Session Initiation Protocol(SIP)トランクは、サービス プロバイダーへの IP PBX の直接接続で、SIP を使用して IP ネットワークを経由します。SIP トランクでは、多数の同時コールを実現できます。コール
セットアップ プロセスの間に、すべてのコールはコール確立のために同じ制御チャネルを使用します。複数のコールが、コール セットアップ用に同じ制御チャネルを使用します。同じ制御チャネルが複数のコールで使用されると、制御チャネル セッションに保存されたステートフル情報の信頼性が低くなります。SIP
ステートフル情報は、メディア データを送信するクライアントおよびサーバ エンドポイントで使用される IP アドレスやポート番号などのメディア チャネル情報で構成されています。メディア チャネル情報は、ファイアウォールおよび NAT に対して、それぞれのデータ
チャネルのファイアウォール ピンホールとネットワーク アドレス変換(NAT)ドアを作成するために使用されます。複数のコールがコール セットアップ用に同じ制御チャネルを使用するため、メディア データの複数のセットが存在します。
SIP トランクでは、複数のコールが同じファイアウォールおよび NAT セッションを共有します。NAT およびファイアウォールは、SIP パケットの 5 つのタプル(送信元アドレス、宛先アドレス、発信元ポート、宛先ポート、およびプロトコル)を使用して、SIP
セッションを識別および管理します。5 つのタプルを使用してコールを識別および照合する従来の方法は、SIP トランキングを完全にはサポートしないため、レイヤ 7 データのメモリ リークやコール照合の問題が発生することがよくあります。
他のアプリケーション レベル ゲートウェイ(ALG)とは対照的に、SIP ALG はローカル データベースを使用して、通常の SIP コールおよび SIP トランクに埋め込まれた SIP コールに含まれるすべてのメディア関連の情報を保存することで、SIP
レイヤ 7 データを管理します。SIP ALG は、SIP メッセージに含まれるコール ID ヘッダー フィールドを使用してローカル データベース内で一致するコールを検索し、コールを管理および終了します。コール ID ヘッダー フィールドは、同じ
SIP ダイアログに属するメッセージを識別するダイアログ識別子です。
SIP ALG は、コール ID を使用してローカル データベース内を検索し、メモリ リソースを管理します。SIP ALG がデータベースからレイヤ 7 データ レコードを解放できない特定の状況で、リソースの管理と解放にセッション タイマーが使用され、データベース内に停止したコール
レコードが存在しないようにします。
Note
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すべてのレイヤ 7 データはローカル データベースを使用した SIP ALG により管理されるので、SIP ALG は SIP レイヤ 7 データを解放するためにファイアウォールおよび NAT に応答しません。SIP ALG はデータを自ら解放します。clear コマンドを使用して、すべての NAT 変換およびファイアウォールセッションをクリアした場合、ローカルデータベース内の SIP レイヤ 7 データは解放されません。
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