PFC MPLS ラベル スイッチング
ここでは MPLS ラベル スイッチングについて説明します。
• 「MPLS の概要」
• 「MPLS ラベル スイッチングの概要」
• 「サポート対象ハードウェア機能」
• 「サポート対象 Cisco IOS 機能」
• 「MPLS に関する注意事項および制約事項」
• 「MPLS の設定」
• 「MPLS のラベル単位ロード バランシング」
• 「MPLS の設定例」
• 「スケーラブル EoMPLS とポートモード EoMPLS」
• 「SwEoMPLS および VPLS のサンプル設定」
MPLS の概要
MPLS はラベル スイッチングを使用して、Packet-over-SONET(POS)、フレーム リレー、ATM、イーサネットなどのさまざまなリンクレベル テクノロジーを通してパケットを転送します。ラベルはグループ化または Forwarding Equivalence Class(FEC)に基づいて、パケットに割り当てられます。ラベルはレイヤ 2 ヘッダーとレイヤ 3 ヘッダーの間に追加されます。
MPLS ネットワークでは、Label Edge Router(LER; ラベル エッジ ルータ)が着信ラベルのラベル検索を実行し、着信ラベルを発信ラベルに切り替えて、パケットを Label Switching Router(LSR; ラベル スイッチング ルータ)のネクスト ホップに送信します。ラベルがパケットに対してインポーズ(プッシュ)されるのは、MPLS ネットワークの入力エッジ上に限定されます。出力エッジでは、ラベルが削除(ポップ)されます。コア ネットワーク LSR(プロバイダー、または P ルータ)はラベルを読み取り、適切なサービスを適用し、ラベルに基づいてパケットを転送します。
着信ラベルには集約または非集約があります。集約ラベルの場合は、ネクスト ホップおよび発信インターフェイスを検出するときに、IP 検索を通して着信 MPLS パケットをスイッチングする必要があります。非集約ラベルの場合は、パケットに IP ネクスト ホップ情報が格納されます。
図 26-1 に、カスタマー ネットワークの 2 つのサイトを接続するサービス プロバイダーの MPLS ネットワークを示します。
図 26-1 MPLS ネットワーク
MPLS の詳細については、以下のマニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fswtch_c/swprt3/xcftagov.htm
MPLS ラベル スイッチングの概要
PFC では、レイヤ 3 マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)、およびレイヤ 2 Ethernet over MPLS(EoMPLS)が、Quality of Service(QoS)およびセキュリティとともにサポートされます。
スーパーバイザ エンジンの MSFC は、アドレス解決やルーティング プロトコルなどのレイヤ 3 制御プレーン機能を実行します。MSFC はルーティング プロトコルおよびラベル配布プロトコルからの情報を処理し、IP 転送(FIB)テーブルおよびラベル転送(LFIB)テーブルを構築します。MSFC は両方のテーブルの情報を PFC に配布します。
PFC は情報を受信し、FIB および LFIB テーブルのコピーを独自に作成します。同時に、これらのテーブルから FIB TCAM を作成します。DFC は FIB TCAM テーブル内で、着信 IP パケットおよびラベル付きパケットを検索します。検索結果は、特定の隣接エントリへのポインタです。この隣接エントリには、ラベルのプッシュ(IP から MPLS へのパスの場合)、ラベルのスワップ(MPLS から MPLS へのパスの場合)、ラベルのポップ(MPLS から IP へのパスの場合)、およびカプセル化に関する適切な情報が格納されます。
図 26-2 に、MPLS ラベル スイッチングをサポートする PFC の各機能ブロックを示します。ルーティング プロトコルは、IP および MPLS データ パケットの転送に使用されるルーティング情報ベース(RIB)を生成します。シスコ エクスプレス フォワーディング(CEF)の場合、必要なルーティング情報が RIB から抽出されて、転送情報ベース(FIB)に構築されます。ラベル配布プロトコル(LDP)は RIB からルートを取得して、ラベル スイッチ パスを介してラベルを配布し、各 LSR および LER 内にラベル転送情報ベース(LFIB)を構築します。
図 26-2 MPLS 転送、制御、およびデータ プレーン
IP から MPLS
PFC は MPLS ネットワークへの入口で IP パケットを調べて、FIB TCAM 内でルートを検索します。検索結果は、特定の隣接エントリへのポインタです。隣接エントリには、ラベルのプッシュ(IP から MPLS へのパスの場合)およびカプセル化に関する適切な情報が格納されています。PFC は、MPLS パケットのスイッチングに必要なインポジション ラベルを含む結果を生成します。
(注) MPLS 負荷分散が設定されている場合、隣接は負荷分散パスを指すことがあります。「基本的な MPLS ロード バランシング」 を参照してください。
MPLS から MPLS
PFC は MPLS ネットワークのコアで最上位ラベルを使用して、FIB TCAM 内で検索を実行します。正常な検索結果によって隣接を示すと、パケット内の最上位ラベルが、ダウンストリーム ラベル スイッチ ルータ(LSR)によってアドバタイズされた新しいラベルで置き換えられます。ルータが直前ホップ LSR ルータ(出力 LER の次のアップストリーム LSR)である場合、隣接は PFCBXL または PFC3CXL に最上位ラベルをポップするように指示します。これにより、VPN または Any Transport over MPLS(AToM)で使用するラベルが残っている MPLS パケット、またはネイティブ IP パケットが作成されます。
MPLS から IP
MPLS ネットワークの出口では、いくつかの処理が考えられます。
ネイティブ IP パケットの場合(直前ルータがラベルをポップした場合)、PFC は FIB TCAM 内でルートを検索します。
MPLS VPN パケットの場合は、 内部ゲートウェイ プロトコル(IGP) ラベルが直前ルータでポップされたあとに、VPN ラベルが残ります。PFC が実行する処理は、VPN ラベル タイプによって異なります。集約ラベルを伝送するパケットでは、集約ラベルのポップ後に、IP ヘッダーに基づいてさらに検索する必要があります。非集約ラベルの場合、PFC は FIB TCAM 内でルートを検索し、IP ネクスト ホップ情報を取得します。
IGP ラベルおよび VPN ラベルが付加されたパケットの場合、最後から 2 番めのホップでのポッピング(PHP)が発生しなければ、パケットは VPN ラベルの上部で明示的 null ラベルを伝送します。PFC は FIB TCAM 内で最上位ラベルを検索し、パケットを再循環させます。その後、PFC は上記段落の説明に従って、集約ラベルであるか非集約ラベルであるかに応じて残りのラベルを処理します。
EoMPLS、MPLS、および MPLS VPN の場合、明示的 null ラベルが付加されたパケットについて、MPLS は同様に処理されます。
MPLS VPN 転送
直接接続ネットワークまたは集約ルート用の集約ラベル、および非集約ラベルという 2 種類の VPN ラベルがあります。集約ラベルを伝送するパケットでは、集約ラベルのポップ後に、IP ヘッダーに基づいてさらに検索する必要があります。VPN 情報(VPN-IPv4 アドレス、拡張コミュニティ、およびラベル)は、Multiprotocol-Border Gateway Protocol(MP-BGP)によって配布されます。
再循環
場合により、PFC はパケットの再循環機能を提供します。再循環を使用すると、ACL または QoS TCAM、Netflow テーブル、または FIB TCAM テーブル内で追加検索を実行できます。再循環は次の状況で必要となります。
• 4 つ以上のラベルをインポジションにプッシュする場合
• 3 つ以上のラベルをディスポジションにポップする場合
• 最上位の明示的 null ラベルをポップする場合
• VPN ルーティングおよび転送(VRF)番号が 511 よりも大きい場合
• 出力インターフェイスの IP ACL の場合(非集約(プレフィックス単位)ラベル専用)
パケット再循環が発生するのは、特定のパケット フローに対してだけです。その他のパケット フローには影響しません。パケットの書き換えはモジュールで行われます。書き換えられたパケットは PFC に転送されて、さらに処理されます。
