802.1Q トンネリングの機能概要
802.1Q トンネリングを使用すると、サービス プロバイダーは単一の VLAN を使用して、複数の VLAN を持つカスタマーをサポートできます。このときに、カスタマーの VLAN ID は保護され、各カスタマー VLAN のトラフィックは分離されます。
802.1Q トンネリングをサポートするように設定されたポートを、トンネル ポートといいます。トンネリングを設定する場合は、トンネル ポートをトンネリング専用 VLAN に割り当てます。これがトンネル VLAN になります。カスタマーのトラフィックを分離するには、カスタマーごとに個別のトンネル VLAN が 1 つ必要ですが、1 つのトンネル VLAN でカスタマーの VLAN をすべてサポートできます。
802.1Q トンネリングは、ポイントツーポイント トンネル設定に制限されません。トンネル VLAN のすべてのトンネル ポートが、トンネルの入口ポイントおよび出口ポイントになります。802.1Q トンネルには、カスタマー ルータへの接続に必要となる数のトンネル ポートをいくつでも含めることができます。
カスタマー ルータはトランク接続されますが、802.1Q トンネリングを使用した場合は、サービス プロバイダー ルータが、すべてのカスタマー VLAN を直接伝送する代わりに、1 つのサービス プロバイダー VLAN を使用してすべてのカスタマー VLAN を伝送します。
802.1Q トンネリングを使用すると、タグ付きカスタマー トラフィックはカスタマー デバイス上の 802.1Q トランク ポートから着信し、トンネル ポートを経由してサービス プロバイダー エッジ ルータに着信します。カスタマー デバイス上の 802.1Q トランク ポートとトンネル ポート間のリンクは、非対称リンクといいます。これは、一端が 802.1Q トランク ポートとして設定され、もう一端がトンネル ポートとして設定されているからです。カスタマーごとに一意のアクセス VLAN ID に、トンネル ポートを割り当てます。図 17-1および図 17-2を参照してください。
図 17-1 サービス プロバイダー ネットワークにおける IEEE 802.1Q トンネル ポート
図 17-2 タグなし、802.1Q タグ付き、および二重タグ付きイーサネット フレーム
802.1Q トランク ポートから送信されたタグ付きカスタマー トラフィックを受信したトンネル ポートは、受信した 802.1Q タグをフレーム ヘッダーから削除しません。802.1Q タグを変更しないでそのまま残し、2 バイトの Ethertype フィールド(0x8100)を追加し、そのあとにプライオリティ(CoS)および VLAN を格納する 2 バイトのフィールドを追加します。受信したカスタマー トラフィックは、トンネル ポートが割り当てられた VLAN に送信されます。この Ethertype 0x8100 トラフィック(受信した 802.1Q タグが変更されないトラフィック)は、トンネル トラフィックと呼ばれます。
トンネル トラフィックを伝送する VLAN は 802.1Q トンネルです。VLAN 内のトンネル ポートが、トンネルの入口および出口ポイントになります。
トンネル ポートは異なるネットワーク デバイス上に設定することもできます。トンネルは他のネットワーク リンクおよび他のネットワーク デバイスを通過して、出口トンネル ポートに到着します。トンネルを介しての通信が必要なカスタマー デバイスに対応するために、トンネルにはトンネル ポートを必要なだけ設定できます。
出口のトンネル ポートは、2 バイトの Ethertype フィールド(0x8100)と 2 バイトの length フィールドを取り除き、802.1Q タグは付けたまま、カスタマー デバイス上の 802.1Q トランク ポートにトラフィックを送ります。カスタマー デバイス上の 802.1Q トランク ポートは 802.1Q タグを削除して、トラフィックを適切なカスタマー VLAN に送ります。
(注) トンネル トラフィックは、2 番めの 802.1Q タグがサービス プロバイダー ネットワーク デバイス間のトランク リンク上にある場合だけ、そのタグを伝送します。この場合、外部タグはサービス プロバイダーが割り当てた VLAN ID を含み、内部タグはカスタマーが割り当てた VLAN ID を含みます。
802.1Q トンネリングの設定時の注意事項および制約事項
802.1Q トンネリングをネットワークで設定するときは、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• トラフィックをトンネルに送ったり、トンネルからトラフィックを削除したりする場合は、非対称リンクを使用します。
• 非対称リンクだけを形成するようにトンネル ポートを設定します。
• トンネルごとに専用の VLAN を 1 つずつ設定します。
• トンネリングに使用する VLAN にはトンネル ポートだけを割り当てます。
• トンネル VLAN を伝送するようにトランクを特別に設定する必要はありません。
• トンネル ポートはトランクではありません。ポートがトンネル ポートとして設定されている間は、トランキングを設定するコマンドはいずれも非アクティブです。
• トンネル ポートはカスタマー MAC アドレスを学習します。
