ISDN PRI または個別線信号方式(CAS)による AAA 事前認証を設定すると、サービス プロバイダーは、既存の RADIUS ソリューションを使用するポートの管理性を改善し、共有リソースの使用を効率的に管理して、各種のサービスレベル契約を提供できるようになります。ISDN
PRI または CAS によって、着信コールに関する情報をネットワーク アクセス サーバー(NAS)で使用してから、コールを接続できます。使用できるコール情報は次のとおりです。
AAA 事前認証の機能を使用すると、Cisco NAS で、DNIS 番号、CLID 番号、またはコール タイプに基づいて着信コールを接続するかどうかを決定することができます。(ISDN PRI を使用する場合、ユーザーの認証と認可を行ってから、コールに応答できます。CAS
を使用する場合、コールに応答する必要はありますが、事前認証に失敗した場合、コールをドロップできます)。
パブリック ネットワーク スイッチからコールを着信し、まだ接続前の場合、AAA 事前認証によって、NAS から DNIS 番号、CLID 番号、およびコール タイプを RADIUS サーバーに送信し、認可を受けることができます。サーバーがコールを認可すると、NAS
はコールを許可します。サーバーがコールを認可しない場合、NAS からパブリック ネットワーク スイッチに接続解除メッセージが送信され、コールが拒否されます。
RADIUS サーバー アプリケーションが使用不能になった場合、または応答が遅くなった場合、NAS でガード タイマーを設定できます。タイマーが期限切れになると、NAS は設定可能なパラメータを使用して、認可されなかった着信コールを許可または拒否します。
AAA 事前認証の機能では、事前認証の動作を指定するために、RADIUS サーバー アプリケーションによる属性 44 の使用、および RADIUS 事前認証プロファイルに設定されている RADIUS 属性の使用がサポートされています。また、これらの属性は、たとえば、以降の認証を実行するかどうか、また実行する場合、どの認証方式を使用するかを指定するためにも使用できます。
ISDN PRI および CAS による AAA 事前認証には、次の制約事項が適用されます。
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属性 44 は、事前認証またはリソース プーリングをイネーブルにした CAS コールにだけ使用できます。
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マルチシャーシ マルチリンク PPP(MMP)は、ISDN PRI では使用できません。
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AAA 事前認証は、一部のハードウェア プラットフォームでのみ使用できます。
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ISDN PRI は、一部のハードウェア プラットフォームでのみサポートされています。