サポート対象ハードウェア機能
次のハードウェア機能がサポートされています。
• ラベル処理:任意の個数のラベルをプッシュまたはポップできます。ただし、最適な結果を得るために、同じ処理内でプッシュするラベル数を最大で 3 つに、ポップするラベル数を最大で 2 つにしてください。
• IP から MPLS へのパス:IP パケットを受信して、MPLS パスに送信できます。
• MPLS から IP へのパス:ラベル付きパケットを受信して、IP パスに送信できます。
• MPLS から MPLS へのパス:ラベル付きパケットを受信して、そのラベル パスに送信できます。
• MPLS Traffic Engineering(MPLS TE):MPLS バックボーンは、レイヤ 2 ATM およびフレーム リレー ネットワークのトラフィック エンジニアリング機能を反復および拡張できます。
• Time to Live(TTL)処理:MPLS ネットワークの入力エッジでは、MPLS フレーム ヘッダーの TTL 値を、IP パケット ヘッダーの TTL フィールドから受信したり、隣接エントリのユーザ設定値から受信したりできます。MPLS ネットワークの出口では、最終 TTL はラベル TTL と IP TTL のいずれか小さい方の値から 1 を引いた値になります。
(注) 均一モードの場合、TTL は IP TTL から取得されます。パイプ モードの場合、発信ラベルにはハードウェア レジスタから取得された値 255 が使用されます。
• QoS:IP パケットから取得された Differentiated Services(DiffServ)および ToS に関する情報を、MPLS EXP フィールドにマッピングできます。
• MPLS/VPN サポート:最大 1024 個の VRF をサポートできます(511 個を超える VRF を再循環する必要があります)。
• Ethernet over MPLS:MPLS ドメインの入口でイーサネット フレームをカプセル化し、出口でカプセル化解除できます。
• パケット再循環:PFC にはパケット再循環機能があります。「再循環」を参照してください。
• MPLS スイッチング設定は、mpls ip コマンドを使用した VLAN インターフェイスでサポートされます。
MPLS に関する注意事項および制約事項
PFC で MPLS を設定するときは、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• PFC は最大 8 個の負荷分散パスをサポートします。その他のプラットフォームの Cisco IOS リリースでは、8 個の負荷分散パスだけがサポートされます。
• PFC では、MTU チェックおよび分割がサポートされます。
• 分割はソフトウェアでサポートされます(IP から MPLS のパスの場合)。『 Cisco 7600 Series Router Cisco IOS Command Reference 』の mtu コマンドの説明を参照してください。
• MPLS を設定するときには、次の最大伝送単位(MTU)の注意事項に従ってください。
– MPLS リンクの両端は同じ MTU サイズにする必要があります。そうでなければ、MPLS はインターフェイスのミスマッチを検出し、動作しなくなります。
MPLS over RBE では異なる MTU サイズが可能です(たとえば、デフォルトのギガビット イーサネットと ATM など)。ただし、OSPF over RBE が稼働している場合、 ip ospf mtu-ignore コマンドを ATM インターフェイスで追加する必要があります。そうしなければ、OSPF はミスマッチを検出し、アクティブになりません。
– MPLS MTU サイズは、MPLS リンクが使用する物理インターフェイスの MTU サイズより小さい値にする必要があります。そうしなければ、問題が発生し、MPLS パケットが廃棄される場合があります。
推奨されませんが、 mpls mtu override bytes コマンドを使用すると、MPLS MTU サイズをインターフェイスの MTU サイズより大きい値に設定できます( bytes には MPLS MTU サイズを指定します)。
(注) mpls mtu override bytes コマンドは、1580 バイト以下のデフォルト MTU サイズのインターフェイス(イーサネットなど)だけで使用できます。ATM ブリッジ インターフェイスでは使用できません。
• その他の制約事項については、「MPLS VPN に関する注意事項および制約事項」および「EoMPLS に関する注意事項および制約事項」を参照してください。
MPLS のラベル単位ロード バランシング
ここでは、基本的な MPLS、MLPS レイヤ 2 VPN、および MPLS レイヤ 3 VPN のロード バランシングについて説明します。
基本的な MPLS ロード バランシング
ロード バランシング パスの最大数は 8 です。PFC では、明示的に設定しなくても MPLS ラベル付きパケットが転送されます。パケットに付加されたラベルが 3 つ以下で、基礎となるパケットが IPv4 の場合、PFC は送信元および宛先 IPv4 アドレスを使用します。基礎となるパケットが IPv4 でないか、3 つより多いラベルが存在する場合、PFC は 5 番めまたは最下位の深さまでのラベルを解析してハッシュに使用します。
MPLS レイヤ 2 VPN ロード バランシング
カスタマー イーサネット フレームの MAC アドレスの最初のニブルが 4 以外の場合、ロード バランシングは MPLS コアの VC ラベルに基づきます。
(注) レイヤ 2 VPN の場合、入力 PE ではロード バランシングがサポートされません。
MPLS レイヤ 3 VPN ロード バランシング
MPLS レイヤ 3 VPN ロード バランシングは、基本的な MPLS ロード バランシングと類似しています。詳細については、「基本的な MPLS ロード バランシング」を参照してください。
MPLS の設定例
次に、MPLS の基本設定の例を示します。
Router# mpls label protocol ldp
interface GigabitEthernet6/2
ip address 75.0.77.1 255.255.255.0
interface GigabitEthernet7/15
ip address 75.0.67.2 255.255.255.0
logging event link-status
Router# show ip route 188.0.0.0
Routing entry for 188.0.0.0/24, 1 known subnets
O IA 188.0.0.0 [110/1] via 75.0.77.2, 00:00:10, GigabitEthernet6/2
Routing entry for 88.0.0.0/24, 1 known subnets
O E2 88.0.0.0 [110/0] via 75.0.67.1, 00:00:24, GigabitEthernet7/15
[110/0] via 75.0.21.2, 00:00:24, GigabitEthernet7/16
Router# show mpls forwarding-table 88.0.0.0
Local Outgoing Prefix Bytes tag Outgoing Next Hop
tag tag or VC or Tunnel Id switched interface
30 50 88.0.0.0/24 0 Gi7/15 75.0.67.1
50 88.0.0.0/24 0 Gi7/16 75.0.21.2
Router# show mls cef 88.0.0.0 detail
Codes: M - mask entry, V - value entry, A - adjacency index, P - priority bit
D - full don't switch, m - load balancing modnumber, B - BGP Bucket sel
V0 - Vlan 0,C0 - don't comp bit 0,V1 - Vlan 1,C1 - don't comp bit 1
RVTEN - RPF Vlan table enable, RVTSEL - RPF Vlan table select
Format: IPV4_DA - (8 | xtag vpn pi cr recirc tos prefix)