• トンネル ポートが設定されていないデバイス間でトンネル トラフィックを伝送する場合は、ISL トランクを使用することを推奨します。802.1Q トランクには 802.1Q ネイティブ VLAN 機能が備わっているため、802.1Q トランクにトンネリングを設定する場合は注意してください。設定ミスによって、トンネル トラフィックが非トンネル ポートに送信されることがあります。
• 非対称リンク内の 802.1Q トランク ポートのネイティブ VLAN がトラフィックを伝送しないことを確認します。ネイティブ VLAN 内のトラフィックにはタグがないため、正しくトンネリングできません。また、グローバルな vlan dot1q tag native コマンドを入力して、ネイティブ VLAN 出力トラフィックにタグを付けたり、タグなしのネイティブ VLAN 入力トラフィックを廃棄することもできます。
• トンネル ポートでジャンボ フレームのサポートを次のように設定してください。
– を参照してください。
– 「ジャンボ フレーム サポートの設定」で指定されている、ジャンボ フレームをサポートしないモジュールをメモします。
• ジャンボ フレーム長と 802.1Q タグの合計が最大フレーム サイズを超えない限り、ジャンボ フレームをトンネリングすることができます。
• トンネル トラフィックには Ethertype フィールドと Length フィールドがあり、ルータ内に 802.1Q タグが保持されるため、次の制限が適用されます。
– レイヤ 2 フレームに格納されたレイヤ 3 パケットは、トンネル トラフィックでは識別できません。
– レイヤ 3 以上のパラメータは、トンネル トラフィックでは識別できません(レイヤ 3 宛先や送信元アドレスなど)。
– パケット内ではレイヤ 3 アドレスを識別できないため、トンネル トラフィックはルーティングできません。
– ルータは、トンネル トラフィックに対して MAC レイヤ フィルタリングだけを提供できます(VLAN ID、および送信元や宛先の MAC アドレス)。
– ルータはトンネル トラフィックに対して MAC レイヤ アクセス コントロールおよび QoS だけを提供できます。
– QoS は、802.1Q の 2 バイトの Tag Control Information フィールドに格納されて受信された CoS 値を検出できません。
• 非対称リンク上で、トンネル ポートの VLAN が 802.1Q トランクのネイティブ VLAN と一致しない場合、Cisco Discovery Protocol(CDP)はネイティブ VLAN の不一致をレポートします。802.1Q トンネル機能を使用する場合、VLAN が一致する必要はありません。VLAN が一致する必要のない設定の場合は、メッセージを無視してください。
• 非対称リンクでは、リンク上にトランク ポートが 1 つしかないため、ダイナミック トランキング プロトコル(DTP)はサポートされていません。無条件でトランクになるように、非対称リンクの 802.1Q トランク ポートを設定します。
• 802.1Q トンネリング機能は、プライベート VLAN をサポートするように設定されたポートには設定できません。
• 次のレイヤ 2 プロトコルは、非対称リンクで接続されたデバイス間で機能します。
– CDP
– 単一方向リンク検出(UDLD)
– ポート集約プロトコル(PAgP)
– リンク集約制御プロトコル(LACP)
• PortFast BPDU フィルタリングは、トンネル ポートで自動的にイネーブルになります。
• CDP は、トンネル ポートで自動的にディセーブルになります。
• VLAN トランキング プロトコル(VTP)は、次のデバイス間で機能しません。
– 非対称リンクで接続されたデバイス
– トンネルを介して通信するデバイス
(注) レイヤ 2 プロトコル トンネリングがイネーブルの場合、VTP はトンネリングされたデバイス間で機能します。設定の詳細についてはを参照してください。
• EtherChannel を非対称リンクとして設定するには、EtherChannel 内のすべてのポートを同じトンネリング設定にする必要があります。レイヤ 2 フレーム内のレイヤ 3 パケットは識別できないため、MAC アドレスベースのフレーム配信を使用するように、EtherChannel を設定する必要があります。
レイヤ 2 プロトコル トンネリングを設定する場合は、次に示す設定時の注意事項に 必ず 従ってください。
• サービス プロバイダーのすべてのエッジ ルータでは、次のように、802.1Q トンネル ポート上で PortFast BPDU フィルタリングをイネーブルにする必要があります。
Router(config-if)# spanning-tree bpdufilter enable
Router(config-if)# spanning-tree portfast
(注) PortFast BPDU フィルタリングは、トンネル ポートで自動的にイネーブルになります。
• ネイティブ VLAN タギングに対して、1 つまたは複数の VLAN を使用可能にする必要があります( vlan dot1q tag native オプション)。使用可能なすべての VLAN を使用している場合に、 vlan dot1q tag native オプションをイネーブルにしようとしても、イネーブルになりません。
• サービス プロバイダーのすべてのコア ルータで、ネイティブ VLAN 出力トラフィックにタグを付け、タグなしネイティブ VLAN 入力トラフィックをドロップするには、次のコマンドを入力します。
Router(config)# vlan dot1q tag native
