Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピング

サブネットとセキュリティ グループ タグ(SGT)のマッピングは、指定したサブネット内のすべてのホスト アドレスに SGT をバインドします。このマッピングが実行されると、Cisco TrustSec により、指定のサブネットに属する送信元 IP アドレスを持つ任意の着信パケットに SGT が課せられます。

Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピングの制約事項

  • /31 プレフィックスの IPv4 サブ ネットワークを拡張できません。

  • サブネットホストアドレスは、cts sxp mapping network-map コマンドの bindings 引数が、指定されたサブネット内のサブネットホストの合計数より小さいか、バインド数が 0 の場合、SGT にバインドできません。

  • SXP スピーカーおよびリスナーが SXPv3 以降のバージョンを実行している場合のみ、IPv6 拡張および伝播が実行されます。

Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピングに関する情報

IPv4 ネットワークでは、SXPv3 以降のバージョンは SXPv3 ピアからサブネットの network address/prefix ストリングを受信し、解析できます。SXP の以前のバージョンでは、SXP リスナー ピアにエクスポートする前に、サブネットのプレフィックスをホスト バインドのセットに変換します。

たとえば、IPv4 サブネット 198.1.1.0 /29 は次のように拡張されます(ホスト アドレスの 3 ビットのみ)。
  • ホスト アドレス 198.1.1.1 から 198.1.1.7 はタグ付けされて SXP ピアに伝播します。

  • ネットワーク、およびブロードキャスト アドレス 198.1.1.0 および 198.1.1.8 は、タグ付けされず、伝播しません。


Note


SXPv3 がエクスポートできるサブネットバインドの数を制限するには、cts sxp mapping network-map グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。


サブネット バインディングは静的です。つまり、アクティブなホストは学習されません。これらは SGT インポジションおよび SGACL の適用にローカルで使用できます。サブネットと SGT のマッピングによってタグ付けされたパケットは、レイヤ 2 またはレイヤ 3 TrustSec リンクに伝播できます。

Note


IPv6 ネットワークの場合、SXPv3 は SXPv2 または SXPv1 ピアにサブネット バインディングをエクスポートできません。


Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピングの設定方法

サブネットと SGT のマッピングの設定

SUMMARY STEPS

  1. enable
  2. configure terminal
  3. cts sxp mapping network-map bindings
  4. cts role-based sgt-map ipv4-address sgt number
  5. cts role-based sgt-map ipv6-address::prefix sgt number
  6. exit
  7. show running-config | include search-string
  8. show cts sxp connections
  9. show cts sxp sgt-map
  10. copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

enable

Example:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

Step 2

configure terminal

Example:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

cts sxp mapping network-map bindings

Example:

Device(config)# cts sxp mapping network-map 10000

サブネットと SGT のマッピングのホスト数の制限を設定します。bindings 引数は、SGT にバインドされ、SXP リスナーにエクスポートできる、0 ~ 65,535 のサブネット IP ホストの最大数を指定します。デフォルトは 0(実行される拡張なし)です。

Step 4

cts role-based sgt-map ipv4-address sgt number

Example:

Device(config)# cts role-based sgt-map 10.10.10.10/29 sgt 1234

(IPv4)CIDR 表記で IPv4 サブネットを指定します。

手順 3 で指定するバインディングの数は、サブネット上のホスト アドレスの数以上である必要があります(ネットワーク、およびブロードキャスト アドレスを除く)。sgt number キーワードペアでは、指定したサブネットの各ホストアドレスにバインドする SGT 番号を指定します。

  • ipv4-address :ドット付き 10 進表記で IPv4 ネットワーク アドレスを指定します。

  • prefix :(0 ~ 30)。ネットワーク アドレス内のビット数を指定します。

  • sgt number :(0 ~ 65,535)。SGT 番号を指定します。

Step 5

cts role-based sgt-map ipv6-address::prefix sgt number

Example:

Device(config)# cts role-based sgt-map 2020::/64 sgt 1234

(IPv6)16 進数表記で IPv6 サブネットを指定します。

手順 3 で指定するバインディングの数は、サブネット上のホスト アドレスの数以上である必要があります(ネットワーク、およびブロードキャスト アドレスを除く)。sgt number キーワードペアでは、指定したサブネットの各ホストアドレスにバインドする SGT 番号を指定します。

  • ipv6-address :ドット付き 10 進表記で IPv4 ネットワーク アドレスを指定します。

  • prefix :(0 ~ 30)。ネットワーク アドレス内のビット数を指定します。

  • sgt number :(0 ~ 65,535)。SGT 番号を指定します。

Step 6

exit

Example:

Device(config)# exit

グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 7

show running-config | include search-string

Example:

Device# show running-config | include sgt 1234
Device# show running-config | include network-map

cts role-based sgt-map コマンドと cts sxp mapping network-map コマンドが実行コンフィギュレーション内にあることを確認します。

Step 8

show cts sxp connections

Example:

Device# show cts sxp connections

SXP スピーカーとリスナーの接続と、動作ステータスを表示します。

Step 9

show cts sxp sgt-map

Example:

Device# show cts sxp sgt-map

SXP リスナーにエクスポートした IP と SGT のバインディングを表示します。

Step 10

copy running-config startup-config

Example:

Device# copy running-config startup-config

実行設定を、スタートアップ設定にコピーします。

Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピング:例

次の例は、SXPv3 を実行している 2 つのデバイス(Device 1 と Device 2)間の IPv4 サブネットと SGT のマッピングを設定する方法を示します。

Device 1(10.1.1.1)と Device 2(10.2.2.2)間の SXP スピーカー/リスナー ピアリングを設定します。

Device1# configure terminal
Device1(config)# cts sxp enable
Device1(config)# cts sxp default source-ip 10.1.1.1
Device1(config)# cts sxp default password 1syzygy1
Device1(config)# cts sxp connection peer 10.2.2.2 password default mode local speaker

Device 1 の SXP リスナーとして Device 2 を設定します。

Device2(config)# cts sxp enable
Device2(config)# cts sxp default source-ip 10.2.2.2
Device2(config)# cts sxp default password 1syzygy1
Device2(config)# cts sxp connection peer 10.1.1.1 password default mode local listener

Device 2 で、SXP 接続が動作していることを確認してください。

Device2# show cts sxp connections brief | include 10.1.1.1

     10.1.1.1          10.2.2.2          On                3:22:23:18 (dd:hr:mm:sec)

サブネットワークが Device 1 に拡張されるように設定します。

Device1(config)# cts sxp mapping network-map 10000
Device1(config)# cts role-based sgt-map 10.10.10.0/30 sgt 101
Device1(config)# cts role-based sgt-map 10.11.11.0/29 sgt 11111    
Device1(config)# cts role-based sgt-map 172.168.1.0/28 sgt 65000

Device 2 で、Device 1 からのサブネットと SGT の拡張を確認します。ここには、10.10.10.0/30 サブネットワーク用の拡張が 2 個、10.11.11.0/29 サブネットワーク用の拡張が 6 個、172.168.1.0/28 サブネットワーク用の拡張が 14 個存在する必要があります。

Device2# show cts sxp sgt-map brief | include 101|11111|65000

IPv4,SGT: <10.10.10.1 , 101>
IPv4,SGT: <10.10.10.2 , 101>
IPv4,SGT: <10.11.11.1 , 11111>
IPv4,SGT: <10.11.11.2 , 11111>
IPv4,SGT: <10.11.11.3 , 11111>
IPv4,SGT: <10.11.11.4 , 11111>
IPv4,SGT: <10.11.11.5 , 11111>
IPv4,SGT: <10.11.11.6 , 11111>
IPv4,SGT: <172.168.1.1 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.2 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.3 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.4 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.5 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.6 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.7 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.8 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.9 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.10 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.11 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.12 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.13 , 65000>
IPv4,SGT: <172.168.1.14 , 65000>

Device 1 の拡張数を確認します。

Device1# show cts sxp sgt-map

IP-SGT Mappings expanded:22
There are no IP-SGT Mappings

Device 1 と Device 2 の設定を保存して、グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。

Device1(config)# copy running-config startup-config
Device1(config)# exit

Device2(config)# copy running-config startup-config
Device2(config)# exit

その他の参考資料

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

セキュリティ コマンド

Cisco TrustSec と SXP の設定

『Cisco TrustSec スイッチ コンフィギュレーション ガイド』

IPsec の設定

『Configuring Security for VPNs with IPsec』

IKEv2 の設定

『Configuring Internet Key Exchange Version 2 (IKEv2) and FlexVPN Site-to-Site』

Cisco Secure Access Control Server

『Configuration Guide for the Cisco Secure ACS』

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Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピングの機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでもサポートされます。

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Table 1. Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピングの機能情報

機能名

リリース

機能情報

Cisco TrustSec サブネットと SGT のマッピング

サブネットとセキュリティ グループ タグ(SGT)のマッピングは、指定したサブネット内のすべてのホスト アドレスに SGT をバインドします。このマッピングが実行されると、Cisco TrustSec により、指定のサブネットに属する送信元 IP アドレスを持つ任意の着信パケットに SGT が課せられます。

次のコマンドが導入されました:cts sxp mapping network-map