Format: IPV4_SA - (9 | xtag vpn pi cr recirc prefix)
M(3223 ): E | 1 FFF 0 0 0 0 255.255.255.0
V(3223 ): 8 | 1 0 0 0 0 0 88.0.0.0 (A:344105 ,P:1,D:0,m:1 ,B:0 )
M(3223 ): E | 1 FFF 0 0 0 255.255.255.0
V(3223 ): 9 | 1 0 0 0 0 88.0.0.0 (V0:0 ,C0:0 ,V1:0 ,C1:0 ,RVTEN:0 ,RVTSEL:0 )
Router# show mls cef adj ent 344105
Index: 344105 smac: 0005.9a39.a480, dmac: 000a.8ad8.2340
mtu: 9234, vlan: 1031, dindex: 0x0, l3rw_vld: 1
packets: 109478260, bytes: 7006608640
Router# show mls cef adj ent 344105 de
Index: 344105 smac: 0005.9a39.a480, dmac: 000a.8ad8.2340
mtu: 9234, vlan: 1031, dindex: 0x0, l3rw_vld: 1
format: MPLS, flags: 0x1000008418
label0: 0, exp: 0, ovr: 0
label1: 0, exp: 0, ovr: 0
label2: 50, exp: 0, ovr: 0
packets: 112344419, bytes: 7190042816
Any Transport over MPLS
Any Transport over MPLS(AToM)は MPLS バックボーン上でレイヤ 2 パケットを転送します。AToM はエッジ ルータ間で転送されたラベル配布プロトコル(LDP)セッションを使用して、接続の設定およびメンテナンスを行います。2 つのレベルのラベルを使用して、エッジ ルータ間でスイッチングを行うと、転送が生じます。外部ラベル(トンネル ラベル)は、MPLS バックボーンを介して入力 PE から出力 PE にパケットをルーティングします。VC ラベルは、トンネル エンドポイント(出力 PE の特定の出力インターフェイスおよびイーサネット フレームの VLAN ID)で接続を判別する逆多重化ラベルです。
AToM では、PFC において、次の類似転送タイプがサポートされます。
• Ethernet over MPLS(EoMPLS)(VLAN モードおよびポート モード)
• DLCI-to-DLCI 接続による Frame Relay over MPLS
• ATM AAL5 over MPLS
• ATM Cell Relay over MPLS
(注) その他の AToM タイプが今後のリリースに組み込まれる予定です。
PFC では、ハードウェアベースの EoMPLS、および OSM ベースの EoMPLS または拡張 FlexWAN ベースの EoMPLS がサポートされます (Release 12.2SR では FlexWAN ベースの EoMPLS がサポートされません)。詳細については、次の資料を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/TD_Trash/lczaplys_trash/mpls.html#wp1128955
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/TD_Trash/lczaplys_trash/mpls.html#wp1279824
その他の AToM 実装(ATM AAL5 over MPLS、ATM Cell Relay over MPLS、Frame Relay over MPLS)については、以下のマニュアルを参照してください。
ここでは、AToM について説明します。
• 「AToM ロード バランシング」
• 「EoMPLS の概要」
• 「EoMPLS に関する注意事項および制約事項」
• 「EoMPLS の設定」
• 「LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポートの設定」
AToM ロード バランシング
PFC の EoMPLS では、トンネル入力でロード バランシングがサポートされません。複数の Interior Gateway Protocol(IGP)パスが使用可能でも、1 つの IGP パスだけが選択されますが、ロード バランシングは MPLS コアで使用可能です。
EoMPLS の概要
EoMPLS は AToM トランスポート タイプの 1 つです。AToM はエッジ ルータ間で転送された LDP セッションを使用して、MPLS バックボーンを介してレイヤ 2 パケットを転送し、接続を設定およびメンテナンスします。2 つのレベルのラベルを使用して、エッジ ルータ間でスイッチングを行うと、転送が生じます。外部ラベル(トンネル ラベル)は、MPLS バックボーンを介して入力 PE から出力 PE にパケットをルーティングします。VC ラベルは、トンネル エンドポイント(出力 PE の特定の出力インターフェイスおよびイーサネット フレームの VLAN ID)で接続を判別する逆多重化ラベルです。
EoMPLS は MPLS パケットに Ethernet PDU をカプセル化し、MPLS ネットワーク上で転送することにより機能します。各 PDU は単一パケットとして転送されます。
(注) 同じ VLAN 上でローカルなレイヤ 2 スイッチングおよび EoMPLS を実行する場合は、OSM ベースまたは拡張 Flex WAN ベースの EoMPLS を使用してください。SVI で EoMPLS を設定する必要があり、コア方向カードは OSM モジュールまたは拡張 FlexWAN モジュールにする必要があります。ローカルなレイヤ 2 スイッチングが不要な場合は、サブインターフェイスまたは物理インターフェイスに設定された PFC ベース EoMPLS を使用します。
EoMPLS に関する注意事項および制約事項
EoMPLS を設定するときは、次の注意事項および制約事項を考慮してください。
• 受信された最大のレイヤ 2 パケットを伝達できるように、エンドポイント間のすべての中間リンクの最大伝送単位(MTU)を設定する必要があります。
• EoMPLS は、IEEE 802.1Q 標準に準拠する VLAN パケットをサポートします。802.1Q 仕様は、イーサネット フレームに VLAN メンバーシップ情報を挿入する標準方式を確立します。
• VLAN ベース EoMPLS では、デフォルトを超える MTU サイズが物理インターフェイスに指定されている場合、VLAN サブインターフェイスの MTU サイズを 1500(デフォルト)より大きくする必要があります。
(注) ポートチャネルと xconnect の組み合わせがポート ベースの EoMPLS 上でサポートされます。ただし、一般的な PFC ベースの EoMPLS に関するすべての制約事項がポートチャネルと xconnect にも適用されます。
• QoS がグローバルにディセーブルの場合、802.1p および IP precedence ビットは両方とも保護されます。QoS がレイヤ 2 ポートでイネーブルの場合、802.1Q P ビットまたは IP precedence ビットのいずれかを、信頼できる設定を使用して保護できます。ただし、デフォルトでは、保護されていないビットは保護されたビットの値によって上書きされます。たとえば、P ビットが保護されている場合、IP precedence ビットは P ビットの値で上書きされます。新しいコマンドでは、IP precedence ビットを保護しながら、P ビットを信頼できるように PFC を設定できます。IP precedence ビットを保護するには、no mls qos rewrite ip dscp コマンドを使用します。
(注) no mls qos rewrite ip dscp コマンドは、MPLS および MPLS VPN 機能と互換性がありません。 を参照してください。
(注) PFC ベース EoMPLS サービスおよび PXF ベース EoMPLS サービスを同じシステムで使用する場合は、no mls qos rewrite ip dscp を使用しないでください。
• プライベート VLAN では、EoMPLS がサポートされません。
• EoMPLS でトランクを使用する場合は、次の制約事項が適用されます。