• すべてのカスタマー ルータで、グローバルな vlan dot1q tag native オプションをイネーブルまたはディセーブルの いずれか一方 にします。
(注) このオプションがあるルータではイネーブル、別のルータではディセーブルになっていると、すべてのトラフィックがドロップされます。すべてのカスタマー ルータでは、各ルータのこのオプションは同じ設定になっていなければなりません。
レイヤ 2 プロトコル トンネリングを設定する場合は、 必要に応じて 、次に示す設定時の注意事項に従ってください。
• すべての BPDU がドロップされているため、次のように、レイヤ 2 プロトコル トンネル ポート上でスパニングツリー PortFast をイネーブルにすることができます。
Router(config-if)# spanning-tree portfast trunk
• カスタマーがサービス プロバイダー側のルータを認識できないようにするには、次のように 802.1Q トンネル ポート上で CDP をディセーブルにする必要があります。
Router(config-if)# no cdp enable
802.1Q トンネリングの設定
ここでは、802.1Q トンネリングの設定について説明します。
• 「802.1Q トンネル ポートの設定」
• 「ネイティブ VLAN トラフィックにタグを付けるためのルータ設定」
注意 トンネリングに使用するすべての VLAN 内に適切なトンネル ポートだけがあり、トンネルごとに VLAN が 1 つずつ使用されていることを確認します。VLAN へのトンネル ポートの割り当てが誤っていると、トラフィックが正しく転送されません。
802.1Q トンネル ポートの設定
特定のポート上で 802.1Q トンネリングを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# interface type slot/port |
設定する LAN ポートを選択します。 |
ステップ 2 |
Router(config-if)# switchport |
LAN ポートをレイヤ 2 スイッチング用に設定します。 • LAN ポートをレイヤ 2 インターフェイスとして設定するには、キーワードを指定せずに switchport コマンドを 1 度入力する必要があります。そのあとで、キーワードとともにさらに switchport コマンドを入力してください。 • インターフェイスに対して switchport コマンドを一度も入力していない場合にかぎり、必須です。 |
ステップ 3 |
Router(config-if)# switchport mode dot1q-tunnel |
レイヤ 2 ポートをトンネル ポートとして設定します。 |
Router(config-if)# no switchport mode dot1q-tunnel |
トンネル ポートの設定を消去します。 |
ステップ 4 |
Router(config-if)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 5 |
Router# show dot1q-tunnel [{interface type interface-number}] |
設定を確認します。 |
次に、ポート 4/1 にトンネリングを設定して、その設定を確認する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# interface fastethernet 4/1
Router(config-if)# switchport mode dot1q-tunnel
Router# show dot1q-tunnel interface
ネイティブ VLAN トラフィックにタグを付けるためのルータ設定
vlan dot1q tag native コマンドは、ネイティブ VLAN トラフィックにタグを付けて、802.1Q トランク上で 802.1Q タグ付きフレームだけを許可するようにルータを設定するグローバル コマンドです。ネイティブ VLAN 内のタグなしトラフィックを含めて、タグなしフレームはすべてドロップされます。
(注) Release 15.1(2)S 以降では、ネイティブ VLAN タギングを vlan dot1q tag native コマンドを使用してグローバルにイネーブルにするか、または switchport trunk native vlan コマンドを使用してポートでローカルにイネーブルにすると、UDLD パケットが L2 ポートから VLAN 1 で送信されます。
ネイティブ VLAN 内のトラフィックにタグを付けるようにルータを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# vlan dot1q tag native |
ネイティブ VLAN トラフィックにタグを付けるように、ルータを設定します。 |
Router(config)# no vlan dot1q tag native |
設定を消去します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 3 |
Router# show vlan dot1q tag native |
設定を確認します。 |
次に、ネイティブ VLAN トラフィックにタグを付けるようにルータを設定し、設定を確認する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# vlan dot1q tag native
