア イーサネット デザイン全体のネットワークの復元力を強化します。REP では、50 ~ 200 ミリ秒以内にネットワークおよびアプリケーションのコンバージェンスが実現するように設計されています。REP は既存のキャリア イーサネット ネットワークに容易に統合できるセグメント プロトコルです。これにより、ネットワーク設計者は STP ドメインの範囲を制限できます。また、REP は STP に対して潜在的なトポロジの変化を通知できるため、スパニングツリーとの相互運用も可能になります。
REP は分散型のセキュアなプロトコルで、リングのステータスを制御するマスター ノードを必要としません。したがって、障害の検出は、Loss of Signal(LOS; 信号消失)またはネイバーとの隣接関係の喪失によってローカルで行われます。どの REP ポートも、セキュア キーを取得し次第、代替ポートのブロックを解除して切替えを開始できます。REP セグメントは、相互接続されたポートのチェーンで、同じセグメント ID が設定されます。セグメントの各端はエッジ スイッチで終端します。セグメントが終端するポートはエッジ ポートと呼ばれます。
REP 非ネイバー エッジ
Cisco IOS Release 15.1.(01)S から有効になった新しい機能により、非 REP スイッチ側のポートを非ネイバー エッジ ポートとして設定できます。これらのポートはエッジ ポートの特性を継承し、障害発生時に迅速に収束できないという制限を克服します。
図 63-1 非ネイバー エッジ ポート
アクセス リング トポロジでは、ネイバー スイッチで REP がサポートされていない場合があります(図 59-1 を参照)。この場合、そのスイッチ側のポート(E1 と E2)を非ネイバー エッジ ポートとして設定できます。これらのポートは、エッジ ポートのすべての特性を継承するため、他のエッジ ポートと同じように設定できます。たとえば、STP や REP のトポロジ変更通知を集約スイッチに送信するように設定することもできます。その場合、送信される STP トポロジ変更通知(TCN)は、マルチ スパニングツリー(MST)STP メッセージになります。