– EoMPLS クラウドでイーサネット スパニングツリー ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)をサポートするには、Ethernet over MPLS VLAN のスーパーバイザ エンジン スパニングツリーをディセーブルにする必要があります。このようにすると、EoMPLS VLAN のカスタマー ルータへの伝送経路がトランクに限定されます。このようにしないと、BPDU はスーパーバイザ エンジンに転送され、EoMPLS クラウドに転送されません。
– トランクのネイティブ VLAN を EoMPLS VLAN として設定しないでください。スケーラブル EoMPLS(SVI ベース EoMPLS)とポートモード EoMPLS の詳細とそのサンプル設定については、「スケーラブル EoMPLS とポートモード EoMPLS」と「SwEoMPLS および VPLS のサンプル設定」を参照してください。
• Cisco 7600 は、次の 3 種類の Ethernet over MPLS(EoMPLS)ソリューションを提供します。
– ハードウェア ベース EoMPLS とも呼ばれる PFC ベース EoMPLS では、スーパーバイザまたは DFC ベースのラインカード上で Earl が実行されます。
– ソフトウェア ベース EoMPLS とも呼ばれる LAN ベース EoMPLS では、MPLS コア対向ラインカード上で Earl が実行されます。
– スケーラブル EoMPLS では、カスタマー デバイス対向ラインカード上で Earl が実行されます。この機能は、SIP400、ES20、および ES40 でカスタマー対向ラインカードとしてサポートされます。さらに、ES20 と ES40 では、このソリューションが EVC ベースの設定でのみサポートされます。
• PFC の場合、すべてのプロトコル(CDP、VTP、BPDU など)は無条件に MPLS クラウドでトンネリングされます。
• EoMPLS パケットを受信するインターフェイスでは、ISL カプセル化はサポートされません。
• インターフェイス間には一意の VLAN が必要です。異なるインターフェイスで同じ VLAN ID は使用できません。
• PE から PE へのラベルスイッチド パス(LSP)を確保するには、ルーティング テーブルおよび CEF テーブル内の EoMPLS トンネル宛先ルートが /32 アドレス(マスクが 255.255.255.255 であるホスト アドレス)でなければなりません。
• 特定の EoMPLS 接続では、入力 PE の入力 EoMPLS インターフェイスおよび出力 PE の出力 EoMPLS インターフェイスを、dot1Q カプセル化が設定されたサブインターフェイスにする必要があります。このようにしないと、どちらもサブインターフェイスになりません。
• MPLS ネットワークに接続された発信インターフェイスがレイヤ 2 カードのポートである場合、802.1Q-in-802.1Q over EoMPLS がサポートされます。
• MPLS ネットワークに接続された出力インターフェイスがレイヤ 2 LAN ポート(PFC ベース EoMPLS と呼ばれるモード)である場合、EoMPLS トラフィックのシェーピングはサポートされません。
• PFC に基づいた EoMPLS では、宛先 MAC アドレスがローカルまたはリモート セグメント上にあるかどうかを判別するためのレイヤ 2 検索を実行しません。また、レイヤ 2 アドレス学習も実行しません(従来の LAN ブリッジングが実行します)。この機能(ローカル スイッチング)を使用できるのは、OSM および FlexWAN モジュールをアップリンクとして使用している場合だけです。
• 旧リリースの AToM では、AToM 回路の設定に使用されるコマンドは mpls l2 transport route でした。 このコマンドは、xconnect コマンドに置き換えられました。xconnect コマンドは、EoMPLS 回路を設定する場合に使用できます。
• AToM 制御ワードはサポートされていません。
• レイヤ 3 VLAN インターフェイスでは EoMPLS がサポートされません。
• ポイントツーポイント EoMPLS は、物理インターフェイスおよびサブインターフェイスと連携します。
• ES20 など、一部の SPA ベース イーサネット ラインカードは、QinQ トラフィックで外部 VLAN のマッチングをサポートします。詳細については、関連するラインカードのマニュアルを参照してください。
スケーラブル EoMPLS とポートモード EoMPLS
スケーラブル EoMPLS シナリオでは、PE ルータの EVC 上で直接相互接続を設定することができます。ポートモード EoMPLS では、物理インターフェイスまたはサブインターフェイス上で相互接続を設定することができます。スケーラブル EoMPLS とポートモード EoMPLS では、アクセス対向インターフェイスがスパニングツリー プロトコル(STP)に参加しないため、スパニングツリーをディセーブルにする必要がありません。Cisco 7600 シリーズ ルータ上でのスパニングツリー プロトコル(STP)と Multiple Spanning Tree(MST)プロトコルの設定方法については、を参照してください。
(注) Cisco 7600 シリーズ ルータは複数のバックアップ PW をサポートしません。
イーサネット AC の HSPW サポート
Cisco IOS Release 15.1(01)S 以降、ホット スタンバイ疑似配線(HSPW)機能は、ScEoMPLS、ATM、および TDM の相互接続のアクセス側にインポジションおよびディスポジションを持つ ES+ ラインカードと SIP400 PW でサポートされます。ホット スタンバイ機能により、サービス プロバイダー ネットワーク内の PW のスイッチオーバー時間を短縮できます。この機能は、ハードウェアでバックアップ PW を事前にプログラミングされた状態に保ちます。またスイッチオーバーでは、バックアップ PW はトラフィック通過がイネーブルになっています。
次のセクションで、STP を処理し、BPDU の疑似回線経由の中継を可能にするサンプル設定とシナリオについて説明します。
SwEoMPLS および VPLS のサンプル設定
次に、SVI ベース EoMPLS とも呼ばれる SwEoMPLS 用のサンプル トポロジに関する例を示します。
CE1-----PE1-----P------PE2----CE2
SwEoMPLS では、SVI インターフェイス(インターフェイス VLAN)上で相互接続を設定します。次に、CE 対向インターフェイス上でのサンプル設定を示します。
interface FastEthernet1/13
switchport
switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed vlan 110
switchport mode trunk
end
次に、相互接続を使用した SVI インターフェイスのサンプル設定を示します。
interface Vlan110
no ip address
xconnect 6.6.6.6 200 encapsulation mpls
end
次に、P ルータ向けのコア対向ラインカード上でのサンプル設定を示します。
interface GigabitEthernet2/2/0
ip address 53.53.53.1 255.255.255.0
mpls ip
end
次に、VPLS 用の CE 対向ラインカード上でのサンプル設定を示します。
interface FastEthernet1/13
switchport switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed vlan 110
switchport mode trunk
end
次に、SVI 内部で相互接続が設定されている場合のサンプル設定を示します。
interface Vlan110
description VPLS
no ip address
xconnect vfi PE1-VPLS
end
これまでのサンプル設定に基づいて、VFI が定義されます。
l2 vfi PE1-VPLS manual
vpn id 110
neighbor 6.6.6.6 encapsulation mpls
次に、VFI 用の CE 対向ラインカード上でのサンプル設定を示します。
interface GigabitEthernet2/2/0