Router# show vlan dot1q tag native
IEEE 802.1ab LLDP
ここでは、IEEE 802.1ab Link Layer Discovery Protocol(LLDP; リンク層検出プロトコル)機能について説明します。
• 「LLDP の概要」
• 「制限事項」
• 「デフォルトの LLDP 設定」
• 「Cisco 7600 シリーズ ルータでの LLDP の設定」
• 「トラブルシューティングのヒント」
LLDP の概要
Cisco Discovery Protocol(CDP)は、すべてのシスコ デバイス(ルータ、ブリッジ、アクセス サーバ、およびスイッチ)のレイヤ 2 デバイス検出プロトコル(データ リンク レイヤ)です。CDP により、ネットワーク管理アプリケーションは、ネットワークに接続している他のシスコ デバイスを自動的に検出できます。
CDP コマンドの詳細については、次の URL にある『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/12_1/configfun/command/reference/frd3001b.html
CDP は、ほとんどの場合、トポロジ ディスカバリに使用されます。非シスコ デバイスは、CDP を使用してシスコ デバイスと対話できません。非シスコ デバイスをサポートし、他のデバイスとの相互運用性を確保するために、IEEE 802.1AB LLDP が使用されます。
次に、一部の LLDP 機能を示します。
• このプロトコルは、2 つのシステム(別のネットワーク レイヤ プロトコルを実行)が互いに学習することを可能にします。
• LLDP は 802 LAN ステーションにおけるプロトコル スタックの省略可能な要素です。
• LLDP では、Logical Link Control(LLC; 論理リンク制御)サービスを使用して、他の LLDP エージェントとの間で情報を送受信します。LLC は、LLDP へのアクセス用に Link Service Access Point(LSAP; リンク サービス アクセス ポイント)を提供します。各 LLDP フレームは、単一の MAC サービス要求として送信されます。各着信 LLDP フレームは、LLC エンティティにより、MAC Service Access Point(MSAP; MAC サービス アクセス ポイント)で MAC サービス表示として受信されます。
図 17-3 に、ネットワークで動作する LLDP のハイレベルなビューを示します。
図 17-3 LLDP のブロック図
LLDP プロトコルは、LLDP エージェントを介して動作します。LLDP エージェントのタスクは次のとおりです。
• LLDP ローカル システム MIB から情報を収集して、その情報を定期的に送信する。
• ネイバーから LLDP フレームを受信して、LLDP リモート デバイス MIB およびその他のオプション MIB を読み込む。
LLDP は、ネイバー デバイスの検出に使用される属性セットをサポートします。これらの属性は、デバイスのタイプ、長さ、および値の記述であり、Type Length Value(TLV)とも呼ばれます。LLDP でサポートされるデバイスは、ネイバーとの情報の送受信に TLV を使用します。設定情報、デバイスの機能、デバイス ID などの詳細情報も、このプロトコルを使用してアドバタイズされます。
必須の LLDP TLV は次のとおりです。
• ポート記述
• システム名
• システム記述
• システム機能
• 管理アドレス
制限事項
LLDP には、次の制約事項が適用されます。
• 所定のエンド ネットワーク デバイスで使用できるメモリによって、記録されるネイバー エントリの数が決定します。ただし、ほとんどの動作状況下では、プリンタ、IP 電話、ワークステーションなどのエンド デバイスは通常、受信モードのみで動作します。
• エンティティ MIB からのオブジェクトが、送信者 ID を作成するためなどで LLDP ブロードキャストに使用される場合、LLDP が正常に機能するには、それらの MIB が使用可能である必要があります。
デフォルトの LLDP 設定
表 17-1 に、デフォルトの LLDP 設定を示します。
表 17-1 デフォルトの LLDP 設定
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LLDP グローバル ステート |
ディセーブル |
LLDP ホールドタイム(廃棄までの時間) |
120 秒 |
LLDP タイマー(パケット更新頻度) |
30 秒 |
LLDP 再初期化遅延 |
2 秒 |
LLDP tlv-select |
すべての TLV の送受信をイネーブルに |
LLDP インターフェイス ステート |
イネーブル |
LLDP 受信 |
イネーブル |
LLDP 転送 |
イネーブル |
LLDP の設定
LLDP を設定するには、次の手順を実行します。
手順の概要
ステップ 1 enable
ステップ 2 configure terminal
ステップ 3 lldp { run | holdtime seconds | reinit | timer rate| tlv-select }
ステップ 4 end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lldp run
