IPsec トンネルを使用する DF ビット オーバーライド機能の前提条件
ルータで IPsec がイネーブルに設定されている必要があります。
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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
IPsec トンネル機能による DF ビット オーバライド機能では、トンネル モード IPsec トラフィックを、グローバル レベルまたは各インターフェイス レベルでカプセル化する際に、DF ビットを設定できます。したがって、ルータが DF ビットを消去するように設定されている場合、ルータは、元の DF のパケット設定に関係なく、パケットを断片化できます。
ルータで IPsec がイネーブルに設定されている必要があります。
各パケットがプロセス レベルで再アセンブルされるため、高いデータ レートでパフォーマンスに大きな影響が生じます。主な警告事項には、次の 2 つがあります。
再アセンブル キューが満杯になると、フラグメントが強制的に廃棄されることがあります。
プロセス スイッチングにより、トラフィックの速度は低下します。
複数のインターフェイスがローカル アドレス機能を使用して同じクリプト マップを共有する場合、これらのインターフェイスは同じ DF ビット設定を共有する必要があります。
この機能は IPsec トンネル モードだけで使用できます(IPsec トランスポート モードは、カプセル化 IP ヘッダーを提供しないので、影響を受けません)。
IPsec トンネル機能による DF ビット オーバライド機能により、ルータがカプセル化ヘッダーの Don't Fragment(DF)ビットをクリア、設定、またはコピーするかどうかを指定できます。DF ビットは IP ヘッダー内のビットで、このビットは、ルータがパケットを断片化することを許可されているかどうか判別します。
一部のユーザ設定のホストでは、次の機能を実行します。
送信されたパケットに DF ビットを設定する。
ファイアウォールを使用して、ファイアウォールの外部からくるインターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)エラーをブロックし、ホストがファイアウォールの外部から最大伝送単位(MTU)サイズを認識できないようにする。
IP セキュリティ(IPsec)を使用してパケットをカプセル化し、MTU サイズを縮小する。
使用可能な MTU サイズを認識できないようにホストが設定されている場合、DF ビットをクリアし、パケットを断片化するよう、ルータを設定できます。
Note |
この機能は、RFC 2401 に準拠して、グローバルに、またはインターフェイスごとに設定できます。両方のレベルを設定すると、インターフェイス コンフィギュレーションにより、グローバル コンフィギュレーションが上書きされます。 |
トンネル モードで DF ビットをカプセル化ヘッダーに設定するには、次の手順を実行します。
Command or Action | Purpose | |||
---|---|---|---|---|
Step 1 |
enable Example:
|
特権 EXEC モードを有効にします。
|
||
Step 2 |
configure terminal Example:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
Step 3 |
crypto ipsec df-bit [clear | set | copy ] Example:
|
すべてのインターフェイスのトンネル モードで DF ビットをカプセル化ヘッダーに設定します。 指定されたインターフェイスに DF ビットを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで crypto ipsec df-bit コマンドを使用します。
|
ルータ上の現在の DF ビット設定を確認するには、 show running-config コマンドを EXEC モードで使用します。
次の例では、DF ビットの設定をグローバルに消去し、DF ビットを FastEthernet というインターフェイスにコピーするようにルータが設定されています。したがって、FastEthernet 以外のすべてのインターフェイスでは、ルータは使用可能な MTU サイズより大きいパケットを送信でき、FastEthernet では、ルータはパケットをフラグメント化できます。
crypto isakmp policy 1
hash md5
authentication pre-share
crypto isakmp key Delaware address 192.168.10.66
crypto isakmp key Key-What-Key address 192.168.11.19
!
!
crypto ipsec transform-set exampleset ah-md5-hmac esp-des
crypto ipsec df-bit clear
!
!
crypto map armadillo 1 ipsec-isakmp
set peer 192.168.10.66
set transform-set exampleset
match address 101
!
crypto map basilisk 1 ipsec-isakmp
set peer 192.168.11.19
set transform-set exampleset
match address 102
!
!
interface FastEthernet
ip address 192.168.10.38 255.255.255.0
ip broadcast-address 0.0.0.0
media-type 10BaseT
crypto map armadillo
crypto ipsec df-bit copy
!
interface FastEthernet1
ip address 192.168.11.75 255.255.255.0
ip broadcast-address 0.0.0.0
media-type 10BaseT
crypto map basilisk
!
interface Serial0
no ip address
ip broadcast-address 0.0.0.0
no ip route-cache
no ip mroute-cache
次のセクションには、IPsec トンネル機能による DF ビット オーバライド機能の関連資料が記載されています。
関連項目 |
マニュアル タイトル |
---|---|
インターネット キー エクスチェンジ ネットワークと IPsec ネットワーク |
「Configuring Internet Key Exchange for IPsec VPNs」 |
IPSec ネットワークのコマンド |
『Cisco IOS セキュリティ コマンド リファレンス』 |
標準 |
タイトル |
---|---|
この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。 |
-- |
MIB |
MIB のリンク |
---|---|
この機能がサポートする新しい MIB または変更された MIB はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。 |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE リリース、およびフィーチャ セットの MIB を検索してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
RFC |
タイトル |
---|---|
この機能がサポートする新しい RFC または変更された RFC はありません。また、この機能は既存の規格に対するサポートに影響を及ぼしません。 |
-- |
説明 |
リンク |
---|---|
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次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェアリリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでもサポートされます。
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機能名 |
リリース |
機能情報 |
---|---|---|
IPsec トンネルを使用する DF ビット オーバーライド機能 |
Cisco IOS XE Release 2.1 |
この機能により、ルータがカプセル化ヘッダーから Don't Fragment(DF)ビットを消去、設定、またはコピーするかどうかを指定できます。DF ビットは IP ヘッダー内のビットで、このビットは、ルータがパケットを断片化することを許可されているかどうか判別します。 次のコマンドが導入または変更されました。crypto ipsec df-bit 。 |