ip address 53.53.53.1 255.255.255.0
mpls ip
end
上記トポロジと設定では:
• カスタマー ルータの CE1 と CE2 はイーサネット接続を備えています。
• VLANS にタグ付けされたトラフィックが中継されます。
• CE1-CE2 トラフィックを PE1-PE2 で透過的に通過させるために、ルータの PE1 と PE2 間に EoMPLS 疑似配線が設置されます。
ブリッジ プロトコル データ ユニットを可能にするためのスパニングツリー プロトコルの管理
PE ルータ上のカスタマー対向インターフェイスは STP に参加します。EoMPLS クラウド(PE1-P-PE2)上でイーサネット スパニングツリー ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)をサポートするには、下記方法を修正してスーパーバイザ エンジン スパニングツリーをディセーブルにします。
1. スパニングツリー モードが MST の場合は、STP BPDU からタグが外されます。
spanning-tree mode mst
PE ルータの CE 対向インターフェイス上では:
Int Gig 1/1
switchport
switchport trunk allowed vlan 110
switchport mode trunk
STP BPDU を中継するように VFI(ここでは mst-1)を設定します。
l2 vfi mst-1 manual
vpn id 1
forward permit l2protocol all
1 つ前の手順で設定した VFI を SVI に対応付けます。
interface Vlan1
no ip address
xconnect vfi mst-1
2. スパニングツリー モードが PVST の場合は、STP BPDU にタグが付けられます。たとえば、カスタマー ルータのトラフィックを VLAN110 で受信する場合は、BPDU に VLAN 110 のタグが付けられます。
spanning-tree mode pvst
アクセス対向インターフェイス上では:
Int Gig1/1
switchport
switchport trunk allowed vlan 110
switchport mode trunk
no spanning-tree vlan 110
上記シナリオの場合は、 no spanning-tree vlan 110 で十分であり、BPDU を中継するための特別な VFI が必要ありません。
前提条件
EoMPLS を設定する前に、ネットワークが次のように設定されていることを確認してください。
• PE ルータが IP を通して相互に到達できるように、コアに IP ルーティングを設定します。
• PE ルータ間にラベル スイッチド パス(LSP)が存在するように、コアに MPLS を設定します。
EoMPLS は MPLS パケットに Ethernet PDU をカプセル化し、MPLS ネットワーク上で転送することにより機能します。各 PDU は単一パケットとして転送されます。PFC で EoMPLS を設定するには、次の 2 つの方法を使用できます。
• VLAN モード:MPLS ネットワーク上の単一 VC を介して、送信元 802.1Q VLAN から宛先 802.1Q VLAN にイーサネット トラフィックを転送します。VLAN モードは、デフォルトとして VC タイプ 5(dot1q タグなし)を使用します。リモート PE がサブインターフェイス(VLAN)ベース EoMPLS に対して VC タイプ 5 をサポートしない場合は、VC タイプ 4(トランスポート dot1 タグ)を使用します。
• ポート モード:ポートのすべてのトラフィックが MPLS ネットワーク上の単一 VC を共有できるようにします。ポート モードは VC タイプ 5 を使用します。
(注) • VLAN モードおよびポート モードのどちらの場合も、ループバック ポートを使用しない限り、PFC の EoMPLS はインターフェイス間でパケットのローカル スイッチングを許可しません。
• システムでは、OSM 設定または拡張 FlexWAN 設定、および PFC モード設定を同時にイネーブルにすることができます。シスコはこの設定をサポートしますが、推奨しません。
• MPLS コアへのアップリンクが OSM または拡張 FlexWAN 対応インターフェイスを経由しない限り、OSM または拡張 FlexWAN ベース EoMPLS 接続はアクティブになりません。このため、非 WAN インターフェイスに着信する OSM または拡張 FlexWAN ベース EoMPLS に対応するパケットは廃棄されます。
PFC は、MPLS をサポートしています。PFC の場合、LAN ポートは、OSM または拡張 FlexWAN モジュールを使用せずに、レイヤ 2 トラフィックを受信したり、ラベルをインポーズしたり、MPLS コアにフレームを切り替えたりすることができます。
PFC では、MPLS ネットワークのコアに向けて OSM または拡張 FlexWAN モジュールを設定し、OSM 設定、拡張 FlexWAN 設定、または PFC モード設定のうちいずれかを使用できます。
EoMPLS over WAN(拡張 FlexWAN および OSM)の詳細については、次の資料を参照してください (Release 12.2SR では FlexWAN ベースの EoMPLS がサポートされません)。
http://www.cisco.com/en/US/docs/general/TD_Trash/lczaplys_trash/mpls.html#wp1128955
PFC モードの VLAN ベース EoMPLS の設定
PFC の VLAN ベース EoMPLS を設定するときは、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• AToM 制御ワードはサポートされていません。
• ハードウェアレベルの巡回冗長検査(CRC)エラー、フレーミング エラー、およびラント パケットを含むイーサネット パケットは、入力時に廃棄されます。
• VLAN ベース EoMPLS はサブインターフェイスで設定する必要があります。また、デフォルトを超える MTU サイズが物理インターフェイスに指定されている場合、VLAN サブインターフェイスの MTU サイズを 1500(デフォルト)より大きくする必要があります。
PFC の VLAN ベース EoMPLS を設定するには、プロバイダー エッジ(PE)ルータで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# interface gigabitethernetslot/interface.subinterface |
ギガビット イーサネット サブインターフェイスを指定します。隣接 CE ルータのサブインターフェイスがこの PE ルータと同じ VLAN 上にあることを確認します。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# encapsulation dot1q vlan_id |
サブインターフェイスでの 802.1Q VLAN パケットの受信をイネーブルにします。 Ethernet over MPLS が稼働している CE ルータと PE ルータ間のサブインターフェイスは、同じサブネット内になければなりません。その他のすべてのサブインターフェイスおよびバックボーン ルータは、同じサブネット内になくてもかまいません。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# xconnect peer_router_id vcid encapsulation mpls
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接続回路を疑似配線 VC にバインドします。このコマンドの構文は、その他のレイヤ 2 トランスポートの場合と同じです。 |
次に、PFC の VLAN ベース EoMPLS 設定の例を示します。
interface GigabitEthernet6/4
xconnect 13.13.13.13 4 encapsulation mpls
interface GigabitEthernet7/4.2
xconnect 13.13.13.13 3 encapsulation mpls
(注) IP アドレスは CE デバイスのサブインターフェイスに設定されます。
設定の確認