Router(config)# lldp run または lldp holdtime seconds
Router(config)# lldp holdtime 100 または lldp reinit
Router(config)# lldp reinit 2 または lldp timer rate
Router(config)# lldp timer 75 または lldp tlv-select
Router(config-if)# lldp tlv-select system-description |
ルータのすべてのインターフェイス上で LLDP をグローバルにイネーブルにします。 |
保持時間を指定します。値の範囲は、0 ~ 65535 秒です。デフォルト値は 120 秒です。 |
任意のインターフェイス上で LLDP を初期化する際の遅延時間を秒単位で指定します。 値の範囲は、2 ~ 5 秒です。デフォルト値は 2 秒です。 |
LLDP パケットが送信されるレートを指定します。値の範囲は、5 ~ 65534 秒です。デフォルト値は 30 秒です。 |
サポートされるインターフェイスで特定の LLDP TLV をイネーブルにします。 • management-address :管理アドレス TLV を指定します。 • port-description :ポート記述 TLV を指定します。 • system-capabilities :システム機能 TLV を指定します。 • system-description :システム記述 TLV を指定します • system-name :システム名 TLV を指定します。 |
ステップ 4 |
end
Router(config-if)# end |
CLI を特権 EXEC モードに戻します。 |
設定例
これは、LLDP をグローバルにイネーブルにする例です。
Router# configure terminal
次に、LLDP がイネーブルなデバイスに対して保持時間を定義する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# lldp holdtime 100
次に、LLDP が初期化する際の遅延時間を秒単位で指定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# lldp reinit 2
Router(config)# end
次に、Cisco IOS ソフトウェアが LLDP アップデートを隣接デバイスに送信する間隔を指定する例を示します。
Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# lldp timer 75
次に、LLDP TLV をサポートされているインターフェイスでイネーブルにする例を示します。
Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# interface ethernet 0/1
Router(config-if)# lldp tlv-select system-description
LLDP のモニタリングと維持
LLDP のモニタリングと維持を行うには、次の手順を実行します。
手順の概要
ステップ 1 enable
ステップ 2 show lldp [ entry { * | word } | errors | interface [ ethernet number ] | neighbors [ ethernet number | detail ] | traffic ]
ステップ 3 clear lldp { counters | table }
ステップ 4 end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
show lldp [ entry { * | word } | errors | interface [ ethernet number ] | neighbors [ ethernet number | detail ] | traffic ]
Router# show lldp entry * |
LLDP 情報を表示します。 • entry :特定のネイバー エントリに関する情報を指定します。 • error :LLDP 計算エラーおよびオーバーフローを指定します • interface :LLDP インターフェイスのステータスおよび設定を指定します • neighbors :LLDP ネイバー エントリを指定します • traffic :LLDP 統計情報を指定します。 • | :出力修飾子を指定します コマンドを使用し、デバイス ID が 20 文字を超える場合、ID は表示制限によりコマンド出力で 20 文字に切り詰められます。 |
ステップ 3 |
clear lldp {counters | table}
Router# clear lldp counters |
LLDP トラフィック カウンタおよびテーブルをゼロにリセットします。 |
ステップ 4 |
end
Router# end |
CLI をユーザ EXEC モードに戻します。 |
設定例
次に、LLDP のモニタリングと維持を行う例を示します。
Router# show lldp entry *
Router# clear lldp counters
設定の確認
ここでは、Cisco 7600 シリーズ ルータ上の LLDP の設定を確認するためのコマンドを示します。
entry Information for specific neighbor entry