MPLS トンネルを介したレイヤ 2 VLAN トランスポートの設定を確認および表示するには、次の作業を行います。
• VLAN ごとに VLAN 名、ステータス、ポートを 1 行で表示するには、show vlan brief コマンドを使用します。
---- -------------------------------- --------- -------------------------
1002 fddi-default act/unsup
1003 token-ring-default act/unsup
1004 fddinet-default act/unsup
1005 trnet-default act/unsup
• PE ルータ エンドポイントが相互に検出されたことを確認するには、show mpls ldp discovery コマンドを使用します。PE ルータが別の PE ルータから LDP の Hello メッセージを受信した場合、そのルータおよび指定されたラベル スペースは「検出された」と見なされます。
Router# show mpls ldp discovery
GE-WAN3/3 (ldp): xmit/recv
13.13.13.13 -> 11.11.11.11 (ldp): active/passive, xmit/recv
• ラベル配布セッションが確立されたことを確認するには、show mpls ldp neighbor コマンドを使用します。出力の 3 行目は、LDP セッションのステートが動作可能であり、メッセージが送受信中であることを示します。
Router# show mpls ldp neighbor
Peer LDP Ident: 12.12.12.12:0; Local LDP Ident 13.13.13.13:0
TCP connection: 12.12.12.12.646 - 13.13.13.13.11010
State: Oper; Msgs sent/rcvd: 1649/1640; Downstream
GE-WAN3/3, Src IP addr: 34.0.0.2
Addresses bound to peer LDP Ident:
23.2.1.14 37.0.0.2 12.12.12.12 34.0.0.2
Peer LDP Ident: 11.11.11.11:0; Local LDP Ident 13.13.13.13:0
TCP connection: 11.11.11.11.646 - 13.13.13.13.11013
State: Oper; Msgs sent/rcvd: 1650/1653; Downstream
Targeted Hello 13.13.13.13 -> 11.11.11.11, active, passive
Addresses bound to peer LDP Ident:
11.11.11.11 37.0.0.1 23.2.1.13
• ラベル転送テーブルが正しく構築されたことを確認するには、show mpls forwarding-table コマンドを入力して、リモート PE のラベルが学習されたこと、およびこのラベルが正しいインターフェイスから正しいネクスト ホップに送信されていることを確認します。
Router# show mpls forwarding-table
Local Outgoing Prefix Bytes tag Outgoing Next Hop
tag tag or VC or Tunnel Id switched interface
16 Untagged 223.255.254.254/32 \
20 Untagged l2ckt(2) 133093 Vl2 point2point
21 Untagged l2ckt(3) 185497 Vl3 point2point
24 Pop tag 37.0.0.0/8 0 GE3/3 34.0.0.2
25 17 11.11.11.11/32 0 GE3/3 34.0.0.2
26 Pop tag 12.12.12.12/32 0 GE3/3 34.0.0.2
出力では次のデータが表示されます。
– Local tag:現在のルータによって割り当てられたラベル。
– Outgoing tag or VC:ネクスト ホップによって割り当てられたラベル。
– Prefix or Tunnel Id:このラベルが付加されたパケットの送信先アドレスまたはトンネル。
– Bytes tag switched:この入ラベルによってスイッチングされるバイト数。
– Outgoing interface:このラベルが付加されたパケットが送信されるときに経由するインターフェイス
– Next Hop:出ラベルに割り当てられたネイバーの IP アドレス
• 現在ルーティング中の VC のステートを表示するには、show mpls l2transport vc コマンドを入力します。
Router# show mpls l2transport vc
Local intf Local circuit Dest address VC ID Status
------------- -------------------- --------------- ---------- ----------
Vl2 Eth VLAN 2 11.11.11.11 2 UP
Vl3 Eth VLAN 3 11.11.11.11 3 UP
各 VC の詳細情報を表示するには、detail キーワードを追加します。
Router# show mpls l2transport vc detail
Local interface: Vl2 up, line protocol up, Eth VLAN 2 up
Destination address: 11.11.11.11, VC ID: 2, VC status: up
Tunnel label: 17, next hop 34.0.0.2
Output interface: GE3/3, imposed label stack {17 18}
Create time: 01:24:44, last status change time: 00:10:55
Signaling protocol: LDP, peer 11.11.11.11:0 up
MPLS VC labels: local 20, remote 18
Group ID: local 71, remote 89
MTU: local 1500, remote 1500
Remote interface description:
Sequencing: receive disabled, send disabled
packet totals: receive 1009, send 1019
byte totals: receive 133093, send 138089
packet drops: receive 0, send 0
Local interface: Vl3 up, line protocol up, Eth VLAN 3 up
Destination address: 11.11.11.11, VC ID: 3, VC status: up
Tunnel label: 17, next hop 34.0.0.2
Output interface: GE3/3, imposed label stack {17 19}
Create time: 01:24:38, last status change time: 00:10:55
Signaling protocol: LDP, peer 11.11.11.11:0 up
MPLS VC labels: local 21, remote 19
Group ID: local 72, remote 90
MTU: local 1500, remote 1500
Remote interface description:
Sequencing: receive disabled, send disabled
packet totals: receive 1406, send 1414
byte totals: receive 185497, send 191917
packet drops: receive 0, send 0
PFC のポートベース EoMPLS の設定
PFC のポートベース EoMPLS を設定するときは、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• AToM 制御ワードはサポートされていません。
• ハードウェアレベルの巡回冗長検査(CRC)エラー、フレーミング エラー、およびラント パケットを含むイーサネット パケットは、入力時に廃棄されます。