errors LLDP computational errors and overflows
interface LLDP interface status and configuration
neighbors LLDP neighbor entries
Router# show lldp entry *
(R) Router, (B) Bridge, (T) Telephone, (C) DOCSIS Cable Device
(W) WLAN Access Point, (P) Repeater, (S) Station, (O) Other
------------------------------------------------
Chassis id: 001b.0de4.9040
Port Description: TenGigabitEthernet5/4
Cisco IOS Software, rsp72043_rp Software (rsp72043_rp-ADVENTERPRISEK9_DBG-M), Experimental Version 15.1(20101020:182513) [mcp_dev-kalnaray-lldp-mcp-lds 202]
Copyright (c) 1986-2010 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Sun 24-Oct-10 23:59 by kalnaray
Time remaining: 113 seconds
Auto Negotiation - not supported
Physical media capabilities - not advertised
Media Attachment Unit type - not advertised
Vlan ID: - not advertised
Total entries displayed: 1
Total memory allocation failures: 0
Total encapsulation failures: 0
Total input queue overflows: 0
Router# show lldp interface
Router# show lldp neighbors
(R) Router, (B) Bridge, (T) Telephone, (C) DOCSIS Cable Device
(W) WLAN Access Point, (P) Repeater, (S) Station, (O) Other
Device ID Local Intf Hold-time Capability Port ID
Total entries displayed: 1
Router# show lldp traffic
Total frames received in error: 0
Total frames discarded: 0
Total TLVs unrecognized: 0
counters Clear LLDP counters
LLDP advertisements are sent every 30 seconds
LLDP hold time advertised is 120 seconds
LLDP interface reinitialisation delay is 2 seconds
トラブルシューティングのヒント
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LLDP エラーに関するデバッグ情報を収集するには、どうしたらよいか。 |
debug lldp errors コマンドを使用します。次に、出力例を示します。
Router#
debug lldp errors
LLDP errors debugging is on
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LLDP で発生するすべてのイベントの詳細を収集するには、どうしたらよいか。 |
debug lldp events コマンドを使用します。次に、出力例を示します。
Router#
debug lldp events
LLDP events debugging is on
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LLDP のパケット関連のデバッグ情報を収集するには、どうしたらよいか。 |
debug lldp packet コマンドを使用します。次に、出力例を示します。
Router#
debug lldp packet
LLDP packet info debugging is on |
スイッチオーバーがあったときに、状態の変化に関するデバッグ情報を収集するには、どうしたらよいか。 |
debug lldp state コマンドを使用します。次に、出力例を示します。
LLDP state debugging is on |
LLDP 設定のデバッグ コマンドを確認するには、どうしたらよいか。 |
show debugging コマンドを使用します。次に、出力例を示します。
LLDP packet info debugging is on
LLDP events debugging is on
LLDP errors debugging is on
LLDP states debugging is on
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