• ポートベース EoMPLS および VLAN ベース EoMPLS は相互に排他的です。メイン インターフェイスでポートツーポート トランスポートをイネーブルにした場合は、サブインターフェイスでのコマンド入力も不可能になります。
PFC で EoMPLS による 802.1Q-in-802.1Q トラフィックおよびイーサネット トラフィックをサポートするには、次の作業を行って、ポートベース EoMPLS を設定します。
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ステップ 1 |
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# interface gigabitethernetslot/interface |
ギガビット イーサネット インターフェイスを指定します。隣接 CE ルータのインターフェイスがこの PE ルータと同じ VLAN 上にあることを確認します。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# xconnect peer_router_id vcid encapsulation mpls
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接続回路を疑似配線 VC にバインドします。このコマンドの構文は、その他のレイヤ 2 トランスポートの場合と同じです。 |
次に、ポートベース設定の例を示します。
router# show mpls l2transport vc
Local intf Local circuit Dest address VC ID Status
------------- -------------------- --------------- ---------- ----------
Fa8/48 Ethernet 75.0.78.1 1 UP
Gi7/11.2000 Eth VLAN 2000 75.0.78.1 2000 UP
Port-Based EoMPLS Config:
router# show run interface f8/48
Building configuration...
Current configuration : 86 bytes
interface FastEthernet8/48
xconnect 75.0.78.1 1 encapsulation mpls
Sub-Interface Based Mode:
router# show run interface g7/11
Building configuration...
Current configuration : 118 bytes
interface GigabitEthernet7/11
description Traffic-Generator
logging event link-status
router# show run int g7/11.2000
Building configuration...
Current configuration : 112 bytes
interface GigabitEthernet7/11.2000
xconnect 75.0.78.1 2000 encapsulation mpls
kb7606# show mpls l2transport vc 1 detail
Local interface: Gi7/47 up, line protocol up, Ethernet up
Destination address: 75.0.80.1, VC ID: 1, VC status: up
Tunnel label: 5704, next hop 75.0.83.1
Output interface: Te8/3, imposed label stack {5704 10038}
Create time: 00:30:33, last status change time: 00:00:43
Signaling protocol: LDP, peer 75.0.80.1:0 up
MPLS VC labels: local 10579, remote 10038
Group ID: local 155, remote 116
MTU: local 1500, remote 1500
Remote interface description:
Sequencing: receive disabled, send disabled
packet totals: receive 26, send 0
byte totals: receive 13546, send 0
packet drops: receive 0, send 0
VC タイプを取得するには、次のコマンドを使用します。
kb7606# remote command switch show mpls l2transport vc 1 de
Local interface: GigabitEthernet7/47, Ethernet
Destination address: 75.0.80.1, VC ID: 1
VC status: receive UP, send DOWN
VC type: receive 5, send 5
Tunnel label: not ready, destination not in LFIB
Output interface: unknown, imposed label stack {}
MPLS VC label: local 10579, remote 10038
packet totals: receive: 0 send: 0
byte totals: receive: 0 send: 0
packet drops: receive: 0 send: 0
設定の確認
MPLS トンネルを介したレイヤ 2 VLAN トランスポートの設定を確認および表示するには、次の作業を行います。
• VLAN ごとに VLAN 名、ステータス、ポートを 1 行で表示するには、show vlan brief コマンドを使用します。
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
1002 fddi-default act/unsup
1003 token-ring-default act/unsup
1004 fddinet-default act/unsup
1005 trnet-default act/unsup
• PE ルータ エンドポイントが相互に検出されたことを確認するには、show mpls ldp discovery コマンドを使用します。PE ルータが別の PE ルータから LDP の Hello メッセージを受信した場合、そのルータおよび指定されたラベル スペースは「検出された」と見なされます。
Router# show mpls ldp discovery
GE-WAN3/3 (ldp): xmit/recv
13.13.13.13 -> 11.11.11.11 (ldp): active/passive, xmit/recv
• ラベル配布セッションが確立されたことを確認するには、show mpls ldp neighbor コマンドを使用します。出力の 3 行目は、LDP セッションのステートが動作可能であり、メッセージが送受信中であることを示します。
Router# show mpls ldp neighbor
Peer LDP Ident: 12.12.12.12:0; Local LDP Ident 13.13.13.13:0
TCP connection: 12.12.12.12.646 - 13.13.13.13.11010
State: Oper; Msgs sent/rcvd: 1715/1706; Downstream
GE-WAN3/3, Src IP addr: 34.0.0.2
Addresses bound to peer LDP Ident:
23.2.1.14 37.0.0.2 12.12.12.12 34.0.0.2
Peer LDP Ident: 11.11.11.11:0; Local LDP Ident 13.13.13.13:0
TCP connection: 11.11.11.11.646 - 13.13.13.13.11013
State: Oper; Msgs sent/rcvd: 1724/1730; Downstream
Targeted Hello 13.13.13.13 -> 11.11.11.11, active, passive
Addresses bound to peer LDP Ident:
11.11.11.11 37.0.0.1 23.2.1.13
• ラベル転送テーブルが正しく構築されたことを確認するには、show mpls forwarding-table コマンドを使用します。
Router# show mpls forwarding-table
Local Outgoing Prefix Bytes tag Outgoing Next Hop
tag tag or VC or Tunnel Id switched interface
16 Untagged 223.255.254.254/32 \
20 Untagged l2ckt(2) 55146580 Vl2 point2point
24 Pop tag 37.0.0.0/8 0 GE3/3 34.0.0.2
25 17 11.11.11.11/32 0 GE3/3 34.0.0.2
26 Pop tag 12.12.12.12/32 0 GE3/3 34.0.0.2
• 出力では次のデータが表示されます。
– Local tag:現在のルータによって割り当てられたラベル。
– Outgoing tag or VC:ネクスト ホップによって割り当てられたラベル。
– Prefix or Tunnel Id:このラベルが付加されたパケットの送信先アドレスまたはトンネル。
– Bytes tag switched:この入ラベルによってスイッチングされるバイト数。
– Outgoing interface:このラベルが付加されたパケットが送信されるときに経由するインターフェイス
– Next Hop:出ラベルに割り当てられたネイバーの IP アドレス
• 現在ルーティング中の VC のステートを表示するには、show mpls l2transport vc コマンドを入力します。
Router# show mpls l2transport vc
Local intf Local circuit Dest address VC ID Status
------------- -------------------- --------------- ---------- ----------
Vl2 Eth VLAN 2 11.11.11.11 2 UP
LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポートの設定
User Network Interface(UNI)は、カスタマー エッジ(CE)機器が入力 PE に接続するポイントであり、接続 VLAN は UNI ポート上の VLAN です。
LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポート機能では、接続 VLAN の物理ポートを分割でき、複数のレイヤ 2 サービスおよびレイヤ 3 サービスが単一 UNI で提供されます。
LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポートの設定時には、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• メイン インターフェイスにおけるカプセル化は、ISL ではなく、dot1Q にする必要があります。
• メイン インターフェイスで dot1q カプセル化を使用する場合は、サブインターフェイスで ISL を設定できません。レイヤ 3 インターフェイスは影響されません。
LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポートを設定するには、プロバイダー エッジ(PE)ルータで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# interface type number |
設定するインターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。イーサネット ポートだけで有効です。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# switchport |
レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 コンフィギュレーションに対応するレイヤ 2 モードにします。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# switchport trunk encapsulation {isl | dot1q} |
802.1Q カプセル化をサポートするようにポートを設定します。 リンクの両端を同一カプセル化タイプで設定する必要があります。 (注) MUX-UNI サポートの有効な選択肢は dot1Q です。 |
ステップ 5 |
Router(config-if)# switchport mode trunk |
VLAN トランクとしてポートを設定します。 |
ステップ 6 |
Router(config-if)# switchport trunk allowed vlan vlan-list |
デフォルトでは、すべての VLAN が許可されます。VLAN を明示的に許可するには、このコマンドを使用します。vlan-list の有効な値は、1 ~ 4094 です。 (注) メイン インターフェイスとサブインターフェイスの間で VLAN を重複して割り当てないでください。メイン インターフェイスとサブインターフェイスの間の VLAN 割り当ては、相互に排他的にする必要があります。 |
ステップ 7 |
Router(config)# interface type slot/port.subinterface-number |
設定するサブインターフェイスを選択し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。イーサネット ポートだけで有効です。 |
ステップ 8 |
Router(config-if)# encapsulation dot1q vlan_id |
サブインターフェイスでの 802.1Q VLAN パケットの受信をイネーブルにします。 Ethernet over MPLS が稼働している CE ルータと PE ルータ間のサブインターフェイスは、同じサブネット内になければなりません。その他のすべてのサブインターフェイスおよびバックボーン ルータは、同じサブネット内になくてもかまいません。 |
ステップ 9 |
Router(config-if)# xconnect peer_router_id vcid encapsulation mpls
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接続回路を疑似配線 VC にバインドします。このコマンドの構文は、その他のレイヤ 2 トランスポートの場合と同じです。 |
次に、LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポート機能の例で、UNI として使用される物理トランク ポートを示します。
interface Fastethernet3/1
switchport encapsulation dot1q
switchport trunk allowed VLAN 200-250
interface Fastethernet3/1.10
xconnect 10.0.0.1 3000 encapsulation mpls
次に、LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポート機能の例で、UNI として使用されるレイヤ 2 ポート チャネルを示します。
interface Port-channel100
switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed VLAN 100-200
interface Port-channel100.1
xconnect 10.0.0.30 100 encapsulation mpls
次に、LAN カードにおける 7600-MUX-UNI サポート機能の例で、Muxed UNI ポートのレイヤ 3 終端および VRF を示します。
interface Fastethernet3/1
switchport encapsulation dot1q
switchport trunk allowed VLAN 200-500
interface Fastethernet3/1.10
xconnect 10.0.0.1 3000 encapsulation mpls
ip ospf network broadcast